アナログ盤やCDなどフィジカルでのリリースは時期未定で、しばらく先になるらしい。
振り返ってみると、2021年7月にリーダーの染谷大陽の旧Twitterのツイートで、
「次の作品はかつてない曲数となる予定。
その数は19曲。約75分。
2022年は期待できます。気長に待っていてください。」
とコメントがあり、このツイートの収録曲数から筆者も愛すべき英国バンド、プリファブ・スプラウトの『Jordan: The Comeback』(1990年8月)に通じる組曲構成になるのではないか?と当時は推測したが、今はそんな先入観は持たず、ただただリリース日を待つとしたい。
本作は前作『彼女の時計』(2018年5月)から5年振りとなるが、その間に7thアルバム『ゆめ』(2014年2月)と同時期のセッションと思われる『旅人/夢の国』と、米国サンフランシスコのインディー・バンドThe Bilinda Butchers(ザ・ビリンダ・ブッチャーズ)の楽曲をカップリングしたスプリット・シングル『ブルー/Girlfriend』を同年8月3日にそれぞれ7インチでリリースしている。翌2019年4月には、2枚組ライブ・アルバム『"A Distant Shore" Asia Tour 2018』(2018年9月のアジア・ツアーの実況録音盤/現在廃盤)をオフィシャルサイト・ストア限定で発売していた。
また近年は世界規模のソーシャル・ネットワーキング・サービスとストリーミング・サービスを背景として、海外におけるLampへの注目が高まっているいのも非常に興味深い。欧米や韓国のDJ達によって、ブルーアイドソウル~AORのガラパゴス的進化系として発見された嘗てのシティポップへの再熱とは異なって、ジャケットのアートワークも含めた独自性を持つジャパネスク(Japanesque)感に、海外のファン達は魅了されているのである。特に『恋人へ』(2004年2月)が注目されているは、季節外れの海辺に佇むメンバーの永井祐介と榊原香保里のジャケット・フォト(撮影:染谷)に潜む、日本的な「侘び寂び」と言うべき強烈なイメージではないだろうか。
ごく最近でもLampのアルバムや曲をフェイバリットに挙げる若いバンドが現れており、今年幣サイトで紹介した、生活の設計の大塚真太朗やNagakumoのオオニシレイジなどメイン・ソングライター達に好まれている。やはりミュージシャンズ・ミュージシャンとして同業者を刺激するソングライティング・センスがLampの大きな強みなのだろう。
今回ここでは9thアルバム『一夜のペーソス』を事前試聴していないため、収録曲の解説は出来ないが、前作『彼女の時計』からファーストアルバム『そよ風アパートメント201』(2003年4月)の各リリース当時の記事再掲と、アルバムデビュー前から彼らと交流がある筆者が選ぶ、アルバムやシングル毎のベストソングのサブスク・プレイリストを紹介する。
これを聴きながら、各過去記事を読み直して復習し待望の最新作を待とう。
WebVANDA管理人選★Lampベストソング
◎『彼女の時計』(2018年5月)リリース・インタビュー前編:https://www.webvanda.com/2018/05/lampbotanical-housebhrd-008.html
◎『彼女の時計』リリース・インタビュー後編:https://www.webvanda.com/2018/05/lampbotanical-housebhrd-008_13.html
◎『ゆめ』(2014年2月)レビュー:
◎『東京ユウトピア通信』(2011年2月)レビュー:
◎『八月の詩情』(2010年8月)レビュー:
◎『ランプ幻想』(2008年12月)レビュー:
◎『木洩陽通りにて』(2005年5月)クノシンジ対談レビュー:
◎『恋人へ』(2004年2月)ミサワマサノリ対談レビュー:
◎『そよ風アパートメント201』(2003年4月)インタビュー:
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◎Kaede『秋の惑星、ハートはナイトブルー。』(2020年9月)レビュー:
(テキスト:ウチタカヒデ)
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