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2013年9月4日水曜日

☆Moody Blues:『Timeless Flight』(Universal/534248-2)CD+DVD




ムーディー・ブルースのCD11枚、DVD6枚というとてつもないボックス・セットがリリースされた。ただし、私のような第1期黄金期というべきか1967年の『Days Of Future Passed』から1972年の『Seventh Sojourn』までをこよなく愛するファンにとっては、活動休止後、特に1978年の『Octave』からの第2期黄金時代以降の作品には興味がなく、その部分をカットすると初登場音源のBlue JaysCD1枚、初ディスク化の初期映像のDVD1枚だけが欲しくて大枚はたいてこのボックス・セットを入手した次第。
CD13までがデビューから第1期黄金期+ジャスティン・ヘイワード+ジョン・ロッジのBlue Jays、レイ・トーマス、グレアム・エッジ、マイク・ピンダーの197576年にリリースされたソロからの抜粋で、珍しい音源はない。ディスク45は第2期以降の音源。ディスク6は第1期だが『Caught Live+5』のスタジオ部分がないライブ部分のみの収録で既発。価値があるのはディスク7でジャスティン+ジョンのBlue Jaysの未発表ライブが13曲収録された。ランカスター大学で197512月に録音された音源で音質は非常に良い。13曲中ムーディー・ブルースが8曲、Blue Jay5曲なので我々ムーディーズのファンにはとても聴きやすい内容だ。アルバムもそうだったがムーディー・ブルースの中核の曲を書いたこの2人のソングライターだが、やはりジャスティン優先は厳然としてあり、このライブもジャスティンの曲が9曲、ジョンの曲が3曲、共作が1曲である。キーボードは入っているが、マイク・ピンダーの幽玄のメロトロンではないのでプログレッシヴ色は薄い。しかし曲が「Tuesday Afternoon」「Isn't Life Strange」「New Horizon」「Emily's Song」「Nights In White Satin」「Question」など、歌もアレンジも同じ、これで悪いわけがない。
ディスク8~11は第2期以降のライブである。DVD1枚目は価値が高く、1968年「Colour Me Pop」出演の7曲をはじめ10曲の第1期黄金時代のプロモ・ライブ(口パク)が楽しめる。「Colour Me Pop」の7曲は全て『In Search Of The Lost Chord』からの曲で、メンバーはみなスーツ姿、ネクタイやスカーフでとてもジェントルな雰囲気、でもムーディーズはこの姿がよく似合う。特に気品溢れる王子様、ジャスティンはラフな格好よりフォーマルな方が似合う気がする。最後の「Om」ではジャスティンがシタールを弾いたり、ジョンがコントラバスを弾いたり、グレアムがコンガなどいつもと違う姿が楽しめる。まあYou Tubeでお馴染みの映像なのだがDVD化されたのは初めてだ。その意味でさらに光るのがルルの番組1970年「It's Lulu」でのジャスティンの名曲「Question」である。これもみな口パクだが、ムーディー・ブルース全盛の姿を見られて嬉しい。気品があるよね。「Beat Club」出演時の「Nights In White Satin」や「I'm Just Singer(In A Rock And Roll Band)」のプロモは既にLDなどでお馴染みの映像だ。後者はちゃんとカラー版を収録。You Tubeでは白黒ライブの「Have You Heard-The Voyage」などが見られるのでコンプリートにして欲しかったが...DVD21970年のパリのTV主演時の口パクライブで「Candle Of Life」「Gypsy」など選曲は最高だが、これは既に『Lost Performance』のタイトルでDVD化された既発作品。万が一未見の人がいたら絶対見るべき映像である。DVD3は第2期以降のライブである。DVD4~6は第1期の『In Search Of The Lost Chord』を除く6枚のアルバムの5.1サラウンド盤だが、家にその環境がないので現在、個人的には不要。選曲が少ないのでボーナス・トラック付のオリジナル・アルバムはすべて必要だし、1970年のワイト島のライブ、BBC音源も入らず、100枚以上のブックレットがあるにしてもコストパフォーマンスはずいぶん高く付いたボックス・セットだった。(佐野邦彦)


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