ニール・セダカは最高のシンガー・ソングライターだと確信している。その才能が最も発揮されたの1970年代のニール・セダカだ。一般的には60年代の「Calendar Girl」や「Happy Birthday Sweet Sixteen」などのオールディーズヒットの映像ばかり流れるが、これらの曲もいい曲で彼のオリジナルだが、オールディーズなのでほぼ興味がない。優れたソングライターの彼はRCA時代のBOXでも1965年からはもう転調を用いたソフトロックナンバーのシングルを出していた。ヒットが途絶え、RCAから離れてまずはオーストラリアから、そして本拠地をイギリスに移して1971年にリリースした『Emergence』からが我らがニール・セダカのスタートだ。彼の凄いのは、70年代のシンガー・ソングライターの曲は数あれどじっくり聴くと素晴らしい…と言うレベルが大半なのに対して、ニール・セダカの作る曲はすぐに光るメロディが溢れ瞬時に虜になってしまうのだ。この才能にイギリスのミュージシャンはすぐにリスペクトし参加を買って出て、10CC、ザ・セクションがアルバム全体のバッキングを担当した。イギリス時代のアルバム4枚は珠玉でまさに宝の山だったが、「Laughter In The Rain」がアメリカで全米1位に輝くとエルトン・ジョンのロケットに移籍、ここからはアメリカで大ヒットを連発し、ヒットチャート上での再ブレイクも果たした。その後、70年代後半はエレクトラへ移籍、ジョージ・マーティンのプロデュースでアルバムを作るなど、曲作りも歌も絶好調で黄金の70年代を終えた。1970年代のニール・セダカの凄さを知らずして、ポップ・ミュージックを、ソフトロックを語ってはいけない。
★NEIL SEDAKA(1969~1980)
☆オリジナル・アルバム
※参考:1955年から1966年までの曲は下記の1枚で完璧。
2003 『Oh Carol:The
Complete Recordings 1955-1966(Box Set)』(Bear Family)※1955年から1966年までのRCA時代の全オリジナル曲112曲にイタリア語、ドイツ語、スペイン語、日本語、ヘブライ語などで歌われた曲をプラスした全215曲を、8枚のCDに収録した究極のコレクターズ・ボックス。1965年~1966年のシングル曲は珠玉。
※ここからがレギュラー盤。ライブ盤は除外。
1969 『Sound Of
Sedaka』(MCA)※全曲後述のコンピ『Let The
Good Times In』(Brill Tone)に収録。オーストラリアがオリジナルで、イギリスではWorkin’ On A Groovy Thing』(Festival)のタイトルでリリース。
1971
『Emergence』2008 Reissue(BGO)※『Solitaire』と2イン1でリイシュー。
1972 『Solitaire』2008 Reissue(BGO)※『Emergence』と2イン1でリイシュー。UKのみリリース。US159
1973 『The Tra-La
Days Are Over』2012 Reissue(BGO)※『Overnight Success』と2イン1でリイシュー。UKのみリリース。UK13
1974 『Laughter In
The Rain』2008 Reissue(BGO)※UKのみリリース。CDの『Sedaka’s
Back』などに多く収録されたので未CD化曲は「Flame」「Going Nowhere」のみ。UK17
1974 『Sedaka’s Back』1998 Reissue(Varese Sarabande)※USのみリリース。前述のUKのみリリースの3枚からの抜粋。CD+4曲。この盤でしか聴けない曲はない。US23
1975 『The Hungry
Years』1998 Reissue(Varese
Sarabande)※USのみリリース。下記の『Overnight
Success』と2曲違い、「Your Favorite Entertainer」「Tit For Tat」はこれのみ。CDは+4曲で、シングルB面のみの「Hey
Mister Sunshine」(1975年「The
Immigrant」のB面)も収録。他、『Overnight
Success』のみ収録の「Goodman Goodbye」「The
Queen Of 1964」と「Betty Grable」(『Laughter
In The Rain』収録)。US16
1975 『Overnight
Success』2012 Reissue(BGO)※『The Tra-La Days Are Over』と2イン1でリイシュー。UKのみリリース。上記の『The Hungry Years』と2曲違い「Goodman Goodbye」「The Queen Of 1964」はこの盤用だった。UK31
1976 『Steppin’ Out』1998 Reissue(Varese Sarabande)※ボーナスで「(Baby) Don't Let It Mess Your Mind」(US「Love In The Shadow」B面、「Time Waits for No One」(未破票曲)、「(Is this the
Way to) Amarillo」(Elektra『A
Song』収録)、「Should've Never Let You Go」(Elektra『In The Pocket収録曲』の4曲追加。US26
1977
『A Song』(Elektra)※未CD化。US59
1978
『All You Need Is The Music』(Elektra)※未CD化。
1980
『In The Pocket』(Elektra)※未CD化。US135
☆必要なコンピレーション
2002 『Let The Good
Times In』(Brill Tone)※まずオフィシャル盤としてはRCA後の1969年、SGCからのシングル「Star-Crossed Loves」「We Had A Good Thing Goin’」「Rainy Jane」の3曲と、シングルB面のみの「Lightning Ridge」(1974年UKのみの「A Little Lovin’」がA面)が収録されている。さらに前述の『Sound Of Sedaka』全曲収録。目玉はまず1966年~1972年にニール・セダカが書いた貴重なデモで、Harmony Grass「Teach Me How」、Frankie Valli「Make The Music Play」、Monkees「The Girl I Left Behind Me」、Hondells「Kissin’ My Life Away」、Lesley Gore「Magic Color」、Bobby Sherman「Cold Girl」、Wishbone「Let The Goodtimes In」などのデモが、提供されたレコーディングされたものより出来がいいのでさすがニール・セダカ。未発表曲でも67年「Plastic Dreams And Toy Balloons」、68年「Where Do We Go From Here」、72年の「Don't Hide Your Love」などなぜ発表しなかったのか不思議なハイ・クオリティな曲が一気に聴く事が出来、『Oh! Carol』とその後のオリジナル・アルバムを埋める全57曲が収録されていた。
☆シングルのみ
1969 「Jeannine」(SGC)※A面は「Rainy Jane」。未CD化。
1973 「I Don’t Know
What I Like About You」(MGM)※A面はUKのみの「Our Last Song Together」。未CD化。
1974 「Brighton」(Polydor)※A面はUKのみの「Going Nowhere」。未CD化。
1974 「Kiddio」(Polydor)※A面はUKの「Laughter In The Rain」。未CD化。
1975 「Nana’s Song」(Rocket)※A面はUSの「Breaking Up Is Hard To Do」。未CD化。
オマケ〇シングルチャート(1969~1980)
72 Beautiful You-UK43、That’s When The Music Takes Me-UK18、73 Standing On The Inside-UK26、Our Last Song
Together-UK31、74 A Little Lovin’-UK34、Laughter In The Rain-US1-UK15、75 The Immigrant-US22、That’s When The Music
Takes Me(US発売時)-US27、Bad Blood-US1、Breaking Up Is Hard To Do(新録のSlow Version)-US8、75 The Queen Of 1964-UK35、76 Love In The Shadows-US16、Steppin’ Out-US36、You Gotta Make Your Own Sunshine-US53、77 Amarillo-US44、80 Should’ve
Never Let You Go-US19
(作成:佐野邦彦)
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