FMおおつ 音楽の館/Music Note 2022年5月号 西城秀樹特集
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とはいえ、彼のライヴ・アルバムは1970年代に11作、80年代にも7作とトータル18作もリリースされており、しかもほとんどがWアルバム(3枚組もある)でした。それを思えば、これをわずかCD5枚にまとめる作業はかなり難航したのではないかと逆に同情してしまったほどでした。
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2019年4月よりFMおおつで放送中の「音楽の館~Music Note」。今回の5月号は4年前の2018年5月16日に急性心不全のため、63歳で惜しまれつつご逝去された“ヒデキ”こと西城秀樹さんの特集です。
今年3月25日は彼のデビュー50周年にあたります。それを記念して2017年の「THE45+1」以来5年振りのコンサート「HIDEKI SAIJO CONCERT 2022 THE 50」が開催されています。これはファンクラブ会員限定の映像と生演奏による完全コンサートで、4/3に横浜・神奈川県民ホール、4/14には大阪・オリックス劇場にて行われました。そこでは当時のライヴさながらの熱気にあふれた雰囲気だったそうです。
またそれに連動したかのように「BRUTUS/2022年3年15日号(No.957)」では、ヒデキの<遥かなる恋人へ>歌唱スナップが表紙を飾った「全世代に捧げる~歌謡曲特集」が特集されています。そのプログラムのトップを飾っていたのは「西城秀樹という星(スター)」でした。
私自身は熱狂的なヒデキ・ファンというわけではありませんが、テレビのスペシャル番組で彼のライヴ映像を見て以来、彼のライヴにおける選曲センスには当時から注目していたひとりです。そんなヒデキの音楽センスとパフォーマンスの素晴らしさを中心に、「1970年代アイドルのライヴ・アルバム」としてVANDA30号に特集を寄稿しています。
その後、このWebVANDAでも彼のライヴ・アルバムや映像放送についてを何回か寄稿をしてきました。
その中でひときわ強く訴えてきたことが、彼のライヴ・アルバムのCD復刻化でした。というのも“新御三家”のひとりでヒデキの盟友・野口五郎さんのライヴ・アルバムは「タワー・レコード限定版」で、ほぼ完ぺきに復刻されていたからです。
それに対しヒデキのライヴ音源は一部CD化されたこともあったようですが、廃盤となったままでした。1999年には『HIDEKI SUPER LIVE BOX』なる6枚組CDが限定発売されていますが、このBOXのコンセプトは1985年のシングル50枚発売を記念して行われた『'85 HIDEKI Special live in Budokan-for 50 songs-』にスポットをあてたものだったので、(個人的に)収録曲には不満が募るものでした。
そんな中、昨年6月(18日)からはファン待望となる彼のオリジナル・アルバムの復刻発売がはじまっています。その第3弾となる12月(24日)発売分には、彼の真骨頂ともいえる「ライヴ・アルバム」が紙ジャケット仕様にて発売されました。
このライン・アップには私が「1970年代アイドルのライヴ・アルバム」をまとめるきっかけとなった1975年『ヒデキ・オン・ツアー』(注1)もありました。 このライヴ・アルバムは初の全国縦断ツアー「BLOW UP! HIDEKI」を収録したものです。
そして来月(6月24日)発売となる第4弾には、私が「Radio.VANDA」や「音楽の館2019年5月号」でも放送したKing Crimsonの<Epitaph>カヴァーが収録されている、1978年8月の『BIG GAME ’79 HIDEKI』(注2)も含まれてい ます。
BIG GAME’78 後楽園球場 西城秀樹
今回放送する「音楽の館~Music Note2022年5月号」は、これら一連のニュースに触発され組んだプログラムです。彼の全身全霊をこめたパフォーマンスは、当時の若手ロッカーたちの憧れとなり、現在のシーンにも大きな影響を与えているはずです。今回の特集を通じ、そんなヒデキの魅力を彼を体験されていない世代の皆さんも含め、再認識していただければ幸いに思います。
注1)1975年9月25日発売の第4作ライヴ・アルバム。1975年7月20日に富士山麓の特設ステージを皮切りにスタートした初の全国ツアーを収録。ここに収録されているFrankie Varriの全米1位曲<My Eyes Adored You(瞳の面影)>は、特に彼の選曲センスが光るものだった。
注2)1979年10月9日発売の第11作ライヴ・アルバム。1979年8月24日の第2回後楽園球場で開催された『BIG GAME '79 HIDEKI』の模様を収録。当日は、1971年に行われた伝説のGrand FunkRailroadのライヴを彷彿させるほどで、雷鳴が響く中で歌われる<Epitaph>はそのハイライトとなっている。
(鈴木英之)