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2019年12月24日火曜日

WebVANDA管理人が選ぶ2019年の邦楽ベストソング


 今年もWebVANDA管理人=筆者が選ぶ、邦楽の年間ベストソングを発表したい。選出した楽曲は年間を通して好んで聴いていたアルバムの中で最もリピートした収録曲であり、筆者目線ではアルバムを象徴する存在とも言える。
 昨年に比べて、レジェンドも含めメジャー作品がやや多いが、本サイトで筆者が紹介するアルバムは主にインディーズ作品が多い。そういった知られざるミュージシャンを紹介することで、読者に新たな音楽的出会いを常に提供したいと考えているのだ。その意味でも来年はインディーズ・ミュージシャンに更に期待している。
 選出趣旨からコンピレーション・アルバムと配信楽曲は除外とした。
 また惜しくも次点となった曲として、connieの「赤い涙」Minuanoの「終わりのない季節」を挙げておく。
 昨年同様、順不同のリリース順で紹介する。



☆薔薇と野獣 / 細野晴臣 (『HOCHONO HOUSE』収録)
筆者も37年以上愛聴している名作ファーストを大胆にリメイクしたアルバムから。日本音楽界の至宝且つ、雄一無二のイノベーターが再構築したマジカルな箱庭ファンクの傑作。


☆ユートピア / コントラリーパレード (『CONTRARY』収録) 
曲が持つ磁力が鬼才・佐藤望の独創的なアレンジを引き出した好例。「深い森で 誰も僕を 見付けられないよ…」という歌詞のパンチラインと天然系ソプラノの歌声にもやられた。



☆ザ・クレーター / 集団行動 (『SUPER MUSIC』収録)
某アニメ映画に通じる終末観と理論時代から連なる真部脩一ならではのナンセンスな歌詞のコントラストを、ブリティッシュビート系の疾走感で繰り広げる3分32秒のショートフィルムのようだ。


☆ブラザー、シスター / 宮田ロウ (『ブラザー、シスター』収録)
普遍的なソングライティングと同志たちに向けた慈愛に満ちた歌詞、イノセントな歌声とゴスペル・フィールのコーラス。バリー・マンのソロを聴いている様な崇高な気持ちになってしまう。



☆隕石のラブソング / ウワノソラ (『夜霧』収録) 
モチーフは集団行動と同じだが、こちらはマージナルな視線によるシリアスな歌詞にアトランティック・ソウル系の弦とコーラスのアレンジが絡む。シティポップとは陳腐に呼ばせたくない。



☆銀河 / Guiro (『A MEZZANINE』収録)
問題作「ABBAU」未収録の悲しみを一掃した白眉曲。新主流派マナーのモーダルなヴァースが徐々に熱を帯び、スルドが響きパンディエロが舞うサンバ・ジャズへとモディファイして魂を揺さぶるのだ。



☆夜行列車 / 鈴木恵TRIO (『come here my dear』収録)
中期XTCに通じるライトメタリックなギター・アンサンブルで構築されたサウンドに、60年末期のエバーグリーンな歌声とコーラスが漂う。隔世型温故知新派のレイルロード・ソング。



☆愛のナンバー / RYUTist (『きっと、はじまりの季節』収録)
今年この曲ほどブロークンハートを綴ったハーモニー・ポップスはあっただろか。ジョージ・ハリスン及びビートルマニアは必聴であり、オリジネイターであるSSWの℃-want you!も高く評価したい。



☆高い塔 / 小沢健二 (『So kakkoii 宇宙』収録)
平成のビッグアイコンの17年振りのアルバムから。東京のバビロン・タワーに住む大王と社会をシニカルに描いた、弦とホーン入りのギル・スコット・ヘロンに通じるジャズ・ファンクだ。



☆雑務 / KIRINJI (『Cherish』収録)
バンド構造が変わって早4作目だが、そのフォーマットに縛られず実験性を内包しつつ高水準サウンドを聴かせ続けている。この曲の繊細で絶妙なグルーヴの完成度に酔いしれる。




※プレイリストはSpotify 登録曲のみ

(選者:ウチタカヒデ)

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