☆Beatles:The Beatles Bootleg Recordings 1963(iTunes Only)

先に紹介したビーチ・ボーイズの『The Big Beat 1963』のダウンロード・リリースと同時にビートルズも『The Beatles Bootleg Recordings 1963』のタイトルで59曲をダウンロードのみでリリースした。ビートルズの方は日本のiTuneで販売しているので、入手は簡単だ。ビーチ・ボーイズの音源は初登場がほとんどで、世界有数のビーチ・ボーイズ・コレクターが提供してくれた渾身のアルバムだったが、ビートルズはほぼブートレグで聴ける音源で、59曲中42曲がBBCライブ、アウトテイクとデモは17曲のみと、出し惜しみ感満載だ。BBC音源は貴重だが、音質はそれなりにしかならないので、高音質のアウトテイクでブートレガーを叩きのめして欲しかった。この内容で6000円はちょっと高いんじゃあ...。でもビートルズ・ファンなら買うしかないんだよなあ。
　まずはデモから紹介。ビリー・Ｊ・クレイマー＆ザ・ダコタスの大ヒット「Bad To Me」とフォーモストのスマッシュヒット「I'm In Love」の2曲。どちらもジョンのギターとピアノの弾き語りでお馴染みのデモだが、いい曲だ。アウトテイクは15曲だが、2テイク以上が4曲あるので、実質は9曲である。「There's A Place」３テイク、「Misery」「From Me To You」「Thank You Girl」2テイク、「One After 909」「Hold Me Tight」「Money」「A Taste Of Honey」「Do You Want To Know A Secret」「I Saw Her Standing There」は1テイクで、音質は最高、おまけにステレオで、これはブートでも聴けない。特にピアノが入っていない「Money」は初登場ではないか。BBC関係は42曲で、Pop Go The Beatles17曲、Saturday Club10曲、Easy BeatとSide By Side、From Us To Youが4曲、Here We Go登場が2曲なのでそれぞれの番組でのダブりがあり、実質的な登場曲数は24曲である。観客入りのライブであるEasy Beatの「Love Me Do」はちゃんと完奏するが、これは新鮮。ビートルズとして公式リリース曲が大半で、BBC等で聴くことが出来た曲は5曲で1トラックずつに留まる。この24曲は全て『Live At The BBC』『On Air Live At The BBC Vol.2』に収録されているので、初登場はないが、間奏が違うなどの違いは楽しめる。(佐野邦彦)