ロック・バンドのレジェンドが続いていきなり冨田勲では驚かれたことだろう。ただし私は冨田を「世界のTOMITA」として名を知らしめた「シンセサイザーの冨田」にはまったく関心がない。1974年の『月の光』以降4枚連続全米で大ヒット、高い評価を受けたが、1枚もこのシンセのアルバムは持っていない。好きなのはその前の、子供番組、特に手塚治虫の「ジャングル大帝」「リボンの騎士」などアニメーションの音楽を担当していた「こども番組の主題歌・劇伴に惚れ込んでいるのだ。それは驚くべき転調やテンポ・チェンジを駆使しながら、ポップで開放感あふれる曲を冨田は書けるのだ。特に日本の作曲家ではほとんどいない高揚感のあるサウンドを作れる稀有なソングライター、アレンジャー、プロデューサーが冨田勲なのである。金管楽器の使い方は天才的で、ワーグナーにも匹敵する。そんな冨田の子供番組のデビューは1960年NHKの人形劇「宇宙船シリカ」だ。短いテーマだが、何度も転調する高度な曲でビックリ。1962年は東映動画長編アニメの『アラビアンナイト・シンドバッドの冒険』で、エキゾチックな「行こうよみんなの歌」、そしてヒロインのサミール姫のためにはやはり転調を駆使した洒落た「ひとりぼっちの姫のうた」が印象に残る。1963年にはNHK人形劇の手塚原作の「銀河少年隊」の主題歌を書くが、歌の開放感が実に爽やかな傑作。NHKはテープを上書きして消していたのでフィルムがほとんど残ってなく、初期の坂本九が歌いテイクがあったというのに聴けないのが残念。翌1964年に初のTVアニメ主題歌の手塚の「ビッグX」。勇壮で単純な曲想なのだが、「立ち上がれビッグX」の一瞬のメロディが心地よく、ここを入れるか入れないかがセンスの良さになる。少し短編を挟み1965年には東映動画長編アニメの『ガリバーの宇宙旅行』を担当する。ここで書いた主題歌「ガリバー号マーチ」は、イントロの金管の高揚感、主題歌の開放感、全てが完璧な傑作である。そして冨田に特徴的なのが、実際に使われたサントラ(『東映動画アンソロジー-劇場編-』)より、ステレオで、フル・サイズで録音されたシングル・ヴァージョン(『アニメ主題歌メモリアル 1』の方が、出来がいいのが冨田の常識で、サントラ以外にシングルを探すことなる。このアニメは主題歌以外に3曲、坂本九が歌っていてもちろんDVDではオリジナルで見られるが、シングルは契約の関係でその内の1曲「遊園地の歌」は他の歌手だったものの、『東映動画アンソロジー-劇場編-』には別の歌手名で坂本九ヴァージョンをゲリラ的に入れてしまった。先の『アラビアンナイト…』も含め、東映動画長編アニメーションはCD10枚組の『東映動画長編アニメ音楽大全集』で、他の名作のOSTもたっぷり聴けるのに『ガリバーの宇宙旅行』のOSTだけは坂本九以外の曲も全てインストになっていて、この映画の音楽の権利関係が難しい事が伝わってくる。さて同年遂にTVアニメの『ジャングル大帝』が開始される。やはり出来がベストはシングル・ヴァージョン。手塚にとってこのマンガは代表作であり初めてのカラーTVアニメということで、予算をかけた。手塚は自分のアニメ主題歌を託すのは冨田勲と決めていて、少し前まで観光目的の海外旅行が許可されなかった外貨不足で貧乏国家の日本人にとって見た事もないアフリカ大陸の雄大さを感じさせるには冨田の音楽しかないだろうと判断した手塚は正しかった。主題歌はなんとクラシックのバリトン歌手によるハミングのヴァージョンと、歌詞の入ったヴァージョンで、決して子供は歌えない高度なもの。イントロの金管、ストリングスが転調を繰り返して、歌のパートへ持っていくまでが長いのだが、アニメーションの展開とあいまってそこにアフリカを感じる。そしてやはり歌が入ったフル・サイズのSingle Versionが最高だった。そして手塚はなんとプレスコと言うフィルムに合わせて冨田指揮のオーケストラのBGMが入るという、超豪華な手法で音楽を付けていた。ストーリーに合わせた挿入歌が素晴らしく「星になったママ」「たまごの赤ちゃん」「ライヤのうた」「レオのうた」など、『ジャングル大帝1965-1966』と『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』に歌20曲、BGM146曲がまとめられたほどの人気とクオリティを持っていた。同年には主題曲だけ手塚とは関係ない『戦え!オスパー』に提供したが、歌が当時のまさに典型的な日本人若手歌手の山田太郎だったので、冨田は彼に合わせてAパートなどはまさにポップな演歌風だったが、サビになると一気に伸びやかなメジャーに展開して心地よく、冨田らしさを見せた。まだCD化されていないが『名犬ラッシー』の主題歌「すすめ!ラッシー」も冨田らしい爽やかな佳曲だった。そして1967年にもうひとつの手塚治虫の代表作『リボンの騎士』の主題歌、挿入歌、BGMを全面的に担当する。TV用の主題歌は3ヴァージョンあり、歌詞だけでなくメロディも違っていたり、ナレーションが被ったり満足できるものはないが、やはりこれは王子編をもとにしたフル・サイズのSingle Version。「リボンの騎士(Single Version)」は星の数ほどあるアニメの主題歌で、これほどオシャレで高度な曲は他にはない。ヨーロピアンなセンスも感じられるし、曲は転調につぐ転調、テンポも変わり続け凄いとしかいいようがない。この「王子編」のメロディが一番良く、TVサイズではナレーション被りなので、いつもこのSingle Versionを聴いている。ただ冨田は後半のメロディが異なりキーが低い王女編が好きなのか、後の初めてのリボンの騎士のフルオーケストラのバックを付けた1994年の『新日本紀行・富田勲の音楽』収録のものは同じ前川陽子が歌ったのに王女編で残念だった。なおこの王子編は押尾コータローが『Love Strings』で、ギター1本で完全再現していて大好きなのだが、濱田高志氏経由で冨田氏本人に聴かせたら凄く気に入っていたというので、これは嬉しいところ。この作品の挿入歌も素晴らしく「チンクのうた」もいいが、なんといってもサファイヤとフランツがカーニバルで踊るシーンで使われた「ワルツ」がストリングスによる流麗で極上のワルツで、こんな素晴らしい曲が1BGMとは本当にもったいないと思った。BGMは『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』57トラック収められ、挿入歌は『リボンの騎士ミュージッククリップ』のみに9曲入っていた。そしていよいよ特撮の主題歌、BGMを担当する。『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』のつなぎ用に円谷プロではなく東映が作った、評価の低い『キャプテン・ウルトラ』だ。主題歌の冒頭は混沌とした金管とストリングスとしたからみから歌が始まり、どこまでも上昇していくようなメロディが唯一無二、こんな曲を書いて緊張感に満ちたサウンドを作れる作家は冨田しかいないと思わせる快作だ。OSTのCD2枚組『キャプテン・ウルトラ・ミュージックファイル』には他の歌2曲やBGMが多く入っているがこの主題歌で十分。そして1968年にはいよいよ円谷プロの『マイティジャック』を担当する。主題歌「マイティジャックの歌」はイントロの金管によって一瞬で心を奪われ、その後のストリングスを使った転調で歌まで持っていくセンスが素晴らしい。この勇壮なテーマソングは冨田作品の中でもベスト10に入る1曲、他に2曲の歌があり、BGMは『マイティ・ジャック・ミュージックファイルVol.1~Vol.2』で2枚にまとめられたが、これも主題歌に魅力が集約している。1969年は手塚アニメの主題歌、BGMを担当した最後の傑作『どろろ』である。主題歌がコミカルながら幽玄な雰囲気がありSingle Versionがベスト。他2曲の歌やBGM69曲は『冨田勲 手塚治虫作品
音楽選集』に収録されたが、BGMはおどろおどろしているので主題歌のみでいいだろう。以降は同年のNHK人形劇『空中都市008』の主題歌など、手塚治虫の大人向け長編アニメ『新千夜一夜物語』の音楽、実際に使われたかは分からない『宇宙家族ロビンソン』の主題歌「宇宙船ジュピター2号」、そして70年の手塚治虫大人向け長編アニメ第二弾『クレオパトラ』の主題歌、最後は1973年の円谷プロのカルト作『恐怖劇場アンバランス』のBGMを担当するが、もうポップなものは少なく、『空中都市008』がギリギリだった。
冨田は当然、テレビ番組の主題歌を作曲している。特に有名なのが1969年からの「新日本紀行」のテーマ。日本人なら誰でも知ってるエキゾチックな名曲だ。同じくNHKの1957年からの「今日の料理」、1967年からの「今日の健康」も誰でも知っている。「新日本紀行(旧テーマ)」「現代の映像」「教養特集」「わたしの人生」「日本の素顔」など1960年代中心のこれらのテーマはみな覚えやすいか、格調の高いストリングスで作られ『富田勲NHKテーマ音楽集(新装版)』に収録されている。NHKものはみなハイクオリティで、未CD化の1962年の森サカエが歌う「ふたつの橋」は見事なシャンソンだし、1970年の『70年代われらの世界』でシンプルなピアノとコーラスで東京少年少女合唱団によって歌われた「青い地球は誰のもの」は、1994年に冨田がドラマティックなハーモニーとオーケストレーションでリメイクし(ひばり児童合唱団)、冨田ソングの中でもベスト10に入る感動的なアレンジを施した新ヴァージョンが『新日本紀行 冨田勲の世界』に収められた。他局は1970年の「ダイコンの花」の竹脇無我が歌う穏やかなテーマソング、1973年『唖侍・鬼一法眼』で勝新太郎が歌う時代劇ムードに溢れた「孤独に追われて」があり、CD化されたものでは1969年『プロファイター』の高城丈二が歌う演歌調の「影を追う男」、1972年のチェリッシュが歌う転調を駆使したソフトロック系ナンバー『かあさんの四季』、1974年の『幡随院長兵衛
お待ちなせぇ』はチェイ光星(=チャーリー・コーセイ)が歌うバタ臭い「お若いのお待ちなせぇ」、同年の『座頭市物語』の主題歌で勝新太郎が歌うムード溢れる時代劇ソング「おてんとさん」があったが、『かあさんの四季』以外、NHKのレベルに達していない。
他では企画もので注目すべきものを紹介したい。
1965年に王の日本新記録の55本塁打を記念して作ったシングル盤が「白いボール」で、王貞治と本間千代子が交互に歌っている。王の歌が実に朴訥でヘタだが、冨田メロディでなんとか聴ける。『野球ソングス』に収録。未CD化の超レア盤が1970年の大阪万博の東芝館用に富田が作った12分を超えるロック大作、先着数百人のみに配られた非売品EP盤の「EXPO’70 東芝IHI館グローバル・ビジョンのためのマルチプル・サウンズ」(EXPO’’70 3-TP-4)(「Sounds Of Global Vision Theatre In The Air」は読売日本交響楽団、チェイ光星、六文銭で録音され、最もCD化が希望される。同じくCD化が強く望まれるのが1971年リリースの西郷輝彦のLP『坂道の教会』だ。アルバム1枚を使って八坂裕子のナレーションの間に冨田書き下ろしの14曲の西郷の歌が入る。アルバム1枚でひとつのストーリーになっている意欲盤で傑作。同じコンセプトでは1973年リリースの朱里エイコの『パーティー』が、詩を八坂裕子、曲を富田が書き、朱里エイコがナレーションと歌を受け持ったアルバム1枚でひとつの話になっていた傑作で、こちらはCD化された。あと1985年の筑波科学万博の電力館用のシングル盤が、野宮真貴が歌う「すてきなラブ・パワー」。軽快なポップチューンの佳曲だったが未CD化のままである。付け加えると60年代のCMでソノシートが出ていたヴァイオレッツの「スズキスーパーミニの唄ファッションバイク」は、ベースランニングが見事な洒落たポップ・ナンバー、そして社歌だが1963年のダークダックスが歌う「三菱電機テーマソング」がワルツのリズムでいかにも冨田のセンスが隠されていた。冨田勲の音源はまだまだコレクティングが必要だが、一番こだわるアニメ―ション&特撮に過去カタログはほとんどないだろうからBGMがきちんと出ることを待つばかりだ。
★富田勲(こども番組とポップスのみ)
※シンセサイザーと劇場映画・大河ドラマは除外。★未CD化の曲
☆こども番組用
〇1960/10/3~62/3/27 『宇宙船シリカ』(NHK=竹田人形座)人形劇
(「宇宙船シリカ」…東京放送児童合唱団)…『オリジナル懐かしの人形劇テーマ大全1956-1982』(東芝EMI/9355)など
〇1962/6/16 『アラビアンナイト・シンドバッドの冒険』(東映動画)長編アニメ
(「行こうよみんなのうた」「シンドバッドの唄」…デニー白川、「ひとりぼっちの姫のうた」…真理ヨシコ、「いかりを上げろのうた」「重い積み荷のうた」…二期会、「トルコの王様のうた」…松岡ユキ、「不思議なギターのうた」…太宰久夫他BGM計23曲)…『東映動画長編アニメ音楽大全集』(日本コロムビア/13501/10)
(「シンドバッドの唄」…「行こうよみんなのうた」と「シンドバッドの唄」を合体させたものだがコーラスが入らない別テイク、「出航の唄」…「いかりを上げろの唄」の短縮版。コーラスが薄い別テイク)…『東映動画アンソロジー劇場版1958-1971』(日本クラウン/2014)
〇1963/4/7~65/4/1 『銀河少年隊』(NHK=竹田人形座)人形劇
(「銀河少年隊」…上高田少年合唱団)…『オリジナル懐かしの人形劇テーマ大全1956-1982』(東芝EMI/9355)(★「ミスター・シックスのマーチ」…フールサンズ・セレナーダス)…ソノシート『銀河少年隊』(現代芸術社/現代フォノマンガ2)のみ収録
※なおDVD『空中都市008』(NHK/ASHB1117)のボーナストラックにフランスで見つかった映像が入ったが、ここでの主題歌は若干歌い方が違う別ヴァージョン。(一番初期の坂本九は未だ発見されていない)
〇1964/8/3~65/9/27 『ビッグX』(TBS=東京ムービー)TVアニメ
(「ビッグX(オープニングTVサイズ)」「ビッグX((エンディングTVサイズ)」「ビッグX((シングル・ヴァージョン)…手塚アニメの主題歌シングルで唯一途中にセリフなど入り出来が悪い」…上高田少年合唱団他BGM31トラック、計41分)…『ミュージッククリップ ビッグX』(東芝EMI/9892)
(上記の「ビッグX(オープニングTVサイズ)」「ビッグX((エンディングTVサイズ)」他BGM14曲が入ったが、14分しかなく、大きく4つにチャプター付けされた上記の盤の内容に含まれていると思われる)…『冨田勲
手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
〇1965/1/3 『新宝島』(CX=虫プロ)TVアニメ(単発)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
(「タイトル~出航」)
〇1965/3/20 『ガリバーの宇宙旅行』(東映動画)長編アニメ
(「ガリバー号マーチ(レコード)」…西六郷少年合唱団、「遊園地のうた(レコード)」…本間千代子、高橋元太郎)…『コロムビアアニメ原盤によるアニメ主題歌メモリアル』(日本コロムビア/30562)
(「ガリバー号マーチ(劇場版)」…西六郷少年合唱団、「遊園地のうた(劇場版)」…坂本九。なおCDクレジットは「本間千代子、高橋元太郎」で、坂本九と気づいていながらゲリラ的に出したのではないか)…『東映動画アンソロジー劇場版1958-1971』(日本クラウン/2014)
(歌は一切除外されBGM16トラック収録。「ガリバー号宇宙をいく」「希望の夜明け」など)…『東映動画長編アニメ音楽大全集』(日本コロムビア/13501/10)
※DVD『ガリバーの宇宙旅行』(東映/DSTD03146)では坂本九が歌う「地球の歌」とダニー飯田とパラダイスキングが歌う「ロボットたちの歌」も聴くことができる。
〇1965/4/4~66/3/31 『宇宙人ピピ』(NHK)アニメと合成
(「ピピのテーマソング」…中村メイコ, みすず児童合唱団、「ピピとなかよし」…中村メイコ フールサンズ・セレナダーズ)…『朝日ソノラマ主題歌コレクション2』(東芝EMI/25073/74)
〇1965/10/6~66/9/28 『ジャングル大帝』(CX=虫プロ)TVアニメ
(「ジャングル大帝のテーマ(オープニング1)(ハミング)」「ジャングル大帝のテーマ(オープニング2)(歌詞あり)」…平野忠彦、「たまごの赤ちゃん」「レオのうた(エンディング)」…弘田三枝子、「星になったママ」…梓みちよ、「アイウエオ・マンボ1」「大掃除に行こう」「サル忍者」…MGAコーラスグループ、「ライヤのうた」…真理ヨシコ、「ぼくに力をおとうさん」「アイウエオ・マンボ2」…太田淑子、「うわさのタネ」…川久保潔、熊倉一雄、明石一、田村錦人、「私のベイビー」…スリー・グレイセス、「フンワカ・マーチ」…中山千夏、「ふくろうの子守唄」「ブラック・フォア」…デューク・エイセス、「ジャングル工事」…フランク赤木、「三匹の死神」…世良明芳、「オットーのお通り」…八奈見乗児、「ディックとボウ」「大先輩のお話」…熊倉一雄、川久保潔の他BGM88曲収録)…『ジャングル大帝1965-1966』(Emotion/9011)CD4枚組。
(歌は上記盤から12曲しか収録されていないが、BGMは60曲入り、上記盤とのダブりは2曲しかなく58曲はこれのみ収録)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
(「ジャングル大帝(シングル・ヴァージョン。内容的には文句なしにベスト)…三浦弘(=平野忠彦)」「レオのうた(シングル・ヴァージョン)」…弘田三枝子)…『昭和キッズTVシングルスVol.1』(コロムビア/32103/4)
〇1966/10/5~67/3/29 『新ジャングル大帝進めレオ』(CX=虫プロ)TVアニメ
(エンディングの「レオのうた (2コーラス版)」…-弘田三枝子と、BGM17曲収録)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
(壮大なオープニングとエンディングのオーケストレーションが冨田の担当だが「新ジャングル大帝進めレオ」…ハッピー・ビーンズ収録。デューク・エイセス・ヴァージョンも収録されているが冨田は無関係。なお『ジャングル大帝1965-1966』の歌の中で、「オットーのお通り」「大先輩のお話」以外収録されているが音質が悪く、尺も短い曲がかなりある)…『ミュージッククリップ35 ジャングル大帝』(東芝EMI/10235)
〇1965/12/14~67/10/31 『戦え!オスパー』(NTV=日本放送映画社)TVアニメ
(「戦え!オスパー」…山田太郎…『21世紀に遺したいアニメソング大全 ミレニアムボックス』(東芝EMI/24381/86)、「ユミのうた」…山中みゆき…『朝日ソノラマ主題歌コレクション2』(東芝EMI/25073/74)
〇1965~1966 『名犬ラッシー』(TBS)子供向けアメリカドラマ
(★「すすめラッシー」…杉並児童合唱団)…ソノシート『名犬ラッシーの大冒険』(コダマプレス/175)※1957/11/3~1958/3/30 ひばり児童合唱団(作詞:宮崎博史)もあり
〇1966/11/11 『展覧会の絵』(虫プロ)短編アニメ ※虫プロフェスティバル用
※作曲はムソルグスキー・冨田はアレンジ(「プロムナード」「キエフの大門」)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
〇1967/4/2~68/4/7 『リボンの騎士』(CX=虫プロ)TVアニメ
(オープニング「リボンの騎士」のインスト版と歌入り王女編に加え、王女編インストは初登場、「リボンのマーチ」のTVサイズに加え、同尺の別ヴァージョンは初登場。他BGM57曲収録)…『冨田勲
手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
(全てTVサイズで、「リボンの騎士王子編オープニング(ナレーション入り)「リボンのマーチ(TVサイズより30秒長いがレコードより1分短いヴァージョン)」…前川陽子と、歌入りの「囚人のうた」「チンクのうた」「使用人たちのうた」「うれしいたいかん式」「王子入場」「サファイヤのうた」「リボンの騎士はチャンピオン」の9曲はこの盤のみ。オープニングの「リボンの騎士(王女編)」「リボンの騎士(インスト)」エンディングの「リボンのマーチ」」…前川陽子以外BGMが19曲あるが、上記に含まれていると思われる)…『ミュージッククリップ28 リボンの騎士』(東芝EMI/10404)
(「リボンの騎士(シングル・ヴァージョン。他のテイクを寄せ付けない圧倒的に優れたベストテイク)」「リボンのマーチ(シングル・ヴァージョン)」…両曲とも前川陽子)…『昭和キッズTVシングルスVol.2』(日本コロムビア/32105/6)
〇1967/4/16~9/24 『キャプテン・ウルトラ』(TBS=東映)TV特撮
(「キャプテン・ウルトラ(TVサイズ)(レコード)(カラオケ)…ボーカルショップ、マイスタージンガー、上高田少年合唱団、「宇宙マーチ」(TVサイズ)(レコード)(カラオケ)…ボーカルショップ、「ハックとジョー(レコード)(カラオケ)」…熊倉一雄、川久保潔などBGM多数」…『キャプテン・ウルトラ・ミュージックファイル』(ウルトラヴァイヴ/1162/63)
〇1968/4/6~6/29 『マイティジャック』(CX=円谷プロ)TV特撮
(「マイティジャックの歌」…フールサンズ合唱団、「進めマイティジャック」…上高田少年合唱団、フールサンズ合唱団、「MJの歌」…フールサンズ合唱団)…『懐かしの特撮ヒーロー大全2』(東芝EMI/8792)など下記にも分散収録
(「マイティジャック(TVサイズ)」など27BGM集。後半は宮内國郎の『戦え!マイティジャック』)…『テレビオリジナルBGMコレクション マイティジャック』(日本コロムビア/72239)
(「メインタイトル~マイティジャックの歌(TVサイズ・ギター入りカラオケヴァージョン」「マイティジャックの歌(TVサイズ・エンディングヴァージョン・カラオケ」「マイティジャックの歌(TVサイズ)」「進めマイティジャック(カラオケ)」「雲海の銀翼」(アレンジを変え、ジャズタッチのものまで3テイクで1曲)、他BGMなど計24曲収録)…『マイティジャック ミュージックファイル』(バップ/81112)
(「マイティジャックの歌(エンディング用TVサイズ歌詞1番)」「マイティジャックの歌(2ッコーラス・カラオケ)」「マイティジャックの歌(TVサイズ・カラオケ)」「マイティジャックの歌(2コーラス・インストゥルメンタル・ハーモニカ入り)」「マイティジャックの歌(エンディング用TVサイズ歌詞1番)」「マイティジャックの歌(カラオケ)」「MJの歌(カラオケ)」他BGMなど計29曲収録)…『マイティジャック2 ミュージックファイル』(バップ/81113)
〇1968/7/6~12/28 『戦え!マイティジャック』(CX=円谷プロ)TV特撮※富田作の前作からの主題歌群は使われたものの、BGMは『ウルトラマン』の宮内國郎に変更された。そのため貴重なのはオープニングの宮内の音楽が一瞬入り、また中間部にも少しSEが入る「オープニング~マイティジャックの歌TVサイズ(BGM入り)」が貴重と言えば貴重。その他の冨田作「マイティジャックの歌・TVサイズインストギター入」「進めマイティジャック-上高田少年合唱団、フールサンズ合唱団」「MJの歌-フールサンズ合唱団」は他の『マイティジャック』のCDで聴けるので価値はない。宮内のBGMが計13ブロックに分けて収録されたが冨田ではないので無関係)…(『戦え!マイティジャック ミュージックファイル』(バップ/81117)
〇1969/4/6~9/28 『どろろ』(CX=虫プロ)TVアニメ
(「どろろ(TVサイズ)」…藤田淑子、「百鬼丸のうた(別ヴァージョン)」…葵公彦、「琵琶法師の唄」…滝口順平、「どろろ(2コーラスカラオケ)」、「オープニング
メインテーマ1 (百鬼丸のテーマ)」、「メインテーマ2 (百鬼丸のテーマ)」、「百鬼丸のうた」他BGM69曲収録)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
(「どろろ」…藤田淑子、「百鬼丸のうた」…葵公彦)…『朝日ソノラマ主題歌コレクション4』(東芝EMI/25077/78)
(「どろろ(TVサイズ)…藤田淑子」…『21世紀に遺したいアニメソング大全
ミレニアムボックス』(東芝EMI/24381/86)
〇1969/4/7~70/4/6 『空中都市008』(NHK=竹田人形座)人形劇
(「空中都市008」…中山千夏)…『オリジナル懐かしの人形劇テーマ大全1956-1982』(東芝EMI/9355)、(★「私のふるさと」…松島トモ子、★「アラーム・ロボットのうた」…山崎唯★「バンジョーで踊ろう」)…『空中都市008』(キング/2016)
〇1969/6/14 『新千夜一夜物語』(虫プロ=日本ヘラルド)長編アニメ
(「メイン・タイトル」「エンド・タイトル」「魅惑の夜」「いとしのミリアム」「奴隷泥棒」「ミリアムのテーマ」「カマーキムの金銀財宝」「木馬飛行」「女護ヶ島」「ロブロブ島」「食人鬼」「ロブロブ島対食人鬼」「ジャリスの恋」「ジャリスの竪琴」「美しき都」「ファンファーレ」「象のデキシー」「美女と猫」「踊る機械人形」「花と蝶」「シンドバッドの勝利」「雌ライオンの誘惑」「ジャリスの恋~再会」他冨田指揮のフールサンズ24曲+ヘルプフル・ソウル15曲で計39曲。)
(※上記が別ヴァージョン収録だったのはいずれもヘルプフル・ソウルだったので特別に記すが★「アルディンのテーマ」★「モーレツ男」の2曲は、前者はAlternate Version、後者はVocal Mix Versionに変わっていた。)…LP『新千夜一夜物語』(ビクター/8150)
〇196? 『宇宙家族ロビンソン』外国TV
(「宇宙船ジュピター2号」※ソノシート用の企画ものの歌)…『朝日ソノラマ主題歌コレクション2』(東芝EMI/25073/74)
〇1970/9/15 『クレオパトラ』(虫プロ=日本ヘラルド)長編アニメ
(「クレオパトラの涙」…由紀さおり)…『冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集』(日本コロムビア/COCX39821-5)CD5枚組
〇1973/1/8~4/2 『恐怖劇場アンバランス』(CX=円谷プロ)TV特撮
(BGM集61トラック)…『恐怖劇場アンバランスオリジナルBGM集』(ウルトラヴァイヴ/1142)
☆主要なTVテーマ曲 ※大河ドラマ、劇場版映画除く
〇1962/4/9~7/2 シングル盤★『ふたつの橋』(NHK)ドラマ/★『かわいた夜』(CX肌色の仮面)ドラマ…森サカエ(コロムビア/SA980)※「二つの橋」は1994年の『新日本紀行・富田勲の音楽』(BMGビクター/1525)で大浦みずきの歌でリメイクされている。
〇1969~1982/3 『新日本紀行』(NHK)…フールサンズ・セレナーダス
〇1963/10/7~1969『新日本紀行(旧テーマ)』
〇1964~1971 『現代の映像』(NHK)フールサンズ・セレナーダス
〇1956~1978 『教養特集』(NHK)
〇1957/11/10~1965 『日本の素顔』(NHK)
〇1971 『わたしの人生(オープニング)(エンディング)』(NHK)
〇1957~ 『きょうの料理』(NHK)
〇1967~ 『きょうの健康』(NHK)
〇1967/4/7~68/10/11 『文五捕物控』(NHK)
※『新日本紀行』から『文五捕物控』まで『富田勲NHKテーマ音楽集(新装版)』(日本コロムビア/85246)収録
1966/4/9~72/3/17 『よくみよう』(NHK教育)
(★「よくみよう」…天地総子)…ソノシート「NHKテーマ音楽」※歌が入っているものがオリジナル。
〇1969/1/5~3/30 『プロファイター』(NTV=宝塚)
(「影を追う男」…高城丈二)…『シネマスタアコレクション・アクションスター編』(ユニヴァーサル/6007)・同名シングル盤B面★「ブルーボサノバ」(ポリドール/SDR1410)
〇1970/10/22~12/24 『だいこんの花』(NET=ゴールデン劇場)TVドラマ
(★「だいこんの花」…竹脇無我/★「だいこんの花のテーマ」…フィリップス・シンフォニック・オーケストラ)…シングル盤(フィリップス/FS1240)
〇1970-1975 『70年代われらの世界』(NHK教育)
(★「青い地球はだれのもの」…東京少年少女合唱団。※オリジナルはピアノの伴奏に少年合唱団の歌によるシンプルながらドラマティックなヴァージョンだった。シングル盤が出ていたがレコード番号等不明。このシングル盤を冨田は見つけられず、下記のライブを「オリジナル」としている)
(1994 「青い地球は誰のもの」…ひばり児童合唱団。…『新日本紀行・富田勲の音楽』(BMGビクター/1525)※フルヴァージョンは、この感動的な大作のコーラスが終わるまでがSingle Editで、その後の小さく1分続く余韻のハーモニーが入ったものがこのフルヴァージョン。冨田作品でも最高峰の出来。
(1994 CDシングル「★青い地球は誰のもの(Single Edit)」…ひばり児童合唱団「★青い地球は誰のもの(カラオケ)」…『新日本紀行 冨田勲の世界』)(BMGビクター/BVCD1)。このCDシングルのカラオケも価値が高い。)
(2015「青い地球はだれのもの」…NHK東京放送児童合唱団による2003年の再録ライブを、「オリジナル」のかわりに収録した。2015年リリースの『NHKテーマ音楽集(新装版)』(DENON/COCO85246)
〇1972/10/4~73/9/26 『かあさんの四季』(CX)
(「かあさんの四季」…チェリッシュ)…『Our Time:Softrock Drivin’
Extra Tracks』(Solid/1054)
〇1973/10/7~74/3/31 『唖侍・鬼一法眼』(NTV=勝プロ)TVドラマ
(★「孤独におわれて」…勝新太郎)…シングル盤(東芝EMI/TP2954)
〇1974/4/5~10/4 『幡随院長兵衛
お待ちなせぇ』(毎日放送=東宝)
(「お若いのお待ちなせェ」…チェイ光星(=チャーリー・コーセイ))…『TV時代劇グレイテストヒット2』(テイチク/25489)(同名シングル盤B面★「泣いたらいいさ」…チェイ光星(東宝レコード/AT1056))
〇1974/10/3~75/4/17 『座頭市物語』(CX=勝プロ)TVドラマ
(「おてんとさん」…勝新太郎)…『テレビ時代劇主題歌コレクション』(キング/1038)
〇1994 (「リボンの騎士」…歌:前川陽子、演奏:東京交響楽団。歌は「王女編」。…『新日本紀行・富田勲の音楽』(BMGビクター/1525)
〇1994 (「ジャングル大帝」…演奏:東京交響楽団)…『新日本紀行・富田勲の音楽』(BMGビクター/1525)
☆ポップスの企画もの
〇1957 「高原の駅で」…楠トシエ(『ABCホームソング大全』(Solid/1463-/64)
※1952年から20年間ABCで放送されたオリジナル曲を制作し、それを聴かせるラジオ番組より。
〇1964 「銀色のバレエ」…高石かつ枝『青春歌謡ゴーゴー①ティーン・ポップス大図鑑』
〇1965 「君の夢僕の夢」…山田太郎『山田太郎 ゴールデン☆ベスト』(日本クラウン)
〇1965 「白いボール」…王貞治、本間千代子
※王の日本新記録の55本塁打を記念して作ったシングル盤。『野球ソングス』(日本コロムビア/36066)収録
〇1966 ★「ぼくの地球」…丹野伸/西六郷少年合唱団 NHK用。シングル盤が出ていた。
〇1970 ★ EP盤「EXPO’70 東芝IHI館グローバル・ビジョンのためのマルチプル・サウンズ」(EXPO’’70 3-TP-4)
(「Sounds
Of Global Vision Theatre In The Air」…読売日本交響楽団、チェイ光星、六文銭、「Sounds Of Under Ground Park Of Light and Water」)…インスト。※大阪万博の東芝館用に富田が作った12分を超えるロック大作、先着数百人のみに配られた非売品で、最もCD化が希望される。
〇1971/7 ★『坂道の教会』…西郷輝彦(日本クラウン/7016)
※アルバム1枚を使って八坂裕子の詩に、富田がメロディを付け、西郷輝彦が歌う。ナレーションの間に14曲の歌が入る。アルバム1枚でひとつのストーリーになっている意欲盤で傑作。CD化が望まれる。
〇1972.2 ★『駅-最後の四二一列車』…作・朗読:石坂浩二(ワーナー/8006)
※石坂浩二のナレーションのバックのBGM
〇1972 『海軍特別攻撃隊 遺書』(クラウン/50002/3)
※23人の遺書に富田がクラウン・オーケストラによりBGMを付けたもの。
〇1973/5 『パーティー』…朱里エイコ(ワーナー/1086)
※『坂道の教会』に引き続き、詩を八坂裕子、曲を富田が書き、朱里エイコがナレーションと歌を受け持ったアルバム1枚でひとつの話になっている。『坂道の教会』には曲名を付けていなかったが、本盤ではタイトルが付けられた。
(「はなやいだ夜」「アフリカ象とインド象」「カナッペ、フォアグラ、キャビア」「独りのとき なにかがおこる」「哀しい出逢い」「ディープ・パープルはどこ?」「オフィリアのように」「きまぐれ」「パーティーはおしまい」)
〇1973/10 「どこまでも駆けてゆきたい」…GARO(NHK「みんなのうた」用で、2006年の『GARO BOX』(GT Music/981/91)収録)
〇1985 シングル盤「★すてきなラブ・パワー」…野宮真貴/「★同(インストゥルメンタル」…RVC/85 ※筑波科学万博の電力館の為の書きおろし
〇2000 『21世紀の伝説史 長嶋茂雄』(メディアファクトリー/657)
※長嶋茂雄をイメージして、富田が勇壮な曲を中心に20曲を書き下した。
☆サントラとは別録音のレコード
〇1966 『ジャングル大帝ヒットパレード』(日本コロムビア)※TVと同じ歌手を出来るだけ起用し、ステレオで再録音したアルバム。「ジャングル大帝」と「レオのうた」はシングルで使われたシングル・ヴァージョン。「砂漠の嵐」は新曲。
(「ジャングル大帝」…三浦弘、「砂漠の嵐」…コロムビア合唱団、「フンワカワーマーチ」…中山千夏、「ジャングル工事」…弘田三枝子、「星になったママ」…真理ヨシコ、ふくろうの子守唄」「ブラック・フォア」…ボーカルショップ、「アイウエオ・マンボ」…弘田三枝子、「ライヤのうた」…真理ヨシコ、「サル忍者」…熊倉一雄、「三匹の死神」…世良明芳、「たまごの赤ちゃん」…弘田三枝子、「ディックとボウ」…川久保潔、熊倉一雄、「ぼくに力をおとうさん」「レオのうた」…弘田三枝子)
〇1966 『こどものための交響詩ジャングル大帝』(日本コロムビア/31629)
※日本フィルハーモニー交響楽団と日本合唱協会によるオーケストラヴァージョン
☆主要な非売品CM
196? ★「スズキスーパーミニの唄ファッションバイク」…ヴァイオレッツ。ソノシートで鈴木自動車工業株式会社製
1963 ★「三菱電機テーマソング」…ダークダックス
196? ★コロムビアCMソング
1970 ★ホンダ1300クーペCM
1972 ★高島屋ローゼンタールCM
(作成:佐野邦彦)
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