2019年9月26日木曜日
the Sweet Onions:『夏のシンフォニー』/ KNIT RED RUM:『SUNSET』
The Bookmarcs(ブックマークス)の作詞兼ヴォーカリストの近藤健太郎がリーダーとして率いるポップス・バンド、the Sweet Onions(スウィート・オニオンズ)が、2006年4月のセカンド・アルバム『Life is Beautiful』(PHA-11)以来、実に13年振りの新曲「夏のシンフォニー」を9月25日に配信リリースした。
スウィート・オニオンズは98年に結成された男性3人組のバンドで、現在はヴォーカル兼ギターの近藤とドラムやキーボードなどマルチプレイヤーの高口大輔の2人を中心に活動している。04年のファースト・アルバム『pictures』(PHA-10)の頃から弊サイトでは高く評価しており、その親しみやすい甘いメロディと近藤のソフティーなヴォーカルが魅力なのだ。
彼等はインディーズ・レーベルphilia records(フィリア・レコード)を主宰しており、近年では女性シンガー・ソングライターの小林しのの『Looking for a key』(PHA-13)を全面プロデュース、リリースしておりその活動は多岐に渡る。
今回「夏のシンフォニー」と同日に配信リリースしたのが、今年5月よりフィリア・レコードに参加したシンガー・ソングライター刈間哲司によるソロ・プロジェクトKNIT RED RUMのセカンド・シングル「SUNSET」である。
ファースト・シングル「TWILIGHT RAIN」からプロデューサーとして関わっているのは、刈間と旧知の間柄であるオニオンズの高口で、アレンジやエンジニアリングまで手掛けている。
苅間のプロフィールにも触れておくが、二十代の頃に所属バンド解散後にソロに転身し、シンガー・ソングライターとしてライヴ活動をおこなうようになり、この時期高口と知り合ったようだ。平行してエレクトロ・ミュージックにも興味も持っており、クラブ・ハウス・ミュージシャンのPAX JAPONICA GROOVE(パックス・ジャポニカ・グルーブ)のアルバムではヴォーカリストとして参加している。二十代後半になるとロン・セクスミスなどのシンガー・ソングライターに影響を受け、現在のスタイルに至っている。
ではこの2曲について解説しよう。
オニオンズの「夏のシンフォニー」は、近藤のソングライティングによるエイト・ビートのサマー・アンセムで、コーラス・ワークにはビーチボーイズの匂いがする。ピアノとハモンド・オルガンは高口がプレイし、ベースはRicaropeなどのプロデュースやthe Carawayのサポートで知られる及川雅仁がゲストで招かれている。コーダでワルツのパートになるなどアレンジのアイディアも面白い。
KNIT RED RUMの「SUNSET」は、ファースト・シングル同様に80年代シティポップ・サウンドに通じており、ホーンやストリングス・シンセの配置など高口のアレンジ・センスが光っている。
06年のコンピ・アルバム『Easy Living Vol.1』に収録されたオニオンズの「The fancies of a poet」にも通じるサウンドで好感がもてる。
刈間の声質には暑苦しくないソウルさを感じており、オリジナル・ラヴ(田島貴男)のファンにもお勧め出来る。
配信リンク(amazonは下記画像からリンク)
the Sweet Onions:『夏のシンフォニー』
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KNIT RED RUM:『SUNSET』
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(text:ウチタカヒデ)
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