キャス・エリオットは多くの音楽ファンにとってはママス&パパスのママ・キャスだ。しかかし自分にとってはママス&パパス時代はあまり関心がなく、ソロになって、キャス・エリオットとしての曲が最高だ。女性ヴォーカルがあまり好きではない自分にとって、キャス・エリオットのアルトの声はとても聴きやすく、さらに声域が広いのでサビで一気に高音域に誘ってくれので聴きやすい。ベスト・ナンバーはバリー・マン&シンシア・ワイル作の「New World Coming」。ゆったりをした歌いだしから高揚感に満ちたサビ、まさにソフトロックの理想が結実した曲で、自分の運転で入院できた1年間はこの曲を必ずかけて気持ちをアップさせていた。その他でもイギリスではハーモニー・グラスでヒットした「Move In A Little Closer Baby」にはわくわくさせられるし、先の曲とは違う作曲家チームが書いた「Welcome To The World」は、単調な歌いだしが開放感に満ちた展開となるこれも自分にとっての理想の作りの曲。そしてヒットしたバリー・マン作の「It’s Getting Better」と「Make Your Own Kind Of
Music」が実に爽快で心地よく、この5曲のクオリティはあまりに凄い。この5曲が入ったCD『Complete
Solo Collection 1968-1971』があれば、あとは余裕があればでいい。デイブ・メイソンとの共作アルバムは彼女のリード・ヴォーカルが2曲しかなく、最も後回しにすべきアルバムだ。彼女は1963年にジム・ヘンドリックスと男性もう一人の3人とのトリオでThe Big 3でアルバムも出すがヒットは無く、キャスとジムは後のラヴィン・スプーンフルのザル・ヤノフスキー、後のママス&パパスのデニー・ドーハティとThe Mugwumpsを結成、こちらもアルバム1枚を出すがたいしたものではなくヒットにはなっていない。ただ彼女の知名度もあってどちらもCD化されている。1965年にジョン&ミシェル・フィリップスとキャス、デニーの4人は、何も持たない状況で出会うがそこで歌って意気投合しママス&パパスを結成。バリー・マクガイアが録音していた「California Dreamin’」を急遽4人に回してメガヒットになるまでの超面白いエピソードが色々あるのだが、ママス&パパスの話であり、前に『The Wrecking Crew』のBlu-rayの紹介に詳しく書いたのでそちらをお読みいただきたい。ママス&パパスは心地いいコーラス・グループで全曲持ってはいるが、思い入れは多くない。キャス・エリオットは1973年にアルバムを出すが、1974年7月に心臓発作により32歳の若さでこの世を去っている。
★CASS ELLIOT(1968-1973)
☆オリジナル・アルバム
1968 『Dream A
Little Dream』2007 Reissue(Hip-O
Select)※下記『The Complete Solo Collection 1968-1971』に収録。US87
1969 『Bubble
Gum,Lemonade And…Something For Mama』2007 Reissue(Hip-O Select)※※下記『The Complete Solo Collection 1968-1971』に収録。 US91
1970 『Mama's Big
Ones』2007 Reissue(Hip-O Select)※シングル曲や初収録6曲を含むコンピレーション。下記『The Complete Solo
Collection 1968-1971』に収録。US194
1971 『Dave Mason
& Cass Elliot』2008 Reissue(Rev-Ola)※デイブ・メイソンとの共作だが、キャス・エリオットがリード・ヴォーカルを取っているのは「Here We Go Again」と「Something To Make You
Happy」のみ。なお「Here We Go Again」のみ『The Complete Solo Collection 1968-1971』に収録。US49
1972 『Cass Elliot』2009 Reissue(Collector's Choice)※下記『Cass Elliot/The Road Is No Place For A Lady』収録。この盤のみボーナス・トラック「East Of The Sun (And West Of The Moon)」「We'll
See」「Try It, Baby」の3曲あり。
1972 『The Road Is
No Place For A Lady』2009 Reissue(Collector's Choice)※下記『Cass Elliot/The Road
Is No Place For A Lady』収録。この盤のみ前述のボーナス・トラック3曲あり。
1973 『Don’t Call Me
Mama Anymore』2000 Reissue(One
Way Records)※ライブ・アルバム。このCDのみボーナス・トラックで未発表の「Theme From L'Amour」「I Think A Lot About
You(Studio Version)」「Listen To The World」収録。
☆必要なコンピレーション(ライブ参加含む)
2007 『The Complete
Solo Collection 1968-1971』(Hip-O Select)※『Dream A Little Dream』『Bubble Gum,Lemonade
And…Something For Mama』『Mama's
Big Ones』の全曲に1970年のサントラ盤『Pufnstuf』のみ収録の「Different」、1971年のサントラ『Doctor's Wives』のみ収録でプロモシングルだけリリースされた「The
Costume Ball」、1969年のDunhillからのシングルB面のみの「All For Me」(「Move
In A Little Closer,Baby」がA面)に、さらに未発表の「Darling Be Home Soon」「Sisotowbell Lane」「For As Long As You Need Me」も収録。「A Song That
Never Comes(Mono Single Mix)」もあり。
2009 『Cass
Elliot/The Road Is No Place For A Lady』(Collector's
Choice)※『Cass Elliot』『The Road
Is No Place For A Lady』の全曲に、前述したように未発表の「East Of The Sun」「We'll See」「Try It,Baby」収録。このアルバム2枚に『Don’t Call Me Mama Anymore』をプラスした3イン2のBGOのアルバムには、どちらの盤のボーナス・トラックも入っていないので買ってはいけないので要注意。
オマケ〇シングルチャート
68 California
Earthquake-US67、69 It’s Getting
Better-US30-UK8、Move In A Little Closer Baby-US58、Make Your Own Kind Of Music-US36、70 New World Coming-US42、A Song That Never
Comes-US99
(作成:佐野邦彦)
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