2018年1月24日付けの記事で紹介させていただいたThe Bachelorsによる「Happy, Happy Holiday」(Wilson兄弟の実父Murryの作)をなんと60年以上の時を超えてカバーした強者がいた!
当方も制作にささやかながら協力させていただいた関係でリリース前のプロモキットの送付が先日あった。
当の本人George Faulknerは過去にもThe Beach Boys関連のカバー作(と、言っても知名度の低い楽曲ばかり)のリリースを行っている。
当の本人George Faulknerは過去にもThe Beach Boys関連のカバー作(と、言っても知名度の低い楽曲ばかり)のリリースを行っている。
◎Mike Loveの「Wrinkles」
(1970年代に未発表となったアルバム『Country Love』より)
◎Dennis Wilsonによる「Under The Moonlight」
(ソロ作『Pacific 年Ocean Blue』(77年)に続く『Bambu』(77年~83年録音、2017年リリース)収録曲)
そしてMurry Wilson作の「Two Step,Side Step」(それぞれ、2015,2016リリース) 本作は今年の6月にGeorgeからカバー曲制作に基づく形で、当方へ原盤の音源提供の依頼があり、それに応じて音源の提供を行った。
提供した音源から「Happy, Happy Holiday」とそしてもう一曲同じくThe Bachelorsによる「Te-e-e-e-ex-as」の二曲が本作に収められている。 しかしながら、本作の「Happy,Happy Holiday」の演奏は原曲の100%再現というわけではなく、原曲がポルカ風なのに対して、sunshine-pop風の曲想を基本に1970年代中葉の『Christmas Album』 や『M.I.U』あたりのトラックにシンセがからむポップな曲調に生まれ変わっている。
二曲目の「Te-e-e-e-ex-as」についてはペダルスティールやマンドリンにギターを重ねた丁寧な演奏になっており、中西部出自であるWilson一族への敬愛が演奏にうかがわれる。
本作の制作にあたっては主にNew YorkのAlternative関連の人脈が関わっている。一曲目のプロデュースはTony Maimone、Pere UbuやThey Might Be Giantsのメンバーであり、Hüsker DüメンバーBob Mouldのアルバムなどを手がけている。アレンジはJoe Mcginity、Psychedelic FursのキーボーディストにしてThe Ramones、Ronnie Spectorとの共演も行っている。
演奏で参加しているのはJoe率いるLosers Lounge、カバー曲主体のプロジェクトでABBAからThe Zomebiesまで幅広くカバーし、しかも大ヒットもあればほとんど知られていない曲まで演奏し長年好評を博している。
参加メンバーは豪華で、Paul Williams、Foetus、They Might Be Giants、Debbie Harryと多彩だ。
また、ジャケットのイラストは米国の漫画の賞で有名なHarvey Award 1991年受賞者であるPeter Bagge。短期間とはいえ、手間暇がかなりかかっている良作である。
George自信も長年Murry Wilson作品の探求に勤しみ、これまで五十曲以上の存在を確認しており、新たな楽曲発見を夢見ている。
公式サイトBOLT RECORDS(https://boltrecords.net/)では試聴できないが、正式リリースは11月8日を予定しており、CDとアナログ・7インチ(45rpm)、 配信(Apple Music, Spotify, Google Play)の形態で入手可能とのこと。
【text by MaskedFlopper/編集:ウチタカヒデ】
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