クラシックスIVか、デニス・ヨスト&ザ・クラシックスIVと表記すべきか迷ったこの60年代後半に数多くの魅惑のヒットを放ったこのグループ。デニス・ヨストの魅惑のハスキー・ヴォイスを、後のアトランタ・リズム・セクションの中核となるグループのプロデューサーのバディ・ビューイとリード・ギターのジェームス・コッブが極上のメロディのバラードを書き、独特のアタックのギターでサウンドを締め、「Spooky」「Stormy」「Traces」「Midnight」という今でも色褪せない名曲を生み出した。しかしクラシックIVは都合5枚のアルバムをリリースしているのに、オリジナル・アルバムの形では1枚もリリースされていない。ベスト盤がCapitolとRavenで組まれたが内容がダメなので、自分が東芝EMIでベスト盤をまかされた時は、収録時間の許す限りの名曲を全てぶち込んで高く評価してもらえた。その『The Very Best Of Classics IV』を入手してもらえばもうほぼ十分だ(「We Miss You」があと入れられれば完璧だった)。この下記のリストを見てもらえば分かるが、彼らの最盛期のImperialの4枚のアルバムで未CD化の曲はカバーが大半で、内容のいいオリジナル曲は日本盤で網羅した。最後のアルバムは3年後にMGM Southからリリースされ、サウンドのクオリティも落ちた。Imperial時代の4枚は、東芝EMIから2in1だと2枚、またその頃はゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのアルバムの多くもCD化されていなかったのでこちらはLibertyから9枚なので2in1だと5枚を、日本でリリースしないかと働きかけたが「1タイトル5000枚売れますか?」と言われ、この手のリイシューでそのイニシャル数は辛いので正直にそれは無理と言ったら、どちらもじゃあということでベスト盤を好きに作っていいことでまとまった。どちらも満足な出来なのだが、やはりオリジナル盤のCD化は実現したかったなあ…特にクラシックスIVは残念な状態が続いているし。日本のレコード会社は塩漬けが得意で、出るタイトルは呆れるほど何度もリリースされる。しかしワーナーの『Soft Rock Nuggets』の時など、合体で膨らんだ巨大レコード会社はは少しもオファーをOKにしない。まあこんなじゃ、Cherry Redや、Collector’s Choice、Real Gone Music、Bear Family、BGO、Repertoire、Sequelなど、これらはライセンス生産だけど、こういう良質なリイシューメーカーは日本には現れないね。自分の所で出さないのならライセンス出せばいいのに、減点方式の日本じゃそれが売れたらマイナスだから許可は出ない。大昔に下北沢のCalifornia Musicというレコード屋がBruce & Terryとかライセンス申請したけどソニーは玄関払いで、仕方なく東芝からSuper StocksのLPの許可をもらって出していた。自分がVivid Soundに勧めたHeaven Bound with Tony ScottiとThe BugaloosのCDはよく許可が出たもの。未だに他の国からは出ていないし。そういえばこれも東芝。世間の言われようでは「東芝は役所」と言われて融通が利かない代表のように言われてきたけど、実は「岩盤規制」の会社は別なのだ。
★THE CLASSICS IV(~1975)
☆オリジナル・アルバム(単品のCD化無し)
1968 『Spooky』(Imperial)※収録曲中「Bus Stop」「By The Time I Get To Phoenix」「Daydream
Believer」「You Are My Sunshine」「Goin’
Out Of My Head」「Just Between You And Me」「The Letter」の7曲未CD化。US140
1968 『Mamas And
Papas/Soul Train』(Imperial)※「The
Girl From Ipanema」「It Ain’t Necessarily So」「Ladies Man」の3曲未CD化。US196
1969 『Traces』(Imperial)※「Mr.Blue」「Sunny」「Our Day Will Come」「Sentimental Lady」の4曲未CD化。US45
1970 『Song』(Imperial)※「We Miss You」1曲未CD化。
1973 『What Am I
Crying For?』(MGM South)※「Help
Me Help Yourself」「It Never Rains In Southern California」「One Man Show」「Make Me Believe」「Save The Sunlight」の5曲未CD化。
☆必要なコンピレーション(この3枚のCDは全て必要。Imperial以前のCapitol時代の曲も含み互いに重複しない曲がある)
2003 『The Best Of
Dennis Yost & The Classics IV(Legendary Masters
Series)』(Capitol)
Capitol時代のシングル等「Pollyanna」「Cry Baby」「Dancing By Myself」「Laugh It Off」「Little Darlin'」「Nothing To Lose」とImperialのアルバムから「Poor People」「Just Between You And Me」「Book A Trip」「Mary, Mary Row Your Boat」「Strange Changes」「Mama's And Papa's」「Pity The Fool」「It's Time For Love」を収録。
2003 『Atomspherics1966-1975』(Raven)
「Bed Of Roses」「Most
Of All」「Ain't It The Truth」「What
Am I Crying For」「Rosanna」「All In
Your Mind」「The Days Of Our Lives」「Sweet Surrender」「My First Day Without Her」収録。
2004 『The Very Best
Of Classics IV』(東芝EMI)(日本のみ)
「Spooky」「Soul Train」「Waves」「Stormy」「24
Hours Of Lonelines」「Traces」「Traffic
Jam」「Everyday With You Girl」「Change
Of Heart」「Rainy Day」「Midnight」「The Funniest Thing」「Where Did All The Good
Times Go」「Free」「Something I'll
Remember」「Nobody Loves You But Me」「The Comic」「Cherryhill Park」「Pick Up The Pieces」「God Know I Love Her」が全曲。CDの中で文句なしのベストの内容。
☆必要なシングル
1973 「Love Me Or
Leave Me Alone」/「I Knew It
Would Happen」(MGM South)※未CD化。
1974 「It’s Now
Winter’s Day」/「Losing My Mind」(MGM South)※未CD化。
1975
「Lovin’ Each Other」(MGM)※未CD化。A面は「My First Day
Without Her」
オマケ〇シングルチャート
67 Spooky-US3、68 Soul Train-US90、Stormy-US5、69 Traces-US2、Everyday
With You Girl-US19、Change Of My Heart-US49、Midnight-US58、70 The
Funniest Things-US59、Where Did All The Good Times
Go-US69、72 What Am I Crying
For-US39、75 My First Day
Without Her-US94
(作成:佐野邦彦)
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