、ブロンディのリード・ヴォーカルだと曲がさらに引き立ち釘付けになってしまった。
最後はブロンディのギター・ソロで締め、続いて『No Pier
Pressure』へ戻り、ブライアンとあとブロンディとアルがリードを取った「Sail Away」が登場。キャッチーなメロディとからみあうハーモニーが素晴らしい。この後にブロンディ&リッキーはいったん舞台の袖へ下がる。その後はマーク・アイシャムのトランペットの独壇場になる。「Half
Moon Bay」、続く「Don't
Talk」(WOWWOWでは放送せず)でのマーク・アイシャムのトランペットの音色にただただ酔いしれるばかり。ここも今回のライブのハイライトのひとつだろう。そして明るいネット・ルイスが登場、アルバムでリード・ヴォーカルを取った「Saturday
Night」を歌うが、明快なリード・ヴォーカルがピッタリでいい出来だ。そして引き続きネット・ルイスのリードでなんと『Carl
& The Passions』から「Hold On Dear Bother」を歌うが、これも感激だ。バックには曲を書いたブロンディとリッキーが再び登場、演奏とハーモニーを付けるが、最後のネット・ルイスの熱唱が素晴らしく、曲が終わった時にネットとブロンディが抱き合ったのが印象に残る。そのあとネットは「Darlin'」も歌う。カールもそうだったが、この高いキーの曲を裏声を使わず軽くこの曲のキーが出るからプロは凄い。この後はスタジオ録音の映像に変わり、シー&ヒムが登場、ブライアンが隣のブースに入ってカウンターのコーラスを付けるアルバムのボサ・ナンバー「On The
Island」も見もの。その後は同じくスタジオで「God Only
Knows」を歌う。シー&ヒムの個性に合わせた淡々としたとしたアレンジだ。ここからライブ会場に戻りいよいよアル・ジャーディンの出番だ。アルバムでアルがリード・ヴォーカルを取った軽快でコーラスが素晴らしい「The
Right Time」を歌った後は、「Wouldn't It Be Nice」と「Help Me Rhonda」でもリード・ヴォーカルを取って会場は一気に盛り上がる。やっぱりアルはオリジナル・メンバーの中で一番、声が出る。2012年のライブでも、マイクじゃなくアルがリードを取ればいいのにと思った曲が何曲もあったほど。アルの歌う「Help Me
Rhonda」は本当に盛り上がる。この後はブライアンはリード・ヴォーカルに戻りWOWWOWではカットされていた「All
Summer Long」が登場、ハーモニーが爽やかでいい仕上がりだ。最後はブロンディ&リッキーも戻り、「Fun Fun
Fun」で大団円。ここでライブは終わりだが、アルバムの「Guess
You Had To Be There」が小さくかかり、アルバム収録時の想い出をケイシー・マスグレイヴスが語っているところでエンド・ロール。このブルーレイを見て、今まで低評価していた『Carl
& The Passions』などの良さに気付かされた。ブロンディ&リッキーがいた『In Concert』のライブは、ビーチ・ボーイズの中でも最も充実したライブだったので、マイク&ブルースと別れても、この4人でライブを再びやって欲しいなあと改めて思った次第。ボーナス・トラックには本編に入らなかった『That's
Why God Made The Radio』からの「Pacific Coast Highway」「Summer's Gone」の2曲が見られる。現在のブライアンのキーで歌われる曲なので、ブライアンのヴォーカルも無理がなく素晴らしいコーラスに彩られ、しっとりとあじわい深い。もちろんWOWWOWの放送ではカットされた部分。付属のDVDはブルーレイとまったく同じ内容で、こちらもリージョン・フリーなのでブルーレイ再生機能のないパソコンの視聴には便利だろう。購入するのはこのサイトより。(佐野邦彦)
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