フーの結成50周年を記念したベスト・アルバム。先に結成されたビーチ・ボーイズの「50 Big Ones」とローリング・ストーンズの『Grrr!』と同じく、50周年なんで50曲をセレクトした...という同じ発想、この2-CD Deluxe Editionだと50曲なのだが、中1の1970年から聴きはじめた44年来のフーのファンとしては、耳タコの曲ばかりで、買ったのは唯一の新曲「Be Lucky」が聴けるため、その1点だけである。そういう意味では、長年のファンは曲の少ない1枚ものも出ていて、そこにも収録されているので、安価な1枚ものでも十分かもしれない。50曲の選曲は順当だが、やはり冒頭は「I Can't Explain」で始めて欲しいところ。ただ自分で選曲すれば大好きな『Tommy』と『Sell Out』からのアルバム曲をもう1曲は足すけどね。「Go To The Mirror」なんて自分にとってはベストの曲で、1970年に初めて聴いた時から惚れ込んで一押しなんだけど、まあいいとこ取りの曲なんであまり話題にならないのが残念。「Little Billy」も大好きなんだけどなー。さて、肝心な「Be Lucky」はザックのドラム、ピノのベースといった信頼できるサポート・メンバーの安定した重量感のある演奏に、ポップなピートらしいメロディ、そして相変わらず力強いロジャーのボーカルと、フーらしさが全開で嬉しいところ。バック・コーラスにビリー・ニコルスの名前を見つけてそれも嬉しいプラス要因。この1曲でCD1枚十分です。なお「Boris The Spider」はNew Mixでサビのミキシング処理など異なる。この曲は2枚組だけなので、そこまでこだわるファンはやっぱりこの2枚組だね。(佐野邦彦)
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