Frankie Valli & The Four Seasonsのオリジナルアルバム18枚を紙ジャケでまとめた『The Classic Albums Box』は5800円という安さで度肝を抜いたが、他ではFrankie Valliのソロが8枚3300円、だがその他はMonkeesやDoorsなど多数のアーティストの5枚ものボックスが出ていてみな2600円で購入できるので非常にリーズナブルな時代になった。Holliesも既にデビューから5枚目までが『The Hollies Vol.1』でリリースされているが、これはお勧めしない。Holliesのグラハム・ナッシュが在籍した1963年から1967年のアルバム7枚(今回紹介するVol.2にも2枚入っている)に関しては日本のワーナーから2011年にリリースされたステレオ&モノ仕様+ボーナストラックを購入すべきで、同じくリリースされた『Hollies Greatest+Singles Vol.1』と「Vol.2」もステレオ&モノ仕様でこれも必須、さらにEPやライブ、コンピのみ収録のレアトラックのため『Clarke,Hicks & Nash Years:The Complete Hollies April
1963-October 1968』があるがCD6枚で3800円と安くこれでグラハム・ナッシュのいる黄金のHolliesは99%コンプリートになる。さてじゃあこのVol.2は何のために必要かと言うと、ご興味があればだが、5枚中3枚がグラハム・ナッシュの代わりにテリー・シルベスターが加入してからのアルバムが順に入りそれは1969年の『Hollies Sings Dylan』と『Hollies Sing Hollies』、1970年の『Confessions Of The Mind』の3枚だ。一緒に入っているグラハム・ナッシュ時代の1967年の『Evolution』(エレキがビンビン鳴る最高にキャッチーな「Have You Ever Loved Somebody」「When Your Light’s
Turned On」「The Games We Play」は無敵)と『Butterfly』(美しくまさに最高傑作)の2枚は、Holliesの頂点の2枚なので、ナッシュが抜けたこの3枚のクオリティの差には驚かされる。その後のHolliesのアルバムはまだまだあるのでVol.3も出るだろうから、1枚500円、この値段なら資料として買っておけばいいかという程度である。まずナッシュ脱退のきっかけ(一説)となった『Hollies Sings
Dylan』はなぜ、全曲オリジナルでやってきたホリーズがボブ・ディランのカバー・アルバムを作る必要があるんだというナッシュの言い分に納得させられる悲しい出来栄えだ。いくらきれいにハモっても少しも心に響かない。あと私自身、ボブ・ディランは正直苦手ジャンルなので、思い入れもない。次の『Hollies Sing Hollies』はオリジナルで、ソロだとメロディアスで甘い歌声の最高の曲を作るテリー・シルベスターの書いた曲に注目したが、ボサ・ノヴァ・タッチの「Look At Life」と牧歌的な「You Love ‘Cos
You Like It」がいい程度。アラン・クラークとトニー・ヒックスが書いた「Please Let Me
Please」はエレキギターがビンビン響いたポップな曲で良かったがその3曲くらい。『Confessions Of The Mind』で一番良かったのはナッシュの忘れ形見のいつもの3人の共作であるポップな「Survival Of The Fittest」で、その他ではテリー・シルベスターのミディアムのバラード「Isn’t It Nice」と哀調漂う「Man Without A
Heart」くらい。なお、シルベスターの3曲はみなアラン・クラークとの共作である。どうもシルベスターはホリーズにいるとホリーズのサウンドに合わせなければならず、持ち前のソングライターとしての力も、シンガーの力も出しにくいことが分かる。(佐野邦彦)
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