2015年8月8日土曜日

☆シュガー・ベイブ:『SONGS(40th Anniversary Edition)』(ワーナー/WPCL12160/1)☆大滝詠一:『Niagara Moon(40th Anniversary Edition)』(ソニー/SRCL8712/3)

入院している間に自宅に届いていたので、もうタイムリーじゃないなと書いていなかった2枚の発売40周年記念盤を退院して自宅で聴いていた。シュガー・ベイブの『Songs(40th Anniversary Edition)』(ワーナー)で「Down Town」がかかった時に、山下達郎ファンというわけではない妻が「40年前の曲?全然古くないね」とポツリ。この曲は「ひょうきん族」テーマソングにもなったので聴き覚えがあるから出たんだろうけど、本当に曲に古さがないのだ。この頃は『Physical Graffiti』や『Night At The Opera』『With You Were Here』『Burn』など大ヒットしていた時代だ。この時代にはない新しい音楽にトライしたのはよく伝わってくる。ただ1974年はビーチボーイズのベスト盤『Endless Summer』が全米1位かつトリプルプラチナになるなど、ハードな音楽だけが受け入れられて訳ではないことも事実。今回は30周年のアルバムをリマスター、さらに大滝詠一が音源を既に良好にデジタル化していたことからリミックスもつくられ、どちらも収録された。その違いに関しては、私は詳しく言及できない。このアルバムが最初にCD化された1986年版は吉田保がリミックスしていたので、一発で「違う!」と分かったものだが、山下達郎本人のリマスター&リミックスなので、原曲の雰囲気を壊すような変更はない。そこは耳のいい他の方にまかせるとしてボーナストラックのみの変遷だけ押さえておこう。ボーナストラックが入ったのは1994年のオリジナル・マスターのEast West盤(1999年のWarner盤も同じ)。ここで「Show」「夏の終わりに」「指切り」「パレード」のデモが収録(1981年の『Niagara Fall Stars』で2曲、1996年の『Dawn In Niagara』で全曲が既発表)、さらに1976331日~41日荻窪ロフトのライブ「すてきなメロディー」「愛は幻」「今日はなんだか」が初収録された。2005年の30周年記念盤では、アルバム本体は大滝詠一のリマスター。ボーナスは1994年版のデモ4曲(「夏の終わりに」はリミックス)に加え、19744月池袋シアターグリーンのライブ「想い」「いつもどおり」が初登場、さらに初登場で「ためいきばかり(Diff.Mix Version)」「SugarWild Mix Version)」「Down Town(カラオケ。ただしクラビネットが入っておらず10秒短い)」が入り、1994年版のライブは差し変わった。そして今回の40周年記念盤だ。ディスク1のボーナスは1994年版のボーナスと同じ荻窪ロフト解散ライブより197641日の「パレード」「こぬか雨」「雨は手のひらにいっぱい」。そしてたとえ音質が劣ってもシュガー・ベイブ史上ベストライブと山下本人が言う1976128日仙台電力ホールでの「Windy Lady」「Down Town」「愛は幻」「今日はなんだか」がFMでは放送していたがついに初のCD化。ディスク2は「今日はなんだか(Original Piano Version)」は大貫のピアノが元の消されず残っていたのでそれを収録したもの。「Down Town」は1975717日文化放送の番組エアチェックでクラビネットが入っている。「風の世界」は1975912日中野公会堂の大貫ヴォーカルのライブ。そしてリミックスの際に作成できた「Show」「Down Town」「蜃気楼の街」「いつも通り」「雨は手のひらにいっぱい」のカラオケ5曲。これは「Down Town」も含め真正カラオケである。ということで、1994年版、30周年記念盤、40周年記念盤の3つはそれぞれ違うので必須アイテム。1975年の「Down TownSingle Version)」はモノラルに近いミックスだったが、それは1982年のCDシングルに収録されている。(マスターがないのでそっくりに作ったとも言われている)あと『SONGS』の1986年の吉田保ミックスは、ヴォーカルのエコーが深く誰でも分かる別ミックスなのでこれは聴いておくべき。単品より初代『Niagara CD Book1』がオススメ。こちらの大滝詠一の『Niagara Calendar』も吉田保のミックスによるエコーが深く、特に「Blue Valentine's Day」はエコーたっぷりで、個人的には気に入っている。(もともと好みが『ロンバケ』以降なんでネ)少し前に出た大滝詠一の『Niagara Moon40th Anniversary Edition)』(ソニー)はのディスク1は大滝が計画したものの未発表で終わった1995年リミックス・ヴァージョンを計画した曲順に通りに収録した超マニアックCDだった。サイダーが75だけだったり、冒頭の「Niagara Moon」もなく、歌詞も一部違うなど、別モノなので、オリジナルの仕様30周年記念盤を持っていないと意味がない。ボーナスは超豪華で、77年の「ファースト・ナイアガラ・ツアー」から「ナイアガラ・ムーンがまた輝けば 」「三文ソング」「論寒牛男」「きみに夢中」「楽しい夜更し」「シャックリ・ママさん」「ハンド・クラッピング・ルンバ」「福生ストラット (パートII)」と8曲のライブが高音質で収録され、FM放送があったと言うがまずビックリ。そしてこちらは完全未発表のアーリーミックスに大滝が鼻歌程度の歌を入れたDemonstration Rough Mix Version12曲も収められた。30周年記念盤で登場した未発表曲「ジダンダ」「夜の散歩道」のデモもあったが、ムッシュかまやつに提供した「お先にどうぞ」のデモがあったのには驚いた。リード・ヴォーカルはなく演奏とバックコーラスのみのデモ。ディスク2も完全コレクター向き。(佐野邦彦)








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