こういう、その時代の一瞬で忘れ去られてしまってもおかしくなかった得体の知れないバンドの音源をコンピレーションに収めたレーベルの功績は偉大だと思う。
この手のコンピに収録されているバンドはシングルのみしか出していない場合が多いのだけれど、アルバムを残していても1、2曲以外は期待外れなことも多く、コンピで聴くのが最適だったりする。但しそんな性質のガレージコンピは大量にあるのでどれを聴こうか迷う。見つけた時にとりあえず買ってみるのも楽しいけれど、せっかくなので好みの内容で手元においておきたい音源が入ったコンピを選んでみようと思い、下調べして購入したのが、Arf! Arf! のサブレーベル Cheep! Cheep!から出ている『Sigh Cry Die』(AACC-098)だった。
2004年にCDのみでリリースされている。
邦題で『ヘタレの花道〜ガレージロック凹編』なんてついているような失恋ソングばかりが集められたコンピだそうだ。
個人的にはたまらなくトワイライトな音傾向の名曲多数のコンピだと思っている。憂鬱さの中に淡い光を漂わせるような魅力がたっぷり味わえる。ただ全体を通して聴くと、このCDの注意書きで「WARNING: THIS PRODUCT MAY BE ADDICTIVE AND LEAD TO MENTAL DETERIORATION」と書かれている理由はよく分かる。全29曲。前回記事で書いたThe GentsもシングルB面曲が収録されている。
【文:西岡利恵(The Pen Friend Club)】
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