Pages

2016年5月13日金曜日

八重山と宮古の旅行ガイドは書店に溢れているが、どの本が本当に参考になるのか、両諸島に15回行った私が厳しく採点したので参考にどうぞ。


八重山と宮古の旅行ガイドは山ほど出ていて、初めて行く人はどの本を買えばいいのかわかないのが当然だ。そこでこの両諸島の常連である私が、どの本が参考になるのが10点満点で厳しく採点した。持ち歩きやすいポケットガイド、図版が多いムックサイズで本を分け、八重山・宮古の両方を紹介している本が大半だが、中には八重山だけ、宮古だけも少数あった。なお八重山だけ行く人はこの下にポケットガイドの「やえやまガイドブック」が他とは比較にならない情報とクオリティがあるので、この「やえやまガイドブック」のみ購入し、他のガイドは一切必要ないのでこれが前提。宮古に関してはそれぞれの採点を読んで参考にしてほしい。なお値段は税抜価格である。年は発行年。(佐野邦彦)

 

★ポケットガイド

☆「やえやまガイドブック」(南山舎)¥1200 2015年 224P 14.8×19.3cm ※評価:八重山9.5

1998年から毎年、最近は2年に一度改訂版が出ている石垣島の南山舎が出版している八重山諸島の究極のガイドブック。八重山のあらゆる観光ポイントが紹介されていて、八重山に関して他のあらゆる旅行ガイドを寄せ付けない。大きなムック版より正確な情報量が多いので、八重山はこの本1冊だけ買えば他は何もいらない。まず石垣島で86P。ビーチだけでも明石集落東の浜とか本書で誰もいないいいポイントをおしえてもらえる。食事は焼肉(当然やまもと含む)と八重山そばという人気のものは多くを紹介している。決して他のガイドには載らない100円ショップとか、地元の人が重宝する店の紹介や、地元スーパー、コンビニの紹介も嬉しい。竹富島は16P。コンドイビーチ、カイジ浜はもちろんいい写真で、さらに知らない浜も2か所紹介されている。西表島は30P。カヌー、トレッキング、シュノーケリングのショップとプランは色々載っているがショップ数が多すぎてカバーはできていない。ビーチは船浮のイダの浜のきれいな写真があるので、そこへ立ち寄ってさらに先の海路のみの場所へシュノーケリングで行くしげた丸は載せてもらいたかったところ。出来たばかりの展望台やしらない浜が紹介されているが、島のガイドなしでは遭難する可能性がある島の奥地のマヤグスクの滝とか海路だけしかいけない廃村の網取、崎山、鹿川などは紹介していないところはある意味親切かも。小浜島は14P。「ちゅらさん」関係ポイントを網羅の他、小さい扱いだが小浜島の近くのウサギの島、嘉弥真(カヤマ)島、他に干潮の時に現れる浜島の紹介もある。なお、カヤマ島を無人島と紹介してあったので、6人住む有人等である。黒島は8P。北海道のような牧場の道が冒頭、西の浜、仲本海岸、伊古桟橋など観光ポイントは完璧に紹介されている。鳩間島は6P。他書にはないビーチが紹介されている。新城島(パナリ)は4Pのみ。上地島の方は全てのポイントは紹介されたが、下地島の方の写真はない。上地観光とブルーラグーンを紹介すれば下地島も紹介できたのだが…唯一のマイナスポイント。(旧島民がいたショップのみ出身の島の案内出を来る約束ごとがあるようだ)波照間島は13P。ニシハマ以外2か所のビーチが紹介されている実際には綺麗なビーチではない。日本最南端の碑は有名な本土復帰前に学生が作ったものと、目立つが味わいがない大きな竹富町が作ったものが掲載され、右翼団体の作った碑は当然カット。みんぴか、モンパの木ももちろん記述有り。与那国島は17P。主要ポイント全部にビーチ3つ紹介とさすがだ。日本最西端の碑の紹介には小さい写真だが台湾の山並みに落ちる夕陽の貴重な写真がある。海底遺跡は誰でも参加できるシュノーケリングプランも掲載。その他各島のレンタサイクル、レンタカーの電話番号なども網羅され、ほぼ申し分なし。

 

☆「んみゃーち宮古」(ジャニス)¥952 2003年 128P 14.8×21cm ※評価;宮古8

「やえやまガイドブック」に対抗して作った宮古諸島のガイドブック。まだ宮古島市になる前なので、①平良市街地②平良市郊外③池間島④下地町⑤来間島⑦上野村⑧城辺町⑨伊良部&下地島⑩多良間島という区分。このうち①②④⑦⑧は宮古島の市町村だった。それぞれの区分を全く同じ面積で分割し、それぞれに「見る」「体験する」「食べる」「飲む」「買う」「泊まる」の区分をつけて紹介していく。ビーチは「見る」、カヌー使用の場所なら「体験」そしてお土産屋は「買う」というわけだ。同じレイアウトなので目的別としては非常に見づらい。しかし260を超える紹介文があり、例えば平良だけでもお土産店で26、飲食店で62も紹介されているは驚異的で、他の本が全て宮古は八重山のオマケ扱いなので、宮古諸島全部合わせてもこの半分も紹介されていない。ホテルに至ってはおそらく当時の全宮古を網羅しているだろう。ビーチも知らない場所がいくつも載っていた。⑨伊良部&下地島⑩多良間島でコーナー立てしている所も画期的。⑨には中の島ビーチも載っていたが、⑧にはビーチがひとつもないのは八重山・宮古の中でもベスト3に入る美しさを誇るウカバ、そしてそれに次ぐ美しいふるさと海浜公園が全く無視されるのは謎としかいいようがない、しかしこの本には43ものコラムが別にあり、2Pたっぷり使った「大神島の謎」はここに紹介した本の中で唯一の大神島のきちんとした紹介である。ところが「多良間のビーチ」はしようもないビーチをピックアップし、前述の2つが載っていないのは最低。ただこういう不満も全体からすればささいなこと。宮古に関してこれだけ紹介した本はこの一冊だけで、さらに残念ながら2003年の初版のみで終了してしまっている。「やえやまガイドブック」が15冊も新版が出ているのに比べ、何故かと思っていまうが、常に八重山のほぼ40数%の入域観光者数の宮古では、需要も半分以下、商売には厳しいのだろう。点は甘いが、努力を買った。

 

☆楽楽 「石垣 宮古 西表島」(JTBパブリッシング)¥880 2009年 144P 12.5×20.8cm ※評価:八重山5点 宮古7

石垣島は28P。景勝地のチョイス、ビーチ(石垣のはそれほどの場所は無いが)のチョイスは悪くない。ここに明石集落のビーチでも入れば凄いが「やえやまガイドブック」じゃなきゃ無理か。竹富島はコンドイビーチが写真極小、カイジ浜は手のひらの星砂(この出版社はこのパターンかい)、西桟橋は夕陽のシルエットで観光地のチョイスが悪い。小浜島は他と違って「ちゅらさん」巡りなのはかえって新鮮か。黒島2Pで仲本海岸、伊古桟橋はあるのでせめて西の浜と牧場が入れば。波照間島3Pはニシハマの写真はいい。日本最南端の碑は碑を写さず高那崎なのはダメ。西表島18Pながら内2Pは鳩間島。行事主体の紹介だ。よって西表は16Pだからコンパクトだが、バラス島でのシュノーケリング、仲間川のクルーズ、浦内川のトレッキング、ピナイサーラの滝のカヌー&トレッキングと、この島の楽しみ方はコンパクトに押さえている。ビーチは極小の扱いだが、この島では十分だろう。海路のみの船浮の紹介コラムもグッドだが、行き方として非常に高額な平田観光のを紹介だけは不親切で、1/3程度と安くてシュノーケリングも楽しめるしげた丸を載せないとハードルが高すぎる。あとウタラ炭坑跡が載っていれば良かった。与那国島はなんと6Pあり、波照間の倍のページと言うのはバランスがおかしい(波照間が少なすぎるという意味)が、ポイントはみな入っていた。

宮古島は24P。このJTBパブリッシングの宮古のプラスポイントの吉野海岸がちゃんと紹介されている。ただし来間の長間浜の方が大きいなどバランスは少し疑問があるが他もきちんと見どころを押さえている。あと新城海岸があればこの手のミニ本ではベストの内容になっただろう。大神島のコラムと写真があるところはさらに◎だ。さらに伊良部島・下地島で別に3Pも取ってあるところが素晴らしい。当然下地島空港もあり、うずまきパンのコラムと写真にも◎。さらに多良間島にも1P8月踊りで済まされる事が多いのにそれは1/4。ふるさと海浜公園の写真がある点がいい。ウカバがあれば最高なのだが。水納島は何もないが、それは贅沢だから仕方がない。巻末の那覇はいらないページだった。宮古諸島はクオリティが高い。

 

☆たびまる 「石垣 宮古 西表島」(JTBパブリッシング)¥900 2011年 152P 12.5×21.2cm ※評価:八重山4点 宮古7

石垣島は25Pだが、石垣島一周ドライブの中に景勝地はきちんと押さえている。パラグライダーや野底マーペー登山を加えたのはよく、石垣島のこれまでのたいしたことがないビーチの紹介よりいい。竹富島は6Pでコンドイビーチとカイジ浜の図版はこのJTBの本の中では一番いい。小浜島の2Pは実に賢明、「ちゅらさん」でまとめて正解だ。西表島10Pはもう少し長くすべき。カヌー&トレッキング、シュノーケリングの魅力が伝わる構成はいいが、星砂の浜や、船浮などの有名どころの記述が無く、何度も書くが船浮上陸、網取というどちらも海路のみの場所までいってシュノーケリングをする「しげた丸」があれば…。これも何度も書くがウタラ炭坑跡を入れておけばという所だ。波照間島は相変わらずたったの2P。ニシハマの写真が小さすぎて、八重山一のその美しさが少しも伝わらない。この点は大きな×を付けておく。日本最南端の碑は良くなったが大きな図版であり、ニシハマと普通なら図版の大きさを入れ替えるのだが、デザイナーがアホなんだろう。しかし与那国島は4P。それだけのページがあったのに日本最西端の碑がない…海底遺跡は巻頭にあるからいいとして、八重山は、最初は好調だったのに最後はガッカリという代物になってしまって残念。

宮古は18Pで、特に素晴らしいのは1P丸ごと使った吉野海岸のシュノーケリング写真だ。水面のすぐ下が珊瑚で多数の魚がいることが一目瞭然だ。こんな凄いビーチは八重山にはどこにもないので、差別化にもってこい。この写真は三重〇を付けて上げたい。その分パイナガマやイムギャーマリンガーデン程度のビーチが消えたのはかえって良かった。そしてJTBは今までの反省を生かして伊良部・下地で1P。下地島空港、渡口の浜、通り池の3点セットの写真が揃ってとてもよい。そしてなんと多良間島も1Pある。ふるさと海浜公園の写真があったのも、この大きさで載ったのはこれも画期的では。宮古諸島は高得点である。

 

☆ことりっぷ 「石垣・竹富・西表・宮古島」(昭文社) ¥800 2008年 144P 15×18cm ※評価:八重山4点 宮古5

石垣島に38Pもとっているが観光は10Pのみで28Pは食べ物、エステ、ホテルなどのどうでもいい情報。石垣島の景勝地は有名なものだけは載っている。ビーチを見開きで紹介しているが、石垣島の5つのビーチは他の離島よりレベル下なので、おすすめはしない。竹富島 は8Pながら観光にはたった2P、コンドイビーチの小さな写真があるだけでカイジ浜、西桟橋、竹富集落の紹介が無く最低。小浜島は4P で「ちゅらさん」だよりの紹介のみ。黒島はたった2Pだが、仲本海岸、西の浜、黒島灯台に牧場風景でポイントはちゃんと押さえている。西表島に10Pのみはもったいない。非常に小さい扱いながら島内の観光ポイントは押さえているので、船浮から先やバラスのシュノーケリングポイントや、カヌーとトレッキングをもっと大きくページを割いて載せれば西表島の魅力が伝わるので編集がイマイチだった。与那国島は2Pながらティンダハナタ以外のポイントはしっかり押さえていて、波照間島も2Pだがここもニシハマほかのポイントはちゃんとおさえていた。ただみんぴかは載せるべきだった。どちらにしても石垣島と小浜島にページを取り過ぎで、他の離島にページを割けばちゃんとしたものが作れた。

宮古島は18P しかない哀れな配分だが、石垣島と違って素晴らしいビーチだらけの宮古島は、吉野海岸、新城海岸、与那覇前浜の3大ビーチをしっかり押さえて◎。小さいながら伊良部島の渡口の浜、多良間島のふるさと海浜公園まで写真が載っているのは本当に素晴らしい。大神島の写真も珍しく乗っていて、宮古諸島は及第点。

 

☆タビリエ「石垣 宮古 西表島」(JTBパブリッシング)¥800 2006年 144P 15×19.3cm ※評価:八重山1.5点 宮古4

石垣島に30Pも割いているが大した情報はない。玉取崎展望台や平久保崎、米原ビーチの写真は悪くはない。八重山ソバの写真にほぼ1P、最大サイズを使う所はセンスのなさが顕著。竹富島は6Pでコンドイビーチとカイジ浜はあるのみで写真極小。小浜島2P。西表島は10P で、他には珍しく星砂の浜だけでなく、月ヶ浜、南風見田やバラスなどビーチを大きく載せていて、船浮も載っているが、この島の売りであるカヌー、トレッキング、シュノーケリングの情報はごく僅か。バランスが悪い。波照間島は2.5Pで、肝心なニシハマの写真の出来がよくない、日本最南端の碑は海岸だけで写真がなくセンス最低。モンパの木が載っているのはいいがみんぴかがないのは信じられない。与那国島も2.5P。ここでも日本最西端の碑は海岸だけで写真がなく、ティンダハナタ、さらに徹底的なミスはなんとDr.コトー診療所が載っていないという体たらく。そして極めつけは離島桟橋から一日8便も船が出ている黒島を黙殺したこと。八重山に関しては最低評価しかつけられない。

宮古に関しては23Pのみ。通常の本では少しはページを割く伊良部島・下地島は通り池の暗い写真が申し訳程度に小さく載っているだけ(もう1枚あるがなんと宮古島から見た伊良部島の遠景…)で、下地島空港、渡口の浜など必ず入っているものまで載らないのは最低。逆に伊良部と同レベル(小さい)で多良間島が載っていて、めったに掲載のない水納島の写真があった。これは水納島から多良間島を見た写真と思われる。宮古島では吉野海岸が大きく載っているのは◎。与那覇前浜、八重干瀬、砂山ビーチと同等の扱いだ。池間大橋は大きく載っているのに来間大橋の写真が小さいのはなぜ?最後の那覇情報はまったくいらない。

 

☆タビハナ 「石垣 宮古 西表島」(JTBパブリッシング)¥800 2010年 144P 15×17cm ※評価:八重山3点 宮古3

石垣島で48Pは取り過ぎ。観光地の写真は及第点。竹富島10Pでコンドイビーチ、カイジ浜、西桟橋がちゃんと載っていてよい。小浜島は4P.。黒島はたった2Pだが、「タビリエ」でカットしたため反省していれたのだろう。仲本海岸だけでなく西の浜も載っているのはよい。黒島の道にも触れるべき。西表島がたった12P なのは編集力不足。当然船浮もウタラ炭坑跡などもまったく載っていない。波照間島もたったの2P!小浜島なんかに4Pもさくのに取材センスがここでもない。ニシハマの写真はまあまあ。当然幻の泡波ことなど一言もない。日本最南端の碑を、右翼団体が作った方まで入れて写真を撮るのもセンスが無い。案の上、与那国島も2P!ティンダハナタも立神岩も掲載がなくひどいガイドブックだ。宮古島は吉野海岸を載せているのは◎だが、前浜ビーチ、砂山ビーチは当然として、長間浜、イムギャーマリンガーデン、パイナガマ程度が入るのなら新城海岸も入れてほしい。宮古諸島はたった25Pで内14Pも食べ物お土産ホテルのしようもない情報で、なんと伊良部島・下地島の情報は極小図版で通り池と下地島空港が載っていたが渡口の浜がない。多良間島に至っては存在すらない。宮古に関しては「タビリエ」から比べても最低のランクに落ちてしまった。

 

☆ココミル 「石垣 竹富 宮古 西表島」(JTBパブリッシング)¥800 2012年 124P 15×19cm ※評価:八重山2点 宮古2

なんと石垣島に41Pも割くという無駄なページ構成が残念だ。そのため、石垣の景勝地はほぼちゃんと載っている。竹富島は6Pながらコンドイビーチや西桟橋、カイジ浜など雰囲気のある写真を使っていて6Pを全て観光のみに使ったのでこれならOK。西表島は12P のみで、ビーチはこの島では売りではないが極めて小さい写真のみ、カヌーとトレッキングなどに割くページ数が少なすぎて魅力が伝わらない。船浮から網取という陸路ではいけない場所でのシュノーケリングをやっているしげた丸のようなツアーを載せればもっと広がりが出たが。ウタラ炭坑跡はなし。黒島は2Pで仲本海岸大特集なのはバランスが悪い。西の浜や牧場である島の道も載せないと。波照間島もたったの2P。ニシハマの写真はまあまあ、日本最南端の碑はタビハナと同じでセンスが悪い。みんぴかもモンパの木も紹介されず不十分。そして与那国島もたった2PDr.コトー診療所も立神岩もティンダハナタも載っていない体たらく。八重山はとても及第点には到達しない。

宮古は20Pで、冒頭の2Pが宮古諸島の紹介でその中でたった7行だけ極小の通り池の写真を添えて伊良部島・下地島が載っているという最低の扱い。ビーチの所で渡口の浜を掲載したが、下地島空港は消えた。当然ながらさらに先にある多良間島は存在自体を黙殺。宮古島は18P6P が観光ポイントで、このJTBパブリッシングはほぼ同じパターンで吉野海岸掲載は高ポイント、与那覇前浜、砂山ビーチは当たり前、パイナガマやイムギャーマリンガーデンはまあいいけど長間浜はこれを載せるのなら新城海岸を載せろという毎度おなじみのパターン、アイデアが毎度枯渇しているようで疲れた…

 

☆てくてく歩き「石垣 竹富 西表島」(実業之日本社) ¥1000 2014年 160P 13.7×21cm ※評価:八重山4

全体的に観光場所や、お店のチョイスがまったくダメ。

共通38Pのあと石垣島で31Pもあるが島の一番の名所の玉取崎展望台の写真が最低かつ極小でここだけで何を考えているのか分からない。平久保崎なども曇りで写真の意味なし。そのせいか極小図版。竹富島は13Pもありながらコンドイビーチは干上がった写真、カイジ浜はなんと星砂のクローズアップのみ、伊古桟橋も超極小写真と島のいいところが少しも紹介されていない。そのくせに年に1回の種取祭りは2Pも紹介するのはバランスがおかしすぎる。小浜島6Pで内1Pが無人島もしくは人口一人のオマケのリゾート島の嘉弥真島というバランスはいい。「ちゅらさん」関係の名所は一切触れていない。黒島4Pだが、西の浜や北海道のような黒島の道路は少しも触れていない。登るのが禁止のプズマリが登れると誤情報。新城島2Pは◎。西表島29Pで、見どころの少ない石垣島とほぼ同じページ数はいいだろう。カヌー、トレッキング、シュノーケリングを紹介し、陸路ではいけない場所ばかりのコースのしげた丸をピックアップしているのは◎。ビーチほぼ無視は凄いが…。鳩間島2Pあるがただのオマケ。その割に波照間は5Pしかなく、ニシハマも日本最南端の碑の写真も小さくもったいない。しかし与那国島は13Pもあり、ナンタ浜の写真まである充実ぶりなので、波照間島が簡単すぎるのはセンスのない証し。


 

★ムックサイズ

☆ベストガイド「石垣・西表・竹富・宮古2011年版」(成美堂出版)¥900 2010年 128P 21×26cm ※評価:八重山5点 宮古7

石垣島28P。ビーチは地味な知らない場所も複数入れて8つ紹介といちおう評価。島の景勝地はドライブ仕立てで紹介するが玉取崎展望台とか平久保崎、川平湾など小さい上にクオリティが低くこれは大きなマイナスポイント。焼肉の店数店紹介の中にやまもとがないのも大きなマイナスポイントの追加だ。竹富島5Pも肝心なコンドイビーチが少しもきれいではない最低の小さな写真で、カイジ浜もダメ、地味なアイヤル浜だけきれいとまあこれも最低だ。西桟橋もまったくなし。黒島はたったの1P。仲本海岸、西の浜などありコンパクトにまとまっている。小浜島は例によってページ数は多く2Pあるが、1/2Pがウサギ天国の無人島カヤマ(嘉弥真)島で、小浜島自体に見所が乏しいのでいい配分だ。西表島15Pの多くがトレッキングしないと見らえないマヤグスクの滝、ナーラの滝、ゲータの滝でそれぞれ1P使い、その他5つの滝も入り秘境感満載の編集はとてもよい。7Pはカヌー、トレッキング、シュノーケリングだ。1Pはパナリ(新城島)へのシュノーケリングツアーに割いている部分も良い。ただ星砂の浜が文のみは他の本では見かけない。ウタラ炭坑跡も記述無し。鳩間島は1Pでこのページの写真はいい。波照間島は4Pで、ニシハマはかなりいい写真で大きさも十分。日本最南端の碑も碑と2つの道をどちらも載せていてこれもいい。みんぴか、モンパの木が店の外観からの紹介で、波照間は文句なし。与那国島も4P、日本最西端の碑、ティンダハナタ、そしてクローズアップの立神岩はいい。Dr.コトー診療所は小さすぎるが…東崎や、ナンタ浜などのビーチが載っているのはプラスポイントだ。海底遺跡も海中だけでなく海面の写真はいい。石垣・竹富はダメだが他はいいのでギリギリ及第点。

宮古島20P でちゃんとページを取っていて、ビーチの写真は小さいが、吉野海岸、新城海岸、与那覇前浜が揃っているのはたいへんなプラスポイントだ。宮古島東急リゾートのアクティビティに2P近く使うのなら、ドライブ仕立ての景勝地の案内が2Pに凝縮されてしまったため、池間大橋、来間大橋、東平安名崎、西平安名崎などの名所の写真が小さくなってしまってこっちはマイナスポイント。伊良部・下地島も3Pあり、下地島空港のタッチアンドゴーの写真が大きいのはプラスポイント。渡口の浜だけでなく、中の島ビーチ、佐和田の浜まで載っているし、通り池ももちろんあって十分。さらに驚いたのは多良間島の1Pで、ふるさと海浜公園の写真はクオリティが低くて残念だが、私は八重山・宮古の三大ビーチと力説している多良間島のウカバがメインで大きく写真が載っていて、超プラスポイントだ。この手のガイド本でウカバの事に触れた本すらないのに写真まで載せてくれて大感謝。願わくばもう少し満潮に近い時のもっと濃い翡翠色の海だったらさらによかったが贅沢か。文のみだが水納島の紹介もあるし、宮古の方には大神島の紹介文もあった。宮古諸島に関しては本書が一番と断言しておこう。ただこのベストガイドは2006年版からスタートし、この2011年版の5冊で終わってしまったのが残念だ。

 

☆まっぷる「石垣・宮古・竹富島・西表島」(昭文社)¥800 2015年 144P 21×25.8cm ※評価:八重山5点 宮古6

石垣島は39Pながら観光部分は12P で残り27P はごはんやカフェやホテルという女子向けものなので、情報は薄い。竹富島15P で観光は6Pのみ 。コンドイビーチやカイジ浜、西桟橋などの写真もポケット用でないので大きく魅力は伝わる。小浜島は6Pで観光は約3P 。小浜島に大岳以外目を引く観光ポイントが無いので、内1Pがウサギの無人島である嘉弥真島と干潮に現れる浜島なのはいい。西表島は17Pで観光は8P と比率が多く、企業のツアープランの宣伝が並んだ気もするが、カヌー&トレッキング、最近西表で流行ってきたキャニオニング、そして海でのシュノーケリングといい写真が並んで、西表の楽しみ方がちゃんと伝わってくる。ビーチも陸路でいけない船浮のイダの浜も大きく載せるなど新鮮だ。何度も書くが他の船がいかない海路のみのコースを通るしげた丸を載せるべき。ウタラ炭坑跡は小さいが載っていた。波照間島は4Pでニシハマ、日本最南端の碑はきっちり載ったが、ニシハマは他誌ではもっとハテルマブルーが出る写真が出ているので改善して欲しい。与那国島は4Pだが、日本最先端の碑の写真がないのは大失敗であり理解不能。この碑がある西崎の遠景だけ載せるとは…。黒島は2P。西の浜の写真がないので残念と書こうと思ったが、ノンクレジットで黒島のタイトルの上半分を占める大きな写真は…西の浜だろう。鳩間島も2Pで、なぜかここは小さなビーチを3か所も載せている。ここまで独立したページ立てなのに新城島が省いたのは大失敗で、価値を落とした。西表のシュノーケリングプランにパナリ島が入っているものがあるからというならサギである。

宮古島は伊良部・下地島を入れて27Pのみ。島内のビーチは石垣島とは比較にならないほど上の宮古島なのでビーチ特集は3P以上あるのは良い。吉野海岸が入っていたのは◎。伊良部の渡口の浜が入り珍しく佐和田の浜も入っていた。新城海岸がやはり落ちているのは残念。本書ではなぜか大神島が1Pで単独で紹介されこれは画期的で◎。本書だけだ。多良間島も1Pあり、ふるさと海浜公園の写真が載っている点はいい。宮古諸島全部では29Pで、あまりに八重山と差があり過ぎる。他の本でもこの点は同じだが…。自分が初めて八重山に行った1999年に、本書は沖縄から分離して「宮古・石垣・西表」として出版された最古参、4年間は宮古の方が先にタイトルに出ていた。バランスはやはり八重山が倍以上あったが年々宮古のパーセンテージが少なくなっていったのは残念だ。

 

☆るるぶ「石垣・宮古・竹富島・西表島」(JTBパブリッシング)¥800 2015年 138P 21×25.8cm ※評価:八重山3点 宮古2

石垣島だけで44P。有名景勝地の紹介はいちおうできているが、眺めるしかできない川平湾で2P特集なんて無駄もいいところ。大半が食べ物、カフェ、おみやげ、ホテルのピックアップ紹介でこの手のムック本のカラーはライバルの「まっぷる」も含め本当につまらない。「るるぶ」の方がよりつまらないとも言える。竹富島は10Pもありながら6Pが飲食ホテルでくだらない。一番の売りのコンドイビーチは小さく出来のよくない写真を使い、水牛車は1.5Pも使うなど編集者のセンスが悪すぎる。西表島16Pもセンスの悪さの塊だ。「まっぷる」が西表の魅力であるカヌー&トレッキング、シュノーケリングにキャニオニングまでいれて魅力が伝わる誌面だったのに比べここは島の全景の中の4つの売りの一つと2P特集が水牛車で行く由布島。ここは団体客と高齢者向けであり、若い人向けの作りをしていない。前述の売り部分も「まっぷる」に迫力がなく、ビーチに関してはみな極小写真でオマケ情報程度、その他でもウタラ炭坑跡も載せたのに、レンガに木が絡みつく写真でないので少しも魅力が伝わらないなど、編集者の差が顕著だ。小浜島は6Pで観光は2Pしかないが石長田海岸マングローブ群落というマイナーポイントの紹介はよい。小浜島に比べずっと魅力がある波照間島はたったの4Pだがニシハマと日本最南端の碑の写真は「まっぷるよりいい出来だ。みんぴかはもちろん、モンパの木の外観写真も載せたのはこれもまっぷる」よりもいい。与那国島も4Pで、「まっぷる」と同じく日本最先端の碑のある西崎の写真だけで肝心な碑の写真がないところまで一緒なのはいったい何を考えているのか…。黒島は2P。売りの仲本海岸が極小、比べて伊古桟橋や灯台、黒島展望台の方がはるかに大きくやはりこの本の編集者はセンスがないなあ…。西の浜なんて当然載っていない。鳩間島は2P,、ビーチ中心の紹介。そして「まっぷる」と合わせたように新城島をスルー。あまりにもったいない。

宮古島は伊良部・下地島と合わせて21P。完成前なのに完成したように伊良部大橋を撮影しているのはいい。ただビーチは「まっぷる」に比べて宮古島で最高のビーチであり吉野海岸がスルーで載せていない上に、美しさでは沖縄の全ビーチの中でも人気1位を獲得した与那覇前浜まで載せないという、宮古島のビーチをまったく知らないとしか思えないセレクション、ここで「まっぷる」に大きく差を付けられ完敗。ガイドの資格すらない。宮古島ガイドとしては買ってはいけない警告レベルの本になった。伊良部・下地島に下地島空港、渡口の浜、通り池にうずまきパン、1P取った多良間島のふるさと海浜公園は「まっぷる」以上の、他の本を入れてもベスト1の写真だったのに、宮古島の失敗が大きすぎた。「るるぶ」は「まっぷる」に一年遅れて2000年版から出たが「石垣・宮古・西表島・久米島」と久米島(巻末には那覇もあった)まで入ったものが2008年まで続いたが、以降は久米島を外している。

 

☆地球の歩き方MOOK「石垣・宮古・西表島2010年版」(ダイヤモンド社)¥933 2009年 160P 21×25.8cm ※評価:八重山1点 宮古6

2007年からこの号まで3冊出て廃刊になったムック。島別の特集まえに両諸島共通特集が94Pもあり、沖縄の写真家として有名な三好和義を巻頭に使いその部分の写真のクオリティは高かった。共通部分のビーチ特集があり、与那覇前浜、ニシハマ、コンドイビーチ、吉野海岸など大半は納得のチョイスの10ビーチでセンスは確か。

まず石垣島は15P。見所とビーチはまあこれで十分と言うチョイス。西表島はたった4Pで、いくら共通のページにピナイサーラのカヌー、バラス島のシュノーケリング、ジャングルトレッキング、星砂の浜、ナーラの滝、マリユド&カンピレーの滝などで3P以上載っているが、西表島のコーナーになく、またどこにそれが載っているのかも分からずまったく役に立たないガイドと言えよう。竹富島5Pにも一番の売りのコンドイビーチは共通ページのみでどこに掲載しているのか分からない役立たず。波照間島3Pも最大の人気ポイントのニシハマが共通ページでどこにあるのか分からず載っているのはぺー浜だけという知らないと悲惨な事になる紹介の仕方だ。黒島2Pも売りの仲本海岸は共通の中のビーチ特集のさらに別コーナー「離島ビーチカタログ&インデックス」に小さく紹介されているのみで逆引きがなく意味なし。西の浜も伊古桟橋も出てこない。小浜島2Pもビーチは逆引きなし。鳩間島1Pは逆引きすらできない。与那国島のビーチはやはり逆引きなし、そして最大の売りの日本最西端の碑は文字だけで図版がまったくないという呆れた編集。全てに最低点しか付けられない。

当然宮古も同じかと思いきや、宮古島のみ巻頭に「宮古島のビーチ」という特集ページがある。8つの中には吉野海岸、与那覇前浜だけでなく吉野に次ぐシュノーケリングの名所の新城海岸も載っているという奇跡。こちらからすると当たり前なのだがなぜかこの3か所が一緒に載ることがないのだ。これはポイントが高い。他の観光ポイントはいちおう一通り載っている。たった2Pの伊良部・下地島は、渡口の浜は共通行きで逆引きなし、ただ下地島空港と通り池はある。多良間島はフェリーの図版の「多良間島へ行ってみよう」という小さなコラムがあるだけの悲惨な扱い。八重山よりも宮古はよく、及第点近くまでいけるかも。

 

☆トリコガイド「石垣・宮古2016-2017」(枻出版社) ¥1200 2016年 144P 21×25.8cm ※評価:八重山1点 宮古1

なにかオシャレさを売りにしたような余白の多いレイアウトでまずこの本はダメだなとわかる。本文は同じようなレイアウトに大きな数字の通番を振っていてこれがおシャレだと思っていたら大間違い。巻頭は共通に42P も割いている。石垣島は28Pでなんと通番74のうち景勝地の紹介は5までで残りの69は食事、カフェ、おみやげ、体験というとんでもないシロモノ。石垣島一番の景勝地、玉取崎展望台の載っていないガイド本なんて初めて見た。もちろん平久保崎などもなく、この石垣をみただけでこのガイドブックは決して買ってはいけないことが分かるだろう。西表島がたったの5P9番中6番まではショップのカヌー、トレッキング、シュノーケリングを載せたのでいいでしょうとでもいいたいのか。星砂の浜も船浮も出てこない、由布島は共通に載っていたが、他の西表の他社開催のカヌー&トレッキングのいくつかも含め共通にはあるが、共通部分は全て逆引きできないので意味がない。レイアウトも最低。竹富島はさらに5P13点が全てお店や体験の紹介で最大の売りのコンドイビーチが載っていないガイドブックはこの本以外ない。もちろんカイジ浜、西桟橋などあるはずもなく、ここまでくると編集者の頭の中を覗いてみたいほど。小浜島は3Pだがもともと観光的には目玉がないのにもかかわらず竹富と違って観光ポイントを集めたのでこれで十分。波照間島は5P。一番の売りのニシハマは小さくオマケ扱いで、断崖絶壁の高那崎が丸ごと1P使うなどまったく謎のレイアウトだが、ここも観光地主体なので有難い(笑)と勘違いしてしまうほど。与那国島はたった3Pでやってくれました、目玉の日本最西端の碑を完全スルー。立神岩もDr.コトー診療所もなし。これがガイドブックなのか?黒島は逆に3Pもあるので、仲本海岸、伊古桟橋だけでなく西の浜や黒島灯台まで載っていた(笑)ムックの八重山ガイドの最下位である。

やっと宮古島だ。20Pの中の36点中なんと観光地は6点だけであとは食事やカフェ、体験で、なんと沖縄ナンバー1ビーチに輝いた与那覇前浜が載っていないガイドブックは初めて見た(この前にも同じ文を書いた)。当然吉野海岸なども入るはずもなく、宮古島の魅力は少しも紹介されていない。伊良部・下地島は3Pで伊良部大橋のみ。下地島空港も通り池も完全スルーで、多良間島1Pは空港売店が載る有様。やはり宮古諸島のガイドブックとしてもダントツの最下位が決まった。両部門でのダントツ最下位である。クズ本。

 

☆アイランドガイド2八重山諸島「八重山諸島へオーリトーリ」(枻出版社)¥1000 2004年 144P 112Pまでがカラー)21×25.8cm ※評価:八重山1.5

八重山といいながら78Pまでは石垣島という石垣島特集本だ。いちおう小さい写真ながら玉取崎展望台や平久保崎、川平湾、米原ビーチ、御神崎などは紹介されているが、これだけページを取っていながら観光ガイドとしては不十分な量。それよりも飲食おみやげ中心だ。そのくせに焼肉「やまもと」が入っていない。竹富島は8Pもありながら体験、宿泊、飲食ばかりでなんとこの島に来た人は必ず行くとってもいいコンドイビーチが紹介されていない!カイジ浜もだ。何の観光地も紹介しないこのあきれた本の出版社は…と見たら上記のトリコガイドの枻出版社。2004年から11年も変わらない呆れた編集方針、ぶれないでさすがである(笑)どおりで初版で終わってしまったわけだ。西表島はたったの8P。一番大きな写真が陸路でいけない船浮のイダの浜で内離島の写真ならここを行くのは平田観光のみ、ああやっぱり平田観光の電話番号が載っている。浦内川観光、仲間川遊覧、由布島などの写真があって観光をやっている連絡先と、要はこの本は観光ガイドの会社に添って本を作っていることが分かる。そして飲食店とホテル。余ったから星砂の浜と月ヶ浜くらい小さく入れておいてやろうかというところ。小浜島は4Pではいむるぶし特集ってことで。あまった2か所は「ちゅらさん」関連施設を入れておくか。黒島は2Pだが、ここもやってくれました、最大の売りの仲本海岸を完全スルー。伊古桟橋と黒島研究所とプズマリはなんとか入ったのにね。西の浜?入る訳がない。波照間島は八重山一の美しいニシハマの写真をタイトルバックに持ってくるのが普通だが、断崖絶壁の高那崎の写真とは…。ニシハマは…小さい写真をなんとか発見。しかし日本最南端の碑をスルーという他の本にはないトンデモ紹介をやってくれました。与那国島は4P。大きく紹介するのは店主の顔写真も入った飲食店。余った小さなスペースは観光地を入れないとまずいな。仕方ないから西崎のついでに日本最西端の碑の方は入れておいてあげよう。小さいところに2つ写真だから碑はゴミくらいの大きさだ。D.コトー診療所やティンダハナタも入ったよというところ。八重山といっても鳩間島や新城島は除外しておきました。こんな本、誰が買うんだと言うシロモノ。

 

☆アイランドガイド3宮古諸島「ズミッ!宮古島」(枻出版社)¥1000 2005年 128P 112Pまでがカラー)21×25.8cm ※評価:宮古3

この枻出版社のガイドは歴代最低点のトリコガイド「石垣・宮古2016-2017」と、上記のアイランドガイド2八重山諸島「八重山諸島へオーリトーリ」とクズ本ばかりの出版社。この宮古諸島だけのガイドも紹介するだけ無駄…かと思いきやこの本は少しだけマシ。まず、宮古諸島は八重山に比べターゲットが半分以下なので絞りやすく、逆にこの出版社は「載せるべきものを載せない」という愚挙の連続だった訳だがターゲットが少ないので超有名なポイントは落とさなくなっていた。他の本では○○体験に大きくページを割くと、無駄なページ扱いになりがちだが、本書でもこの手は多く載っているがあまり気にならないのがミソ。ようやく中間に宮古島のビーチ特集4Pが出てくる。ここには吉野海岸、新城海岸、与那覇前浜の3大ビーチが揃ったのは◎。他に砂山ビーチや、池間島の食堂に行った後必ず階段を下りて池間大橋のを見上げるビーチへ出て写真を撮っていたがそこが「小浜」と紹介されていて名前があることを初めて知った。地味な知らないビーチがいくつか載っていたが、池間島のロープビーチのようなある意味、宮古島ファンには有名なところは入っていない。そして続く10Pが「宮古島島巡り」となっていていきなり2Pは見開きの西平安名崎のポール。ここは非常に美しいし、なぜか「世田谷まで1900㎞」の看板があって、住民の自分としてはなんとなく嬉しい気分にせてくれる場所。ただし残りの8Pはたくさんのポイントを紹介していくので一つ一つが小さく、特に来間大橋が小さい上に逆光で少しもきれいでないのはガッカリだ。そしてそのまま伊良部・下地島に同じレイアウトでつながる。たったの2Pで1Pは通り池をバックにタイトル。極小の下地島空港の写真は飛行機が見えないほど小さく、渡口の浜、佐和田の浜もオマケ程度の大きさで、ここももったいないとしかいいようがない。この本が出版された2005年はまだ下地島空港はJAL,ANAもバンバン訓練飛行の旅客機を飛ばしていて、ヒコーキマニア向けのDVDが数枚出るほどの多くの人に知られた人気スポットだった。特に下地島空港沖の海の色は、あの与那覇前浜を凌ぐ、輝く翡翠色の海で、八重山・宮古のビーチのベスト3(波照間ニシハマ、多良間ウカバ、下地島空港沖)に入ると確信している海であり、そこにあの巨大な旅客機が超低空で頭の上を横切って行くのだから最高に絵になる場所だった。宮古だけで一冊作るならここの写真だけでも2Pを割くのが当然なのだが、やはりこの枻出版社の編集者は無能としかいいようがない。多良間島2Pもふるさと海浜公園の小さな写真があるだけでウカバは知りもしなのだろう。それよりも島の飲食店の紹介の方が多い。結局、冷静に考えてみると、カラーページが112Pも与えられているのに、観光地紹介に使ったのはたったの18Pだけなのだから、もったいなことだ。まあいちおう漏れはないといことで少し点をあげておこう。

 



◎参考書籍(単行本サイズ)

☆「沖縄ビーチ大全505」写真:富山義則(マガジンハウス)¥2722 2014年 192P 18.5×22cm ※評価:八重山6点 宮古6点(努力はもっと高得点にしたいが写真の質が低い)

2005年に出版された沖縄県内347のビーチを20年間かけて撮影した「沖縄ビーチ大全」(当時は洋泉社から出版)という本が前身。ただし、干潮時の撮影、天気の良くない日の撮影だと、干上がって海水が僅かもしくは海底の茶色が見えていたり、珊瑚礁独特の翡翠色がどんよりした色になっていたり、全ての写真がベストな状態の写真では無く、特にその美しさで「ハテルマブルー」の名で知られる波照間島のニシハマは天気の悪い日の写真で少しも美しく見えず、買っただけで本棚に入れたままだった。そして9年度の2014年に「沖縄ビーチ大全505」と大幅に増やしてニリューアルされたので、期待して買ってみた。するとまず505とあるが実際は41788は文字でビーチ名だけリストアップしてあるだけ。9年間で増えたのは70ビーチのみ。前の「沖縄ビーチ大全」は2900円でサイズは15×22.5cm236Pだったが、この「沖縄ビーチ大全505」は2722円と安くなりサイズは18.5×22cmと幅が広がったがページ数は192Pと少なくなったので、当然ビーチのレイアウトは小さくなってしまった。八重山は112か所、宮古は63か所のビーチが紹介され、前は八重山92か所、宮古53か所と増えたので、期待はできるかも。この新版では絶対的な売りである前述のニシハマが晴れた日の写真に変わってよしと思ったが、竹富島のコンドイビーチなどは逆にクオリティの低い写真に入れ替わってしまい、いったい何が基準なのか…。他でも宮古島の新城海岸は干潮時ではないいい写真に入れ替えたが、Dr.コトー診療所の与那国島の比川浜、黒島の仲本海岸、下地島の空港沖の海、宮古島の砂山ビーチなどはきれいに見えない写真に変えられ、写真のチョイスの基準がまったく分からない。個人的に3大ビーチの中に入れている多良間島のウカバは干潮の写真で地面が見えていて美しくないまま放置された。同じく多良間の売りであるふるさと海浜公園はわざわざ干潮時の砂地が見える汚い写真になり、多良間のビーチはみな、浜辺を大きく写して海はちょっと入れるだけという謎の改変をされていた。そして重要なビーチの場所だが島の平面図に図示してあるが、辿り付くためのポイントがいまひとつ親切に書かれていないので、せっかく買った本だが前版も含めほとんど参考にできない。名も無いビーチを探すのは、ジャングルをかき分けていくと当然出てくるとか、難しい場所がかなりあるのだ。しかし改めて見てみると行かなかったビーチの多い事。ただここに載っているビーチが全てではない。というのもまず新城島(パナリ)のビーチが一つしか載っていない。というか一つだけ載ったパナリの浜は海からの撮影で上陸していないことは明らか。まず上地島桟橋横(向かって右)のビーチがあり、島の北側に白浜がずっと広がるビーチがある。恋路ヶ浜のビーチも有名だ。さらに下地島桟橋(向かって左)に白浜が広がるビーチがあり、この4か所はどれも見事なので、この取材抜きで「大全」と名乗っていいのか。さらに多良間島沖の宮国さん一家だけが住む水納島には桟橋左のビーチと、右には島の半周くらいつながる白浜の最強のビーチがある。どこまで行っても白浜と翡翠の海、時間帯によってはウミガメが集結するというこのビーチは宮国さんのチャーター船に乗らないと来られないので独占状態、この島の海は宮古島に住民達が「多良間もきれいだけど水納(みんな)が最強さー」と言うほど。その水納島は地図すらなく完全に無視された。大変な労作で、リニューアルまで9年間の期間がありながら最も重要な部分の取材をしないまま改訂版を出したのは、編集部の力がない証しだ。これらのビーチは八重山と宮古のコアなファンならだいたい知っている場所だ。例えば雑誌の「島へ。」ではパナリの下地島、宮古の水納島は見開き特集で何枚ものビーチの写真入りで紹介されていたし、パナリの上地島は数ページの特集になっていたほど。結局はこの新版も本棚に入れておくだけの本で終わりそうだ。

 

☆ポケットサイズ 「沖縄スノーケリングガイド」瀬戸口靖著(JTBパブリッシング)¥1200 2010年 144P 15×21cm ※評価:八重山6点 宮古7

著者は水中撮影のプロカメラマンで沖縄の中で50のシュノーケリングポイントを選んで詳しく紹介している。内、宮古諸島は9か所、八重山諸島は18か所だ。この本では筆者が実際に行って海岸からもしくは船でどのくらいの距離に珊瑚がいて水深はこのくらいと非常に具体的。まず宮古諸島だが、トップバッターはさすが、宮古島の吉野海岸だ。シュノーケリングに最適な環境とあり水深は0.5m2m、そう波打ち際にちょっと足のつかないところがあるのでそこだけ数m泳げればライフジャケットもいらない環境なのだ。もちろん満潮時の話。新城海岸は波打ち際に深いところがないので「吉野海岸よりさらに浅く小さな子供のいるファミリーにお勧め」とありそのとおり。ただし水深は0.53mとあるので奥に深い場所があるようだ。大神島の港の海カミカツはシュノーケリングポイントで知られており、宿泊施設の無い島なので時間がなく入れなかったが、本を見て行けばよかったと再確認。0.5m3m。イムギャーマリンガーデンはポイントを見つけらなかったが、外側の入り江で3mから5mの水深の部分では泳ぎが達者でないと。池間島の2か所(フナクシとタコ下)もそう。浅い部分もあるが深い場所は5m10mなのでこういう場所は油断ができない。いまだと伊良部大橋を渡ってすぐの下地島空港沖の海にポイントがあるとは驚きだ。1m4mの水深だそうだが、泳いでいる人を見たことがないので度胸がいる。中の島は行ったが見つけらなかった。2m12mの部分と言うので上級者向けだ。八重山も石垣の米原ビーチは何度か行ったがポイントを見つけられずこの本があれば…深くても3mなのである程度安全なビーチだった。その他八重山は数は多いが大半がボートで行って見られるポイントで、ビーチからすぐに行ける宮古とはそこが大きく違う。その他では波照間島のニシハマは何度も行ったがもっと沖の色が群青色に変わる部分に珊瑚があったとは…情報不足だった。ただあと2mくらいの水深からストンと5mくらいに深くなるそうなので注意が必要。八重山で有名な西表島の星砂の浜と、黒島の仲本海岸は浜からすぐに行けるが、3mくらいの深い場所もポツンとあるので気を抜いてはいけない。

 

◎おまけページ

☆ムックサイズ 「奄美群島観光ガイドブック」(ホライゾン編集部)¥1500 2009年 82P 21×29.7cm

沖縄に比べ、奄美諸島は人気がなく、日本全国を網羅する「まっぷる」「るるぶ」は人気の高い屋久島と種子島とのセットで出ているが、他の本はみな鹿児島もセット。ところがこのムックは奄美大島から先の島だけの特集で、奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の5島の特集で他にこういう本はない。個人的には沖縄本島に最も近く、海岸から沖縄が見える与論島に惚れ込んでいて、この島は島全部が美しいビーチに囲まれている奇跡の島、八重山にも宮古にもこれだけ極上のビーチが多い島はない。与論島目当てで買ったが、割かれていたのは6Pのみでいささかガッカリだった。

 

☆ムックサイズ 「沖縄の島遊び」(JTBパブリッシング)¥1048 2006年 128P 21×29.7cm

沖縄とあるが、副題は八重山と宮古島の10島の紹介のみ。観光ガイドではないので景勝地の紹介がなく、島別の「遊び方」がピックアップされている。そのため石垣島が16Pなのに西表島が20P と、楽しみ方が多い島の方がページ数が多くなっている。ただ西表でも4Pは「無人島置き去りツアー」が4Pで、これは西表からシーカヤックでパナリ(新城島)の下地島の方へ渡って一泊テントでキャンプするプランだ。下地島は無人島でなく、今は島全体が牧場になったので牧場の管理人が交代で住んでいて人口は1~3人はいるので無人島ではない。まあその管理人に会う事はないだろうから無人島気分は味わえる。小浜島はカヤマ島での1泊で、今、ここは本当に無人島。ウサギが一杯いるのでウサギ好き(我が家がそう)にはたまらない島だ。人工の音がまったく聞こえない世界は、実に新鮮な体験だ。波照間島は6月まで見える南十字星の観察で2P

 

☆ムックサイズ 「琉球ブック 特集八重山離島紀行」(山と渓谷社)¥933 2005年 130P 21×28cm

この本も観光地の紹介など一切なく、島別の楽しみ方をコラム的に紹介した本だ。巻頭は小浜島で染物、石垣島は島唄、黒島はシュノーケリング(仲本海岸含む)、竹富島は集落保存、西表島は西表島陸路横断紀行、パナリ(新城島)はパナリ焼き、与那国島は泡盛紀行、波照間島はパイパティローマ伝説(離島苦にあえいだ住民がさらに南に楽園があると集団脱島していった史実。その目指したと言う南波照間島は存在しないが、台湾かフィリピンのどこの島に到達したのかもしれないと言われている)、鳩間島は豊年祭と、観光とは全く違うテーマでページ数を取ってコラムにしているので、面白い。

 

☆ポケットサイズ 「沖縄の島へ全部行ってみたサー」カベルナリア吉田著(東京書籍)¥1600 2004年 192P 15×20.7cm

著者はレンタカーを使わずバスや徒歩、または自転車で移動し、民宿に泊まりながら沖縄を歩き回り、何冊も沖縄関連の本を出しているが、本書はその集大成の本とも言えるだろう。沖縄には46の有人島があり全部を回ったのだから凄い。私は八重山・宮古の20の有人島は制覇したが、沖縄本島まわりの離島には興味が持てず、唯一どうしても行きたかった南大東島には体が動けていた昨年行けたので、1日だけいたことがある本島と合わせて私は2246と言う数字はいかに大変だということが分かる。ただこの著者は私などとは興味の視点が違うので、ビーチのきれいさとか、シュノーケリングの楽しさには興味が薄いらしく、読んでいても、自分の知りたい部分は書いていない。島民との触れ合いを望んでそれを中心に書いているので、読み物としてみれば、それなりの情報は得られるかも。先に宮古諸島を3回の行程で完了させているが、ほぼ写真も情報もなかった大神島は、存在すらすら知らなかった唯一の売店の記述や数点の写真が貴重。また宮国さん一家の水納島も、新しいことは何も書いていなかったが、8枚の写真と文章で追体験できて良かった。八重山の方も3回に分けて言っているが、読み直してみたらパナリの下地島(人口は牧童役4人)と嘉弥真島(ウサギの島。レジャーアイランドだが管理人が住んでいて人口6人)には行っていないので、「全部」じゃないなということが発覚。パナリの上地島へ一人で渡っているので、他の観光客と違って島を歩く時の先導役がいないので、島の中を歩きはじめると、入ることがタブーのナハウガンや人魚神社などへ入るのではと地元のオバーが忍者のように姿を半分隠しながら付いてきたあたりの話は面白い。ただ波照間島へ行ってニシハマへ全くいかずに、島の民宿の中でも異常な量の食事を出すことで知られる「たましろ」を気に入っていて、そこで出会う旅行客との交流を楽しく描く筆者は、下記に紹介する島田紳助とは正反対の旅行者であり、私は島田紳助の方にシンパシーを感じるので、この著者の本はこういう人もいるんだという読み物の一環でしか読めない。少なくとも旅行ガイドには成りえない。

 

☆ポケットサイズ 「島田紳助のすべらない沖縄旅行ガイドブック」島田紳助著(幻冬舎)¥1100 2008年 120P 12×18cm

今や芸能界から完全に姿を消してしまった島田紳助だが、半端ではない沖縄好きで知られ、石垣島には自身の喫茶店を出し、宮古島は、石垣島の八重山に比べ常に半分以下の観光客しか集められないので宮古島への観光客誘致のために「紳助社長のプロデュース大作戦」という番組をTBSで開始し、事実、2009年に337千人だった観光客を番組の効果で翌2010年には404千人までアップさせたのだが、2011年の暴力団との交際報道をきっかけの芸能界電撃引退で番組も打ち切られ、観光客数も前の水準に戻ってしまった。著者の趣味なので行き先とプランもピックアップしたもの。宮古は特に来間島にある名もなき小さなビーチを見つけるが好きなようだ。また多良間島から水納島へ行くことも強く勧めていて、漂着した浦島太郎のように思えてきて時間の経過が分からなくなるというのはいい表現だ。八重山は、何も売りがない事が魅力だと力説する黒島のファン。自身の番組でも何回か黒島を舞台にしていた。芸能界引退時に報道陣が島田紳助の居場所を探し回っても見つけられなかったが、実はこの黒島にいたらしい。島で好かれていたからこそ、長期隠遁が可能だったわけだ。本書に書かれていることで、自分もいつも書いている事と一致したのが「沖縄に行くのは梅雨が明けた6月の終わりから夏休みに入る前の710日までが旅行代金が安く穴場。夏休みが始まるととんでもない値段に跳ね上がる。ただ値段が安いからといって12月から2月に行くと来る日も来る日も曇天で泣かされる」という記述。そして島田紳助の本音のコラムが納得。まずは波照間島での体験のようだが、大の民宿嫌いなこと。上記のカベルナリア吉田のお気に入りの宿を正反対の評価をしているのだ。というのはこの手の民宿は常連が仕切っていて夕食時は全員集合でそれぞれ自己紹介、何回泊まったなどが自慢の対象になる。民宿の人は常連にはなれ合あうが、新参者には平等に接するつもりはない。自分のこの手の民宿が煩わしくて嫌いなので、ビジネスホテルを常に利用するが、この点は一致する。あともう1点、文を読んで思わずうなずいてしまったのは「沖縄料理は本当にうまいのか」というコラム。彼は「沖縄料理は沖縄にいる間だけ食べられるジャンルの料理。うどんなら毎日食べられるが毎日ソーキソバはキツイ」というのはある程度真実を突いている。東京でもたまに取り寄せてソーキソバや、ナーベーラ(ヘチマ)、ジューシー、ジーマーミー豆腐を食べて舌鼓を打つが、毎日食べたいとは思わない。たまに食べるから美味しいのだ。ソーミンチャンプルーなどもそう。これは絶対的な好物と言えるのはタコライスくらいかな。そしてオススメの宿として石垣島の「ホテルピースアイランド石垣イン八島」をあげたこと。ロケーションがまず離島桟橋にあり、このビジネスホテルには各室に洗濯機と乾燥機があるのだ!海に行くと毎日洗濯が必要だが、ホテル内の洗濯機・乾燥機は取り合いになってしまうが、この宿にはその心配がない。この地味なビジネスホテルに目を付けたのはさすがだ。ただこのくらいが一致点で、その他の点は、島田紳助とは趣味が違うとしかいいようがない。一読してもいいかもしれないが、参考にはならない本だった。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿