黒沢健一さんが昨年の12月5日に亡くられてから2カ月半経った。1月23日には「黒沢健一を偲ぶ献花の会」に、黒沢さんの所属のrpmのマネージャーさんよりご案内をいただいたが、この体なので参加できないとの返事を差し上げて自宅でご冥福をお祈りした。部位は違っても病気は同じであり、明日の我が身でもある。他の人より衝撃は深い。彼は48歳と私より11歳も若く、無念のほどは察して余りある。
黒沢さんとお会いしたのは2回あり、最初は萩原健太さんのイベントで、萩原さんのギターでの「Surf’s Up」のハイトーンヴォイスの美しさに、うっとりと聴き惚れた。2回目はブライアン・ウィルソン2回目の来日の時で、バック・ステージに入ることが出来たのだが、黒沢さんもその場にいた。黒沢さんはLPを持ってきていて、「Hello」と現れたブライアンが一人一人と握手する中、サインをもらって、少年のように目を輝かせていたのを思い出す。
毎回、何か話をしたのだが内容は覚えていない。でもとてもシャイで物静かで、でも優しい雰囲気を纏った方で、話をしてとても好印象を持った方だった。私はL-Rの時から黒沢さんの作る音楽がまさにストライク、そのポップで明快で高揚感のあるメロディと美しいハーモニー、素晴らしいハイトーンのヴォーカル、そして類まれなポップ・センスに夢中だった。
rpmのマネージャーの方のメールで黒沢さんが「佐野さんが、いかに音楽が好きで造詣が深いか、VANDAがいかに音楽好きの自分の心をくすぐるのか、社会人をやりながらここまで…」とマネージャーの方に敬意を言葉にされていたそうで、身に余る光栄でとても嬉しかった。私はただ好きな音楽を見つけて紹介しているだけで、曲を作るわけではないのに。黒沢さんの死後、L-Rのアルバムがリイシューされ全アルバムが聴けるようになった。自分もこの機会に聴きなおし、シングルのみの9曲の紹介など、L-Rの全音源を集めるCollecting
Guideを作ってみたので紹介しておきたい。一人でも多く黒沢健一さんの音楽の素晴らしさが伝わって残るように。
★L-R
L-Rとしてオフィシャル・リリースされた曲のみ。サンプル盤のみの曲は最後に記載。
☆オリジナル・アルバム
1991 『L』※1997年『L+R』(プロモ盤『R』とセット。初回限定盤には「Paperback Writer」「Both Sides Now」のCDシングル付でリリース。前者はこれのみ)
1992 『Lefty In The Right』(ポリスター)
1992 『Laugh+Rough』(ポリスター)
1993 『Lost Rarities』(ポリスター)
1993 『Land Of Riches』(ポリスター)
1994 『Land Of Riches Reverse』※前作のアウトテイク(ポリスター)
1994 『Lack Of Reason』(ポニーキャニオン)
1995 『Let Me Roll It』(ポニーキャニオン)
1997 『Doubt』(ポニーキャニオン)
1997 『Live Recordings
1994-1997』※4枚組のライブ(ポニーキャニオン)
☆必要なコンピレーション
1994 『Singles & More』(ポニーキャニオン)※「Laugh So
Rough」は『Laugh+Rough』収録のものに比べ歌が始まる前のドラムの2拍がない。「Younger Than Yesterday」は『Laugh+Rough』収録のものは前の曲の「Laugh So Rough」のエンディングがイントロと被るようにつながっていたため、0.5秒くらいイントロが長い。そしてバッキングのドラムの大きくミックスされ、特に後半はかなり曲にメリハリが出ている。
1995 『四姉妹物語』(ポニーキャニオン)※同名映画のOSTにL-Rが4曲参加。L-Rの「Dream On」はこれのみ。「Hello It’s Me(Piano Version)」も収録され、ピアノはMasahiro Hayashiでクレジットされている。ちなみに「Hello It’s
Me」はSingle Versionで収録されている。
1997 『Singles & More Vol.2』(ポニーキャニオン)※「Knockin’
On Your Door(Single Version)」は17秒から33秒までのホーンのミックスが大きい。「Bye(Single Version)」はイントロのギター、エンディングのピアノが大きく間奏のオルガンが小さい。「Day By Day(Single Version)」は1分から15秒くらいの間のオルガンがほとんど聴こえない。「Game(Single Version)」はギターが大きくミックスされているがアルバムより11秒短い。「Nice To Meet You(Single Version)」は歌のAメロなど電気処理したようなミックス。その他「Days(Alternate Mix)」「僕は電話をかけない(Alternate Mix)」収録。なお「Hello It’s M」はAlbum Versionだった。
2012 『Who Is The Stars? Wits+Z Compilation
Vol.2-20th Anniversary Edition』(ウルトラ・ヴァイヴ)※93年のライブ6曲収録
☆必要なシングル ※重要なのは★の14曲
1992 ★「Bye Bye Popsicle[Version](Single Version)」※最後が『Lefty In The Right』収録のものと同じエンディングがシンフォニックなアレンジのヴァージョンだが、ドラムが『Lefty In The Right』は左なのに比べ、シングルは右。そして1分5秒から21秒までの間奏のドラムが僅かに大きくミックスされた。(ポリスター)
1992 ★「Passin’ Through(Single Version)」※3分14秒以降のエンディング部分はこのシングルのみ。A面の「(I Wanna)Be With
You」は2分22秒から53秒までと、3分10秒から33秒までをEditしたSingle
Version。(ポリスター)
1993 「恋のタンブリングダウン」のシングル:「恋のタンブリングダウン(Edit)」※『Lost Rarities』よりフェイドアウトが16秒短く、その後、間をおいての24秒のジングルがない。「君に虹が降りた(Edit)」※『Lost Rarities』でのフェイドアウト後、間をおいての14秒のジングルがない。★「恋のタンブリングダウン(Reprise)」は1分の後の「素直になれたなら君のそばに届く笑顔を見せておくれ」の歌詞の部分はこのシングルのみ(ポリスター)
1994 ★「夜を撃ちぬこう」※アルバム未収録。A面は「Remember」(ポリスター)
1994 ★「Hyper Belly Dance」★「Hello It’s Me(Instrumental Version)」※2曲ともアルバム未収録。A面は「Hello
It’s Me(Single Version)」で2017年版『Lack Of Reason』にもボーナス収録。シングルは『Lack Of Reason』収録のものに比べヴォーカルにエコーがかかっておらず3分10秒から30秒弱く続くシンバルが小さくミックスされている。(ポリスター)
1995 ★「Music Jamboree ‘95」※アルバム未収録。★「It's Only A Love Song」は『Lack Of Reason』収録のものと比べ曲が終わった後に8秒、アナログのプツンプツンという針音が加えられている。A面は「Knockin’ On Your Door(Single Version)」で『Singles & More Vol.2』にもボーナス収録。(ポニーキャニオン)
1995 ★「Chinese Surfin‘」※アルバム未収録。A面は「Bye(Single
Version)」で『Singles & More Vol.2』にもボーナス収録。(ポニーキャニオン)
1995 ★「Cowlick(Bad Hair Day)」※アルバム未収録。A面は「Day By Day(Single
Version)」で『Singles & More Vol.2』にもボーナス収録。(ポニーキャニオン)
1996 ★「Good Morning Tonight」※アルバム未収録。A面は「Game(Single
Version)」で『Singles & More Vol.2』にもボーナス収録。(ポニーキャニオン)
1996 ★「Game(Live Version)」※1994年のライブでアルバム未収録。A面は「Nice To Meet You」の8インチシングルに収録。「Nice To Meet You(Single Version)」は『Singles & More Vol.2』にもボーナス収録。(ポニーキャニオン)
1997 ★「そんな気分じゃない ("JAM
TASTE" Version)」※『Doubt』収録のものとはまったくの別ヴァージョン。演奏もアレンジも別物で、例えば間奏がブルースハープではなくボトルネックギターであったり、アルバムのヴァージョンは完奏するがこちらは37秒短くフェイドアウトする。
1997 ★「Stranded(Single
Version)」※『Doubt』収録のものは冒頭9秒間にスタジオチャット的なギターが聴こえたがシングルではそれがなく、シングルのエンディングは逆に演奏が3秒長いが、パッと終わる演奏の後のカセットのスイッチを切るような音がカットされている。そしてシングルのみ3分12秒から32秒までのギターにジェットマシーンのようなシュワシュワした音がかかっている。A面は「Stand」。(ポニーキャニオン)
(作成:佐野邦彦)
●参考:サンプル盤のみ
1992 『Rough And Rough』(ポリスター)※「What "P" Sez?(Long Version)」「Laugh So Rough(Rough Version)」
1993 『Land Of Riches Edit
Sampler』(ポリスター)※「Both Sides Now(Long Version)」「Telephone Craze(Alternate Mix)」
1994 『Listen To The Disc』(ポニーキャニオン) ※『Lack Of
Reason』より。「Easy Answers(Out Take)」「It’s Only A Love Song(Out Take)」
1995 『Hello It’s Me Rare
Tracks』(ポニーキャニオン)※グリコの抽選でもらえる『四姉妹物語映画先取り缶』に入っていたCD。「Hello It’s Me(Strings Version)」「Hello It’s Me(Alternate Piano Version)」「Making
Of Hello It’s Me(ナレーション入りだがDemo Track)」
1997 『Doubt Promotion Sampler』(ポニーキャニオン)※「僕は君から離れてくだけ(Alternate Version)」「アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック(Alternate
Mix)」「そんな気分じゃない(Alternate Mix)」
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