2017年8月5日土曜日

☆吾妻ひでお『産直アズママガジン増刊 妄想アイドル図鑑 食道癌入門1P』が出版された。ナイショにしていましたが、吾妻先生は食道がんでオペが成功して、新刊が出せました。良かった!


吾妻ひでお先生が最新刊の『産直アズママガジン増刊 妄想アイドル図鑑 食道癌入門1P』を送ってくださった。え?食道癌入門?誰でも驚かれるだろう。そう、吾妻先生は食道癌だったのだ。手術前にお手紙をいただいて、手術はできるけどギリギリで早期じゃないし、抗がん剤で小さくしてから…と厳しい病状をお聞きしていた。私は、これは他言できないとずっと伏せていたが、このように手術が成功して先生のほうで、明るく?公表していただくと、私を含めファンは安心する。冒頭の1P「食道癌入門」がそれだ。先生の術前の抗がん剤の種類は自分のより厳しい副作用が出たようで、「抗がん剤の点滴、これがキツイ!吐気、胃痛、ふらつき、眩暈、小便もらす、大便ももらす」と吹き出しにあったが、大小を漏らすのはなかったのでこれは辛かったでしょう。ただ机の上の水にも苦しくて手が届かない…という地獄のような時間はあった時があるので、まあ抗がん剤はやった事がない方にはなかなか伝わらない。51回で終了してしまった自分は軽い方だ。そのあとのコマでは、点滴が終わると少し元気になり腫瘍も小さくなって食欲が出てきた…のコマでは、カップ焼きそばを食べている先生の姿があって、矢印で「病院食マズイので食べない」とあったが、先生、個室だったのかな。大部屋だと、4年前の国立東京医療センターで、カップヌードルとか、病院内レストランからカレーをテイクアウトして病室で食べていたのがたけど、部屋中、その匂いで充満してまあ大迷惑だった。確かに病院食はマズイので、自分も毎回「ご飯ですよ」「梅ごのみ」「なめたけ」「カップ納豆」を冷蔵庫に常備、これだけをオカズにして食べていた。納豆は匂いがするので食べたあとは消臭スプレーのひと吹きが必要。そしてその次のコマでは手術前の説明書を読んで、手術死亡率3.6%、普通の食事は出来ない、様々な合併症、5年生存率50%と出てきて、さらに次のコマで「なんか怖くなって手術を止める」と言いだした。が、アシスタントA(奥さん)に怒られてやっぱすることに…(そりゃそう。最初の方で手術しなかったら半年と医師に言われていた)そして最後のコマでは「そして退院、しかし食欲は無く、吐気は続きほとんど寝たきり、今は(6)少し身体も動かせるようになり、食事もできるようになった。」「まァ先のことは分かんないけどね」でふらふらしながら愛犬と散歩しているコマで終わる。その下には「食道癌の漫画、長編を描くつもりはありません。生死の問題なんで笑えないから」と書き添えられていて、これは絶対、本音だ。自分も時々病状について書く時もあるけど、悪い状態のことは書かない。小林麻央みたいにはなりたくないからね。本はあとがき1Pにあるとおりに「下書きは15年前くらいに描いたもので、ペンだけ最近(’17)入れました」というもので、本編27Pは初登場だがリメイク、時代的にルーズソックスが多かったり、絵が丸顔とか楽しめる。1Pごとキャラが変わりイラスト数点と設定が書いてあるのだが、実際のマンガのキャラも混じっていて「ミャアちゃん」2P、「ななこ」3P、「ポロン」1Pそして嬉しい事に『チョッキン』の絵美ちゃん1P、『翔べ翔べドンキー』の太陽夕子(本名、初めて知った)1Pがあって、これはファンにはたまらない。あとがきに病気のことはないが、手持ちの棒から垂れたひもの先にかわいいキャラの食道癌がぶらさがっているので、なんとなくほっとした。吾妻先生、我々はケセラセラですよ。添えられていたお手紙では、ふらつきながらも自転車に乗れるようなったそうで、行動範囲が広くなると気分が変わりストレス解消に良く免疫も上げてくれますしね。吾妻先生、またのんびり街角ウォッチングを続けて、のんびり好きなマンガを描いてください。

(佐野邦彦)
 

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