2015年7月13日月曜日

☆Various:『Happy Lovin' Time Sunshine Pop From The Garpax Vaults』(Big Beat/CDWIKD328)


詳細が分からず注文し、今日アマゾンから届いたこのCD:Happy Lovin' Time Sunshine Pop From The Garpax Vaults(Big Beat/328)は、久々に興奮させられた、最高の研究対象CDだった。まずこのレーベルのBig Beatは、徹底的な発掘と詳細な解説で他の追従を許さない世界最高のリイシューメーカー。そしてここがキモ。「Garpax」とはゲイリー・パクストンの略だったのだ!昔から注目していたこの名前、カート・ベッチャーのワークスを追っていれば必ず気づく、要はフィクサーのような人物( A&Rマン)なのだ。タイトルのサンシャイン・ポップだが、私はソフト・ロックと呼ぶものもあったが、要はソフト・サイケ。この世界は奥が異常に深い。本も複数出ているし、研究しているオーソリティーは世界中にいる

ゲイリー・パクストンはアメリカ西海岸だが、このジャンルのファンは米英どころか日本からさらに他の国まで同じサウンドのレコードを探し回っている。残念ながら私はこの道の研究者ではないので、ここに集められた初めて聴く25曲(内14曲は初登場の未発表曲)を聴きながら、Big Beatがまとめたゲイリー・パクストンの証言を始め、今回、私は初めて知ったケニー・ジョンソンという有能なミュージシャンの言葉など、もう知らなければいけない事が山ほどあるので、これ以上、適当な紹介はしたくない。お知らせするのはこの手の60年代後半のロック・ミュージックが好きな人なら絶対、購入すべき重要なコンピレーションが出たぞ、という事だ。ゲイリー・パクストンとカート・ベッチャーは有名どころではアソシエイション、トミー・ロウ、エタニティーズ・チルドレン、ミレニウムなどがあり、シングルやアルバムでヒットしなかったものを入れれば数多くあるので、私を含め多くのファンがコレクティングに励んでいるが、ここはこの時代にあっても未だにCD化の及ばない稀有な世界。今後、特にOur Production名義関係のCD化が望まれる。さて、最後にここにカート・ベッチャーの未発表曲は2曲。1967年初期に録音された「Christina In My Dreams」は翌年バーズに加入するジーン・クラークと、ゲイリー・パクストンの奥さんのジャン・パクストンの共作で、ハーモニーも加えたきれいなメロディを持つソフト・サイケ風の曲だが、最後のリズム・チェンジなどエタニティーズ・チルドレンを彷彿とさせられる。「Stay」の作曲者はジャズ・ピアニストのジーン・デノヴィと書いてあるが、それはインナー・ダイアログのリーダーに間違いない。それならさぞやこじゃれた佳曲と出だしは思ったが、特に盛り上がりもなく終わる。演奏も簡潔だしこれはまだデモかもしれない。どちらもハイトーンのカート・ベッチャーのリード・ヴォーカルが印象的。(佐野邦彦)





 

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