筆者の友人でビーチ・ボーイズのレア・アイテム・コレクターが、今回は世界初公開であろう貴重なショットを提供してくれた。
ブライアンがツアー活動から離脱後、サポートメンバーとして加わったグレン・キャンベルを中心に撮影された65年2月のステージの模様である。
グレンはブライアンから引き継いだフェンダー・プレベのホワイト・モデル、アルはストラトキャスター、カールはヘッドがホッケー・スティックにように長いフェンダー・エレクトリックXIIのプロトタイプを各々プレイしている。デニスのドラム・セットは当時愛用していたcamcoだろうか?バスドラのヘッドのロゴがないので確認できない。
何よりこのコンポジションからのカラー画像を目にするのは、コアなビーチ・ボーイズ・コレクターも初めてではないだろうか。
音楽ファンならご存じの通り、惜しくもグレンは今年8月8日に81歳で逝去した。
この場を借りてあらためてご冥福を祈りたい。
(個人所蔵のポジフィルム画像により、無断転載と営利目的の使用を禁じます)
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春先に強権的で過干渉だった実父Murryを解雇し、心の安定を得られるかに見えたが楽曲制作の一切、ツアーなど全ての予定に追われプレッシャーは高まるばかりでありさらなる安定を求めてBrianは結婚を選んだ、しかしその安定もわずか十数日で終わる。
1964年12月23日Houston公演のため飛行機に乗り込んだThe Beach Boys一行のうちBrianがパニック症状を起こし一時錯乱状態となるもなんとかHoustonに到着する。現地のホテル逗留後もBrianの症状は安定せず、翌日の公演が危惧された。
ここからの記述は各種の伝記やドキュメンタリーで異なるBrianも含めて出演した、というものもあれば部屋にこもり翌日帰還したという話もある未確認であるが、現在も現地でDJを務めるRon Fosterという人物によれば、当時Detoursというバンドに所属し、何かのコネでThe Beach Boysの楽屋に入ることができたが楽屋でのBrianの様子は虚空を見つめ終始静かで、誰にも気がつかれないほどの様子であったとのことである、その後ステージに出たとのことであるが、真偽は定かでない。
経緯はなんであれ、The Beach Boysは南部のツアーをBrian抜きで行わざるを得なくなってしまったサポートメンバーの補充が考慮され翌日24日にGlenn Campbellの招聘が決定する。
今回のツアーの直前、The Beach BoysはABCTVの人気音楽番組Shindigに出演し当該番組のハウスバンドShindogsにGlenn Campbellが在籍していた。当時のメンバーは錚錚たる顔ぶれである。
Joey Cooper, Chuck Blackwell (drums), Billy Preston,
James Burton, Delaney Bramlett, Larry Knechtel (on bass),
Leon Russell (on piano) and Glen D. Hardin.
その縁のみではないが、従来からレコーディング現場で双方の信頼関係は厚かったと思われる。
当時のGlenn Campbellはすでに売れっ子で多くのヒット曲のセッションで重宝され、音楽活動とは比重が小さいが俳優もしていた。
忙しさはむしろGlenn Campbellの方がBrianより多かったと思われるが、責任感からくるプレッシャーは段違いだったのだろう。
結局Glenn Campbell自身も多忙になりツアーへの同道が困難となり代役が検討されBruce Johnstonが1965年4月8日に決定する直前まで、後に70年代以降The Beach Boys関係で参加することになるEd Carterも検討されたが本人の事情で結局Bruceとなった。
そもそもCapitol契約後Al Jardineをメンバーに招聘した理由も音楽業界を熱望するAlの思いに応えたこともあるがAlにベースを任せてBrianはスタジオワークなどに専念しようという構想があったようである。
この後ツアーメンバーは安定し、Brianの制作活動も軌道に乗り始めるがこの数年後大きな試練が始まるのは誰も予想できなかっただろう。
今回紹介するアイテムは少なくとも1965年2月に現像されたものと推測されるので、Glenn Campbell加入直後のものと思われる。
画像の内容に戻ろう。何かの間奏でCarlのギターソロの瞬間をとらえたいい雰囲気が出ている。真剣な表情なのでオリジナル曲なのだろう。Alのバレーコードっぽい指使いも気になる。
観客の視線はステージ上というより端のどこかで、珍妙なモンキーダンスを踊るMikeに注がれているようだ。
会場の黄色い声援に応えながら演奏する気迫を感じる1枚である
Have a happy, healthy, peaceful Holiday Season, and all good things in 2018 with love and mercy!
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