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2017年3月31日金曜日

☆Rolling Stones:『From The Vault Extra : Live In Japan Tokyo Dome 1990.2.24』(Ward Records)/GQBS90274-6)1DVD+2CD☆Rolling Stones:『Totally Stripped Paris』(Ward Records)/GQXQ90244-6)1Blu-ray+2CD



2年前に1990年のローリング・ストーンズ初来日コンサート時にTV放送された226日のコンサートの完全版(TVでは11曲もカットされていた)がブレーレイとそのCD版でリリースされたが、今回、この放送のテスト用に録画された224日のコンサートの映像がDVDとそのCD版が発売された。ブルーレイ版がないのは、映像のクオリティがDVD並だからだろう。こちらも完全版、テスト用だけあって、選曲も同じである。基本構成は同じなので両者を聴いて大きく違う部分は気づきにくいが、ここは解説があの寺田正典氏、メンバーの細かい立ち振る舞いの差や、カメラワークまで違いを細かく指摘してくれているので非常に参考になる。明らかに違うのは「Rock And Hard Place」の画面にこの曲もPVをなぞって文字が全面に飛び交う邪魔な編集がされていたことと、「Paint It Black」がモノクロだったことで、これは不要な演出だったので、改善されてよかった。さて、たくさんある指摘の中で、時に違いが気になったのはまず「Midnight Rambler」。歌が一度終わったあと、キースがギターを弾きながら右に行きまた戻るという226日にはない動きがありキースのギターも多いのでトータルで122秒長い。「You Can’t Always Get What You Want」のイントロのホルンで少しハウリングの音が聞こえ、キースが何度も振り向いて首を横に振っていたことから、キースの曲への思いが感じられる。「Happy」では後半にロンのボトルネックギターがキースのギターと掛け合いのように入るが、この日はキースが多くギターを弾き、迫力が増していた。「Gimme Shelter」ではミックが絡んで歌うコーラス隊は既発の226日ではシンディ・マイゼーが歌っていてちょっと新鮮だったが、こちらはいつものリサ・フィッシャーだ。あとは「Satisfaction」で、この日は226日のようにミックが下に降りてファンとハイタッチしたり、キースが上に上がったりなどの演出部分がないため演奏は111秒短かったが、途中でミックが「Can you hit me 1times2timest…3times…4times」で盛り上げていく演出で失敗は無かったが、226日では「1times」のところでちょっと上手くいっていなかった。その分後半の演奏で盛り上げていくのはさすがだったが。この224日は、ミック、ロン、キースと最初に着ていたジャケットをすぐ脱ぎ、特にキースはこの公演でほぼ着ていたブルーにプラス2色のコムデギャルソンのセーターではなく白いシャツで新鮮だった。なおこのボックスのボーナスディスクはお謎の侍を左右に備えさせる選出付きのプレス会見の模様と、東京ドーム会場での説明を聴く取材があったが、そこに寺田さんが写っている気が…。寺田さんの解説はこの1990年前後の社会情勢を解説していて、1985年のペレストロイカから1989年のベルリンの壁崩壊、ルーマニア革命でチャウシェスク大統領夫妻の処刑など東ヨーロッパの共産党独裁体制が雪崩を打って倒れ、TVの前でワクワクしながら見ていたことを思いだした。1989年には天安門事件が起き期待したが中国は武力鎮圧してしまい、今の共産党独裁を保っているが、アーサーCクラークも「2001年宇宙の旅」で予測できなかったソ連の崩壊は1991年に訪れ、ロシアなど15の国に分裂した。(内バルト3国はいち早く独立したが)その頃は素晴らしい世界が来ると期待したものだが、(当時はパンドラの箱を開けてしまったのかと思った時もあったが企業のグローバル化や世界中がインターネットに結びついたなど、単純なものではない)1991年には湾岸戦争が勃発、世界中に紛争、テロが拡大し、世界に明るい期待が持てなくなってしまったのはどういうことなのだろうか…。音楽は配信中心でカネにならなくなったが、その点、ライブを欠かさず続けてきたストーンズは強い。やはり史上最強のロック・バンドだった。
ここで昨日書いた時は終わりだったが、続いて届いたので後述したのではなく、別掲載にしなかったのは一部の私のようなコレクターのみ必要なのが『Totally Stripped Paris』だからだ。このBlu-rayは1年前の『Totally Stripped』(Ward)のBlu-rayに、1995526日のアムステルダム20曲、このBlu-rayとまったく同じ73日のパリ22曲、そして719日のロンドン22曲の3枚がありこの3公演+345日の東芝EMIスタジオの映像(4曲収録)があったので、既発売のものなのだ。ただ同梱のCD3会場からのミックスで、パリ公演の「音」は5曲だけだったので、CDとしても完全版を持っていたいというコレクターだけが必要なのだ。内容は既に全編見られるので省略。それにしてもメンバー紹介でのチャーリーとキースの人気は圧倒的だなあ。(佐野邦彦)

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