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2020年2月16日日曜日

SO NICE:『光速道路』(JET SET / KTYR001)


 昨今のシティポップ・リバイバルのきっかけの一つになったとされる伝説のバンド、so nice(ソー・ナイス)が代表曲の『光速道路』を新装7インチ・アナログ盤で2月19日にリリースする。
 この『光速道路』は2014年4月19日のRecord Store Dayに初7インチ化され、直ぐに完売となった。筆者も開店前から店頭に並び手に入れたものだ。

2014年盤・鎌倉氏と江口寿史氏のサイン入り】 

 そもそもso niceは、1976年に日本大学芸術学部の“フォークソング・クラブ”内で鎌倉克行と松島美砂子によって結成された、シュガー・ベイブ及び山下達郎の学生フォワー・バンドである。
 バンド結成のきっかけとなったのは、リーダーの鎌倉が1975年5月24日のティンパンアレイ・フェスティバルを観に行った際、オープニング・アクトを務めていたシュガー・ベイブの演奏に感銘を受け、早速会場でアルバム『songs』を購入し音楽仲間に聴かせてコピーを始めたからだという。
 その後1979年にビクター主催の『大学対抗フォークソング・コンテスト』に出場し、見事優勝するなど玄人筋(審査員には杉真理氏も)からの評価も高かったが、プロ・ミュージシャンは目指さず、同年卒業記念として自主制作盤で200枚のみリリースしたアルバムが『LOVE』である。 
 このアルバムは28年後の2007年に某SNSのシュガー・ベイブ・コミュニティで突然取り上げられ、ネットオークションでも高値で落札されて話題となった。 1976~79年当時としてはこういったスタイルのバンドはマイノリティーであったと推測するが、鎌倉をはじめメンバー達の先見性には脱帽してしまう。


【so nice 現メンバー】 

 今回紹介する『光速道路』は『LOVE』収録曲中屈指の名曲で、前出の通り2014年に続いて今回新装リワーク盤として7インチでリリースされる。 なお前回は収録時間の関係で回転数が33RPMだったが、新装版では待望の45RPMとなっている。
 改めて解説するが、タイトル曲は『songs』をコピーして研究した成果が滲み出ており、イントロには「SHOW」、ヴァースとフックには「今日はなんだか」の影響を感じさせ、現在聴いても色褪せることは全くない。

 
『光速道路』

 カップリングはこの『光速道路』をDJ Bossa★DaとHF  International(平岩克規、福田征希)のによりリワーク(リアレンジ)されたバックトラックに、鎌倉が新たに歌入れしたレゲエ・ディスコ・ヴァージョンを収録している。このリワーク・ヴァージョンはパターン・ミュージックとしてのグルーヴが強調されており、DJユースとしては勿論だがシティポップ・ファンも新鮮な感覚で聴けるのだ。

 またジャケットイラストは前回の2014年盤と同様、漫画家でイラストレーターの江口寿史氏が担当し、なんと新たに描き下ろしている。
 一見前回の流用かと見間違えそうだが細かく見ると気付く筈で、光速をイメージする光のパース、女性のサングラスの影や後ろ髪の毛先、車内ではシフトレバーの微妙なポジション、バックミラーに写る人物、パネルの速度メーターとタコメーターやカーシガーソケットのライト、カーオーディオの型式などなどその違いを探すのも面白いかも知れない。
 なおこの新装7インチ・アナログ盤は既に予約分が完売している店舗も多いので、興味をもったシティポップ・ファンは、リリース日に店頭分を早急に入手することをお勧めする。

リリース元: JET SETサイト 

(ウチタカヒデ)

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