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2016年9月8日木曜日
パームやしの樹液から作るカルピス味の「やし酒」が飲めるのは東京都で2店だけ、そこのナイジェリア料理は、アジア・南米よりも美味しく誰でも好きになる絶品料理だ。
アフリカ料理は食べたことがあるだろうか?実は非常に美味しい。クスクスの北アフリカのモロッコ料理はヨーロッパに近く除外。中央アフリカのナイジェリア、エチオピア料理の3店に行ったがどれも非常に美味しく、時にナイジェリア料理はアジアや南米よりも気に入っている。アフリカ料理に興味を持ったのはアフリカ駐在歴が長い記者の松本仁一氏が書いた「アフリカを食べる」(名著中の名著!)だった。その中でも前にこのFBで紹介したパームやしの樹液から作るヤシ酒のPalm Drink(ココナッツではない!)がどうしても飲みたくて、ネットで入手できないので電話をかけまくり東京で輸入している2店舗を見つけて飲みにいった。このヤシ酒は期待どおりとても美味しかったのだがそれは後述。まず最初にいった新宿の「エソギエ」は3回行ったがエグシ・シチューは鳥モモ1本かティラピアという白身の淡水魚を、マスターが出身地のナイジェリアから取り寄せたスパイスで煮込んだ絶品。このスパイス、辛いわけでもなく、パクチーのようなクセがあるわけでもなく(誤解のないように。自分はパクチーは好き)、カレー系でもなく(カレー味は飽きる…)ともかく絶妙の美味さなのだ。ちなみにティラピアは淡白でクセのない味でエグシ・シチューにピッタリ。同じアフリカの巨大な湖ビクトリア湖で取れるナイルパーチも白身で淡白、クセなしで、安く入手できるから弁当屋やファミレスの魚フライはほぼナイルパーチだ。このエグシ・シチューと一緒に食べるのはエマ。これはヤムイモで作ったおもちで、日本のつきたてのお餅と全く同じでクセが一切ないので、エグシ・シチューにちぎってつけて食べると極上の美味さ、腹持ちもいいので女性ならこのセットだけで十分だ。それ以外におススメなのがマスターが材料が手に入った時に作るという牛のテール・シチュー、おそらく同じスパイスで煮込んだのだろうがこれはチャンピオン。是非マスターに今日はあるのか聞いて欲しい。ちなみにマスターはナイジェリア人で日本語ペラペラ、パーカッション奏者でもあるのでたまに披露してくれる。あとイドドというバナナのフライも美味しい。食用バナナなんで甘くないバナナを使う。そういえばアフリカで干ばつがあって餓死者がたくさん出た時にアメリカがトウモロコシの援助をしたところ、我々の食べるトウモロコシと同じ甘みのある「スイート・コーン」というもので、アフリカの人が食べるトウモロコシは甘くない種類でそれを粉にして焼いて食べるので、この「スイート・コーン」は家畜の餌、「我々は家畜じゃない」と怒ったそうだ。そりゃあそう、我々だってお米が甘かったら食べられないよね。ここで後述したヤシ酒の「パーム・ドリンク」について。現地ではパームやしの花の芽の茎を前日に切ってそこに瓶を差し込んでおくと樹液が流れ出て次の日に太陽が昇ると自然発酵、お昼頃がちょうどビールくらいのアルコール度で飲みやすく、現地の人は早朝に仕事をした後に昼にこのタダのやし酒を飲んでしまうからすっかり気分が良くなって昼寝、夕方になって残りの仕事をするっていう寸法だ。アフリカのくそ暑い昼間は働かず朝と夕に仕事をするというのはある意味効率的、「アフリカを食う」の作者が現地の人と一緒にヤシ酒をのむエピソードが好きで、もう憧れに近く、この「エソギエ」で飲んだ時には夢が叶ったと正直思った。その味だがまさに味はカルピス、アルコール度はビールくらいで女性でも気にいる味。1本800円とリーズナブルなので必ず注文しよう。独自ルートでのお酒なので、ない時もあり自分は電話で在庫を確保してもらってから行っていた。書き忘れていたけど、トマトのサラダがなんのドレッシングか分からないけどむちゃくちゃ美味い。これもマストだあな。さてもう一か所、パーム・ワインが手に入るのは吉祥寺のその名も「アフリカ大陸」というお店。マスターは日本人のおばちゃんで、ナイジェリアっとセネガルに長くいて料理を覚えたとか。エソギエに比べメニューが少ないがエグシ・スープとエバ(同じものだが呼び方が違うだけ)のエマが、エソギエの1.5倍はありこれは大満足。またパーム・ドリンクはお願いすると持ち帰り分を売ってもらえる。これもいい。最後はエチオピア料理を出す中目黒の「クイーシーバ」という店。このエチオピア料理に魅かれたのはやはり「アフリカを食う」で、「酸味のあるインジェラをとびきり辛いワットというシチューに浸けて食べるその味はアフリカで最も洗練された料理」と書いてあり、この店を探して迷わずインジェラとドロ・ワットという肉の入ったシチューを注文した。エチオピア人はテフという非常に収穫量の悪い実によって作られるインジェラという酸味のあるクレープを主食としているそうで、さっそく食べたが、浸ける側のドロ・ワットがたいして辛くないため、インジェラの酸味が際立ってちょっともったいなかった。現地のようにもっと激辛にしないと絶妙なコラボとはいかないようだ。まあこれらの店は病気になる4年より前に行ったのだが、再び行くのは困難なので3店ともやっていると確認しての紹介なので、ご安心(?)を。(佐野邦彦)
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