キンクス、レイ・デイヴィスに対して、異常なまでの愛情を見せるファンは多い。自分もその一人だが、好きすぎて、全てのミュージシャンの中で、唯一自分は「レイ先生」と書いてしまう。まず①パイ・レコードでのデビュー時、1964年~1965年のハードロックの原型と称賛される「You Really Got Me」の3コードの強烈なリフで鮮烈にデビューした、フーのピート・タウンゼンドにも大きな影響を与えた時代、そして同じ②パイの1966年~1970年のロック革命の潮流時にLove ,Peaceなどのワードには背を向けて、田舎の共同体を大事に守ろうなんて、他のバンドでにはとても考え付かないコンセプトでアルバムを作ってしまう。曲の深化はこの時期が一番深く、歌詞の内容もアイロニーを散りばめ痛快で、アルバムチャートは米英ともランク外などあってもかまわずに我が道を突き進んでいた。そしてアルバムのコンセプト・アルバム化がさらに深く戯曲のようになり、サウンドはホーンや女性コーラスまで入れた③パイ移籍後の1971年~1976年のRCA時代。この頃のレイは長い髪、ジョーカーのような謎の笑み、歌う題材は弱者を守る視点に貫かれていて熱狂的なマニアが付いたが、ソリッドなサウンドは無くなっていた。そして1977年にアリスタへ移籍、2枚のアルバムで準備した後の1979年の『Low Budget』よりレイは長い髪の毛をバッサリと切り、バンドはメンバー以外そぎ落として、デイブ・デイヴィスのヘヴィなリード・ギターを全面に出したハードでソリッドなロック・バンドに変貌した。翌年のライブ・アルバム『One For The Road』の映像も公開されるが、レイはステージを走り回り、高くジャンプし、シャウトしながら歌いまくる。そして今まで人気が爆発することなかったアメリカで大人気となり、米英でキンクスはスタジアムを満員にするバンドとなり絶頂期を迎える。これが④1977年~1986年のアリスタ時代。⑤1987年~1996年はロンドン、コロンビア、自身のレーベル・コンクでCDを出すがヒットは無く、1996年を最後にレイはキンクスの活動をやめた。もともと弟のデイブとは犬猿の仲であり、共演を止めたことでキンクスの活動も停止したのだ。そしてレイは既にソロ活動をしていたのでソロで活動、デイブもソロで活動している。この中で自分が一番好きなのはまず②。1966年の『Face To Face』はポップでかつバラエティに富んだサウンドで自分の中では『Rubber Soul』。大好きだ。そしてサイケデリック色も取り込んだ『Something
Else』もいいし、その後が、1968年のノスタルジアとやさしさに満ちたキンクス・ファンなら誰でも好きな『The Kinks Are The Village Green Preservation Society』。そして『Arthur Or The Decline And Fall Of British Empire』『Lola Versus Powerman And The Moneygoround,Part One』と続くこの5作はパーフェクト。そして①のデビュー期のカッコよさ。1曲ずつ語ってもしようがないのでエピソードを書いておこう。一番下のアンケートに出てくるが、当時ブルーハーツの真島昌利さんがソロ活動でシングルをリリースした時に、黄金の3コードで作られた「I Need You」を真島さんは空耳で「うな重」としてその歌詞でパロディのカバーを、キンクスそのものの演奏でカバーしてくれ最高だった。この時のレコーディングのメンバーはギターに篠原太郎さん、ドラムに大槻敏彦さんと、真島さんがブルーハーツ加入前のブレイカーズの3人だったのが感激だった。ブレイカーズはモッズ・バンドであり、キンクスは得意中の得意だったに違いない。そして同等に好きなのが④のアリスタ時代だ。自分のキンクス熱はアリスタ時代に燃えに燃えた。その頃、日本でのキンクスの知名度など無に等しい感じで、『One For The Road』のVHSを見ても、キンクスが来日するなんて、100%あり得ないと諦めていた。そんな中、1981年12月に浅草公会堂で行われたキング・クリムゾンのコンサートで幸運が訪れる。昔の曲を1曲もやらない(ロバート・フィリップらしいが)曲にガッカリしていた時にその会場でなんと「キンクス来日決定」のチラシが。そして会場でチケットを売っているではないか!もうキング・クリムゾンなどどうでもよくなり、慌てて初日と3日目のチケットを買ってニコニコしながら家路についた。当時レイが付き合っていたクリッシー・ハインド率いるプリテンダーズが来日することになり、それに合わせてレイも来日を決めたようだ。ただコンサート会場へ行く時には不安があった。まず会場が埋まっているのか、埋まったとしても観客がキンクスのライブのお決まり、たとえばバナナボートソングの「デーオ」のレスポンス、特に「Lola」の冒頭でレイが歌うのを止めて耳を観客に向けて「ロロロロロローラ」と歌わせるあのレスポンス、これがちゃんとできるのか、失礼なことになったら嫌だなと本当に心配だった。しかし会場は満席、レスポンスどころか、観客は声を限りに「won’t you tell me where have all the good times gone」なんてフレーズまで大声で歌っている。いったい日本のどこにこんな熱狂的なキンクス・ファンがいたのか嬉しくなり、それは他の観客も同じで、これほど一体感のあったコンサートは後にも先にもない。もちろんキンクスのパフォーマンスも最高で、あとでレイが日本でのコンサートについて「アメリカやイギリスでやるのと変わらなかった。もっと早く来ればよかった。」と言ってくれたのは最高の褒め言葉だった。レイも観客の熱狂が嬉しかったのだろう、初日に即興の「Tokyo」と呼ばれる曲を歌ってくれ、3日目にかなり完成されていたものを再度聴けたのは得難い体験だった。このライブは少し短く編集されたものがFM東京で放送されている。この来日時には「ベスト・ヒットUSA」にレイ・デイヴィスがゲスト出演している。2曲のライブ映像を挟みながら16分たっぷりとレイが小林克也と対談、「昨日、東京でコンサートをやった」と言っているから1982年2月26日の収録だと分かる。この時のコンサートの会場の盛り上がりが最高だったので、レイは始終ゴキゲンで、VTRのフリをおどけてやるなど、とってもいい雰囲気のインタビューだった。Betaのビデオに録画しておいたが、私の宝物のひとつ。2度目と3度目の来日では気合の入った、文字で一杯の日本独自のパンフレットが作られたが、これもキンクス以外では見られない。あと忘れられないのは3度目の来日の最終日、川崎のクラブチッタでのコンサートだ。オール・スタンディングで間近でキンクスが見られたのは素晴らしかったが、何しろ物凄い圧力で押され、ダイブは飛んでくる、痛いし、暑苦しいし、終わったら、お気に入りのジャケットが後ろの汗まみれの皮ジャンの奴のせいで真っ黒に染まり、一発でダメになってしまった。③のRCA時代は、覇気がないのであまり好きではない。歌詞は面白いのだが。⑤も「宴は終わった」寂寞感が残る。
★THE
KINKS
☆オリジナル・アルバム
1964 『The
Kinks(Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※モノラル&ステレオの2イン1。+25曲。なおUS盤MonoLP(US題『You Really Got Me』)のみ収録のリード・ヴォーカルがシングル・トラックの「Bald Headed Woman」と、Mono LP盤のみ収録のリヴァーヴが効いている「You Really Got Me [Mono LP With Reverb]」も含まれていた。リヴァーヴの無いAlternate Mono Mixで「Beautiful Delilah」「I’m A Lover Not A Fighter」、モノでアップテンポのAlterrnat
e Take「Too Much Monkey Business」と「Got Love If You Want It」。シングルオンリー6曲、EP曲4曲も収録。The
Boll-Weevils名時代の63年のデモでレイバー=ストーラー作「I'm A Hog For You Baby [Stereo]」とレイ&デイブ共作の「I Believed You [Stereo]」、キンクスになってから「You
Really Got Me」にそっくりなのでボツになった「Don't Ever Let Go [Mono]」、他64年の未発表曲「I Don’t Need You Anymore」はDemoとMonoで初収録。他はDemoの「Everybody’s Gonna Be Happy(Alternate Version)」とBBC音源。UK3-US29
1965 『Kinda
Kinks(Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※この盤にステレオ・ミックスはないので2枚目にはボーナストラックが+23曲。シングルやEPのみの曲が10曲に、「I Go To Sleep」「Tell Me Now So I’ll Know」「When I See That Girl Of Mine」「A Little Bit
Of Sunlight」「There’s A New World Just Opening For Me」「This I Know」の未発表デモ、「See My Friend(Alternate
Take)」は初期録音、デイヴが途中で笑い出す「Come On Now(Alternate Take)」(※『Picture Book』とは違い短い)、そしてBBC音源が内容だ。UK3-US60
1965 『The
Kink Kontroversy(Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※この盤にステレオ・ミックスはないので2枚目にはボーナストラックが+15曲。シングル3曲に「All
Night Stand(Demo)」、長く未発表だった「And I Will Love You」とレイが歌う「Mr.Reporter」、初期テイクでアレンジが違う「Dedicated
Follower Of Fashion(Alternative Take)」とヴォーカルが別の「I'm Not
Like Everybody Else(Alternative Vocal)」、1983年の『The Great Lost Kinks Album』に収録されていただけの65年録音の「Time Will Tell」、そしてBBC音源が入った。UK9-US95
1966 『Face
To Face』1998 Reissue(Castle)※+7曲だが下記とダブるもののDaveの歌う1969年版「Mr.Reporter」はエンディングのリフレインが5回目まで入り『Arthur…(Deluxe
Edition)』のものより20秒長い。ちなみにレイが歌うオリジナルは『Picture Book』を皮切りに他2枚収録。さらにインストの「Little Woman」はステレオで、1分17秒のメロトロンが聴こえないミックスだった。UK12-US135
1966 『Face
To Face(Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※モノラル&ステレオの2イン1。Monoの「Rosie Won't You Please Come Home 」は2秒、「Session Man」は7秒、「Holiday
In Waikiki」は5秒長く、逆にStereoの「Most Exclusive Residence For Sale」は6秒長い。+14曲。シングル曲のMonoの「Big
Black Smoke」は最後にOh Yeahのコーラスや鐘の音が被って終わるが、Stereoは演奏だけが17秒長く続く。同じシングルの「This Is Where I Belong」はStereoが「121234」のカウントから始まりMonoより20秒長い。(『Anthology』のものはカウントが「1234」のみ)また「She's Got Everything」はステレオ・モノのどちらも入っているが『Anthology』の「She's Got Everything (Alternate
Mono Mix)」はホルンが入り演奏や歌詞も違う。全く間奏のギターが違うインスト「She's Got
Everything (Backing Track Take2)」も同盤収録。
1967 『Something
Else By The Kinks』1998 Reissue(Castle)※+8曲だが下記とダブるものの「Lazy Old Sun(Alternate
Version)」はイントロのマラカスがなく、ダブルトラックになるコーラスがずれているなど違いがある。Deluxe
Editionには収録されていない。UK35-US153
1967 『Something
Else By The Kinks (Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※モノラル&ステレオの2イン1。+26曲。Monoの「Situation Vacant」はStereoに比べ6秒長い。ただしStereoのフェイドアウト部にはオルガンと奇妙なファルセットが大きく入っていた。Stereoの「David Watts」は5秒、「Death Of A Clown」6秒、「Love Me Till The Sun Shines」5秒、「Funny Face」11秒、シングル曲だが「Autumn Almanac」は3秒長い。「Little Woman」はモノで、1分17秒の部分でメロトロンが聴こえる。この盤のボーナスで登場した「Afternoon Tea」のGerman Stereo MixとCanadian Mono Mixには、クラクションのように聴こえるヴォリュームぺダル奏法のギターがプラスされていた。その他「David Watts(Alternative Take)」はまったくの初期ヴァージョンで演奏や歌い方も違う。「Hurry Rag」もまったく違う初期テイク「Harry Rag [Alternate
Take]」が入り、『Anthology』にはイントロまでの僅かな「Session Except」と、最後にレイとスタジオとのやり取りが聴ける「Alternate
Stereo Mix」があった。Monoの「Tin
Soldier Man」は最初の2音が欠落、アレンジも歌詞も全く違う初期の曲が「Sand On My Shoes」のタイトルで入り、その時期のオケは「Tin
Soldier Man(Alternative Backing Track)」で収録。また『Anthology』では18秒からリヴァーヴがかかる「Tin Soldier Man(Alternate
Stereo Mix)」が入っていた。珍しいのは2000年にリリースされた日本盤紙ジャケCD収録の「Situation Vacant(Alternate Stereo Mix)」は、いったんフェイドアウトした後が長く聴けるので2秒長い。ただしあの変なファルセットは欠落していた。「Lazy Old Sun [Alternate
Vocal Version]」は28秒長く歌い方も一部違う。「Afternoon
Tea [Alternate Version]」はまったく違うアレンジで楽器構成も違い歌い方も違うので完全な別テイク。あと、『Anthology』には前述なクラクションのように聴こえるヴォリュームぺダル奏法のギターが入るヴァージョンの手前にピアノのイントロがプラスされた「Afternoon Tea (Alternate Stereo Mix)」がある。「Funny
Face [Alternate Stereo Version]」はステレオよりさらに15秒長い。あと『Anthology』にはイントロとエンディングのセッションを入れた「Waterloo
Sunset (Session Excerpt - Backing Track Take Two) [Stereo]」が収録された。最後に、シングル曲でStereo,Monoのどちらも収録されたのが「Autumn Almanac」「Susannah’s Still Alive」
1967 『Live At Kelvin Hall』1998 Reissue(Castle)※モノラル&ステレオの2イン1。1967年のライブ。US162
1968 『The
Kinks Are The Village Green Preservation Society (Special Deluxe Edition)』2004 Reissue(Sanctuary)※3枚組のボックスで15曲Versionのステレオ&モノに、12曲Version(仏伊などでリリース)のみの曲などこの時代の曲を32曲プラス。Castleの1998Reissueの内容はこの盤に含まれている。Monoの「The Village Green Preservation Society
」はStereoに比べ6秒、「Monica」も6秒長く、12曲仕様盤Stereoの「People Take Pictures Of Each Other」のみフェイドアウトの後に5秒ほど僅かにビッグバンド風の演奏が聴こえる。アコギもカット。「Do You
Remember Walter」もタンバリン、アコギがカットされていた。インストの「Easy Come
There You Want」「Mick Avory’s Underpants」と「Village Green(Mono/No Strings Version)」と「Village Green(Instrumental/Orchestra Overdub)」が登場、Stereo、,Mono Alternate Stereo Mixで「Animal Farm」、15曲仕様盤でない曲ではStereo,Monoで「Wonder Boy」「Polly」「Berkley Mews」「Days」「Misty Water」「Mr.Songbird」収録。「Phenomental Cat(Mono Instrumental Mix」や「Johnny
Thunder(Stereo Remix)」があり、さらに未発表曲集『The Great Lost Kinks
Album』から「Misty Water」「Lavender
Hill」「Rosemary Rose」「Where Did
My Spring Go」「Groovy Movies」の5曲、『The Kinks’ Greatest Hits Dead End Street』(PRT)のオマケの10インチ盤の中から1曲「Spotty Grotty Anna」が収録されている。「Did You See His Name(Mono)」もこの盤で入手でき便利。
1969 『Arthur
Or The Decline And Fall Of British Empire (Deluxe Edition)』2011 Reissue(Sanctuary)※モノラル&ステレオの2イン1。+18曲。「Drivin」のStereoは8秒長く、シングル曲だが初登場の「Lincoln Country」のStereoは13秒長い。Stereo,Monoで収録されたのはシングルの「Plastic Man」と「Mindless Child Of Motherhood」「This Man He Weeps Tonight」。「King Kong」はMonoのみ、その他ではデイヴの「Mr.Shoemaker’s Daughter」が初登場、「She’s Bought A Hat Like Princess Marina」のAlternate
Mono Mixあり。この盤の1998年版は本盤に包括されているが、厳密には「This Man He Weeps Tonight」はStereoと表記しながら無理に作ったMono、「She’s Bought A Hat Like Princess
Marina」のAlternate Mono Mixも微妙に違うと言うが、そのために購入するほどのものではない。US105
1970 『Lola
Versus Powerman And The Moneygoround,Part One』2014
Reissue『Lola Versus Powerman And The Moneygoround &
Percy』(Sanctuary)※2イン1なので『Lola…』計+13曲。1998年Reissueの2曲(「Lola」のCherry
Cola Version。Mono Single。他「Powerman」のMono)含む。完全未発表の「Anytime」「The Good Life」の他は初期ヴァージョンの「The Contenders」「Lola」「This Time Tomorrow」「Apeman」「Got To Be Free」が登場、他はMono Singleの「Apeman」「Rats」など。US35
1971 『Percy(Soundtrack)』1998 Reissue(Castle)※+5曲でFilm Versionということで短い歌入りの「Dreams」とMono の「The
Way Love Use To Be」以外は歌無しの「Moments」と、「The Way Love Use To Be」が2ヴァージョン。
1971 ※『Percy(Soundtrack)』2014 Reissue『Lola Versus Powerman And The
Moneygoround & Percy』(Sanctuary)との2イン1に『Percy』計+4曲。「Dreams」は1分40秒弱長い別ヴァージョンと映画の中でだけで聴けた「The Gods’ Children」2テイクが新収録。もう1曲は1998Reissueと同じ。
1971 『Muswell
Hillbillies(Deluxe Edition)』2013 Reissue(Sanctuary)※+13曲。「Lavender
Lane」「Mountain Woman」「Have A
Cuppa Tea (Alternate Version)」「 Muswell Hillbilly (1976
Remix)」「Uncle Son (Alternate Version)」「Kentucky Moon」「Nobody's Fool (Demo)」「20th Century Man (Alternate Instrumental Take)」「20th Century Man (1976 Remix)」「Queenie
(Instrumental Backing Track)」他BBC音源。1998年リイシューのCastle盤のボーナストラックの2曲はこの盤に含まれた。US100
1972 『Everybody’s In Show-Biz』2006
Reissue(RCA)※CDが1枚プラスされ、LPでは1972年3月3日のライブが11曲入っていたが、新たにディスク2に3月2日のライブが13曲入り、「Long Tall Shorty」など6曲は初登場の曲目。さらに1972年の未発表曲「History」、別ヴァージョンの「Supersonic Rocket Ship」「Unreal Reality」、1973年録音の「Money Talks」の原型Inst「Sophisticated
Lady」収録。US70
1972 『Everybody’s
In Show-Biz』1998 Reissue(Konk/Velvel)※オリジナル盤にプラス1972年3月3日の「Till The End Of The Day」「She Bought A Hat
Like Princess Marina」のライブを収録。(よってこの日のライブは計13曲収録)
1973 『Preservation
Act 1』1998 Reissue(Konk/Velvel)※+「Preservation(Single)」「One Of The Survivors(Single Edit)」US174
1974 『Preservation
Act 2』1998 Reissue(Konk/Velvel)※+「Mirror Of Love(UK Single)」、「Slum Kids」(1979Live)US 114
1975 『A
Soap Opera』1998 Reissue(Konk/Velvel)※+「Starmaker(Overdub)」と75年のライブの「Ordinary People」「You Make It All Worthwhile」「Undernearth The
Neon Sign」US51
1976 『Schoolboys
In Disgrace』(Rhino)※Velvel盤もボーナストラック無し。US45
1977 『Sleepwalker』1998 Reissue(Konk/Velvel)※「Artificial Light(Single)」「Prince Of The
Punks(Single)」「The Poseur」「On
The Outside(1977 Mix)」「On The Outside(1994 Mix)」US21。
1978 『Misfits』1998 Reissue(Konk/Velvel)※+「Black Messiah(Single」「Father Christmas(Single)」「A Rock’n’Roll
Fantasy(Single)」「Live Life(Single)」US40
1979 『Low
Budget』1999 Reissue(Konk/Velvel)※+「A Gallon Of Gas[US Single Extended
Version]」「Catch Me Now I’m Falling[Original Extended
Version]」「(Wish I Could Fly Like)Superman[Extended Version]」の別テイク。US11
1980 『One
For The Road』1999 Reissue(Konk/Velvel)※初期のCDはLPより1曲少ないので注意。1979年と1980年のライブ。US14
1982 『Give
The People What They Want』(Arista)※Velvel盤もボーナストラック無し。US15
1983 『State
Of Confusion』1999 Reissue(Konk/Velvel)※+「Don’t Forget To Dance(Extended Edit)」「Once A Thief」「Long Distance」「Noise(Single)」。US12
1984 『Word
Of Mouth』1999 Reissue(Konk/Velvel)※+「Good Day (Extended Edit)」「Summer’s Gone (Extended Edit)」US57
1986 『Think
Visual』(London)US81
1988 『The
Road』(London)※「The Road」1曲のみスタジオ録音で、他は1987年のライブ。US110
1989 『UK
Jive』(London)US122
1993 『Phobia(Limited
Edition)』(日本のみ)(ソニーミュージック)※1991年に日本先行で発売された5曲入りマキシCD『Did Ya』(「Did Ya」「I Gotta Move (Live)」「Days(Alternate)」「New World」「Look Through Any Doorway」)と2枚組。US166
1994 『To
The Bone』(Konk/Grapevine)※13曲Version。「Waterloo Sunset」「Autumn Almanac」はこのディスクのみでしか聴けない。
1997 『To
The Bone』(Guardian)※29曲Version。1994年のものと11曲ダブり、18曲が初登場だが、93年、94年に加え2曲96年の録音がある。
2001 『BBC Sessions 1964-1977』(Sanctuary)
※BBC関係の2枚組スタジオ・ライブ。後述の2012年の『The Kinks At The BBC(Box Set)』が5枚組で112曲網羅するが、「Did
You See His Name」はこの盤のみ
2008 『Picture
Book(Box Set)』(Sanctuary)※レアトラック多数を含む6枚組ヒストリーボックス。未発表曲では79年の「Hidden Quality」80年「Nuclear
Love」「Duke」「Stolen Away Your
Heart」別テイクでは『Kinda Kinks(Deluxe Edition)』のものより1分34秒長く途中でデイヴが笑ってしまう「Come On Now(Alt Vocal)」、39秒長い79年の「A Gallon
Of Gas(ended mono version)」82年の「Art Lover(Alternate Mix)、「Come Dancing(Demo)」、95年の「To The Bone(Demo) 」収録。
2011 『Hidden
Treasures』(Sanctuary)※デイブ・デービスがキンクスとして録音した60年代録音(1曲除く)の作品集。「Do You Wish To Be A Man」「Are You Ready Girl」「I’m Crying」「Good Luck Charm」「Hold My Hand(Demo)」など未発表曲、未発表テイクあり。
2012 『The
Kinks At The BBC(Box Set)』(Sanctuary)※BBC関係の1964年から1994年までの112曲のスタジオ・ライブ等。CD5枚+映像DVD1枚
2014 『The
Kinks The Anthology 1964-1971』(Sanctuary)※CD5枚+アナログ・シングル1枚のPye時代のコンピレーション。初登場の音源を紹介すると、「Who'll Be The Next In Line」のAlternate MixとSession Excerpt-Backing Track Take Oneだが、前者は完奏するがこれは初めて。後者は荒削りな4人だけのバックトラック。「Come On Now(Alternate Version)」は『Picture Book』収録のものと同じで最初の失敗テイクは入ってないが、音質ははるかにいい。「Tell Me Now So I'll Know(Alternate Demo)」は、既発表のデモに比べてずっとブルージーなギターに導かれたスローなデモでより初期の録音だろう。「Dedicated Follower Of Fashion(Session Excerpt Take1-3)」はタイトルの通り初期デモ。まだ掛け合いのコーラスもなく、後半はメロディを大分崩して歌っている。「She's Got Everything」のAlternate Mono MixとBacking Track Take Twoだが、前者は歌い方も違うしヴォーカルもずっとオンでもともとメチャクチャかっこいい曲なのにさらにかっこよくなった。間奏の後半にはホルンも入っていた。後者はまだ間奏のリードギターが完成していない初期演奏。「Big Black Smoke(Alternate Stereo Mix)」は従来のステレオに比べて非常にクリアーで分離のいいステレオで新鮮に聴こえる。「Mr. Pleasant」は初登場のステレオ・ヴァージョンで、やはりサウンドがクリアーでより楽しく聴こえる。「This Is Where I Belong」も初登場のステレオ・ミックスで、従来のステレオに比べ分離がよく、ヴォーカルがダブルトラックだとはっきり分かるミックスになっている。「Village Green」も初登場ステレオ・ミックスで、ヴォーカルがはるかにクリアーでオンになっていてレイが耳元で歌っているかのようで良い。初登場のステレオ・ミックスはまだ続き、「Two Sisters」は冒頭に短い楽器の音とカウントから始まり、これもヴォーカルがオンでクリアーだ。「Waterloo Sunset(Session Excerpt Backing Track Take Two)」はタイトルの通りでこの名曲の初期バックトラック。シャララ―のパートにこんな荒削りなギターが...というのが発見。「Act Nice And Gentle」はエンディングの演奏が20秒以上長く楽しめる初登場ステレオ・ミックスでこれもクリアーで分離がいい。「Days」のステレオ・ミックスはバックに埋もれていたオルガンがくっきり聴こえる。「Death Of A Clown」はイントロに深いエコーのカウントのあとデイヴのヴォーカルが中央から大きく出てくるので新鮮。「All Night Stand」も音質は今までのベスト。「Harry
Rag(Session Excerpt)」「Days(Session Excerpt)」「Johnny Thunder(Session Excerpt)」はごく短く歌もないので曲と言えるかどうか...。「Afternoon Tea(Alternate
Stereo Mix)」はイントロにスタジオチャットの後にピアノの前奏が入るがこれは初登場。ピンク・フロイドもぶっ飛ぶほどにプログレッシヴな「Lazy Old Sun(Alternate Stereo Mix)」は、レイのヴォーカルがあの鼻づまりのようなミックスではなくクリアーに聴こえて新鮮。エンディングの演奏も20秒以上長く続いていた。デイブ・デービスの「Good Luck Charm」はこれまた初登場のステレオ・ミックスで、17秒のスタジオチャットとピアノの演奏の後に曲がスタートする。そしてクリアー。「Rosemary
Rose」は初登場のステレオ・ミックスで、間奏の後にパパラパというレイのスキャットが10秒ほど加わっているのでその分、ロング・ヴァージョンになっている。「Lincoln Country(Single Version)」は初のシングル・ヴァージョンのステレオで、ストリングスの低音の響きが全く違う。また中間のスキャットのパートのストリングスも大きくミックスされていた。「Did You See His Name(Alternate Ending)」は初のステレオで、モノではエレキ・ギターが大きく、シンプルな演奏に聴こえたが、ステレオでは全編にハーモニーが入っているのがよく聴こえ、アコースティックギター、オルガン、ハンドクラップと繊細な演奏だったことが分かる。エンディングがモノの突然ぶっちぎられる終わり方ではなく完奏する。「Misty Water(Alternate Mix)」はエンディングが20秒長く最後はララーMisty Waterとちょっと崩して歌ってフェイドアウトする。そしてアナログ・シングルへ移ろう。憎いことにどちらも初登場のTwickenham Television StudiosでのTV番組『Shindig!』用ライブ音源で、「You Really Got Me」は1964年12月16日に収録され、スタジオ・ライブらしいザクザクした歌と演奏が楽しめる。「Milk Cow Blues」は1965年8月4日の収録で、アルバムよりはるかにヘヴィな歌と演奏で、これもスタジオ・ライブならでは。最後に、特別なクレジットはされていなかったが、1973年リリースの未発表曲を集めた『The Great Lost Kinks
Album』に収録されていた「Till Death Us Do Part」と「When I Turn Off The Living Light」は初のCD化である。前者はノスタルジック、後者はメランコリックなナンバーでどちらもテレビ用に作られた曲だった。歌入りの「Pictures In The Sand」も入ってやっとこのアルバムも全曲CD化された。なおこの曲は歌無しヴァージョンがあり、1983年のコンピ『The Kinks' Greatest
Hits-Dead End Street』(PRT)の1stプレスのみ付けられた10インチのボーナスディスクに収められていたが、これは未CD化のままだ。
☆必要なコンピレーション
1976 『The
Kinks’ Greatest Celluloid Heroes』(RCA Victor) ※RCA時代のベスト(4曲ライブ。1972年3曲、1975年1曲)だが、同名のCDにはこのLPの75年のライブ「Here Comes Yet Another Day」、4曲のリミックス・ヴァージョン(「Everybody’s A Star」「Sitting In My Hotel」「Sitting In The Midday
Sun」「One Of The Survivors」)は使われず未CD化のまま。
1983 『The
Kinks’ Greatest Hits Dead End Street』(PRT)※初回プレスのみおまけの10インチ盤に収録のインストの「Pictures In The Sand(No
Vocal)」は未CD化のまま。
1985 『Backtrackin’』(Starblend)※「Moving Pictures」の別ヴァージョン。初期デモのよう。
1991 『Lost
And Found(1986-1989』(MCA) ※「Now
And Then」の別ヴァージョン。コーラスなど欠落している。
1992 Various『Out Of This World:Instrumental Diamonds Vol.3』(Sequel)※1963年録音の「Revenge」はデモで21秒長いロング・ヴァージョン。
1995 Smithereens:『Rarities:Attack Of The Smithereens』(Capitol)※1992年ボストンのライブで「You Really Got Me」をデイブと共演。リード・ヴォーカルはレイでThe Smithereens & The Kinks名義。
1997 『The Singles Collection/Waterloo Sunset』(Castle) ※未発表ライブの「Rock’n’Roll Fantasy」他リミックス2曲。
2011 『The
Kinks In Mono(Box Set)』(Sanctuary)※迫力のある別ヴァージョンのオーストラリア盤のみの「Australia(Australian Single Version)」収録され、これが目玉。「Beautiful Delilah」「I’m A Lover Not A Fighter」もAlternate Mono Mixはエコーなし(この2曲は『The Kinks The
Anthology 1964-1971』にも収録)。モノラルアルバム全7枚、モノラルEP集1枚、Kollectable集2枚の計10枚セット。
☆必要なシングル・EP
1973 「Scrapheap
City」(RCA Victor)※USのみシングル。アルバムと違いレイ・デービスがリード・ヴォーカルを取っている。「One Of The Survivors」がA面。未CD化。
1974 「Mirror
Of Love」(RCA Victor)※US盤シングルのヴァージョンはイントロが短く女性コーラスをより多くしたヴァージョン。未CD化。
1981 「Massive Reductions」(Arista)※UKのみシングル。『Word Of Mouth』よりシンプルな別ヴァージョン。A面は「Better Things」。未CD化。
1983 「Come
Dancing(12inch Single Version)」(Arista)※UKのみの12インチシングルは間奏が8小節長いロング・ヴァージョン。未CD化。
1983 「Noise(12inch
Single Version)」(Arista)※上記12インチシングルB面。小鳥のさえずり、工事現場の音、サイレンとつながってイントロとなるため、計25秒長く5分2秒。未CD化。
1989 「You
Really Got Me(Live)」(London)※UKのみ3曲入りEP『Down All The
Days』収録。1987年Philadelphiaでのライブ。
1994 「Elevator
Man」(Konk/Grapevine) ※UKのみ4曲入りEP『Waterloo
Sunset ‘94』収録。1976年の録音。
オマケ〇シングルチャート
64 Long
Tall Sally-UK42、You Really Got Me-UK1-US7、All Day And All Of The Night-UK2-US7、65 Tired Of Waiting For You-UK1-US6、Everybody’s
Gonna Be Happy-UK17、Set Me Free-UK9-US23、See My Friends-UK10、Who’ll Be The Next In
Line-US34、A Well Respected Man-US13、‘Till The End Of The Day-UK8-US50、66 Dedicated Follower Of Fashion-UK4-US36、Sunny
Afternoon-UK1-US14、Dead End Street-UK5-US73、Mr.Pleasant…US80、67 Waterloo Sunset-UK2、Death Of A Clown-UK3、Autumn Almanac-UK3、Suzannha’s Still Alive-US20、68 Wonderboy-UK36、Days-UK12、69 Plastic Man-UK31、Victoria-UK33-US62、70 Lola-UK2-US9、Apeman-UK5-US45、72 Supersonic Rocket Ship-UK16、77 Sleepwalker-US48、78 A Rock’n’Roll Fantasy-US30、79 (Wish I Could Fly Like)Superman-US41、80 Lola(Live)-US80、81 Better Things-UK46-US92、Destroyer-US85、83 Come
Dancing-UK12-US6、You Really Got Me(1983)-UK47、Don’t Forget To Dance-UK58-US29、84 Do It Again-US41、87 How
Are You-UK86、93 Only A
Dream-UK79
(作成:佐野邦彦/Special thanks to 犬伏巧)
オマケ:1993年 VANDA9号用THE
KINKSアンケート
★真島昌利さん(THE BLUE HEARTS)
好きなキンクス・ナンバー・ベスト5
①Till The End Of The Day②I Need You③All Day And All Of The Night④You Really Got Me⑤Set Me Free
好きなアルバム・ベスト3
①The Kinks②Kinda
Kinks③Live At Kelvin Hall
★加藤ひさしさん(THE COLLECTORS)
好きなキンクス・ナンバー・ベスト5
①Autumn Almanac②Rosie
Won’t You Please Come Home③Waterloo Sunset④Do It Again⑤Rock’n’Roll Fantasy
好きなアルバム・ベスト3
①Face To Face②Arthur
Or The Decline And Fall Of The British Empire③The Kinks
Are The Village Green Preservation Society
★古市コータローさん(THE COLLECTORS)
好きなキンクス・ナンバー・ベスト5
①
Set Me Free②You Really Got Me③Stop Your Sobbing④Waterloo Sunset⑤Lola
好きなアルバム・ベスト3
①
The Kinks②③記入なし
参考まで:下記の2枚はオフィシャル盤のように通販や大手ショップで売っていたがブートである。
2007 『Transmissions』(Storming Music) ※60年代から80年代のTVショーなどのライブ集。11曲収録
2011 『Live In London 1973 &
1977』(Immortal)※1973年1月24日ロンドンTelevision
Theatreのライブ10曲、と1977年12月24日ロンドンRainbow
Theatreのライブ11曲収録。
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