2024年12月25日水曜日

WebVANDA管理人選★2024年のベストソング

 
 今年もWebVANDA管理人が選ぶ年間ベストソングを発表したい。幣サイト母体のVANDA誌の趣向とは異なるカテゴリーの楽曲も一部選出しているが、分け隔てなく音楽の多様性を許容することが管理人の信条であるのでどうか理解して読んで頂きたい。なお今年はリリース元が日本国内の海外ミュージシャンのアルバムも含んでいる。
 選出した楽曲は今年2024年にリリースされ、弊サイトで取り上げた作品を中心に最もリピートした収録曲であり、アルバムを象徴する曲である。
 今回もインディーズ・レーベルからリリースされたミュージシャンの作品が多いが、そんな彼らを後押して応援する意味で今後も続けていきたいと思う。毎年の繰り返しであるが、この記事で改めて知った各アルバムは、これからでも遅くないでリンク先から是非入手して聴いて欲しい。
 選出趣旨からコンピレーション、セルフカバーを除く他者のカバー作品は除外とした。 
 昨年同様、順位不同のリリース順で紹介する。

  ※サブスクに登録されたベストソング・プレイリスト



☆午前0時2分 / 秘密のミーニーズ
(『Our new town』収録・レビュー記事はクリック
 “令和のはちみつぱい”と称される西海岸フォーク・ロック・バンドの“秘密のミーニーズ”の3年半ぶりとなるフルアルバムから。ニュー・ソウル系の跳ねる3連リズムが心地良く、リズム隊の安定したコンビネーションが聴ける。比較的ストレートと思われるこの曲も一筋縄ではいかず、最終サビ以降の後半パートでは、スティーリー・ダンの「King Of The World」を彷彿とさせるジャズ・ロック的インター・プレイに転回していく。 


☆金木犀の部屋 / 小林しの 
(『The Wind Carries Scents Of Flowers』収録・レビュー記事はクリック 
2000年デビューのギターポップ・バンド出身の女性シンガー・ソングライター、8年振りのアルバムから。現代のフォークロック・サウンドで、素朴な歌詞の世界にもマッチしている。ギター・アルペジのフレーズからアレンジのアイディアを広げており、マルチプレイヤーであるサウンド・プロデューサーがギター以外の全楽器をプレイしてサウンドを構築して、稀なオータム・ソングに仕上がった。



☆Catch The Love / IKKUBARU
(『DECADE』収録・レビュー記事はクリック 
インドネシアで活動するAOR~シティポップ・バンドのデビュー10周年を記念したサード・アルバムから。イントロは80年代初期のテクニカルなフュージョン・サウンドからの影響を感じさせ、本編ではソウルフルなボーカルを高域のコーラスで引き立てており完成度が高い。バンドリーダー自身のプレイによる The Mothers Of Invention風のシンセ・ソロなど演奏面でも聴き応えがある。



☆Fantastic Girl / Wink Music Service
ベテラン・クリエイター2人が「極上のポップ・ミュージックを作ろう」と結成したユニットのサード・シングル曲で、初のフルアルバムにも収録されている。上物のアレンジは、筒美京平作品で南沙織の「美しい誤解」に通じる、ピッツィカートのシンコペーションやスラーが効いたストリングス、木管と金管が適材配置されたホーン・セクションとのコントラストが美しく、転調やモンド・パートの挿入など、ソフトロックとして非常に完成度が高い。 



☆月のパルス / RYUSENKEI
(『イリュージョン』収録・過去作レビューはクリック) 
女性シンガーを正式メンバーに入れユニット名もアルファベット表記に変え、新生ALFAミュージックよりメジャー・デビューしたアルバムから。流線形時代から類まれなプロデュース・センスを発揮していたが、ソングライターとしても一級であり、嘗ての「花びら」にも通じるソングオリエンテッドなこの曲は格別である。サウンド的にはリズム隊のプレイヤーが変わったことで、特にドラムの音は所謂ALFA的な音になったのではないだろうか。



☆ロング・ロング・ビーチ / 松尾清憲
(『Young and Innocent』収録・レビュー記事はクリック
伝説のブリティッシュロック系サウンドのバンド出身で、ソロデビュー40周年を迎えるベテラン・シンガー・ソングライターの6年振りとなるフルアルバムから。この曲はストリングスとコーラス・アレンジからソフトロック色が強く、アルバムのサウンド・プロデューサーが主宰しているmicrostarのサウンドに通じており、タイトルからイメージ出来るように、ビートルズとビーチボーイズ風のコーラス・パターンがマニア心をくすぐる。



☆Loving Makes It So / Linda Carriere
(『Linda Carriere』収録) 
長年正式リリースが待たれたこのアルバムが、日の目を見たことは今年のビッグニュースだろう。1977年当時細野晴臣が村井邦彦率いるALFAレコードとプロデューサー契約を結び、第一作となる予定だったアルバムから。レジェンド達が提供した中でも、この曲こそがリンダの声質やその個性にマッチしていると思わせる吉田美奈子作で、アレンジを担当した山下達郎の当時のサウンド・カラーもよく出ている。ホーン・セクションをスタッカートで際立たせるパートは、名匠チャーリー・カレロ譲りだと感じた。



☆あなたとNegi With You! / Negicco
(『What A Wonderful World』収録・レビュー記事はクリック 
結成20年になる新潟在住アイドル・ユニットの6年振りとなる5thオリジナル・フルアルバムから。このユニットの最大の功労者であるプロデューサー作の新曲で、彼が得意とするキャッチーで70年代ブラック・ミュージックを基にしたソングライティングと、著名アレンジャーによるフィラデルフィア・ソウルに通じるストリングスが効いたアレンジで華麗に仕上がっている。手練なミュージシャン達による隙のない演奏も聴きどころだ。



☆愛の雨粒 / emily hashimoto
(同名7インチ及び配信・レビュー記事はクリック
渋谷系音楽や60ʻsファッションを愛す女性シンガー・ソングライターの7インチ・シングル曲。この曲のアレンジのポイントは、最低限の音数ながら印象的なシンセサイザーのリフや木管系の音とヴォイスを混ぜた浮遊感あるパッドで空模様を表現し、パターンの異なるコーラスが複数ダビングされている点だろう。スウィートで特徴ある声質をバックアップさせるサウンドが構築され、ポップスとして完成度が高い。



☆LA BLUE feat.MCあんにゅ ルカタマ / 広瀬愛菜
(『21』収録・レビュー記事はクリック
若き女性シンガーの4年振りとなるアルバムから。アルバム中最も異色だが、ファンキーな演奏をバックにゲストを含めた3名の女性がラップし合うという構成はかなり新境地だ。演奏面では、唸りまくるスラップベースやフィルを多用したドラミング、後半突然現れるインター・プレイのギターソロでフェードアウトしていく。ヒップホップ・ビートと生のジャズファンクの融合は最高で、アルバム中最強無敵の曲ではないだろうか。


(選曲及びテキスト:ウチタカヒデ





























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