第一弾は作編曲家でシンガーソングライターの吉田哲人(よしだ てつと)氏です。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
WebVANDA管理人 ウチタカヒデ
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WebVANDAをご覧の皆さん初めまして、吉田哲人です。現在は作編曲家として活動しておりますが、こちらWebVANDAさんで紹介された「小さな手のひら(c/w 光の惑星)」「ムーンライト・Tokyo」等のシングルをリリースし、シンガーソングライターとしても活動しております。以後、お見知りおきを。
《VANDAとの出会い》
1995年頃に大学時代の友人で歌謡曲マニアであり、後にコンピレーションをはじめとする「テクノ歌謡」シリーズ(1999年/P-Vine)を選曲家チーム・8-bitsとして僕と一緒に作る山本ニューさん(因みにもう1人のメンバーはDJフクタケさん)が「これめちゃくちゃ凄いよ」と言って『VANDA 18号 Soft Rock AtoZ大辞典』を貸してくれた事でした。
それ以来手に入るバックナンバーは全て買い揃え(その年地元徳島に帰省した際、今は無き「アダムと島書房」で18号を手に入れる事ができた)読み耽り、若い頃に多大な影響を受けました。
それと共にソフトロックのまつわる思い出として強烈に結びついているのが、その頃に山本ニューさんが作ってくれた”和製”ソフトロックのテープと、
「吉田くん、何かソフトロックっぽいの知らない?」
「だったらオフコースのファーストとセカンド辺りが好きかもよ?」
という会話。
当時DJとして突出したセンスと技術、そして素晴らしい和モノ・レコード・コレクションを持っていた彼が、僕のそのひと言からフリーペーパーで他の知られざる和製ソフトロックと共に『歩こう(「オフコース1 / 僕の贈りもの」収録)』を選曲し、「なるほどそういう事か!」とそれを読んだ僕はソフトロックとは何たるかをかえって教わったように感じたのでした。
(山本ニューさんミックステープ)
ということで、VANDAとソフトロックとオフコースは僕の中で三位一体かの如く強い結びつきがあるものでして、光栄にもこの度執筆の機会をいただけましたので、ここは是非オフコースのことを書いていけたらと思っておりますが、その前に。
《オフコースと僕》
Wikipediaで僕のことを調べると、概要欄に「レコード・オフコース大好きおじさん。」と書かれているくらいオフコース大好きなのですが、出会いは幼少期、1981年(5~6歳)頃に母が『SELECTION 1973-78』を購入し、僕がそれを聞いて「すごい!ビートルズみたいだ!(「やさしさにさようなら」の出だしのハーモニーにやられた)」と衝撃を受けた(The Beatlesはその前年の夏に赤盤・青盤のカセットをやはり母が購入し、それをぼくが気に入り僕の物にした。ジョン・レノンが亡くなる少し前にビートルズ好きになっていたという事)のがきっかけでした。
母は「さよなら」を聞きたかったのか、その後すぐ『SELECTION 1978-81』を購入しています。その後は各アルバムを僕がねだって買ってもらっていた感じで、「さよなら」の大ヒットには間に合っていないが、『NEXT』(1982年9月28日/TBS系特別企画番組)の放送はリアルタイムで観ている、リアルタイムで聞いてはいるが人気ぶりを体験できなかった、そういう人物が書くオフコース話と思って読んでいただきたいのです。
オフコースをについて書くとはいうものの、音楽的なことや詩の世界観など多角的に既に散々語り尽くされている感もあり、また、本人達のインタビューや書籍等含め沢山資料が残っているのに何を今更と思われるかも知れません。
ですが、VANDA読者の皆さんは音楽の探究者であると同時にレコード盤の探究者(コレクター/マニア)でもあると思います。(僕も含め)そんな皆さんにうってつけのオフコースの初回盤のこと、色々購入した結果ある程度まとまった情報と、残念ながら資料が見当たらず調べきれていないことも正直に書いていこうと思っています。さて、第一回目の今回は…
『オフ・コース1 / 僕の贈りもの』 です。
我が家にはこのアルバムが現状6枚あるのですが、それぞれ細かな違いがあり、盤の研究のためには手放すわけにいきません。
細かく分類しますと、
1.ETP-8258 1S/1S 白ラベル見本盤 帯なし
裏ジャケット東芝音工株式会社 ¥1,800表記
2.ETP-8258 1S2/1S TOSHIBA MUSICAL INDUSTRIAL LTD. 帯¥1,800
裏ジャケット東芝音工株式会社 ¥1,800表記
3.ETP-8258 1S2/1S TOSHIBA MUSICAL INDUSTRIAL LTD. 帯¥2,000シール修正
裏ジャケット東芝音工株式会社 ¥2,000シール修正
4.ETP-8258 1S2/1S TOSHIBA-EMI LTD. 帯¥2,000シール修正
裏ジャケット東芝EMI株式会社 ¥2,000
5.ETP-8258 1S2/1S TOSHIBA-EMI LTD. 帯¥1,800
裏ジャケット東芝EMI株式会社 ¥2,000 表記
6.ETP-72118 2S/2S TOSHIBA-EMI LTD. 帯¥2,300
裏ジャケット東芝EMI株式会社 ¥2,300 表記(注:シングルジャケット)
(レコード番号 / マトリクス / ラベル / 帯 / 裏ジャケットの順)
持っているものだけでもこれだけの違いがありますし、ひょっとするとまだ手に入れられていないものが存在し、細かな違いがあるのかも知れません。入手できたものでこれだけの違いが発生しているのは、僕が知る限りこのアルバムだけです。マトリクスですが、基本的に東芝からのリリースものは1Sが初回と考えて差し支えないようです。1Sと1S2に、レコード盤の溝の見た目上、違いはありません。1S(1S2含む)と2Sは見た目的に明らかに違いがあり、2Sの方がより内側にカットされています。ただ、聴感上の差異はほとんど感じられませんでした。1Sと1S2も同様でした。
それにしても、社名変更と価格変更による帯やラベルの違いが存在するのは分かりますが、(ここからが解明できていない部分になるのですが)何故、1Sは白ラベルの見本盤でしか僕は手に入れられないのか、1S2が最初から基本的に全国に流通したものなのかどうか、1,800円帯と裏ジャケ2,000円表記のものは果たして売られていたのか(中古で買っているため、考えられるのは後で別々のものが組み合わせられてしまった)、¥2,000表記の帯は存在するのか。
これらの謎の情報や正解、まだ別の盤(バージョン)があるよ!等の情報をお持ちの方、是非僕に御教示ください。後追いではここまでが限界です…。
以上、吉田哲人でした。また、次回。
作編曲家。 代表作『チームしゃちほこ/いいくらし』『WHY@DOLL / 菫アイオライト 』『Sputrip / 光の惑星』『WAY WAVE / SUMMER BREEZE』 等。シンガーソングライターとしてアナログ盤シングル『ひとめぐり』『光の惑星』、短冊CD 『ムーンライト・Tokyo』発売中。
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