今回は、その後勤務先の関係で頻繁な転勤と多忙の日々により、達郎さんのライヴに足が遠のいていた時期を過ごした。そして佐野邦彦氏との運命的な出会いにより、再びライヴに出かけるようになった経緯を回想してみた。
以前の投稿でもお伝えしたが、私の“タツロー・ライヴ”の原点は1977年5月27日(金)に新橋ヤクルトホール(定員550) だった。その後、在京生活中の1981年までは全てとは言わないが、彼のキー・ポイントとなる肝心のライヴにはほぼ足を運んでいた。
まず最初の転勤先となった84年当時の金沢ではライヴが開催されなかった(注2)。さらに86年のツアー時の春には北九州(小倉)、夏には鹿児島(注3)と転々としており、仕事に追われてライヴどころではなくなってしまった。とはいえ、往生際の悪い私は、奥の手で月一上京する「会議」のついでに「有給休暇」取得で東京公演への参戦を企てたこともあったが、それもすべて空振りだった。そんなこの時期に在籍したセクションのスタッフは、「サザンオールスターズ」「チューブ」「杉山清貴とオメガトライブ」「ユーミン」等のファンばかりで、達郎さんやまりやさんを熱く語り合える仲間は皆無だった。
これ以降仕事は営業職から内勤になりプライベートにも余裕が出来るようになった。そんな91年に『ARTISAN』リリースに伴うツアーの大阪公演(注5)に出かけることができた。ラッキーなことに、この時はファンクラブ会員でもないのに、運良く1階席をゲットすることができた。なおこの日のオープニングは新作の関係か<アトムの子>だった。
このようにライヴ観戦へのカム・バックは果たしたものの、1994年にリイシューされたSugar Babe『Songs』に伴う「Sings!Sugar Babe」コンサートは東京限定ライヴで、チケット入手は激しい争奪戦で、大したつてもない私は入手は叶わなかった。「やはり田舎暮らしでは、この手の貴重なライヴのチケット入手は難しい。」という無念の心境だった。
そんな時期にVANDAへの寄稿を勧められたことで佐野邦彦氏との付き合いが始まった。彼とは電話とメールでの交流だったが、音楽の趣味で意気投合し個人的なことを話すほど親密になった。そこで私が「山下達郎の大ファン」と伝えると、「私彼にインタビューとったことあるんですよ。」「彼のチケットを確実に手に入れたいなら、絶対ファンクラブ入会するべきですよ。」「それに会員には年1回彼の未発表音源も手に入る特典もあるんです!」という「殺し文句」に即入会、以来チケットの入手に苦労することからは解消された。
その一番の恩恵は、達郎さんのコンサートでも伝説ともなっている2008年12月28日の初代大阪フェスティヴァル・ホール千秋楽公演(注6)を1階8列目という好ポジションで体験できたことだった。その日のライヴは、サプライズで途中から竹内まりやさんがステージに登場(注7)してソロを披露、その後アンコールまでコーラス隊に参加していた。コンサートはアンコールも2回応えて終了し、照明がつき館内に「終演」のアナウンスがあっても来場者は総立ちで拍手の嵐。そこで再度達郎さんとまりやさんが登場し、デュエットを1曲披露し「もうこれくらいで勘弁してください」とコメントされ完全に終演となった。その公演時間は4時間超えで、まさに“ファイナル!大阪フェスティヴァル・ホール”にふさわしい幕引きだった。
そしてこれまた入手困難となった「Maniac Tour」(注8)も、NHKホールの1回7列目というプラチナ席が当選している。その後は、2階席や3階壁際といった席が続いていたが、ここ数回も運が味方してくれ、「ライン・キューブ渋谷」は1階10列、「ロームシアター京都」はなんと二列目のど真ん中、今回の新大阪フェスティバル・ホールは2回最前列ど真ん中とそれまで同様にベスト・ポジションが当選している。
なお今回の達郎さんライヴを一緒に見に行ったのは勤務先の後輩Y君。きっかけはある時「さよならなつのひぃ~♪」と鼻歌交じりうろついていた彼に「お前、山下達郎知ってんの?」と聞くと、「僕、達郎さんのファンで<スプリンクラー>と<蒼茫>が好きなんです!」という渋い好みを返された。
そこで彼に「実はツアーのファン・クラブ先行予約するけど、来るか?」と話すや、「僕の車でガスも高速代持ちで行くんで、是非連れてってください!」と嘆願。彼はお父さんがファンで聴くようになったということで、まだ一度もライヴの経験が無いと。そんな彼から申込みの際に年齢を確認すると24歳、身近のこんな若手に達郎さんファンがいたことに嬉しくなった。
そんな初ライヴのM君は会場に入場すると、会場限定のプレゼント「直筆サイン」付きの新作『SOFTLY』を早速ゲット!さらにTシャツその他グッズも興奮気味に迷いながら購入していた。その姿を見て達郎さんのファンになったばかりの初々しい時代の自分自身を見ているようでほっこりした。
ちなみに今回の席のお隣は私と同世代風の女性でお連れは、その風貌からお母さまのようだった。コンサートの途中に達郎さんが「私のコンサート初めての方は挙手を」と尋ねると私の周りはM君もそのお二人も含めほぼお初組ばかり。ところが<Let’s Dance Baby>のクラッカーはしっかり準備して破裂させ、終盤はスタンディングというノリノリ状態で圧倒されたほどだった。周囲の感激度が伝わり私自身も初心に帰ったような心地よい3時間となった。
注1)「Sparkling '82-'83」全18公演、1982年12/8(水)静岡市民会館
7/18,19福岡市民会館
注4)「Performance '88-'89」 全39公演、1989年1/12,14,15福岡市民会館
注5)「Performance '91-'92」 全38公演、
1992年2/19,20,24,25大阪フェスティヴァル・ホール
注6)「Performance 2008-2009」 全50公演(2008.12/5~2009.5/15)
初代大阪フェスティヴァル・ホール公演2008年12/18,19,27,28
注7) 2012年公開「シアター・ライヴ Performance 1984-2012」映像に収録
BG.:DOWN TOWN/ The King Tones
BG.: 北極回り/黒木真由美
8. Ain't Gonna Lie(嘘はつかない) / Keith
BG.:お先にどうぞ/ かまやつひろし
BG.:言えなかった言葉を
BG.: Your Smiling Face (君の笑顔)/James Taylor
25. LOVE SPACE
26. 翼に乗せて
27. SOLID SLIDER
BG.:Boogie Woogie Love Train(恋のブギウギトレイン)
28.恋は流星(part-2) / 吉田美奈子
29. ヴァイブレーション/ 笠井紀美子
30.ドリーミング・ラブ/中原理恵
31. Love Magic/アン・ルイス
BG.: YOKOHAMA Twilight Time/角松敏生
35. メリー・ゴー・ラウンド
BG.:12月の雨/荒井由実
36.ピンク・シャドウ /ブレッド & バター
37. ピンク・シャドウ
BG.: Let's Dance Baby/ザ・キングトーンズ & マリエ
38. BOMBER
39. FUNKY FLUSHIN'
40. LET'S DANCE BABY [Live]
というかなりマニアックなセット・リストでした。それゆえある一般ファンの方から「初心者にはちょっと難しい」とのご意見を頂戴しました。
そこで、今月も誕生月に免じていただき「山下達郎特集」をPart-2として放送します。もちろん次回は初心者にもやさしい、最新曲も代表曲も入れたベストな選曲のプログラムです。10/22&23(再放送)ご期待ください。
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