とうとう真打、自分にとっての生涯の研究テーマのビーチ・ボーイズが登場した。あまりに調査を重ねたため、1回では文字数オーバー、2回に分けて掲載することにした。洋楽の最終回をビートルズとどっちにするか迷ったが、デビューから8年間の楽曲のクオリティはやはりビートルズということでラストにした。ただし個人的に史上最高のアルバムは『Pet Sounds』であり、歴代ベスト・ソングは「Good Vibrations」とどちらもビーチ・ボーイズがベスト1であることは確か。イギリスのMojo誌でミュージシャンと、音楽評論家を対象にアンケートを取った時に、まったく同じ結果が出て、イギリス人のプロはさすがだなと感激したものだ。ただしブライアン・ウィルソンがこの1966年をピークに『Smile』の挫折で前のような作曲が出来ないという精神面だけでなく、極度の肥満で健康面も深刻となり、セラピストのユージン・ランディの力で1977年の『Love You』で一度復活する。巨額な費用を要求するランディを切るとまたダメで1983年から再びランディに依頼、彼の「洗脳プログラム」のより60kgのダイエットに成功、1985年の『The Beach Boys』では驚くばかりの痩せた姿になり、1988年には初のソロ・アルバム『Brian Wilson』は全曲オリジナルとついに音楽面で復活、22年もの時間を必要とした。ユージン・ランディの功績はあったが、ランディはブライアン本人を財産も含め支配下に置こうしたためメンバーと家族の訴えで1992年に接見禁止命令で終わる。ブライアンが不在に近いその間、メンバーの才能が開花し、いい曲を残したが、いかんせんブライアンと比較してはその実力差は明らか。ブライアンがソロ活動をスタートしてからは、2012年の結成50周年記念以外にビーチ・ボーイズに参加していない。しかしグループにはカール・ウィルソンがいたので求心力がありライブはブライアン抜きで通常に続けられていたが1998年に残念ながら病死してしまうと、アル・ジャーディンは、マイク・ラブと対立し、グループを離れる。この頃にはグラミー賞作曲家にもなったブルース・ジョンストンの存在意義は低下し、もめるのを嫌うブルースはマイクの名乗るビーチ・ボーイズに残り、今現在までビーチ・ボーイズとはマイク&ブルース2人だけの、懐メロライブバンドになり果てている。一方、ブライアンは、周りにビーチ・ボーイズをはるかに越えるコーラス、演奏力を持ったブライアン・ウィルソン・バンドに支えられ、コンスタントにアルバムを出し、ライブも続けている。アルも今はブライアンのツアーメンバーとして参加していて、2つに分裂した状況だが、訴訟などにはならず、平和的に住み分けしている。今まで紹介してきた「世界の5大バンド」の中でビーチ・ボーイズとキンクスは、ブライアン・ウィルソンとレイ・デーヴィスのソロに置き換わってしまってしまっているといっていいだろう。ただどちらも50年を超えて存続している事が奇跡と言える。このビーチ・ボーイズが、ビートルズに唯一対抗できたアメリカのロックバンドだったのは、アメリカ、イギリスでのチャート状況を見ていただければわかる。面白いのはアメリカでの人気は『Pet Sounds』を境に、あまりに進み過ぎたブライアンの楽曲に従来のファンが離れていってしまったのは逆に、イギリスでは『Pet Sounds』からファンがその凄さに気付いて、アメリカではダメでもイギリスで大ヒットという状況が続いていったことだ。シングルチャートでは1位はアメリカ5、イギリス2、トップ10はアメリカ10、イギリス10、トップ20はアメリカ9、イギリス1であり、アルバムチャートでは1位はアメリカ2、イギリス2、トップ10はアメリカ12、イギリス12、トップ20はアメリカ2、イギリス6と米英両方で活躍するスーパーグループの要件を満たしていて、この数字はフーやキンクスよりは明らかに上で、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズで世界の3大ロックバンドと言ってもいいくらいの数字だ。今まで紹介してきた全てのミュージシャンで、最もこだわりコンプリートを目指しているのはビーチ・ボーイズ。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、フー、キンクスには寺田正典さんや犬伏巧さん達がいて、自分は勉強させてもらう立場が楽しい。しかしビーチ・ボーイズに関して『The Beach Boys Complete』『The Beach Boys
Complete 2001』『The Beach Boys Complete Revised Edition』と3ヴァージョンをシンコーミュージックから出してきたのは、他人に任せたくないからだ。そんな最もこだわるビーチ・ボーイズとの出会いは小6の1969年だったが、以降はPart2で。
★THE BEACH BOYS(Part 1)
☆オリジナル・アルバム
1962 『Surfin’
Safari』1990 Reissue(Capitol)※『Surfin’ USA』との2イン1。ボーナスで未発表の62年の「Cindy Oh Cindy」、「Land Ahoy」、63年の「The
Baker Man」を追加。本盤はモノだけで、他に疑似ステレオ盤が存在する。『Surfin’ Safari』のみ、技術的な理由でステレオ化は困難である。US32
(注:『Good Vibrations Box』『Made In California』収録の「Surfin’ Safari」のモノは12秒長く完奏するまで収録、「409」のモノは6秒長く自然に歌を止めるところまで入っている。また「Surfin’」(『Made In California』では「Surfin’(With Session
Intro)」も冒頭にやり直し部分など入っている。また『Surfin’』収録の「Surfin’」は4秒長く完奏している。なお「Surfin’ Safari」の当時のキャピトルのシングルにはエコーがかかっているが日本のみ93年リリース、2015年復刻の日本独自企画盤『The Beach Boys Single Collection(Box Set)』でしか聴くことができない。また62年に西ドイツのAriolaレーベルのみリリースのラフなヴァージョン「Surfin’ Safari(German Ariola Version)」は、『Lost And Found』でCandix Overdubbing(初登場のステレオ)と、『Surfin’ 1962』(盤起こしなのでモノ)に収録。なお「Surfin’」はモーガン・テープの他に、『Good Vibratiosn Box』に1961年の伴奏なしの「Surfin’(Rehearsal)」が収められ、『Made In California』『Hawthorne CA』には同じ年に収録されたギターの伴奏付のものが「Home
Recordings/Surfin’ Rehearsal Highlights」等のタイトルで収録された。モーガン・テープでは『Lost And Found』にCandix Versionの「Surfin'(Single Version)」含む3テイク、「Surfin' Safari」は上記のCandix Orverdubbingを含め3テイク収録。ただし『Surfin’ Safari』のアルバムでは「Surfin’」はフェイドアウトを早くして使ったが、「Surfin’ Safari」はCapitolで録り直したヴァージョンを使っている)
2013→『Surfin’ 1962』(Rock Melon)※著作権50年切れで出たCD。『Surfin’ Safari』のモノ盤に、前述の「Surfin’ Safari(German Ariola Version)」のレコードからおこしたモノヴァージョンや、Candixからのファーストシングル「Surfin’(Single Version)」「Luau」やブライアン・プロデュースのレア盤を加え、さらにあろうことかビーチ・ボーイズのブートレグ・シリーズの名作『Unsurpassed Masters』より「Heads You Win,Tail I
Lose」「County Fair」「Cuckoo Clock」「Summertime Blues」「Land Ahoy」「Cindy Oh Cindy」はインストや歌の練習と本番テイク、「Little Girl」とBob & Sheri用の「The Surfer Moon」のインストをボツテイクなど含めて丸ごと収録した。違法ではない。
1963 『Surfin’ USA』1990 Reissue(Capitol)※『Surfin’ Safari』との2イン1。ボーナスは同上。US2-UK17
(注:『Made In California』収録の「Lonely Sea」のモノは11秒長くリフレインが2回多く聴ける。冒頭にTake2の声入り。そして「Surfers Rule (With Session Intro)」は父親のマリーの指示とイントロの練習部分も聴ける。『Hawthorne,CA』では「Surfin’ USA(Backing Track)」と62年「Surfin'
USA(Demo)」も入っている。『Good Vibrations Box』の「Surfin’ USA(Demo)」はブライアンのピアノ弾き語りなので、後半にドラムが入る前者とは別ヴァージョン。)
1963 『Surfin’ USA』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。
「Lana」…モノは9秒長く、ステレオではフェイドアウトしてしまう後、ドラムが入ってさらにリフレインが続く。ブライアンのアドリブヴォーカルが聴ける。
「Finders Keepers」…モノは3秒長いが、マイクのセリフが少し長く入っているだけ。
1963 『Surfer Girl』1990 & 2001 Reissue(Capitol)※『Shut Down Volume 2』との2イン1。ボーナスで「Fun Fun Fun」(Single
Version) …他でも多数収録、と未発表の64年「In
My Room(German Version)」、63年「I Do」が追加された。まず「I Do」は1990年リイシューではモノ、2001年のリイシューではFalse Startも加わったステレオで、さらに「In My Room」(German Version)のア・カペラ30秒がシークレット・トラックに入っていた。このア・カペラは終始するところまで聴ける。次に「In My Room(German Version)」だが、初出は『Rarities』でモノだったが本盤はステレオで収録されており、2001年のリイシューではさらに冒頭にカウントが入っていた。US7-UK13
(注;『Good Vibrations Box』にイントロのコーラス付のまったくの別テイク「In My Room(Demo)」収録。『Endless Harmony Soundtrack』の初版はコーラスと演奏を片方ずつに振り分けた「Surfer Girl(Binaural Mix)」、改訂版にはヴォーカルを全面に出し演奏を極端に小さくミックスした「Surfer Girl(Vocal)」が収録されている。『Hawthorne,CA』ではラフでメロディも少し違う63年『Little Deuce Coupe(Demo)』を聴くことができる。モーガン・テープでは『Lost And Found』に最初期の「Surfer Girl」収録)
1963 『Surfer Girl』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。
「Catch A Wave」…モノは11秒長く、最後のリフレインがステレオでは2回だが、4回聴ける。
「The Surfer Moon」…モノは4秒長い。エンディングの編集が違っていて、最後のmoon最後のコーラスがステレオでは2回目で上昇するが、モノでは2回同じメロディで歌ったあと3回目で上昇する。
「South Bay Surfer」…モノは5秒長く、ドラムが入ってさらに歌が続く。
「Little Deuce Coupe」…モノはシングル・ヴァージョンで9秒長く、1回多いリフレインの後、ブライアンの上昇していくアドリブヴォーカルで終わる。ただし『The Beach Boys Single Collection』などのモノはさらに3秒長く、ライブのように上昇し終止する寸前まで聴くことができる。
「Our Car Club」…ステレオは6秒長く、最後のリフレインはモノでは3回目の途中で終わるが、ステレオは4回入っている。
「Hawaii」…モノは3秒長く、ステレオではブライアンの上昇するファルセットで終わるが、先のコーラスまで聴ける。
「Your Summer Dream」…モノは6秒長く、ブライアンのリフレインが1回多く入っている。
1963
『Little Deuce Coupe』
1990 Reissue(Capitol)※『All
Summer Long』との2イン1。ボーナスで「Be True To Your School」(Single Version)…(他でも多数収録。)、2in1なので『All Summer Long』側の方の音源になるが、未発表の64年「All Dressed Up For School」は、他に『U.S. Singles Collection』『Made In California』にはモノヴァージョンが収録されていたが、iTunes でダウンロードのみ販売の『Keep An Eye On
Summer:The Beach Boys Session 1964』(以下『Keep An Eye On
Summer』)の「All Dressed Up For School(Session Highlights
And New Stereo Mix)」は歌の途中までの練習後に本番テイクがステレオで入っていた。全くメロディが違う64年「Don’t Back Down(Alternate Version)」も、他に『Keep An Eye On Summer』ではエンディングが18秒長く聴けるものが「Don’t Back Down (Alternate Version Session Highlight / New Stereo
Mix)」として収録されていた。スタジオ・チャットはあるが余計な演奏は入っていない。US4
1963 『Little Deuce
Coupe』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。
「Spirit Of America」…ステレオはモノより2秒ほど長い。
※「Our Car Club」のステレオは『Surfer Girl』と同じなので6秒長いが、「Little Deuce Coupe」のモノはなぜかステレオをモノにしただけ。よって短い。
1964 『Shut Down
Volume 2』1990 Reissue(Capitol)※『Surfer Girl』との2イン1。ボーナスは上記の『Surfer Girl』参照。US13
(注:シングル・ヴァージョン「Why Do Fools Fall In Love」はイントロのドゥワップ部分にコーラスが入っているが、このアルバム・ヴァージョンには入らない。シングル・ヴァージョンは『U.S. Singles Collection』や『The Warmth Of The
Sun』に収録され、前者には中間のア・カペラを頭に入れたニューミックスも登場した。さらに『Summer
Love Songs』には初登場のピアノや鉄琴のイントロまで入ったシングル・ヴァージョンが収録されている。そして『Keep An Eye On Summer』にはNew Stereo Mixのあとに歌のないSession Highlights / Stereo Mixがあり、その中間に前述のピアノイントロの練習シーンがあるので、この初登場のインストがこの曲のセッションだということが確定された。次に「Don’t Worry Baby」の1964年当時プレスされたアナログ・モノ・シングルはフェイドアウトが僅かに長く、消えていく部分のヴォリュームを上げると、上昇していくブライアンのアドリブヴォーカルまで聴ける。シングルの最初のスタンパーの溝がそこまであったということだが、アルバムや後のリイシュー・シングル、CDでは聴くことができない。ただしそこにこだわってアナログ起こしで作った、日本のみで93年にリリースされ、2015年に復刻されたボックス・セット『The Beach Boys Single
Collection(Box Set)』でのみ、聴くことができる。そして『Made In California』では「Don’t Worry Baby(Stereo Session Outtake With Alternate Lead Vocal)」というまったくの別ヴォーカルのヴァージョンが収録され、その上昇していくメロディを全て聴ける。iTune でダウンロードのみ販売の『Keep An Eye On Summer』には、初登場のア・カペラや別テイク、インストのあとにバック・コーラスのみなどが聴けるテイクなどが多数収められた。セッションの後にリード・ヴォーカル抜きヴァージョンが聴けるパターンは、「Don’t Worry Baby(Instrumental Mix With Backing
Vocals)」と「Pom Pom Play Girl(Instrumental Mix With
Backing Vocals)」で完奏というかフェイドアウトなので演奏の終止とともに歌もストップしていた。「The
Warmth Of The Sun(Instrumental Mix With Backing Vocals)」は3回のリフレインあと4回目の頭でフェイドアウトしていた。『Made In California』の「Pom Pom Play Girl(Vocal Session Highlight)」はリード・ヴォーカルも入っていて、これもより長く曲が終止するまでと録音風景を聴くことができる。終止の仕方が違うのでこれらは別テイクだ。セッションと演奏だけは『Keep An Eye On Summer』の「Fun Fun Fun(Session
Highlights And Stereo Mix)」で、まずおふざけの歌の後、練習が2回でのイントロのギターが異なり、サックスがAメロでも2番から全面的に入る。最後のインストはイントロのギター、間奏のオルガンもレコードと同じで、サックスは2番からサックスなしとありで2小節ずつ入ってくるように変わり、完奏する。さらに演奏部分だけは小さく入れたア・カペラ・ヴァージョンの「Fun Fun Fun(A Cappella)」も収録。これは最後のファルセットが5回目の途中でフェイドアウト、つまり最長のモノ・シングル・ヴァージョンのハーモニーなので正規ヴァージョンである。『Hawthorne,CA』の「Fun Fun Fun(Backing Track)」には間奏のオルガンがなくフェイドアウトしていた。『Keep
An Eye On Summer』の「Keep An Eye On Summer(Instrumental Mix With Backing Vocals)」はリード・ヴォーカルだけが抜かれていて、5回目のリフレインの頭で終止する。そして「Denny's Drums(Session
Highlights And Alternate Take)」のTake1は少しドラムの後はデニスの語り、Take2はまず冒頭のドラムのパターンが違う上に前半にはギターのメロディが付けられていたのにはビックリさせられたまったくの別テイク。最初にバックトラックに合わせて歌っているが間奏で中断、以降は、ア・カペラになるのが「In The Parkin’ Lot(Session Highlight And A
Cappella Mix)」でこれも聴きものだが、「Pom Pom Play Girl(New Stereo
Mix)」は、リード・ヴォーカルとハーモニーのバランスが良くなったという程度の僅かな違いだけ。)
1964 『Shut Down
Volume 2』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。
「Fun Fun Fun」…モノはシングル・ヴァージョンで12秒長く、ステレオではブライアンのファルセットのリフレインが2回だが、モノは4回聴ける。(注:『Made In California』収録のステレオは収録が長く3回聴ける)。
「In The Parkin’ Lot」…ステレオは5秒長く、マイクの「ダーダー」の低音コーラスが1回多く入ってさらにコーラスが続く。
「The Warmth Of The Sun」…ステレオはモノより2秒長く、3回目のファルセットまで入る。なお『Made In California』収録のステレオは3回目の最後まで聴けてさらに長い。
1964 『All Summer
Long』1990 Reissue(Capitol)※『Little Deuce Coupe』との2イン1。ボーナスは上記の『Little Deuce Coupe』参照。US4
(注:『Good Vibrations Box』では片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「All Summer Long(Vocal)」があり、6秒長く歌が上昇して演奏だけになる部分まで聴ける。また「Wendy(Vocal)」も9秒長くリフレインが続いたあとのギターソロまで入っている。「Hushabye(Vocal)」は元が自然終止しているので長さはほぼ変わらない。これらは『Keep An Eye On Summer』で、ア・カペラだけで「I Get
Around(A Cappella)」「All Summer
Long(A Cappella)」として登場、自然終止するとことまで完璧に入っているのでこれがベスト。これにスタジオ・セッションの模様を頭に加えたのが「Wendy(Session Highlight And A Cappella Mix)」で、最初にバックトラックに合わせて歌っているが間奏で中断、以降は、ア・カペラになり最後は4回目のリフレインでフェイドアウトしていた。「All Summer
Long(Session Highlights And Stereo Mix)」はマリンバの練習が何度も続いた後、インストで完奏。「Little Honda (Alternate Version Session Highlight / New Stereo Mix)」は2in1のボーナス・トラックで聴けるボツになったバック・コーラスのAlternate
Versionが初のステレオで収録、冒頭のスタジオ・チャットも50秒と長い。もう1テイクはただ「Little Honda (Single Mix)」としかクレジットされていないがこれは初登場のテイクでビックリ!基本は通常ヴァージョンなのだが、カウンターのギターのように歌の途中で大きなオルガンがオーバーダブされ、はっきり言って邪魔。完成版でカットしたのは正解だ。「Girls On The Beach(Alternate Version Session Highlights And Master A
Cappella Mix)」は一オクターヴ低いリード・ヴォーカルで若干ふざけて歌い、ハーモニーの練習の後、ア・カペラになりフェイドアウトで終了。演奏の練習のインストから完奏する「I Get Around(Session Highlight And Instrumental Mix)」だが、クレジットにはwith Backing Vocal」とあるが、コーラスは入っていない。『U.S.
Singles Collection』にはバックトラックのみの「I Get Around(Backing
Track)」、『Made In California』では冒頭に練習部分が入った「I Get Around(With Session Intro)」を聴けるが、この『Keep
An Eye On Summer』のものは倍近く長い収録である。)そして『Keep An Eye On
Summer』の「Hushabye (Instrumental Mix With Backing
Vocals)」はリード・ヴォーカルのない演奏とコーラスなのでカラオケである。
1964 『All Summer
Long』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1
「Hushabye」…長さは同じ。しかしモノではフェイドアウト気味に編集されているが、ステレオは絞らずにしっかり完奏する編集である。
「Carl’s Big Chance」…ステレオはモノより22秒長く、カールのアドリブギターが長く聴ける。ドラムのブレイクも1回多い。
「Do You Remember」…モノはステレオよりフェイドアウトが遅く、ブライアンのファルセットのアドリブヴォーカルまで入っている。スピードの関係で尺は同じ。
「Don’t Back Down」…モノは8秒長く、ステレオでは最後のリフレインが入ったところで終わるが、モノでは3回目まで入っている。
1964 『Beach Boys
Concert』1990 & 2001 Reissue(Capitol)※『Live In London』との2イン1。ボーナスで「Don’t
Worry Baby」(64年のLive)、「Heroes And Villains」(67年のライブで『Lei’d In Hawaii』用と言うが現時点ではっきりしない)を追加。1990年版では「Johnny B. Goode」のバックが大きくヴォーカルが小さいミックスだったが、2001年版リイシューではヴォーカルがはっきり聴こえるLPのミックスに戻している。ステレオとモノ共に「Johnny B. Goode」ははっきりヴォーカルが聴こえるミックスで、その他の曲も尺ともに違いは無い。『Keep An Eye On Summer』の「Johnny B. Goode
(Live Single Mix)」なるタイトルのトラックもこの2001年版のトラックそのもので、何の違いもない。アルバムは63年12月と64年8月のカリフォルニアのサクラメントのライブで、「Fun Fun Fun」と「I Get Around」はスタジオ録音に歓声を被せたものだった。13曲。US1
(注:アルバム収録時のライブは前述の「Don’t Worry Baby」以外に、『Good Vibrations Box』で、64年に同会場で収録され選曲から漏れた「Hushabye」、「Surfin’ USA」、「Surfer Girl」、「Be True To Your School」を聴くことができる。しかしこれらの曲を含め、さらに未収録だった「Wendy」「Don’t Back Down」「Little Honda」を含めサクラメントの収録日の全録音が2014年の『Live In Sacramento 1964』で聴けるので、そちらで参照してもらいたい。)
1964 『The Beach Boys’ Christmas Album』→2015 Reissue『The Beach Boys’ Christmas Album』(Stereo & Mono)(iTunes Only)、1998
Reissue『Ultimate Christmas』(Capitol)※LPのステレオ&モノラルはダウンロード販売、CD用に作られたモノラルは90年代にリリースされた『The Beach Boys’ Christmas Album』の中のオリジナル曲「The Man With All The Toys」「Santa's Beard」「Merry Christmas Baby」「Christmas Day」の4曲のこと。様々な別ヴァージョンなどは1998年リリースの『Ultimate Christmas』にまとめて収められた。US6
①
「Little Saint Nick(Album Version)」…鈴と鉄琴が入っていないステレオのアルバム・ヴァージョンは『Ultimate Christmas』や、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The Beach Boys’ Christmas Album』で聴けたが 初CD化のモノ・ヴァージョンは最後のリフレインがステレオの3回(1分59秒)に比べて2回(1分52秒)でフェイドアウトしてしまう。
②
「The Man With All The Toys」…ステレオのエンディングは2回目のリフレインの最後の高い「オ!」のあとのギターで終わってしまうが、初CD化のモノラルはさらに2秒長く、3回目のリフレインの「オ!」を2回聴くことができる。90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』や、『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』はモノで入っているが、ステレオと同じく短く「悪い偽モノ」編集されていた。
③
「Santa’s Beard」…ステレオはモノラルより3秒長く、最後のア・カペラ風のHe’s Just Helpin’ Santa Clausの歌の部分を聴くことができる。この点はLPとCDと扱いは変わらず、以前より変わらない。
④
「Merry Christmas Baby」…モノ・アルバムのヴァージョンは初CD化だが、これは悲しいシロモノ。というのは間奏のハミングの後の歌が始まってすぐにフェイドアウトしてしまって、続きの歌とリフレインがまったくカットされてしまっているからだ。だからステレオに比べ18秒も短い。なお、この音源には注意点があり、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The Beach Boys’ Christmas Album』では、そのボーナス・トラックを除くと、「Little Saint Nick(Album Version)」のみステレオで、他のオリジナル曲はモノラルで作られていた。しかしここでの「Merry Christmas Baby」CD化の際に、最後のリフレインがステレオは4回で終わっていたが、このCDのモノラルは6回目の頭で終わり、ステレオよりさらに5秒長くした。よってLPのモノラルよりも23秒も長いという新編集のCD用のモノラル(冒頭で「偽モノ」と書いたがいい偽モノだ)なので持っていない人は入手しておこう。
⑤
「Christmas Day」…初CD化の「真正モノラル」は、ステレオ(CD、LP)に比べ6秒長く、最後のAnd I'll
Never Outgrow The Thrill Of Christmas Dayまで聴くことができる。それまでのCDのモノラル(前述のCD)はステレオよりは長いがAnd
I'll Never Outgrow Thrill…で終わる「偽モノ」だった。
⑥
We Three Kings Of Orient Are」…ステレオ、モノ共、LPもCDもエンディングをフェイドアウト気味に絞っていくので最後のコーラス非常に小さい。なお、この音源にも注意事項があり、90年代にリリースされた『The Beach Boys’ Christmas Album』のCDのモノはフェイドアウトしない編集に変えた「いい偽モノ」なので最後のハーモニーまでしっかり聴くことができる。
※その他のアルバム曲は、完奏するので、CD、LPも含め、ステレオとモノラルとで差はない。最後に同時期のシングルオンリー&別テイクのステレオとモノを紹介しておこう。
②
「The Lord’s Prayer」…1963年の「Little Saint Nick」のシングルB面曲で、アルバム未収録。元はモノラルで『U.S. Singles Collection
Capitol Years 1962-1965』や前述の日本版のみの『Beach Boys Single
Collection(Box Set)』、そして『The
Capitol Years』、『Rarities』等に入っているがなぜか『Ultimate Christmas』には収録されなかった。ステレオは90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』のボーナス・トラックに、ステレオ・リミックスは『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』『Hawthorne CA』で登場したが、特に違いは無い。ステレオとステレオ・リミックスの違いもほとんどない。
③
「Auld Lang Syne(A Cappella)」…デニスのナレーション抜きのこの素晴らしいア・カペラはモノラルで90年代の『The Beach Boys' Christmas Album』のボーナス・トラック、『The
Capitol Years』、『Rarities』で聴くことができる。後に冒頭にカウントが入ったステレオ・ヴァージョンが『Ultimate Christmas』で登場した。
④
「Little Saint Nick(Alternate
Version)」…「Little Saint Nick」というより「Drive-In」の歌詞を変えただけといっていいボツヴァージョン。モノラルは90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』、ステレオは『Ultimate
Christmas』で登場。ダウンロード販売のみの『Keep An Eye On Summer』では歌の途中までの練習後に本番テイクが入っている「Little Saint Nick(Drive-In)(Vocal Session Highlights And New Stereo Mix)」が収録され、ステレオだけでなく最後自然終止するまで完奏している。
その他では『Keep
An Eye On Summer』に、ビーチ・ボーイズの演奏ではないがクリスマス・アルバムのためにディック・レイノルズが録音していた「Christmas Eve (Instrumental Mix)」と「Jingle
Bells (Instrumental Mix)」のオケには驚かされた。アルバム用としてまだまだ用意されていたのだ。
※なお『Ultimate
Christmas』は、1974年のシングル「Child Of
Winter」や、1977年にかけて録音したもののオクラ入りになったアルバム『Merry Christmas From The Beach Boys』の未発表の7曲も含んでいるので、マスト・バイのアルバムだ。
1965 『The Beach
Boys Today!』1990 Reissue(Capitol)※『Summer Days』との2イン1。ボーナスで「The Little Girl I Once Knew」(他でも多数収録。ただし『Hawthorne,CA』にはハーモニーを延ばしたAlternate Versionと、初期バッキングトラック録音風景を「Carol
K(Session Highlights)」として収録)、メンバーによる演奏でマイクのバス・ヴォイスが効いた64年「Dance Dance Dance(Alternate Version)」は他で『Keep An Eye On Summer』で「Dance Dance
Dance(Alternate Version New Stereo Mix)」として新たに登場。ミックスが自然になり、最後の自然終止するまで歌と演奏が長く入っている。フルートが入った64年「I’m So Young(Alternate
Version)」は後述の『U.S. Singles Collection』にはモノヴァージョンが収録され、『Keep An Eye On Summer』では1分38秒のインストの後に歌入りの初登場のステレオ「I’m So
Young(Alternate Version Session Highlight And New Stereo Mix)」として収録された。その他2in1なので『Today』のボーナスではないバック・コーラスが違う65年「Let Him Run Wild(Alternate Version)」、65年「Graduation Day(Studio Version)」…(『Made In California』には冒頭に40秒の練習も入れてSession Excerpt And Master Takeになり収録。『U.S.
Singles Collection』収録のものは逆にシークレット・トラックとして終わったあとに40秒ほどスタジオ風景が入っている。)であり、当初は計5曲追加された。US4-UK6
(注:『Good Vibrations Box』では片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「When I Grow Up(Vocal)」が収録され、冒頭に11秒の曲前の部分があり、エンディングが6秒長いため、従来では「33」をかすかに歌ったところでフェイドアウトだが「35」まで歌ってほぼ終わりのようになっている。『Hawthorne,CA』では「Kiss Me Baby(A Cappella)」と「Good To My Baby(Backing Track)」収録。『Good Vibrations Box』に「Dance Dance Dance(Backing Track)」、『U.S.
Singles Collection』に「Do You Wanna Dance(Backing Track)」収録。そして『Keep An Eye On Summer』ではア・カペラだけの「She Knows Me Too Well(A Cappella)」、「Don't Hurt My Little Sister(A Cappella)」、「Dance Dance Dance(A Cappella)」、「When I Grow Up(A Cappella)」が一挙に聴けるようになった。前の3曲は自然終止するまでア・カペラになっていてロング・ヴァージョンである。ラストは従来版の「33」でフェイドアウトしていた。「Dance Dance Dance
(Instrumental Mix With Backing Vocals)」ではレッキングクルーの演奏で2トラック入っていて後半がより楽器が増えている。ただしタイトルと違ってコーラスは入っていない。「She Knows Me Too Well (Instrumental Mix With Backing Vocals)」は、演奏とバック・コーラスなのでカラオケになっている。)
1965 『The Beach
Boys Today!』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。
「Do You Wanna Dance」…ステレオはモノより18秒も長く収録してある。
「Good To My Baby」…ステレオは4秒長い編集。
「Kiss Me Baby」…ステレオは5秒長く編集。
「In The Back Of My Mind」…ステレオは4秒長く、モノではフェイドアウトしている先まで入り完奏する。
1965 『Summer
Days(And Summer Nights)』1990 Reissue(Capitol)※『The Beach Boys Today!』との2イン1。ボーナスは上記参照。US2-UK4
(注:なお『Hawthorne, CA』で登場した「Salt Lake City」のステレオは、イントロにセッション部分が3秒ほど入っていた。また、「And Your Dream Comes True」の練習の一部分を「Wish That
I Could Stay(Session Excerpt)」として収録してある。『Endless
Harmony Soundtrack』等では65年「Help
Me Rhonda(Alternative Single Version)」のハーモニーが違うボツシングルヴァージョンを聴くことができる。『Made In California』ではヴォーカルが違い、中間部の呼び込み以外のガヤが入っていない「Amusement Parks USA(Early Version)」が収録されている。『Good Vibrations Box』ではア・カペラの「California
Girls(Vocal)」があり歌の部分が16秒長いため、フェイドアウトのリフレインをやめたあとまで聴くことができる。あと『U.S. Singles Collection』に「Help Me Rhonda(Backing Track)」収録)
1965 『Summer
Days(And Summer Nights)』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。
「California Girls」…ステレオは6秒長い編集。
「Amusement Parks USA」…ステレオは5秒長い編集。
1965 『Beach Boys’
Party!』1990 Reissue(Capitol)※『Stack-O-Tracks』との2イン1。ボーナスは『Stack-O-Tracks』用なので、下記「必要なコンピレーション」参照。US6-UK3
1965 『Beach Boys’
Party!』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。ただ内容上、尺の違いなどない。
(注:アルバムのアウトテイクは『Good Vibrations Box』に「Ruby Baby」が収められ、『Hawthorne,CA』には「Barbara Ann」の本番直前の練習Session Exceptの他、パーティーノイズがカットされた「Barbara Ann」と「Devoted To You」のMaster Take Without Party Overdubsが収録された。さらに『Made In California』には「There’s No Other」のパーティーノイズ無しヴァージョンとその前に1分以上パーティー用の雑談が入る2012 Unplugged Mix With
Party Session Introが登場した。下記のCDにも入ったが、リミックスされている)
1965 『Beach Boys’
Party Uncovered And Unplugged』2015Release(Capitol)※オリジナル盤『Beach Boys’ Party!』+50曲(テイク)の未収録音源収録。きちんと歌ったものでは「California
Girls」「Satisfaction」「Blowin’ In
The Wind」「The Artists(Laugh At Me)」「One Kiss Led To Another」「Riot In Cell Block
No.9」「Smokey’ Joe’s Cafe」などがあったが、みなボツになっていた。その他には「Little Deuce Coupe」の普通に歌うテイクや、その場の即興なのでコーラスしか歌詞を覚えていない「Ticket To Ride」、その他おふざけ即興メドレーなども聴ける。オリジナル・アルバム部分もリミックスされている。
1966 『Pet Sounds』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。1988年の日本でのCD化以来、色々な形でモノとステレオが出ているが、最初に疑似ステレオではないトゥルーステレオは、1997年の『The Pet Sounds Sessions』のボックス・セット(後述)で大量の未発表音源とともに(もちろんモノ盤もプラス。インスト以外全曲ア・カペラもあり)収録されたが、このボックスの「Wouldn’t It Be Nice」のステレオはブライアンがサビを歌った別ヴァージョン。これはこれで貴重だが、このボックスは後述の「必要なコンピレーション」で、必ず入手しないといけない基本中の基本アイテムなので説明はここまで。本CDはオリジナルと同じマイクがサビを取るステレオ・ヴァージョンが入っている。なおこのボックス以外の音源としては『Good Vibrations Box』で片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「Wouldn’t It Be Nice(Vocal)」があり7秒の曲前部分、終わりは4秒長いため途中で歌をやめる部分まで入っている。US10-UK2
「Wouldn’t It Be Nice」…ステレオは7秒長い編集。
「You Still Believe In Me」…ステレオは4秒長い編集。
「Don’t Talk」…ステレオは3秒長い編集。
「God Only Knows」…エンディングのコーラス部分に入る直前のGod Only Knowとソロ状態で歌う声だが、モノではブライアンが力強く歌っていたが、ステレオではカールの頼りなげなヴォーカルになっている。
「I Know There’s An Answer」…ステレオは8秒長い編集。
「Here Today」…ステレオは10秒長い編集。
「I Just Wasn’t Made For These Times」…ステレオは7秒長い編集。
「Pet Sounds」…ステレオは10秒長い編集。
1966 『Pet Sounds』1988 Reissue(東芝EMI)&
1990 Reissue(Capitol)※世界初のCD化。もちろんモノ。このCDのボーナスの「Hang On To Your Ego」(マイクの「ブルルル」がなくコーラスが入っていないテイク)はこのCDのみ。また「Trombone Dixie」はモノでファイドアウトする(『The Pet Sounds Sessions』のStereo Backing
Trackと同じ音源。こちらはステレオで完奏する)が、Take11というブライアンのカウントが入っているのはこの盤のみ。「Unreleased Backgrounds」は「Don’t Talk」で使わなかったバック・コーラスと判明したので『The Pet Sounds Sessions』で「Don’t Talk(Vocal Snippet)」として収録された。
1967 『Smiley Smile』1990 Reissue(Capitol)※モノラル。『Wild Honey』との2イン1でそのボーナス・トラックとして前から収録されている音源は*を付けた6曲。(1曲は『1967
Sunshine Tomorrow』の「Can’t Wait Too Long」参照)US41-UK9
「Heroes And Villains(Alternate Take)」*は『Good Vibrations Box』のAlternate Versionと、『The Smile
Sessions(Deluxe Edition)』のPart.1としても収録されていたが、『Smile』の「In The Cantina Version」。『1967 Sunshine Tomorrow』のSingle Version
Backing Trackは、シングル・ヴァージョンとあるが、66年暮れから67年の録音で『Smile』ヴァージョンの方のバッキングと思われる。「Good Vibrations」の最初の別テイクは『Beach Boys
Rarities』が最初でサビまで歌が入らなかったがサビのソウルフルなヴォーカルに度肝を抜かれたもの。そして『Smiley
Smile/Wild Honey』収録のEarly Take*で、冒頭から6秒後から違う歌詞が始まるヴァージョンが登場した。その後『The SMiLE
Sessions』では「Good Good Good Vibrations(First Version With Overdubs)」として演奏が終わるまで入れて収録したが、中間のgood good good vibrationsと歌う部分が先のEarly Takeでは2回歌って1回ファルセットのウーだけになってもう1回good…なのだが、『SMiLE』ではウーの部分にも歌が入り、その後のgood…が1回多くなっている別編集だった。さらに『Good Vibrations Box』の15分を超える「Good Vibrations(Sections)」は『Smiley Smile/Wild Honey』のボーナス・トラックのVarious
Sessions*、『Smile Sessions(Deluxe
Edition)』のSession Highlights、『Made
In California』のStereo Track Sectionsはここからの抜粋しており、現在でもおおもとになっている。ただこの曲は膨大なトラックがあり、『The SMiLE Sessions』以降は数限りない。ちなみにシングルB面の「You’re Welcome」*も『Smiley Smile/Wild Honey』などに収録されている。
以降は2017年にリリースされた『1967
Sunshine Tomorrow』には新たに『Smiley Smile Sessions June-July
September 1967』というコーナーが設けられ、新しい音源が登場したのでそこからの音源である。「Fall
Breaks And Back To Winter (Alternate Mix)」はコーラスが入っていないテイク。「Wind Chimes (Alternate Tag Section)」はエンディングへ入る時の美しく短いア・カペラ。「Wonderful (Backing Track / Instrumental)」は『Smiley
Smile』の時のバッキング。なぜこのトラックにあんな囁き声のような変な歌を付けたのか残念。特に衝撃が大きかったのが「Little Pad (Backing Track / Instrumental)」。トロピカルでとても心地よい仕上がりで、ウクレレ、スチール・ギターが最高だが、レコードでは冒頭の笑い声と話声で雰囲気が台無しだ。「All Day All Night (Whistle In) (Alternate Version 1)」は「Whistle In」の事でハーモニーも入り爽やかな出来。「All Day All
Night (Whistle In) (Alternate Version 2)」はより完成されたハーモニーが付いている。これもアルバムでは薄気味悪いヴォーカルが付けられ残念。「Untitled (Redwood) (Instrumental)」はブライアンらしい一瞬のアイデアだけの35秒のリフのようなインストだ。他でも先に登場した曲に「With Me Tonight」があるが、『Hawthorne,CA』では「You're With Me Tonight」のタイトルで、最初にドライな『Smiley Smile』のア・カペラの後に、アップテンポで明るいアレンジのア・カペラが2回のテイク。『1967 Sunshine Tomorrow』には「With Me Tonight
(Alternate Version With Session Intro)」のタイトルで尺は50秒未満で同じ、前者の余計な冒頭のア・カペラ1回をカットしてベースのリフが入って「13」のカウントで同じ2回の別アレンジのア・カペラになる。その後のベース音が同じなので同一テイクと思われる。「Vegetabels」はピアノのバックで「Mama Says」が挟まると『Smile』版なので、こちらは基本、レコードに近いテイク。ただし中間部に皆が勝手に口笛を吹くパートがあり45秒以上長い音源になっている。『Hawthorne,CA』のStereo Extended Mixは尺が最長で効果音とかも大きめレコードより49秒長い。『1967 Sunshine Tomorrow』のものはやや控えめにミックスされ前者より4秒短い。なお『Hawthorne,CA』の50秒のPromo
Instrumental Sectionは曲ではない。なお最後の音源は今は『Wild Honey』の方の扱いになったので、重複するがまとめておく。「Their Heart Were Full Of Spring」は67年のボツアルバム『Lei'd In Hawaii』用リハーサルなのでスタジオ録音だ。『Hawthorne,CA』にLive Rehearsal in Hawaiiとしても収録、さらに『1967
Sunshine Music』に「Their Hearts Were Full Of Spring (Mono
Mix / Live / 1967)」*のタイトルで収録された。同じ音源。
1967 『Smiley Smile』2012 Reissue(Capitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステではないアルバム丸ごとのステレオは初。尺の違いは無い。
1967 『Wild Honey』1990 Reissue(Capitol)※『Smiley Smile』との2イン1でモノラル盤。ボーナスは『Smikey Smile/Wild Honey』で紹介済み。US24-UK7
1967 『1967 Sunshine
Tomorrow』2017 Release(Universal)※ビーチ・ボーイズで最後に残されたステレオは『Wild Honey』だったが、遂に本CDでステレオが制作された。マーク・リネットらの執念、実に素晴らしい。冒頭の「Wild Honey」は2012年に『Made
In California』でステレオ・ミックスが作られているが、モノ、2012ステレオが2分33秒に比べ2分40秒と最長。ヴォーカルをオンにしたミックスだ。「Aren’t You Glad」は初のステレオ。『Wild Honey』全般に言えるが、少ない楽器とドライなエコーでモノが作られているので、劇的な変化は起きない。サビで楽器が重なる時に厚みが出るなと言う感じぐらい。「I Was Made To Love Her」も初ステレオ。この曲はモノ時代から楽器が多くコーラスがカウンターでずっと入ってきているので、ステレオ化でバッキングが華やかになった。「Country Air」も2012年に『Made
In California』でステレオが作られたが、モノ、2012ステレオ、2017ステレオで劇的な差はない。ただ少ない楽器なのでクリアに聴こえるので、フェイドアウト寸前のピアノなど耳になぜか残る。「A Thing Or Two」は初ステレオ。シンプルな曲なので、ロックンロールのパートのモノでは貧弱なコーラスがステレオでは左右で分かれて出てくるので広がりが少しある。アルバムベストナンバー「Darlin’」は2012年に『Made
In California』と『50 Big Ones』で2012ステレオが作られており、2017ステレオもミックスは大きく違わないが、モノとの違いは段違いで、特に曲のホーンセクションの厚みが素晴らしく別の曲のよう。なお2017ステレオはほかより2秒長く、タタラタッターのフレーズが僅かに聴こえる。「I'd Love Just Once To See You」は初ステレオ。シンプルな曲だが、アコースティック・ギターとメロディが美しいアルバムでもお気に入りの佳曲。最後のコーラスがステレオだと聴きやすい。「Here Comes The Nice」の初ステレオは、やはり楽器とカウンターコーラスが多いので、ステレオで広がりが出た。「Let The Wind Blow」は2001年に『Hawthorne, CA』でステレオ・リミックスが作られていたが、ピッチが遅く10秒も長かった。2017ステレオは通常スピードであり、薄っぺらなモノのサウンドより音に温かみが出て聴きやすく仕上がった。「How She Boogalooed It」は初ステレオ。シンプルなロックンロールだが、ステレオにすると広がるが出てよりダンサブルになった。ラストの短いア・カペラの「Mama Says」はモノしか作れなかったがどうでもいい曲なんでOK。
続くは『Wild Honey Sessions September-November
1967』と題されたコーナー。「Lonely Days(Alternate
Version)」は『Hawthorne, CA』で歌の部分のみ発表された音源だが、ピアノ中心のサウンドで明らかな『Smiley Smile』以降のサウンドで作者も不明。本CDではその後の歌の入っていない演奏だけが1分プラスされている。この時代のメロディのクオリティで可もなく不可もない。「Cool
Cool Water(Alternate Early Version)」はあの呪文のようなハーモニーだが、コーラス・パートがはっきり聴こえる別ミックス。その後は『Sunflower』の明るいコーラス・パートにつながる。「Time To Get
Alone(Alternate Early Version)」は、サビでホーンや口笛が登場する『20/20』にはないアレンジが入った『Hawthorne, CA』の時の初期アレンジのテイク。あのびっくりコーラスもない。こちらには『Hawthorne, CA』の最後のア・カペラがないのでその分短いが、ストリングスも入っているので、初期のテイクとは思えない。「I'd Love Just Once To See You(Alternate
Version)」は『Wild Honey』ではフェイドアウトで終わっていく部分のコーラスがはっきりと聴こえ、30秒以上歌が続くが最後はでたらめなので、このテイクをフェイドアウトしたものではないか。「I Was Made To Love Her (Vocal Insert Session)」はハーモニーのインサートの練習。『Beach Boys Rarities』収録ヴァージョンの2分5秒からのパートがこれで、本CDでは『I
Was Made To Love Her (Long Version)』として収められている。「Hide Go
Seek (Backing Track Master Take - Instrumental)」はシンプルなロックンロールインストでHoneysの曲とは無関係。「Honey Get Home (Backing Track
Master Take - Instrumental)」は前者より工夫されたインスト。そして最も知られたアウトテイクの「Can’t Wait Too Long」をそれまでの音源とまとめて記述する。5分30秒で最長の『Smiley Smile/Wild Honey』のボーナス・トラック収録のもの*が一番完成されたヴァージョン。『Good Vibrations Box』に中間部にブライアンの語りが大きくコーラスが大きい3分48秒ヴァージョンもある。『Hawthorne,CA』に47秒のA Cappella Mixがあったがこれはただの抜粋。『1967 Sunshine Tomorrow』のものはピアノ中心の最も初期のヴァージョンで、後半のソウルフルなパートのみだが、ギターの入り方も違うし、ちょっと新鮮だった。
ここからは『Session Highlights』が続く。まずは「Wild Honey」でパーカッションとオルガンは入るが、キーボードとテルミンはないインスト。後半はテルミンも入りコーラスも付くがリード・ヴォーカルが入っていない。「Aren't You Glad (Session Highlights Instrumental)」はキーボードだけのシンプルなインストが続き後半はホーンがフィーチャーされる。「A Thing Or Two (Track And Backing Vocals)」はインストだがハワイアン風の演奏にアルバムにも入っていないファルセットのハーモニーが入っていてビックリ。「Darlin' (Session Highlights Instrumental)」はまずピアノのバッキングのインスト部分が3回、その後ホーンが入ってのインストが1回。「Let The Wind Blow (Session Highlights Instrumental)」は1回失敗、2回目のインストにはコーラスも加わる。
続いて『Wild Honey Live 1967-1970』で67年11月17日デトロイトのライブ。カールの熱唱が楽しめるがあのカッコいい間奏のオルガンはギターのフレーズのみ。同日の「Country Air」はアコースティック・ギターとピアノの歯切れがよくアルバムより明るいが適当に終わる。「Darlin’」は67年11月22日のピッツバーグのライブで、ホーンはなくオルガンのバッキングだが歌とコーラスがしっかりしているので出来はいい。前と同じく67年11月17日デトロイトでの「How She Boogalooed It」は、オルガンをフィーチャーしたロング・ヴァージョンのライブで、ドライな雰囲気がなく別の曲のような雰囲気がある。70年の「Aren’t You Glad」は、『Live In London』でも披露したようにミディアムで安定の出来。ホーンアレンジが違う。ディスク1ラストの「Mama Says(Session
Highlight)」はこのア・カペラを、テンポを変えて歌う半分おふざけ。
さてディスク2の冒頭の『Smiley
Smile Sessions June-July September 1967』は、ここのみ『Smiley
Smile』の方に移動して記述したのでそちらをお読みいただきたい。次はリリース予定も計画されたというライブアルバム『Lei’d In Hawaii ‘LIVE ’Album』で、67年9月11日にハリウッドのWally Heiderでレコーディングされ、9月29日に追加レコーディングされたがボツで終わった。「The Letter(Alternate Mono)」(※『The Beach Boys Rarities』と音源は同じ)「The Letter(Alternate Stereo)」、「You’re So
Good To Me」、「Help Me Rhonda」(※『Made In California』と音源は同じ)、「California Girls」(※『Made
In California』と音源は同じ)、「Surfer
Girl」(※『Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys』と音源は同じ)、「Sloop John B」、「With A Little Help From My
Friends(Mono Mix)」(※『The Beach Boys Rarities』と音源は同じ)、「With A Little Help From My Friends(Stereo
Mix)」、「Their Hearts Were Full Of Spring」(※『Hawthone,CA』『Smiley
Smile/Wild Honey』のボーナス・トラックと同じ音源でこれのみミックスも同じ)、「God Only Knows」(※『Endless Harmony Soundtrack』と音源は同じ)、「Good Vibrations」(※『Hawthone,CA』のものは最後にYeahの声が入りドラムのロールと本CDとは別テイク)、「Game Of Love (Outtake)」の13曲はどれもオルガン中心のビートがないサウンドに覇気がないハーモニー、これじゃボツで当然。「〇と音源は同じ」と書いているが、本CD以外はヴォーカルがとてもオンになっているので聴いた感じが明らかに違い、処分はしないこと。なおこの中の「Game Of Love」はブライアンとマイクのコーラスによるBallard作のカバーだ。(ちなみに『Made In California』の「The Letter」は歌、ギター、ドラムなど明らかに違う別テイクのリハーサル)
その後は『Live In Hawaii,August 1967』で、67年8月25日と26日にホノルルでレコーディングしたライブとリハーサル。ライブは挨拶とインスト「Hawthorne
Boulevard」のあと「Surfin’」、そしてぶっ飛んだ「Gettin‘ Hungry」は凄い組み合わせ。そしてリハーサルが安定感のある「Hawaii」と繊細なハーモニーの「Heroes And Villains」だ。ラストは『Thanksgiving Tour 1967』で、67年11月19日ワシントンの「California
Girls」と「Graduation Day」、67年11月23日ボストンの「I Get
Around」。プラス1967年の『Wild Honey』Sessionで録音された少し雑な「Surf’s Up」と、1967年の「Surfer Girl(A
Cappella Mix)」で終わる。
1968 『Friends』1990 Reissue(Capitol)※『20/20』との2イン1。ボーナスで「Break Away」…(他でも多数収録。ただし『Endless Harmony Soundtrack』にブライアンのDemo、『Hawthorne,CA』に後半の貧弱なア・カペラに歌と演奏を加えたAlternate
Versionが登場)、「Celebrate The News」…(シングルB面なので他でも収録)、「We’re Together Again」…(『Made In California』にストリングスが追加され14秒長いステレオ・ヴァージョン収録)、「Walk On By」、「Old Folks At Home/Ol’ Man River」…(『Hawthorne,CA』『Made In California』に別テイクの「Old Man River(Vocal Section)」収録)を追加。US126-UK13
(注:『Made In California』に1分以上長く、未聴のメロディのパートが出てくる別ヴァージョンの「Meant For You(Alternate Version)」と「Transcendental
Meditation(Backing Track)」収録)。このアルバムからはスレテオ時代になり、以降モノ盤は存在しない。
1969 『20/20』1990 Reissue(Capitol)※『Friends』との2イン1。ボーナスは上記参照。
(注:『Hawthorne,CA』に「I Went To Sleep(A Cappella Mix)」、「Time To
Get Alone(Alternate Version)」、「Be With Me(Backing
Track)」収録。『Summer Love Songs』の「Time
To Get Alone(New Stereo Mix)」は、はるかに音がクリアで、14秒長く、エンディングのリフレインが1回多く聴ける。『Endless Harmony Soundtrack』には「Do It Again(Early Version)」が入るが初版はコーラスをしながらフェイドアウト、改訂版は演奏をストップして終わる。また『Made In California』で初のステレオ「Do It Again(2012
Stereo Mix)」が登場した。デニスのピアノの弾き語りの「Be With Me(Demo)」も収録。『Good Vibrations Box』には「Cabin Essence(Backing
Track)」が入ったが、さらに『The SMiLE Sessions(Deluxe Edition)』では「Cabin Essence(Session Highlights And Stereo Backing Track)」のタイトルで録音風景をプラスしてバックトラックを収録。US68-UK3
1970 『Live In
London』1990 Reissue(Capitol)※『Beach Boys Concert』との2イン1。1968年ロンドンのフィンズベリー・パークでのライブ。12曲。ボーナス・トラックは「Heroes
And Villains」の歓声の入った1967年のライブで、『Lei’d In Hawaii』用と書かれていた。コーラスがよくできていて、いいライブだがこの盤でしか聴けない。US75(USリリースは76年)
1970 『Sunflower』2000 Reissue(Capitol)※『Surf’s Up』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。なお、オリジナル盤では日本やイギリスは冒頭に「Cotton Fields(Single Version)」…(元はモノで『The Beach Boys Rarities』などに収録されていたが疑似ステレオも出回った。『Hawthorne,CA』でトゥルーステレオが登場するがイントロのミディアム部分の印象がまったく違っていて印象が悪い)が入っていたが、CDになってからはUS仕様でカットされている。US151-UK29
(注:『Hawthorne,CA』に「Add
Some Music To Your Day(A Cappella)」、「Forever(A
Cappella)」収録。さらに『Made In California』に「Slip On Through(A Cappella)」、「This Whole World(A Cappella)」、「Our Sweet Love(A Cappella)」が収録された。また『Good Vibrations Box』には、「Cool Cool Water」の前半部分のバック・コーラスが入っていない1分13秒の「Cool Cool
Water(Alternate Version)」収録)
1971 『Surf’s Up』2000 Reissue(Capitol)※『Sunflower』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US29-UK15
(注:『Made In California』に「Don’t Go Near The Water(Backing Track)」収録)
1972 『Carl &
The Passions-So Tough』2000 Reissue(Capitol)※『Holland』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。なお、アメリカでは当初『Pet Sounds』との2枚組抱き合わせLPでリリースされていた。LP時代は「Cuddle
Up」のヴォーカルが小さくミックスされていたため、CDでは大きく聴こえるよう、修正されている。その中間のヴォーカルの大きさが「Cuddle Up(Single Mix)」(Brother-Reprise)のシングル盤。US50-UK25
1973 『Holland』2016 Reissue(Analogue Productions)※西ドイツ盤LP『Holland』の1stプレスにはミス・プレスで250枚、レーベルクレジットと違い、「Sail On Sailor」がなく「Steamboat」から始まり、ボツ曲だった「We Got Love(Studio Version)」が収録されていたため、長く超レア盤だったが、2015年のiTunesのダウンロードにエンディングのリフレインが4回多く50秒長い「We Got Love(Studio
Long Version)」が初登場した。そして2016年にはAnalogue
ProductionsのCDとLPのみ、「We Got Love(Studio Long Version)」をシークレット・トラックで加えて発売された。US36-UK20
(注:『Good Vibrations
Box』にブライアン作のオマケEPから語りを取って音楽だけに抜き出した「Fairy Tale Music」収録。『Hawthorne,CA』にカラオケながら最後にコーラスが入りア・カペラで終わる「Sail On Sailor(Backing Track)」収録。なお曲の合いの手が入る「California Saga:California(Single Version)」は、『Ten Years Of Harmony』のLP及びドイツ盤CDに入っていたが、今は『Greatest Hits Volume 3:The Best
Of The Brother Year 1970-1986』(Capitol)で聴ける。)
1973 『The Beach
Boys In Concert』2000 Reissue(Capitol)※1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。1972年~1973年のアメリカでのライブ。20曲。US25-UK25
1976 『15 Big Ones』2000 Reissue(Capitol)※『Love You』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US8-UK31
(注:『Made In
California』にカットされた最後のヴァースが入っているので40秒長い「Rock And Roll Music(2012 Mix With Extra Verse)」が収録され、ミックスで隠れていたバック・コーラスのファルセットもくっきりと聴こえる。短いイントロのようなフレーズが入った「It’s OK(Alternate Mix)」と「Had To Phone
Ya(Backing Track)」も収録。また、1番のヴァースのバック・コーラスがない「Rock And Roll Music(Single Version)」と、アルバムのテイクを少しテンポアップした「It’s OK(Single Version)」は『Ten Years Of
Harmony』のLP及びドイツ盤CDに入っていたが、今は『Greatest Hits Volume 3:The Best Of The Brother Year 1970-1986』で聴ける。)
1977 『Love You』2000 Reissue(Capitol)※『15 Big Ones』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US53-UK28
1978 『M.I.U. Album』2000 Reissue(Capitol)※『L.A.』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US151
1978 『M.I.U. Album』1991 Reissue(Sony)※初のCD化の際、「Come Go With Me(Alternate Version)」…(冒頭からピアノで始まるこのヴァージョンのみ同じく91年にソニーからCD化されたコンピ『Ten
Years Of Harmony』にも収録されていた)、2番になってもサビになってもコーラスが入ってこない「Peggy Sue(Alternate Version)」、イントロのピアノの部分にコーラスが入るが、エンディングの鼓笛隊のようなドラムがカットされた「Winds Of Change(Alternate Version)」に差し替わっていた。この盤のみでしか聴けないヴァージョンなのでレア盤である。
1979 『L.A.』2000 Reissue(Capitol)※『M.I.U. Album』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US100-UK32
1980 『Keepin’ The
Summer Alive』2000 Reissue(Capitol)※『The Beach Boys』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。US75-UK54
(注:イントロのア・カペラの後に鐘の音が入るカナダのみリリースの「School
Day(Single Version)」は『Ten Years Of Harmony』のLPかドイツ盤CDに収録)
1985 『The Beach
Boys』2000 Reissue(Capitol)※『Keepin’ The Summer Alive』との2イン1。この年からCDも同時発売される(当時はCBS)ようになり、CDには「Getcha Back」のB面の「Male
Ego」を1曲プラスしていた。US52-UK60
1989 『Still
Cruisin’』(Capitol)※「Wouldn't It
Be Nice(Alternate Mono Mix)」は、別ミックスが使われた。特にサビの声質の違いが顕著。US46
1992 『Summer In
Paradise(US)』(Brother)
1993 『Summer In
Paradise(UK)』(Brother)※イギリス盤ではロジャー・マッギンがギターを入れヴォーカルまで参加したまったく別物の「Summer In Paradise(Alternate Version)」など、「Island
Fever(Alternate Version)」、「Under The
Boardwalk(Alternate Version)」、「Forever(AC Mix)」に差し替えられ、「Strange Things Happen」がEditされた。
1996 『Stars And
Stripes Vol.1』(River North)※全曲リード・ヴォーカルは別々のカントリー・シンガーで、ビーチ・ボーイズ・ナンバーを歌ったもの。ビーチ・ボーイズはバック・コーラス。US101
2002 『Good Timin’:Live
At Knebworth England 1980』(Eagle)…1980年のイギリスのネブワースでのライブ。6人のフルメンバーが揃っていた唯一のライブ。21曲。
2006 『Songs From
Here & Back』(Hallmark)…1974年と1989年のアメリカでのライブ7曲に、ブライアンの「The Spirit Of Rock & Roll」他アルとマイクのソロ録音曲を1曲ずつ持ち寄ったもの。大手文具チェーンHallmarkの通販で売られた。
2011 『The SMiLE
Sessions』(Capitol)※1967年にリリースされる予定だったロック史上最大の謎と言われた幻のアルバムが、当時の音源(1966~67年)を使ってリリースされた。2004年にブライアンがソロで『Brian Wilson Presents SMiLE』を完成して発表していて、ブライアンがこのアルバムのシナリオに沿って、当時のビーチ・ボーイズの録音のみを使ってリリースしたもの。詳しくはこのアルバム全体を含むPart2の必要なコンピレーション盤内の『The SMiLE Sessions』参照。US27-UK25
2012 『That’s Why
God Made The Radio』(Capitol)※日本盤のみ2012年にリレコした「Do It Again」(アメリカではQVCなどで販売された抱き合わせのベスト盤内に収録)がプラスされた。US3-UK15
2013 『Live-The 50th
Anniversary Tour』(Capitol)…2012年のリユニオンツアーを収録したライブ。41曲。
2014 『Live In
Sacramento 1964』(Download Only)※この1964年8月1日のサクラメントでの全36曲のライブは、その当時よくあった一日2回公演で、その模様が『Beach Boys Concert』の元になった。まず『Beach Boys Concert』からはスタジオ録音音源に差し替えられてしまった「Fun Fun Fun」と「I Get Around」だが、前者のSecond Showはリード・ヴォーカルーカルが小さすぎて使えなかったが、そんなに収録を見送るほどのものでもなかった。特に「I Get Around」は悪くない。この曲のFirst Showのナレーションはアルバムにそのまま使われている。「The Little Old Lady From Pasadena」はSecond
Showのリード・ヴォーカルが聴こえず、First Showだけだったが、サビのコーラスのバランスが悪いのでミキシングし直して使ったようだ。First Showの音源が使われたのが「Hawaii」、Second Showの音源が使われたのが「Let’s Go Trippin’」「The Wanderer」「Graduation Day」で、「Monster Mash」と「Papa-Oow-Mow-Mow」はここからは使わなかった可能性がある。「Little Deuce Coupe」「Long Tall Texan」「In My Room」「Johnny B.Goode」は披露されていないので、これらは63年12月の録音だ。他『Beach
Boys Concert/Live In London』に収録の「Don’t Worry Baby」のライブはSecond Show。『Good Vibrations Box』収録の「Surfer Girl」「Surfin' USA」「Hushabye」「Be True To Your School」はみなFirst Showからの音源だった。なお「Be True To Your School」のSecond Showはリード・ヴォーカルが聴こえず使えないクオリティ。その他では「Wendy」「Little Honda」「Don’t Back Down」がこのアルバムのみのライブ音源。「Wendy」のSecond Showでは最初に調弦していて、歌がスタートすると誰かが咳き込んでいた。「Little Honda」のSecond Showは最後以外ほとんどヴォーカルが入っていないので機材故障だったのだろう。「Don’t Back Down」はFirst Showでのドラムのイントロが長いので、Second Showではその部分にナレーションを入れ、工夫をしていたのが面白い。なお、本作には「Little Honda(Rehearsal Live)」と「Papa-Oow-Mow-Mow(Rehearsal Live)」という2曲のリハーサルも収められていて、ライブよりずっと洗練された歌と演奏が楽しめる。特に後者は自家薬篭中の出来で、これが唯一のスタジオ・ライブ・ヴァージョンだ。ダウンロードはiTunes、Amazon、moraなどで入手できる。
2015 『Live In
Chicago 1965』(Download Only)※1965年、シカゴArie Crown Theaterのライブで収録は3月26日が16曲、3月27日が18曲、加えてリハーサル4曲が入った充実した内容だ。「Do You Wanna Dance」はデニスのリードなので注目だが、26日はリード・ヴォーカル自体が欠落しており、27日が全て。続く「Hawaii」は27日の方のリード・ヴォーカルの音が割れているので、これは26日の方がいい。コーラスも快調で悪くない。嬉しい「Please Let Me
Wonder」、26日の方はイントロから入りこれはいいぞと思っていたらブライアンが歌詞を忘れてコーラスだけに…27日はイントロなしで静かに始まるが、こちらはちゃんと歌ったので二重丸。名曲だ。「Surfer
Girl」は自家薬篭中の出来で、後に登場する「Papa-Oom-Mow-Mow」「Monster Mash」と同じく失敗がない。この「Surfer Girl」に関してはバック・コーラスのミックスが27日の方が大きいが、そのためサビのリードが聴こえにくいので26日の方がいいか。デル・シャノンの「Runaway」のアルのリード・ヴォーカルのカバーは26日の方は『Made In California』に収録されたので27日が初登場。27日の方がコーラスは聴こえやすいがあの特徴的な間奏のリード・ギターがよく聴こえないので外されただろう。カバーの「Louie Louie」は26日の方が全体的にグズグズで転調もうまく決まっていない。27日の方がスムーズだ。「Fun Fun Fun」は2日ともいい出来だが、27日の方がバックのギターも大きく入り、リード・ヴォーカルが少し歪んでいるものの迫力があるのでこちらが上。コーラスもいい。「409」は27日のみで『US
Singles Collection The Capitol Years 1962-1965』に収録済み。「Shut
Down」はどちらも差が無く楽しく歌っているのが分かり2音サックスはマイクが口でやっている。「Surfin’ USA」はやはり27日の方が演奏とバック・コーラスを大きくミックスしているので迫力はあるがリード・ヴォーカルが聴こえにくい部分がある。しかし26日は途中笑ってしまっているので27日ということになるがエンディングの完成度はイマイチ。「Little Honda」は、26日にコーラス欠落があり、27日のみが可。ライブになるとバッキングが薄っぺらくなるのが難。嬉しい「Wendy」の登場だが、26日は途中でリード・ヴォーカルが抜けているので27日のみ。哀調を帯び、ハーモニーも心地よい傑作だ。27日のみ披露した「In My Room」はコーラスがスムーズでこの曲も自家薬篭中の代物だろう。「Don’t Worry Baby」はバック・コーラスも演奏もはっきり聴こえる27日の圧勝。なにしろ肝心なブライアンのリード・ヴォーカルが、26日の方は間違えてばかりでダメ。美しい出来だ。「I Get Around」は、やはりリード、コーラス、バッキングが大きくミックスされた27日の方が出来がいい。ただ細かい部分がちょっと荒削り。最後は「Johnny
B.Goode」で、ミックスの良さで27日だが、いかにもライブ用という仕上がり。嬉しいのはボーナスの4曲のリハーサルだ。まず「Louie Louie」。ややテンポを落として正確に歌っている。微妙に転調していくのだが、ちょっと単調。そして「Little Honda」。やはりバッキングが弱いので迫力に欠ける。レコードには入っているあのエンジン音のような低音のハーモニーがポイントだったとはっきり分かる。しかしライブよりずっといい仕上がり。「Surfin’ USA」もライブよりバッキングとコーラスに迫力があり、特にドラムとギターが、このリハーサルが秀逸。最後は「Wendy」。軽い感じのリハーサルでアルペジオのギターも入っているが、ややスローなので27日のライブの方に軍配を上げたい。ダウンロードはiTunes、Amazon、moraなどで入手できる。
(作成:佐野邦彦)※以降はPart.2で。
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