「クレイジージャーニー」は特番、先日のSPの他、レギュラー放送は7月30日現在53回あり、それまで全部の放送回数は55回。
まず第1集は納得の内容で、「世界奇界遺産」で知られる佐藤健寿の放送回でもハイライトと言える「世界四大廃墟巡礼の旅」の前後編が入った。特にブルガリアの山にそびえたつ巨大な共産党ホール、イギリスのテムズ川に浮かぶマンセル要塞は最大級のインパクトがあった。前者はとにかく巨大な建物を作って、国民を威圧しようとするソ連そのものの権威的な悪趣味さには言葉もない。建物内部のモザイク画もソ連的な気味の悪い人物画が並んでいたが、今や風雨で多くは木っ端みじん、ソ連崩壊がいかに世界に朗報だったか思い知らされる。後者は、ナチスドイツの爆撃機を落とすためもう海といってもいい広い河口に作られていた居住スペース付の巨大な高射砲郡だが、形がまさに「スターウォーズ」のAT-ATで、これは前者と違って異様なカッコよさがあった。後半のベルギーのパワープラントIMというSF映画に登場しても不思議ではない超巨大な冷却塔(半年後に取り壊し予定)と、今でも強い放射能が残るチェルノブイリの捨てられた中核都市プリピャチに残る巨大なソ連が作ったレーダーが、実は西側の旅客機の計器も狂わして墜落させる機能も持っていたなど、こちらもさすが4大の2つだが、前半が強烈すぎた。そしてこの「クレイジージャーニー」のもう一人の人気者、危険地帯ばかり歩く丸山ゴンザレスの放送回でも最もインパクトがあった「マンホールタウンに潜入」が入ったのも嬉しい。東欧のルーマニアは貧富の差が激しいが、その中でも棄民ともいえる最低限の人間(ジャンキーばかり)は暖かい下水管が通る狭いマンホールの中に大勢住んでいて、その保護者が「ブルース・リー」と呼ばれる体中チェーンと金属をぶら下げ腰にはナイフ、おまけにはだしというマッドマックスもびっくりの迫力満点の男だった。そのマンホールにブルース・リーとの交渉で許可をもらって潜入…という回。この危なさは。NHKはもちろん報道番組も無理だ。他は洞窟探検家の吉田勝次の「恐怖と神秘の洞窟探検」。落盤があったら一瞬で終わりなのに頭と肩がなんとか入る僅かな隙間があれば体をねじってどんどん入っていき、水没部分の洞窟はその先に空気がある場所があるか試しに素潜りで潜っていってしまう。いつ死んでも不思議がないのに、稀に信じられない地底の絶景を見ることができるので止められないという。事実、身近な奄美列島の沖永良部島の神殿のような景色は荘厳。(先日「マツコ&有吉の怒り新党」の日本の三大美味しい水でも吉田氏の案内で登場した。NHKでも洞窟と言えばこの人)そして毎年厳寒のアラスカのマッキンリーの麓に飛行機で降ろしてもらって50日間手作りの巨大かまくらで暮らしてオーロラを撮影(ただし滞在中1回も出ないこともあるとか。)、夏にもテントを張ってヒグマやカリブー、クジラを撮影する「アラスカに取り憑かれた男」松本紀生もいいチョイス。最後の「マサイ戦士の妻」永松真紀は、カルチャーショックに驚くがインパクトは薄い。このDVDシリーズのいわば「女枠」。本放送とDVDには細かい編集の違いはあるそうだが、はっきり未公開映像として出てくるのは「マンホールタウンに潜入」でブルース・リーが面倒みている連中の為に作っている地上の家を見せてくれるシーン。まだ未完成だったが、ちゃんとした家で立派な生活空間があった。ただしこの3か月後にブルース・リーは麻薬取引で逮捕され、マンホールの家も地上の家もみな取り壊されたという。あの大勢の子分たちはどうなったのだろう。
そして第2集。ここもやはり目玉は丸山と佐藤の2トップ。丸山ゴンザレスはフィリピンのマニラにある東洋最大のトンドスラムを取材、料理店の残飯肉を煮直したパクパクという得体のしれない肉など食い、入院費が払えず医者にすすめられて30万円で臓器を売った男に雑な傷口を見せてもらう。その後は拳銃やサブマシンガンを手作りしているセブ島密造村へ行く。当然ながらみな警戒心が強いので取材だとNGになるのでガンマニアという体でテンションをあげて「Take a picture
OK?」で短く撮影、この2つを合わせた「東洋一のスラム街&銃密造村へ先入」がまず衝撃的。続く佐藤はインドネシアのジャワ島のイジェン火山を取材した「奇界遺産×神秘の青く光る山」。この山は硫黄と火山ガスが噴出し、ガスの方向しだいでは命も危ないというので防毒マスク着用だ。夜は硫黄の火山ガスが燃焼し、山一面が青く光るので実に幻想的だ。その中、地元民は防毒マスクもなく100キロ近い硫黄の塊を天秤棒で担いで往復し、わずかな利益を得ているから哀れだ。この映像はNHKのBSプレミアムの「グレートネイチャー」でも見た。佐藤の人工物ではない奇界遺産シリーズはよくここなどと重複する。1回分はなく、佐藤×丸山のDVD発売記念トークショーだが、これはボーナスで済ますべき。後半はミクロネシアへ行き、戦争の悲しい爪痕である旧日本軍の沈没船探索をするダイバー鍵井靖章の「神秘とロマンの沈船探索」だ。ここには日本海軍の基地がありかつてトラック大空襲とか激戦があり、多くの船が沈没した、そこには日本の輸送船だけでなくゼロ戦、一式陸攻撃もあり、魚の住みかとなった沈没船には当時の新聞まで残っていたほど。よくある反戦ものは説教臭さが嫌いだが、ダイバーは目いっぱい明るいし、画像だけで戦争は嫌だなと思わせてくれる。そして「女性枠」のキラー、女カメラマン、ヨシダナギによる「アフリカの少数民族を愛する女性写真家」のスリ族の女性撮影だ。彼女は心底アフリカが好きでアフリカ人の美しさに惚れぬいて何度もアフリカに取材旅行に行っている。彼女の凄いのは丸山と同じく現地の人の食べ物はなんでも食べる。よだれ味のお酒や芋虫であろうが躊躇しない。そして最も凄いのは今でも裸族を続ける部族の女性と打ち解けるため、まずは同じメイクをしてもらい自ら胸も晒す。ここで女性は初めてみな笑顔になり、自分とは違う色の胸をみな触って(時々男も触りに来るが…)一気に心を開くのだ。裸族の女性達は、白人のカメラマンによる見下した姿勢を嫌悪しており、そういう白人には笑わず、嫌がらせに高い撮影料をふっかけるのだという。少数民族は不便で暮らしであっても、不潔と思われる生活であっても、誇りを持っていて幸せなのだ。一回同じ姿になった彼女は次の日からは普段の姿に戻るが、もう打ち解けているので、スリ族の男女が目いっぱいの装飾を施して彼女の気に入った場所で注文されたポーズで堂々と撮影に応じてくれる。ああ彼らは、自分達の美に自信があったんだなと分かる一瞬だ。前後編の2枠を使う。未公開映像は「トンドスラム」で、非常に暗い商店街のような通路をディレクターにやめましょうと言われても無視して進んだ丸山がその先にある海辺のスラムを取材するシーン。床下は海で隙間が見えるどころか板がボコボコで危険だが仕方がないと笑う。トイレもそのまま海の上で、海の衛生状態も極めて悪い。ここがはっきりと表記されたメインの未公開映像だった。今回もこれだけ?という感じ。ただしこのスラムは本当に危険で殺人など日常茶飯事、やめましょうといっていたディレクターの方が正しいようだ。
このDVDは大好評なので8月24日には第3巻発売予定。内容は丸山がメインでアフリカのケニアにある東京ドーム50個分というスラム街を取材する「世界最大級規模のキベラスラムに潜入する」が前編。少し先の首都ナイロビとの所得格差は10数倍、インフラはなく、トイレも外で済ますというので、町中に汚い水が流れている。ここでもゴンザレスは都市の人は食べないという牛の足などを煮込んだスープを食べるが、ハエがたかったそのスープは腐敗臭がするそうだ。住民はナイロビからの1日7回通るという電車の線路の上でも商売をしていて、電車が通ると分かるとあわれて片付け、通り過ぎると何事もなかったかのようにまた元通りにするのだ。そして続いてアフリカ産大の湖であるビクトリア湖に浮かぶミギンゴ島へ行く「世界一危険&島まるごとスラムのミギンゴ島に潜入」。このビクトリア湖は琵琶湖の100倍の広さを持ち、漁獲したナイルパーチは「スズキ」として日本のファミレスや弁当の白身魚で輸入されお馴染みの魚だ。ただこの湖は広く天候が急変、粗末な船で救命胴衣も持たない漁民は毎年5000人も命を落としているという。その湖に浮かぶミギンゴ島はサッカー場の1/4しかないのになんと1000人が住み、島全体がバラックの屋根で覆われそのインパクトは軍艦島に迫るほど。男はみな漁業で暮らし島には自治があるが、ケニアとウガンダの双方が領有を主張しているため、収入の60%を税金や島の維持費に取られるがそれでも収入は沿岸で暮らすよりいいという。丸山はケニアの許可で島へ渡るが、そこにウガンダの警察がきていて、無許可だと丸山は島の一室に投獄され島を出なければいけない3時間前になってやっと釈放され取材を開始する。帰りもボロ船のエンジンが壊れ、散々な目で夜中に陸までたどり着くのだが…ただこのミギンゴ島は日本テレビの「世界仰天ニュース」で特集されていて、その時行き帰りの船も快調、許可も問題なく、きれいに取材されていた。ミギンゴ島の目の前にはもっと広い島があるのだが、その中でも一番大きな島は魔女が済んでいるとされ誰も移り住まないのだそうだ。今でもアフリカの人は魔女、魔術を真剣に信じているので、他人は意見を言えない。そして佐藤はアイスランドの氷の中にある一面が青い光に包まれる神の洞窟と、クジラから人間のペニスまで世界のありとあらゆるペニスを標本にした「ペニス博物館」を取材した「世界奇界遺産×ペニス博物館&神の洞窟」。佐藤をこの回でお茶を濁さすのはもったいない。エチオピアの2回シリーズをなぜ入れない。これは灼熱の砂漠に色鮮やかな硫黄が噴き出すダロル火山のあと、ハイライトである3時間の真夜中の登山のあと地獄の釜のように溶岩が噴き出すエルタ・アレ火山へ移る。地面から溶岩がとびちっているのに柵など当然なく5mまで近づいて撮影するなんて凄すぎる。ただしこの2か所もNHKのBSプレミアムで放送していた。違うのは予算のないこの番組なので、前日は現地の遊牧民の木だけで組んだ掘っ立て小屋で、現地の人が作ってくれた得体のしれないスープと持ち込んだパンで食事する。寝床もいつ崩壊しても不思議ではない簡素なものだ。ディレクターが「大丈夫ですか?」と心配ばかりしているのにかまわず食べて寝る佐藤がカッコいい。大名旅行のNHKは生活感が欠落している。さらにNHKでは対象外になるハイエナマンがいい。家畜が食べられないように肉を用意して夜中にハイエナの群れに餌を食べさせている老人のことだ。佐藤がこの老人の横へ行くとハイエナが背中に乗り、肉と勘違いしカメラをかじられるシーンはツボ。他ではイスラムの迫害を逃れるため険しい山に教会を作って一生神に仕えて暮らすエチオピアのキリスト教徒はよくTVで取り上げられるが、ここでは50年間一人で岩山を手彫りで削ってアリの巣のように広がった協会を作った老人にスポットを当てたところがいい。この老人はこれだけのものを作ったのに聖書の勉強をしたこともなくただお祈りだけする毎日。この老人の存在も強烈だった。この2編は第4巻に是非入れてもらいたいもの。他では深海探索のための深海艇にのって年間100日も海にいるという「世界中の深海に潜り続ける熱い研究者」高井研。素晴らしい深海映像を見せてくれるが、この「クレイジージャーニー」に登場する人は、既婚者でもだいたい年の半分は日本にいない。こういう自分の好きな事で家庭などなんのその、世界をまたにする日本人の存在は嬉しいね。「女性枠」は幻のカカオを求めてゲリラの地域であろうが、片道5時間の歩きなどまったく平気で、最高のチョコレートを作ろうとする「カカオハンター」小沢真弓の話。5編しかないがこの第3集は第2集と同じく、その前の第2集発売記念イベントの実況で1枠使ってしまう。番組MC3人の豪華版だが、減らさずにボーナスで入れるべき。その番組のMCは松本人志、設楽統、小池栄子という最高の3人で、深夜枠なのがもったいない布陣だ。(この松本、設楽、そしてマツコ、有吉に、今田、東野、宮迫、後藤、大御所のタモリ、タケシ、さんま、所の12人が自分の最も好きなMC)
でも今までこの番組に登場したのに、「クレイジージャーニー」の前のテレビと著書で見て自分のFBで大推薦した4人が誰もDVDに入っていない。あの人類の起源の旅「グレートジャーニー」を成し遂げ、私の大好きなギアナ高地の第一人者でもある冒険界の本物のレジェンド関野吉晴。この回はインドネシアのスウェラジ島から石垣島へ、かつて黒潮に乗ってやってきた太古の人の同じ航海をというので一切既存のものを使わず、斧すら砂から砂鉄を集め鍛錬して作る徹底ぶり、丸太を削った船でもちろんコンパスも何も持たず、食べ物も釣った魚で4700㎞を見事航海した。そしてシーカヤックだけでGPSもコンパスを持たずに日本からアジアへ渡り歩く八幡暁、この人も釣った魚を陸へ寄って焼いて食べながら旅を続けるという凄い人。そして陸では米と味噌、あとはルアー釣りだけでやはり携帯もコンパスも持たずに山中を踏破するサバイバル登山家の服部文祥、そしてアメリカの凶悪犯ばかり集まる刑務所で10年以上服役しながらチカーノ(アメリカのメキシコ系移民)の一員として生き抜いたKEIもまだ。アメリカの刑務所では殺人は日常茶飯事、看守も時に殺されるというアメリカの刑務所には驚かされるが、自由さも半端なく、金さえあれば刑務所内のスーパーで好きなものを毎日買って食べ、看守に頼めばタバコも酒も入手でき、女性看守の多くは囚人と売春、面会に来た家族とは看守に見張りをさせトイレで××…ともう好き放題。携帯電話も持っている囚人もいたというのだから、始終監視され厳しい規則で縛られ日々は懲役を科され(アメリカの刑務所は自由)その代わり安全だけは完璧な日本の刑務所とはまったく別物と考えた方がいい。そしてあの丸山も尊敬してやまないという高野秀行はもう同行取材など決して不可能なジャーナリスト。世界で最も危険なミャンマー奥地のゴールデントライアングルにはゲリラのアジトにとミャンマー語を習いたいと長期間通いつめ信頼を得て最も危険というワ族の村でケシの種まきから収穫まで生活を共にし、一緒にアヘンを吸って、現地の本当の生活を知る。崩壊国家ソマリアは、南部ソマリアでは政府軍の装甲車の中でイスラム過激派の銃撃を10分間浴び続け、プントランドでは国家ぐるみで実は非常に効率的にみんな投資目的で海賊誘拐ビジネスをしているという話(ただし護衛なしでは5分も外にいられない危険国家)、平和で銃を持ち歩く人もいない安定しているソマリランドは楽園のようNHKでも紹介されていたが、実は問題をおこせばすぐに拉致され、それぞれの氏族の長老同士で人殺しだったらラクダ100頭とかで決着するある意味平和なシステムで機能していると聞いて驚いた。長くソマリアにいた彼は難解なソマリ語を話せる数少ない外国人で、日本人では彼しかいないので、米軍が捕らえたソマリアの海賊を日本の拘置所にいったん収監した時(そういうシステムだとか)には通訳に呼ばれるとか。ともかく危険な場所へ行っても現地の人と一緒に暮らし同じものを食べて本音を聞き出す高野は本当に凄い。写真が大半でもこれほど息を飲む回はなかった。早稲田大学探検部出身なので語学習得能力も高く、いわば知的なタイプだ。高野とは違い、語学力もないのに、平気で危険な世界に飛び込んでしまう、もう一人凄い若きカメラマンがいた。彼も被写体の人達と何か月も一緒に住んで同じものを食べて心を許した奇跡のショットを取る。はじめはアメリカの「スクワッター」と呼ばれるヒッピーの生活をしているヘロイン・ジャンキーの写真だが、彼はなんと19歳の時に英語もしゃべれないのにこの危険な集団に空気のような存在になって(本人談)撮影している。そのあとはフィリピンのスモーキーマウンテンと呼ばれる不潔極まるゴミ山でゴミや牛の骨など拾って最低の暮らしをしている家庭の子供の笑顔を取る。臭いもハエの量も半端ない場所なのに子供だけは笑顔だ。こんな場所でも彼は一緒に寝泊まりする。最後はKEIの紹介でアメリカのメキシコ系ギャング「チカーノ」のボス邸まで移り住む。最後のエピドードで皆が出かけた時に仲間が裏切って家の中のものをごっそり盗み、彼のカメラも盗まれるのだが、後に仲間達から電話があり犯人の裏切り者を捕まえたから今お前が殺せと言えば殺すけど…と言われ、殺さなくてもいいといったそうだが、後に犯人と仲間と警官を殺して首を並べていたそうですと、それまでとまったく変わらぬ笑顔で話すカメラマン、名越啓介も凄い。彼も素晴らしい写真とトークだけで驚くべき世界の実態をおしえてくれた。この名越さんも高野さんと並んで同行不可能な方だ。丸山の他の取材では、メキシコ麻薬戦争前後編などあり、確かに射殺体などに出食わすが、丸山の場合は「報道特集」当たりの取材と被る。NHKが特集を組んでも同じく被るだろう。丸山は同行可能な場所へ短期間行くのだから、有名な抗争に首を突っ込むのは「浅く」なる。英語もできないので、スタッフ頼りになるとしようがない。それよりも先日のバングラデシュで大型船の解体を、ヘルメットも安全靴など何もないTシャツ姿の労働者がガスバーナーとあとは人力で引き倒すだけで解体を安価で請け負う現場取材の方がはるかに素晴らしかった。安全など何も考えていない現場なので手足を切断してしまう人も多いのだとか。その他では日本人でただ一人世界の8000m超えの14山を制覇しながら驚くほど淡々としている登山界のレジェンド竹内洋岳、北極点単独無補給踏破に挑む荻田泰永は当然ながらクソみたいに重い荷物を引きずって乱氷帯や危険なクレバスを超え、ブリザードに耐え、遭遇するシロクマは自ら花火で追い散らすという旅をしたがこれは途中で断念、その後の回ではカナダ最北の村から凍った海を渡ってグリーンランドのイヌイットの村まで渡りこれは成功、イヌイットの話では今まで渡ってきた人はいないというので思いがけず世界初の偉業となった。こういう凄い人が並ぶ中、その中でも特に高邁な目的があるわけでもなく、自分の行きたい所へ行って、どんな悪路でも砂漠でも生活道具を積み込んだリアカーを一人で引っ張って47000㎞を走破した「リアカーマン」永瀬忠志が究極。(撮影のために自分でカメラをセットして移動。撮影後、カメラを回収に戻って…を繰り返す)この人も冒険界ではレジェンドとなっている人で、その放送回はギャラクシー賞を受賞したので必ずDVD化されるだろう。エピソードなら世界の少数民族の取材の専門家の千葉岳稲は4民族について話すが、その中でもピクミー族のエピソードが、アフリカで横行してニュースになっている「アルビノ狩り」以上に怖く、それはピグミー族の肉が滋養強壮にいいという呪術師の言葉によってコンゴで政府側、反政府ゲリラの間で捕まって食べられていて、「食べられるのが一番怖い」という言葉は最も強烈だった。そしてパプアニューギニア取材の専門家の山口由美によるペイバックと呼ばれる自分の仲間が殺されれば、犯人と同じ言葉を話す誰かを殺すという習慣が、今も首都でも起きるという言葉も衝撃だった。日本人も例外でないというのが怖い。諸星大二郎の「マッドメン」は現在でも生きているんだとちょっと感動的でもあったのは、自分がマンガファンだからかな。このようにDVD化すべき作品は山ほどある。いくらでも出してほしい、いや出すべき作品である。(佐野邦彦)
PS 「クレイジージャーニー」と並んで最も楽しみにしている「ブラタモリ」も、第1シリーズから今の第4シリーズまで欠かさず録画したが、高い評価に加え高視聴率シリーズとして知られるのになぜかNHKはDVD化しない。いったい何が裏にあるのか?
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