後述) レイ・デーヴィス(1曲デイヴ含む)のナンバーは「I Bet You Won't Stay-The Cascades」「King Of The Whole Wild World-Leapy Lee」「One Fine Day-Shel Naylor」「Oh What A Day It's Going To Be-Mo & Steve」「Little Man In A Little Box-Barry Fantoni」「Nobody's Fool-Cold Turkey」「Emptiness-The Honeycombs」「The Virgin Soldiers March-The John Schroeder Orchestra」の7曲で、これが目玉だ。デイヴ作が1曲だけありそれが1964年の「One Fine Day」、シェル・タルミーらのプロデュースだけあって、下降するコードの繰り返しのまさに初期のキンキー・サウンドでカッコいい。1965年の「I Bet You Won’t Stay」はいかにも『Face To Face』風のポップなサウンドでいいし、ジョー・ミークがプロデュースしたハニーカムズの「Emptiness」のポップでいい出来だ。1966年の「King Of The Whole Wild World」はなんとレイ自身がプロデュースしているだけあって『Something Else』を少し思い起こさせるアコースティックな曲でいい。ただ作曲だけの同年の「Little Man In A Little Box」はキンクス的なサウンドであるが特に印象に残る曲ではなく「Oh What A Day It's Going To Be」に至ってはレイの曲とは思えない大時代的なバラードだった。1969年の「The Virgin Soldiers March」は後の『Percy』を思わせるインスト、あと先日の『Muswell Hillbillies - Deluxe Edition』にボーナスとして収録された「Nobody’s Fool(Demo)」のは目玉から外したもののピアノによるシンプルなデモが、1972年になってようやくリリースされたCold Turkeyのヴァージョンはまさに『The Village Green…』のキンクスで全く違う。これらの曲の中には小松崎さんが1994年と1995年に作った名作コンピ『Mod Gear』『First Mod Cool Step』に初収録されたものがあったが、全てこの『Kinked!』に収録された。ただ「I Go To Sleep」がPeggy Leeだが『Mod Gear』ではThe Truthだったのが僅かに違うかな。このCDで思い出したが、レノン=マッカートニーの他アーティストに書いた曲をほとんど収録(メリー・ホプキンの「Goodbye」とバッドフィンガーの「Come And Get It」以外網羅)したEMIの名作コンピLP『The Songs Of Lennon and McCartney Gave Away』。未だにCD化されないのはなぜなのか?ハリウッドボウルの次はこれかな。(佐野邦彦)
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2016年9月23日金曜日
☆Various:『 Kinked! Kinks Songs & Sessions 1964-1971』(Ace/CDCHD1463)
犬伏巧さんに教えていただいたキンクスのレイ・デーヴィスがPye時代の1964年から1971年の間に他アーティストのために書いた曲を26曲も集めた驚異のコンピレーション『Kinked! Kinks Songs &
Sessions 1964-1971』について、簡単に聴きどころだけ紹介したい。私は音楽誌を買わないので既に紹介されているか分からないが、これだけ凄い作品集なので、キンクスの伝道師である犬伏さんが既に詳しく紹介されているはずだ。よってアーティストやその背景などは一切割愛させていただく。26曲中、キンクスでレコーディングしたナンバーや、その後キンクスやレイ・デーヴィスのデモが発掘された「I Go To Sleep」「All Night Stand」「This Strange Effect」「A Little Bit Of
Sunlight」も既発表のものとして省略、さらに「A Well Respected Man」のフランス語版であるPetula Clarkの「Un Jeune Homme Bien」も除くと、このCDで初めて聴く(※注:
後述) レイ・デーヴィス(1曲デイヴ含む)のナンバーは「I Bet You Won't Stay-The Cascades」「King Of The Whole Wild World-Leapy Lee」「One Fine Day-Shel Naylor」「Oh What A Day It's Going To Be-Mo & Steve」「Little Man In A Little Box-Barry Fantoni」「Nobody's Fool-Cold Turkey」「Emptiness-The Honeycombs」「The Virgin Soldiers March-The John Schroeder Orchestra」の7曲で、これが目玉だ。デイヴ作が1曲だけありそれが1964年の「One Fine Day」、シェル・タルミーらのプロデュースだけあって、下降するコードの繰り返しのまさに初期のキンキー・サウンドでカッコいい。1965年の「I Bet You Won’t Stay」はいかにも『Face To Face』風のポップなサウンドでいいし、ジョー・ミークがプロデュースしたハニーカムズの「Emptiness」のポップでいい出来だ。1966年の「King Of The Whole Wild World」はなんとレイ自身がプロデュースしているだけあって『Something Else』を少し思い起こさせるアコースティックな曲でいい。ただ作曲だけの同年の「Little Man In A Little Box」はキンクス的なサウンドであるが特に印象に残る曲ではなく「Oh What A Day It's Going To Be」に至ってはレイの曲とは思えない大時代的なバラードだった。1969年の「The Virgin Soldiers March」は後の『Percy』を思わせるインスト、あと先日の『Muswell Hillbillies - Deluxe Edition』にボーナスとして収録された「Nobody’s Fool(Demo)」のは目玉から外したもののピアノによるシンプルなデモが、1972年になってようやくリリースされたCold Turkeyのヴァージョンはまさに『The Village Green…』のキンクスで全く違う。これらの曲の中には小松崎さんが1994年と1995年に作った名作コンピ『Mod Gear』『First Mod Cool Step』に初収録されたものがあったが、全てこの『Kinked!』に収録された。ただ「I Go To Sleep」がPeggy Leeだが『Mod Gear』ではThe Truthだったのが僅かに違うかな。このCDで思い出したが、レノン=マッカートニーの他アーティストに書いた曲をほとんど収録(メリー・ホプキンの「Goodbye」とバッドフィンガーの「Come And Get It」以外網羅)したEMIの名作コンピLP『The Songs Of Lennon and McCartney Gave Away』。未だにCD化されないのはなぜなのか?ハリウッドボウルの次はこれかな。(佐野邦彦)
後述) レイ・デーヴィス(1曲デイヴ含む)のナンバーは「I Bet You Won't Stay-The Cascades」「King Of The Whole Wild World-Leapy Lee」「One Fine Day-Shel Naylor」「Oh What A Day It's Going To Be-Mo & Steve」「Little Man In A Little Box-Barry Fantoni」「Nobody's Fool-Cold Turkey」「Emptiness-The Honeycombs」「The Virgin Soldiers March-The John Schroeder Orchestra」の7曲で、これが目玉だ。デイヴ作が1曲だけありそれが1964年の「One Fine Day」、シェル・タルミーらのプロデュースだけあって、下降するコードの繰り返しのまさに初期のキンキー・サウンドでカッコいい。1965年の「I Bet You Won’t Stay」はいかにも『Face To Face』風のポップなサウンドでいいし、ジョー・ミークがプロデュースしたハニーカムズの「Emptiness」のポップでいい出来だ。1966年の「King Of The Whole Wild World」はなんとレイ自身がプロデュースしているだけあって『Something Else』を少し思い起こさせるアコースティックな曲でいい。ただ作曲だけの同年の「Little Man In A Little Box」はキンクス的なサウンドであるが特に印象に残る曲ではなく「Oh What A Day It's Going To Be」に至ってはレイの曲とは思えない大時代的なバラードだった。1969年の「The Virgin Soldiers March」は後の『Percy』を思わせるインスト、あと先日の『Muswell Hillbillies - Deluxe Edition』にボーナスとして収録された「Nobody’s Fool(Demo)」のは目玉から外したもののピアノによるシンプルなデモが、1972年になってようやくリリースされたCold Turkeyのヴァージョンはまさに『The Village Green…』のキンクスで全く違う。これらの曲の中には小松崎さんが1994年と1995年に作った名作コンピ『Mod Gear』『First Mod Cool Step』に初収録されたものがあったが、全てこの『Kinked!』に収録された。ただ「I Go To Sleep」がPeggy Leeだが『Mod Gear』ではThe Truthだったのが僅かに違うかな。このCDで思い出したが、レノン=マッカートニーの他アーティストに書いた曲をほとんど収録(メリー・ホプキンの「Goodbye」とバッドフィンガーの「Come And Get It」以外網羅)したEMIの名作コンピLP『The Songs Of Lennon and McCartney Gave Away』。未だにCD化されないのはなぜなのか?ハリウッドボウルの次はこれかな。(佐野邦彦)
2016年9月18日日曜日
ゲントウキ: 『誕生日』(Victor Entertainment/VICL-64642)
オリジナル・アルバムとしては、06年のミニアルバム『路面電車とチーズケーキ』以来となるが、07年からヴォーカル兼ギタリストの田中潤のソロプロジェクトとして活動しており、田中個人はSMAP(今なにかと話題の)をはじめ土岐麻子やMay J.といったシンガーへの楽曲提供、倖田來未の楽曲アレンジなどクリエイター業が主となっていただけに、まさに「満を持して」という言葉が相応しい作品に仕上がっている。
筆者はメジャーデビュー・シングルの「鈍色の季節」(03年2月)や続く「素敵な、あの人。」(03年6月)をFMラジオで耳にして直ぐに田中のソングライターとしての才能を見抜き、60~70年代のシンガー・ソングライターを引き合いにして高評価し、WebVANDAでインタビューをしていたので、このニューアルバム『誕生日』のリリースを心より喜んでいるのだ。
音源を入手して1ヶ月ほど聴き込んでいるが、高純度なソングライティングはそのままに、バンド時代とは異なるプログラミングを中心としたサウンドながら、ヒューマンで温かい独特のグルーヴを生み出している。
これは田中のヴォーカリストとしての表現力が向上しているのも一つの要因だろう。 またリリックの世界観にも心境の変化が投影されており、ゲントウキの新境地を感じるのは筆者だけではないと思う。
ではアルバム収録曲で筆者が気になった曲を解説しよう。
タイトル曲で冒頭の「誕生日」は、新生ゲントウキを象徴する曲といえるだろう。プログラミングされたメロウでファンクネスなトラックに、これまでにない愛溢れるメッセージを持つリリックで歌われる。ここでの田中のフロウ(唱法)はバンド時代と明らかに異なるノリを持っており、一人多重のコーラスを含め、彼が好むブラック・ミュージックからの影響を感じさせる。歌詞が持つメッセージ性含め、ゲントウキ(田中)流の「Isn't She Lovely」(スティーヴィー・ワンダー 『Songs in the Key of Life』収録76年)なのかも知れない。
続く「5万年サバイバー」は前曲から淀みなく耳に入ってくる同傾向のサウンドであり、グルーヴのシンコペーションはやや強い。この曲の魅力はハイブロウなテーマを持つリリックながらスムーズに韻を踏んで聴かせている点だろう。蛇足だがコーダのフェードアウト部で披露するスキャットは彼がファンと公言しているsaigenjiのそれを思わせる。
「カモメの気持ち」は09年頃からライヴでも披露していたジャジーなナンバーで、ゲントウキとしては今までになかったタイプの曲といえるだろう。ヴァースAとBは完全にジャズピープル的アプローチで、サビでの展開はジョー・ジャクソン(ロックとジャズのボーダーを壊した英国の名ミュージシャン)を彷彿とさせて素晴らしい。
「ByeBye」は12年に女性シンガー宮崎薫に提供した曲のセルフカバーで、ゲントウキとしては珍しくストレートなラヴ・バラードである。この系統のソングライティングとしては嘗ての「鈍色の季節」や「満たされて心は」(『いつものように』収録03年)に匹敵するクオリティーじゃないだろうか。
「アルゴリズム」は「カモメの気持ち」同様にジャジーな曲調だが、特にホーン・セクションが秀逸である。アレンジと全てのプレイ手掛けたのは、ノーマン・コーナーズ・バンドへの参加から国内の多くのメジャー・アーティスト(Dreams come true、The Boom、平井堅等々)のレコーディングやツアーの参加している竹上良成氏で、和声の構築から巧みな演奏まで一級の完成度を誇っている。
ラストの「BusyDays」は非常にハイブリッドな構成で、ヴァースはリリック、フロウ共に初期のスガシカオに通じるスタイルだが、サビの展開はギター・ポップ風なサウンドで解決している。
そしてボーナス・トラックは、筆者が03年のベストソングとして真っ先に挙げたい「素敵な、あの人。」をアコースティック・アレンジでリメイクしたヴァージョンで収録している。ここでのイントロはロジャー・ニコルズとのコンビで知られるポール・ウィリアムズの「I Won’t Last A Day Without You」(『Life Goes On』収録72年)のそれを思わせるシンプルながら慈愛に満ちた導入部と、本編は2本のギターによりボサノヴァのリズムで奏でられる。
アレンジが変わっても原曲が持つクオリティーは普遍的で、まさに「エバーグリーンをなめるなよ」と言うべきだろう。
さて繰り返しになるが、高純度なソングライティングを誇るゲントウキが10年ぶりにニューアルバムをリリースしたことは16年の大きなニュースであることは間違いないので、WebVANDA読者やポップス・ファンは是非入手して聴いて欲しい。
(テキスト:ウチタカヒデ)
2016年9月11日日曜日
☆Beatles:『Live At The Hollywood Bowl』(Universal/UICY15566)
みなさんはこのCDはLP時代に購入し、本CDも既に購入しただろうから詳しくは紹介しないが、改めて聴いて気づいたことについて簡単に。本CDは基本的に①1964年8月23日と②1965年8月30日のライブをオーバーダビングとか一切なしに1977年になって発売されたLPのCD版だが、1996年の「Real Love」のシングルに収録された②の「Baby’s In Black」と、さらに未発表の①の「You Can’t Do That」と「I Want To Hold
Your Hand」、②の「Everybody’s Trying To Be My Baby」の4曲を加えたものだ。LP収録の13曲とCD版を聴き比べたが、リマスターで音質の向上はあるが、MCも含め、「Long Tall Sally」の最初の間奏のリードギターが欠落したままであり、歌・演奏の差し替えは行っていないと思う。初登場の「I Want To Hold Your Hand」は素晴らしいライブでなぜLP
Versionに入らなかったのか不思議だ。ジョンは「ストレートなロックをプレイした時の俺達が生み出すサウンドは本当に素晴らしく、イギリスじゃ誰も俺達に及ばなかったんだ」と言っていたが、このライブを聴くとこのアルバムの時点のジョンの言葉は真実だったことがはっきり分かる。やる気のある時のジョンとポールが生み出すハーモニーは最強で、演奏テクニックで勝っていようがそんなものを吹き飛ばす力がある。同時期よりさらに遅いが66年のローリング・ストーンズ、67年のキンクスのライブ盤を聴けば明らか。フーはこの時期のライブアルバムはないもののライブコンピで超絶テクニックのライブが聴けるが、ジョンとポールのハーモニーにはかなわない。私はビーチ・ボーイズのファンではあるが、「No Reply」の2パート、「Please
Mr.Postman」の3パートのハーモニーにはかなわないと正直思う。狂おしいまでのテンションがあるからだ。そして1964年と1965年はジョンの作曲、ヴォーカリストの能力の最盛期なので、ずっとポールのソロ・ライブのビートルズ・ナンバーばかり聴いているのでさらに新鮮だ。「Dizzy Miss Lizzy」とか最高だろう。Plastic Ono
Bandのライブも悪くはないけど、この若さにはかなわない。そういえば『Collectors No.5』をリリースしたばかりのコレクターズにインタビューした時、ビートルズ談義で盛り上がった時、加藤さんと古市さんは最近、『With The Beatles』がいいんだよと声を揃えた。「ビートルズをずっと聴いてきて、『SGT.Peppers』などを目指してやってきて、ふと頭だけで作っているような気がした時に『With
The Beatles』を聴くと新鮮で、あの若さはあの時じゃないと絶対出せないなと思う。それがいいんだよなー」と言っていたことを思い出した。初期の魅力というのは永遠にある。このライブの翌年以降はポールの作曲能力が年毎に飛躍的に伸び、ジョンはサブに回っていくのだがするとヴォーカリストのテンションも低下していってしまう。自分はジョンが大好きだが、音楽評論家に多いジョン信者ではないので、冷静だ。「ビートルズは、初期はジョンのバンドで『A Hard Day’s Night』はジョンのアルバムの頂点。以降はポールの力が増し『Rubber Soul』が両者の力が拮抗した一番幸せなアルバム。以降はポールが中心でジョンがスパイス(実はこれが大きい。ポールのソロ・アルバムの物足りなさはやはりジョンがいないから)になり66年以降はポール中心のバンド」というのが自分の見解。66年以降のビートルズでポールが書いた名曲の数々は前述のようにポールのライブでたっぷり堪能しているので、ジョンのパワーがみなぎっていたこの時期のライブが残されていたことはファンにとって最もうれしい事だろう。日本公演の1966年のライブは記憶にあるとおり一気にテンションが下がっていたしね。初登場の「You
Can’t Do That」はサビの部分もコーラスが入らず、これは意図的だったのか、マイクの問題か分からないが、ボツになったのが分かる。「Everybody’s Trying To Be My Baby」は快調な出来だが、ジョージ枠なので「Roll Over Beethoven」に取られたというところ。先の「I
Want To Hold Your Hand」はジョンとポールのヴォーカルがユニゾン、ハーモニーともパワフルで、サウンドも快調でベストの出来だった。ジョンとポールの強力なハーモニーが最高の「Baby’s In Black」は、後に収録されたといっても、これもLP
Versionから外されたのはもったいない。自分が選曲していれば「Things We Said
Today」を落として…でも他は1曲も落とせないので「I Want To Hold Your Hand」「Baby’s In Black」の2曲を入れてLPは切りのいい14曲仕様にしていたな。なおこのCDの「Baby’s In Black」は、曲は同じだがMCは「Real Love」のものとまったく違う。「Real Love」のMCは前日の8月29日のものだった(ちなみにLPの時から「Ticket To Ride」と、「Dizzy Miss Lizzy」の後半部分は8月29日が使われた)ので収録日の8月30日のものだろう。(佐野邦彦)
最後に自分のミニコミで山下達郎さんとブルーハーツの真島昌利さんが91年にビートルズのアンケートに答えてくださったが、みないかに初期好きなのか分かるので書き添えておきます。山下さんは「絶対に影響されるのでBeatlesはつとめて聴かないようにしていた時期がありました!」といかにも山下さんらしいコメントがあり、選んだ曲は山下さんの曲とは離れた感じのジョンの曲ばかりで、実は意識はしていることが伺われます。反面、真島さんは自他ともに認めるビートルズ好き、ストレートに「今日の気分はこんな感じです」と書いていますがこの時点はブートレッグだった3曲がありマニアックなチョイスになっています。
☆山下達郎 ☆真島昌利
〇好きな曲ベスト5 〇好きな曲ベスト5
①
No Reply ①I Should Have Known Better
②
Not A Second Time
②Ask Me Why
③
All I’ve Got To Do ③All I’ve Got To Do
④
This Boy ④I’ll Be Back
⑤
Ask Me Why ⑤Not A Second Time
〇好きなアルバムベスト5 〇好きなアルバムベスト5
①
日本版の「2nd」 ①A Hard Day’s Night(UK)
②
日本版の「No.5」
②The Beatles’ Second Album
③
Help ③ビートルズ No.5
④
For Sale ④With The Beatles
⑤
- ⑤ Rubber Soul(UK)
〇カバー曲ベスト5 〇カバー曲ベスト5
①
Mr.Moonlight ①Twist And Shout
②
Devil In Her Heart
②Leave My Kitchen Alone
③
Anna
③Don’t Ever Change
④
Boys ④Clarabella
⑤
Long Tall Sally
⑤Bad Boy
2016年9月8日木曜日
☆それぞれの回に未発表映像が入るという大改善が施されたDVD『クレイジージャーニー第3集』は買いだ。(よしもとアール・アンド・シー)
今、最も楽しみなTBSの深夜番組「クレイジージャーニー」。先日紹介したDVD第1~2集が売れ行き大好評ですぐに第3集が出た。前の2枚では特典映像がたったの1か所ずつでひどいと書いたが、苦情が殺到したか第3集では5つあるエピソードそれぞれに未発表映像が入るという劇的な改善を遂げた。この文を読む人の関心が切れないよう一番面白い未発表映像から紹介しよう。それは深海探索のための深海艇にのって年間100日深海に潜り続ける研究者の高井研、彼はTVで大好評の奇妙な深海生物は「見てくれだけ」と興味が無く、深海から噴き出す熱水の奥に潜む酸素を必要としないメタン菌という地球で最初に生まれたであろう生物のみ関心がある。未発表部分は同じような生物は火星ではなく土星の第2衛星のエンセラダスが有力で、地表から熱水を噴き上げていてそれを採取して同じ菌がいれば、生物は一定の条件下で必然に生まれるという証明ができる。この探査にNASAや日本が動けば20~30年でそのことが分かるという夢にかけていた。あの遠く離れた土星だが、エンセラダス内部は潮汐力で内部は熱水でありだから地表から熱水を吹き続けているのだそうだ。この未収録がベスト。最初の佐藤健寿の「世界奇界遺産×ペニス博物館&神の洞窟」の未収録はアイスランドにあるヨーロッパプレートと北アメリカプレートによる「地球の割れ目」があり、そこは常に2度の淡水で満たされ生物は生息できず抜群の透明度を持つのだそうだ。佐藤はそこをもぐるがいつも情けないクレイジージャーニーの同行ディレクター達は防水のカメラもなく佐藤にすべて託して佐藤が撮った写真だけ紹介していた。次の幻のカカオを求めてゲリラの地域であろうが、片道5時間の歩きなどまったく平気で、最高のチョコレートを作ろうとする「カカオハンター」小沢真弓の未発表は、見つけた貴重な白カカオを接ぎ木で増やす為に作った畑に行くシーンで、最初はバイクの後ろにまたがって行くがすぐに徒歩、その後はイカダで川を渡りさらに徒歩と山道だけでも数時間を一切休まず同行ディレクターが根をあげるそのタフぶりに舌を巻いた。畑に行くだけでこの強行軍、本当にカカオに命をかけた女性だと分かる。ディスク2の丸山ゴンザレスのアフリカのケニアにある東京ドーム50個分というスラム街を取材する「世界最大級規模のキベラスラムに潜入する」の未発表は、顔にモザイクをかけた、昔、銃やこん棒でバスを襲って現金や携帯電話を奪っていたという強盗団の人へのインタビューだ。これは悲惨でその男は15歳で親に捨てられ、15歳ではケニアで労働証明が取れず働けないので、生きるために犯罪に手を染めていたというもの。今は妻と子供がいて、自分の子供には自分ような人生を送らせないという言葉が救いだった。後編のアフリカ産大の湖であるビクトリア湖に浮かぶミギンゴ島へ行く「世界一危険&島まるごとスラムのミギンゴ島に潜入」だが、このビクトリア湖は琵琶湖の100倍の広さを持ち、漁獲したナイルパーチは「スズキ」として日本のファミレスや弁当の白身魚で輸入されお馴染みの人気魚なので儲かると、天候がしばしば急変し、粗末な船で救命胴衣も持たないため毎年5000人も命を落としているにもかかわらず、湖に浮かぶサッカー場の1/4しかないミギンゴ島になんと1000人が住んでいる。島全体がバラックの屋根で覆われ軍艦島以上のすし詰めの環境の中、男はみな漁業で暮らし他は女も含めサービス業、さぞや不潔な環境下と思いきやここからが未発表映像、トイレには鍵がかかっていて鍵を借りて用を足さないといけない。誰が使ったかははっきり分かるのでトイレは清潔そのもの、非常にきれいだった。まあ排泄物は海へ行くのだがそこは仕方がない。このように今回はすべてに興味深い未発表映像がありこれは私のように欠かさず録画保存しているファンも購入する価値がある。第4集以降も是非この調子で。この前は110m素潜りで一気に潜る日本人にも驚かされたし(水中の息止めをやってもらったら7分以上でこれも驚嘆した)、パラシュートとウィングスーツでアイガーにあるごくわずかなでっぱりから滑空しておりる(雪に覆われた中にロープがありそれを探して立ってから飛び立たないと即死する。足を滑らせても終わり…)というものすごい人が次々登場して世の中には未知の凄い人がいくらでもいるなあとますます楽しみになった。第10集を出しても終わらないよ。(佐野邦彦)