日本の音楽に疎いワタシ。松たか子の御主人だということもライナーを見て知った佐橋佳幸だが、日本のベストミュージシャンと全て仕事をしたと言ってもいい才人中の才人で、基本はギタリストで編曲者だが、作曲家、そしてソロ活動もあり、ともかく凄い人なんで驚いた。色々な人がこのCD3枚組の『佐橋佳幸の仕事』について語るだろうから、個人的にコレクティングしている大滝詠一と山下達郎の、本CDで初登場の音源だけ紹介させてもらおう。大滝は、『Each Time』のあと13年ぶりのソロ作品「幸せな結末」のためのリハビリに、知人(超豪華!)を集めて2ヶ月に渡ってセッションを行ったが、その幻のナイアガラ・リハビリ・セッションから「陽気にいこうぜ~恋にしびれて」が収録された。もちろんエルヴィス・プレスリーが歌った「Rip It Up」と「All Shook Up」であり、大滝は本当に楽しそうに大好きなプレスリー・ナンバーを歌っており、ギター・ソロは佐橋、鈴木茂、徳武弘文がかわりばんこに弾き、裏では村松邦男がバリトン・ギターでバックを担当というメンツ、これがリハーサルなんだから、いかに大滝先生の人徳が凄いかと言う証しでもある。もちろんこのセッションからの初のCD化だ。山下達郎はアルバム『COZY』とトップを飾る「氷のマニキュア」の間奏のギターを5人ものギタリストに頼んだが満足いくものにならず、佐橋を呼んでこれでダメだったらアルバムから外すと告げられた中でのレコーディングだったそう。もちろん緊張したそうだが、佐橋のソロは一発でOK。レコーディングは1時間で終了、山下先生は大いに喜んだという。確かに改めて聴くと、素晴らしいチョーキングの泣きのギターで、これは満点。本CDに収められた「氷のマニキュア(2015REMIX)」ははっきりと佐橋のギター・ソロを全面に出したミックスで、よくあるどこが違うのかよく分からないリミックスではない。終わりは少し短く編集されたが、こういうリミックスを山下が作ることは珍しく、山下の佐橋へのリスペクトの度合いが分かる。その他でも小田和正、槇原敬之、福山雅治、氷室京介、佐野元春、杉真理、竹内まりや、坂本龍一、大貫妙子、鈴木雅之、藤井フミヤ、GLAY,矢野顕子、渡辺美里、EPO、Peter Gallway、スキマスイッチ...などキラ星の曲が並ぶ。中にはダウンタウンの2人が変名でリリースした、まさにS&Gという爽やかなGEISHA GIRLSの「少年」という珍品?もあった。あ、もちろん奥さんの松たか子の曲もある。内容的には100点のこのCD、苦言を言わせてもらえばこのCDを購入したSony Music Shopの対応だ。このCDはソニーからのダイレクト販売とタワーレコードからしか購入できない。最初のうちはこのソニーのサイトだけで予約していたので予約したら、「いかなる理由でもキャンセルできません」というまあ強気な態度。ここで出しているリクエストが集まったところでリイシューするシリーズなら分かるが、これはタワーでも売っているものなのだ。案の上、タワーならタワーのポイントが付くし、キャンセルもできる。このサイトでソニーのポイントなんてもらったって使い道がない。これからSony Music Shopからの買い物はくれぐれもよく調べ、他のショップで売っているのならここで買うべきでない。要注意だ。そういえば、これから紹介するストーンズの歴史的ライブを映像とCDでリリースするFrom The Vaultシリーズを出しているWardレコードだが、ここも「いかなる理由でもキャンセルできない」と書いてある上に送料まで別にかかり、さらに定価販売。同じものをamazonでは送料無しでなんと23%引きで販売している。もちろんキャンセル可だ。このストーンズのシリーズも、Wardのサイトのみ販売でないことをよく確認してamazonなどで買わないと大損するので要注意。決して先にダイレクトで予約しないこと。ただ、このWardのメンテはよく、先日の1990年の東京ドームの初来日公演の映像+CDは、CDのチャンネルが左右逆ということが分かり、私のようなamazonで購入した人間も無料で交換してくれた。このあたりはいいね。(佐野邦彦)
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