第2回のBUFFLO
SPRINGFIELDに続いて、第5回はCSN&Yとなるが、CS&Nでないのは、要はニール・ヤングがいるかいないかだ。ニールは生ギター1本でも、バンドでも、常に魅力的な曲を書き、他を圧倒してしまう。メロディメーカーでありながらふとみせる哀調は、ニールしかない。ニールは誰もが認めるレジェンドだが、最も好きな時代はあの驚異的なボックスセット『Neil Young Archives Vol.1 1963-1972(Box Set)』の範囲であり、この時代で詳細にまとめておく。最も好きなアルバムは『After The Gold Rush』でこれは一貫して変わらない。掲載ジャケットは未CD化の「Southern Man」のLong Versionが入ったLPで見た目では分からない。この曲に関してのエピソードは第5回で。
★NEIL YOUNG(1963-1972)
☆オリジナル・アルバム
1968 『Neil Young』(Reprise)
1968 『Neil Young』(Reprise)※LPのファースト・プレスは「If I Could Have Her Tonight」「I’ve Been
Waiting For You」「Here We Are In The Years」「What Did You Do To My Life」のミックスが違う。未CD化。
1969 『Everybody
Knows This Is Nowhere』(Reprise)US34
1970 『After The
Gold Rush』(Reprise)US8-UK7
1970 『After The
Gold Rush』(Reprise)※UKの初期プレス及びカナダ、ドイツの初期プレスのLPに収録されたSouthern Manは5分41秒で、CDやUS盤LP等より10秒長い。長い部分は最初の間奏の3分8秒から3分18秒あたりの歌が再開されるまでの間奏部分である。未CD化。上記LPとUS盤LPのファースト・プレスの「When You Dance I Can Really Love」は3分48秒で、以降のLPや2009年リマスターまでのCDは4分8秒と、長さが違いミックスも異なる。ただし2009年リマスターのCDでは短いヴァージョンが使われるなど一定していない。USファースト・プレスの「Don’t Let It Bring You Down」もミックスが違うとあるが差異は分からない。Southern ManのLong Version以外は『Neil Young Archives Vol.1 1963-1972(Box Set)』に収録された。
1972 『Harvest』(Reprise)US1-UK1
1972 『Journey
Through The Past』(Reprise)OST※ニールの曲では、新曲の「Soldier」、「Are You Ready For The Country」「Alabama」の別テイク収録。US45
2006 『Live At The
Fillmore East 1970』(Reprise)※1970年3月のライブ6曲。『Neil Young
Archives Vol.1 1963-1972(Box Set)』にも収録。US55-UK88
2007 『Live At
Massey Hall 1971』(Reprise)※1971年1月のライブ17曲。『Neil
Young Archives Vol.1 1963-1972(Box Set)』にも収録。US6-UK30
2008 『Sugar
Mountain-Live At Canterbury House 1968』(Reprise)※1968年11月のライブ15曲。US40-UK72
2013 『Live At The
Cellar Door』(Reprise)※1970年11月、12月のライブ13曲。US28-UK57
☆必要なコンピレーション(ライブ参加含む)
2009 『Neil Young
Archives Vol.1 1963-1972(Box Set)』(Reprise)※1963年のThe
Squires時代の6曲からスタート、Buffalo
Springfield、CSN&Yの音源も含め隠しトラックも含めDVD9枚(隠しトラック無しだがCD8枚)のディスクに全137トラック収録した。55曲は初登場もしくは初CD化で、DVD版ではさらにHidden
Track(隠しトラック)が11曲+1つの映像があり、その中でその映像と初登場の3曲に加えて入手しづらい2曲がDVD版のご褒美。それで同じものを2つ買うかはもう本人の熱量しかない。というのもDVD版ではiTunesに入らないので、結局、CD版の両方が必要になる。さらにDVD版ではなくBlu-ray版だとさらにダウンロードオンリーで10曲入手できる。その中には貴重なものもあるので、後述する。下記の区分はDVD区分。CD版だと8枚、DVD版だと10枚組。US102
①
Early Years (1963-1965)
1963年にThe Squires名義でV Recordsからリリースされたインストのシングル「Aurora」「The Sultan」と,ニールの歌が入った未発表の「I Wonder」「I'll Love You Forever」「(I'm A Man And) I Can't Cry」とインストの「Mustang」を収録。Neil Young & Cornie Smithの「Hello Lonely
Woman」「Casting Me Away From You」「There Goes My Babe」。ニールの弾き語り未発表のデモ「Sugar
Mountain」「Nowadays Clancy Can’t Even Sing」「Runaround Babe」「The Ballad OF Peggy Grover」「The Rent Is Always Due」「Extra, Extra」と貴重トラックが満載だ。Hidden TrackはThe Squiresの「I Wonder(Alternate Version)」
②
Early Years (1966-1968)
Buffalo SpringfieldのBox未収録曲でゾンビーズのような哀調を帯びたロックナンバー「Come On」、ニールの未発表インストでジャック・ニッチェなどバックが全員レッキング・クルーの「Slowly Burning」が聴きもの。『Decade』収録のBuffalo Springfieldの「Down To The Wire」も収録されている。Hidden TrackにはBuffalo Springfieldの最後のコンサート映像『This Is It!』が収録された。
③
Topanga1(1968-1969)
プロモ盤シングル(Stereoの2ndプレス)のみで聴けるリコーダー入りの牧歌的な「Everybody Knows This Is Nowhere(Promo
Version)」、ピアノ中心だがリズムが早く明るい未発表の「Birds(Alternate
Unreleased)」、、『Neil Young』のファースト・プレスのヴァージョンよりも最も華やかなキーボードがフィーチャーされた「What Did You Do To My Life(Alternate
Unreleased)」と「I've Been Waiting For You(Alternate Unreleased)」収録。
④
Live At The Riverboat 1969
11曲のニールのギター1本によるアコースティックライブ。1969年にトロントで行われたもので、本ボックスの中でしか聴けない。
⑤
Topanga2(1969-1970)
「Oh Lonesome Me(Unreleased Stereo Mix)」は大きな違いは感じられないが、シングル・ヴァージョンの「Birds(Alternate Single Version)」はギターをバックにしたシングル・ヴァージョンで全くイメージが違う。クレイジーホースがバックでニールらしい哀調が魅力の「Everybody’s Alone」と同じくクレイジーホースがバックでカントリータッチの「Dance Dance Dance」はどちらも重量感のある仕上がりだが惜しくもリリースされなかった。CSN&Yの「Helpless(Alternate)」は、全面にコーラスが入り『Deja VU』より個人的には気に入っている。クレイジーホースがバックのカントリータッチのライブ「It Might Have Been」も初登場。なおウッドストックの「Sea Of
Madness」のライブも入っているが、イントロに歓声が入っていないので聴きやすい。Hidden Trackは鈴の音が入った「I Believe In You」(Alternate Version)とCSN&Yの「I’ve Loved Her So Long」のライブ。
⑥
Live At The Filmore East 1970
単品発売もされた1970年ニューヨークでのクレイジーホースをバックのライブ6曲。
⑦
Topanga3 (1970)
未発表の牧歌的な「Wonderin'」、CSN&Yのライヴの「Only Love Can Break Your
Heart」「Tell Me Why」はコーラス全開でまさにCSN&Y。あとはピアノの弾き語りの「See The Sky About To Rain」。他は『After The Gold
Rush』の中に書いたように「When You Dance I Can Really Love(first
pressing)」「Don’t Let It Bring You Down(first pressing)」が収められ、Hidden Trackにそれぞれのsecond pressingが収められた。
⑧
Live At Massey Hall 1971
単品発売もされたトロントで1971年にギター1本で17曲を歌うライブ。
⑨
North Country (1971-1972)
「Heart Of Gold」のニールのギター1本のライブのあとは、『Harvest』のメンバーでレコーディングされた「Bad Fog Of Loneliness」はなぜボツなのか不思議な高いクオリイティのおクラ入りのナンバーだ。「Dance Dance Dance」はニールとグラハム・ナッシュの2人によるTopanga2のテイクとは全く違うアコースティックな仕上がりで、どちらも味わいがあったがこれもボツになった。「A Man Needs A Maid」はロンドン・シンフォニー・オーケストラをバックにしたがボツの方の曲中のストリングスが大きすぎるミックス。未発表のカントリータッチの「Journey Through The Past」、アルバム『Journey
Through The Past』の「Soldier」は遠くで鳴っているようなエコーのため不鮮明なヴァージョンだったが、こちらの「Soldier(Alternate)」はクリアなヴァージョンだ。そして1972年にニールとグラハム・ナッシュでの共演シングル「War Song」も収録された。
⑩
DVDで映画『Journey
Through The Past』を収録。CD版には入っていない。
※Blu-ray版でダウンロードできる貴重な曲。The Squiresの「I Wonder」のBasementリハーサル、「Here We Go In The Years」の2009年Remix、「Cinnamon
Girl」の1970年3月7日のFillmore Eastライブ、「Mr.Soul」のBuffalo Springfieldの1967年4月29日のKHJ Appreciation Concertのライブ、「I Ain’t Got My
Blues」の未発表デモに、Rick Matthewsのバックで、ニールが歌とギターで参加したMynah Birdsの1966年のシングル「It’s My Time」「Go On And Cry」のシングルがある。なおMynah BirdsのシングルはYou Tubeで両面聴ける。
2013 Crosby,Nash
& Young:『The San Francisco Broadcast』(Plastic Soho)※1972年3月のサン・フランシスコでのチャリティー・ライブ。15曲中7曲がCN&Yで、4曲がニールの曲。貴重な組み合わせのライブだ。Amazon購入だがブートの可能性あり。
オマケ〇シングル・チャート
70 Cinnamon Girl-US55、Only Love Can Break Your Hears-US33、71 When You Dance I Can Really Love-US93、Heart
Of Gold-US1-UK10、72 Old Man-US31、War Song(Neil Young & Graham Nash)-US61
(制作:佐野邦彦)
0 件のコメント:
コメントを投稿