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2013年12月7日土曜日

◎THE BEACH BOYS COLLECTING GUIDE 遂に完成

お待たせしました。遂に真打、ビーチ・ボーイズのコレクティング・ガイドの登場です。なにしろ『The Beach Boys Complete Revised Edition』をシンコーミュージックから1年前に出したばかり。このガイドを作るために、特にステレオとモノの違いを徹底的に聴きこみ、この本の修正をこのガイドで果たした。そういえばこの本を作る作業も病院の中だった。もう1年以上経つのに、未だ病院の中。でも転院した東京の女子医大病院で、4週に1回の辛い辛い化学療法の副作用は使う薬剤が変わって一気に解消、リハビリも進んで、自宅へ帰ってもずっと入れたままと覚悟していた尿カテーテルを4か月ぶりに抜くことができた。ベッドから車椅子に乗って用を足すのももう看護師の見守りなし。一生麻痺と思っていた下半身も少し動くようになり、歩行器で歩行練習をできるまでになった。12月後半には退院できる。治療が終わればあとはリハビリの期間なので、3週間近くかけてじっくりとビーチ・ボーイズの音源再チェックをすることができた。曲名が同じなので、同じものと思い込んでいた曲が、実は編集が違っていたり、ミックスが違っていたりと、発見の連続。『The Beach Boys Complete Revised Edition』には載っていない情報が山ほどあるので、ビーチ・ボーイズ・ファンは絶対に次ページをクリックしよう。

(2016年6月現在)

 THE BEACH BOYS COLLECTING GUIDE

 ☆オリジナル・アルバム

(オリジナル・アルバムと、そのボーナス・トラックに関するその他のヴァージョンは何があるのか、次の「必要なコンピレーション盤」の内容まで前倒しして徹底的に紹介している、またステレオとモノの違いも徹底調査した。)

1962 『Surfin' Safari1990 ReissueCapitol)※『Surfin' USA』との2イン1。ボーナスで未発表の62年の「Cindy Oh Cindy」、「Land Ahoy」、63年の「The Baker Man」を追加。本盤はモノだけで、他に疑似ステレオ盤が存在する。

(注:『Good Vibrations Box』『Made In California』収録の「Surfin' Safari」のモノは12秒長く完奏するまで収録、「409」のモノは6秒長く自然に歌を止めるところまで入っている。また「Surfin'」(『Made In California』では「Surfin'(With Session Intro)」も冒頭にやり直し部分など入っている。また『Surfin'』収録の「Surfin'」は4秒長く完奏している。なお「Surfin' Safari」の当時のキャピトルのシングルにはエコーがかかっているが『The Beach Boys Single Collection』でしか聴くことができない。また62年に西ドイツのAriolaレーベルのみリリースのラフなヴァージョン「Surfin' SafariGerman Ariola Version)」は、『Lost And Found』でCandix Overdubbing(初登場のステレオ)と、『Surfin' 1962』(盤起こしなのでモノ)に収録。なお「Surfin'」はモーガン・テープの他に、『Good Vibratiosn Box』に1961年の伴奏なしの「Surfin'(Rehearsal)」が収められ、『Made In California』『Hawthorne CA』には同じ年に収録されたギターの伴奏付のものが「Home Recordings/Surfin' Rehearsal Highlights」等のタイトルで収録された。モーガン・テープでは『Lost And Found』にCandix Versionの「Surfin'(Single Version)」含む3テイク、「Surfin' Safari」は上記のCandix Orverdubbingを含め3テイク収録。ただし『Surfin' Safari』のアルバムでは「Surfin'」はフェイドアウトを早くして使ったが、「Surfin' Safari」はCapitolで録り直したヴァージョンを使っている)

2013→『Surfin' 1962』(Rock Melon)※著作権50年切れで出たCD。『Surfin' Safari』のモノ盤に、前述の「Surfin' SafariGerman Ariola Version)」のレコードからおこしたモノヴァージョンや、Candixからのファーストシングル「Surfin'(Single Version)」「Luau」やブライアン・プロデュースのレア盤を加え、さらにあろうことかビーチ・ボーイズのブートレグ・シリーズの名作『Unsurpassed Masters』より「Heads You Win,Tail I Lose」「County Fair」「Cuckoo Clock」「Summertime Blues」「Land Ahoy」「Cindy Oh Cindy」はインストや歌の練習と本番テイク、「Little Girl」とBob & Sheri用の「The Surfer Moon」のインストをボツテイクなど含めて丸ごと収録した。怪しいCDだが違法ではない。
1963 『Surfin' USA1990 ReissueCapitol)※『Surfin' Safari』との2イン1。ボーナスは同上。
(注:『Made In California』収録の「Lonely Sea」のモノは11秒長くリフレインが2回多く聴ける。冒頭にTake2の声入り。そして「Surfers Rule (With Session Intro)」はマレーの指示とイントロの練習部分も聴ける。『Hawthorne,CA』では「Surfin' USABacking Track)」と62年「Surfin' USA(Demo)」も入っている。『Good Vibrations Box』の「Surfin' USADemo)」はブライアンのピアノ弾き語りなので、後半にドラムが入る前者とは別ヴァージョン。)
1963 『Surfin' USA2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。
Lana」...モノは9秒長く、ステレオではフェイドアウトしてしまう後、ドラムが入ってさらにリフレインが続く。ブライアンのアドリブヴォーカルが聴ける。
Finders Keepers」...モノは3秒長いが、マイクのセリフが少し長く入っているだけ。
1963 『Surfer Girl1990 & 2001 ReissueCapitol)※『Shut Down Volume 2』との2イン1。ボーナスで「Fun Fun Fun(Single Version) ...他でも多数収録、と未発表の64年「In My RoomGerman Version)」、63年「I Do」が追加された。まず「I Do」は1990年リイシューではモノ、2001年のリイシューではFalse Startも加わったステレオで、さらに「In My Room」(German Version)のア・カペラ30秒がシークレット・トラックに入っていた。このア・カペラは終始するところまで聴ける。次に「In My RoomGerman Version)」だが、初出は『Rarities』でモノだったが本盤はステレオで収録されており、2001年のリイシューではさらに冒頭にカウントが入っていた。
(注;『Good Vibrations Box』にイントロのコーラス付のまったくの別テイク「In My RoomDemo)」収録。『Endless Harmony Soundtrack』の初版はコーラスと演奏を片方ずつに振り分けた「Surfer Girl(Binaural Mix)」、改訂版にはヴォーカルを全面に出し演奏を極端に小さくミックスした「Surfer Girl(Vocal)」が収録されている。『Hawthorne,CA』ではラフでメロディも少し違う63年『Little Deuce Coupe(Demo)』を聴くことができる。モーガン・テープでは『Lost And Found』に最初期の「Surfer Girl」収録)
1963 『Surfer Girl2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。
Catch A Wave」...モノは11秒長く、最後のリフレインがステレオでは2回だが、4回聴ける。
The Surfer Moon」...モノは4秒長い。エンディングの編集が違っていて、最後のmoon最後のコーラスがステレオでは2回目で上昇するが、モノでは2回同じメロディで歌ったあと3回目で上昇する。
South Bay Surfer」...モノは5秒長く、ドラムが入ってさらに歌が続く。
Little Deuce Coupe」...モノはシングル・ヴァージョンで9秒長く、1回多いリフレインの後、ブライアンの上昇していくアドリブヴォーカルで終わる。ただし『The Beach Boys Single Collection』などのモノはさらに3秒長く、ライブのように上昇し終止する寸前まで聴くことができる。
Our Car Club」...ステレオは6秒長く、最後のリフレインはモノでは3回目の途中で終わるが、ステレオは4回入っている。
Hawaii」...モノは3秒長く、ステレオではブライアンの上昇するファルセットで終わるが、先のコーラスまで聴ける。
Your Summer Dream」...モノは6秒長く、ブライアンのリフレインが1回多く入っている。
1963  Little Deuce Coupe 1990 ReissueCapitol)※『All Summer Long』との2イン1。ボーナスで「Be True To Your School」(Single Version)...(他でも多数収録。)、未発表の64年「All Dressed Up For School」は、他に『U.S. Singles Collection』『Made In California』にはモノヴァージョンが収録され、『Keep An Eye On Summer』の「All Dressed Up For School(Session Highlights And New Stereo Mix)」は歌の途中までの練習後に本番テイクが入っていた。全く別のバック・コーラスが付けられていた64年「Little HondaAlternate Version)」は、他に『Keep An Eye On Summer』で、頭に長いスタジオ・チャットが付いた「Little Honda(Alternate Version Session Highlights And New Stereo Mix)」として登場した。メロディがまったく違う64年「Don't Back Down(Alternate Version)」も、他に『Keep An Eye On Summer』で、エンディングが18秒長く聴けるものが「Don't Back Down(Alternate Version New Stereo Mix)」として登場していた。
1963 『Little Deuce Coupe2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。
Spirit Of America」...ステレオはモノより2秒ほど長い。
※「Our Car Club」のステレオは『Surfer Girl』と同じなので6秒長いが、「Little Deuce Coupe」のモノはなぜかステレオをモノにしただけ。よって短い。
1964 『Shut Down Volume 21990 ReissueCapitol)※『Surfer Girl』との2イン1。ボーナスは上記の『Surfer Girl』参照。
(注:シングル・ヴァージョン「Why Do Fools Fall In Love」はイントロのドゥワップ部分にコーラスが入っているが、このアルバム・ヴァージョンには入らない。シングル・ヴァージョンは『U.S. Singles Collection』や『The Warmth Of The Sun』に収録され、前者には中間のア・カペラを頭に入れたニューミックスも登場した。さらに『Summer Love Songs』には初登場のピアノや鉄琴のイントロまで入ったシングル・ヴァージョンが収録されている。そして『Keep An Eye On Summer』には前述のピアノイントロの練習のあとにインストががいいたSession Hiighlight入り、次に「Don't Worry Baby」の1964年当時プレスされたアナログ・モノ・シングルはフェイドアウトが僅かに長く、消えていく部分のボリュームを上げると、上昇していくブライアンのアドリブヴォーカルまで聴ける。シングルの最初のスタンパーの溝がそこまであったということだが、アルバムや後のリイシュー・シングル、CDでは聴くことができない。ただしそこにこだわってアナログ起こしで作った、日本のみで93年にリリースされたボックス・セット『The Beach Boys Single Collection』でのみ、聴くことができる。そして『Made In California』では「Don't Worry BabyStereo Session Outtake With Alternate Lead Vocal)」というまったくの別ヴォーカルのヴァージョンが収録され、その上昇していくメロディを全て聴ける。『Keep An Eye On Summer:The Beach Boys Session 1964』(以下『Keep An Eye On Summer』)にはセッションの後にリード・ヴォーカル抜きヴァージョンが聴けるSession Highlights And Instrumental Mix With Backing Vocalは、「Don't Worry Baby」と「Pom Pom Play Girl」で完奏、「The Warmth Of The Sun」は3回のリフレインあと4回目の頭でフェイドアウトしていた。『Made In California』の「Pom Pom Play GirlVocal Session Highlight)」はリード・ヴォーカルも入っていて、これもより長く曲が終止するまでと録音風景を聴くことができる。終止の仕方が違うのでこれらは別テイクだ。セッションと演奏だけは『Keep An Eye On Summer』の「Fun Fun Fun(Session Highlights And Stereo Mix)」で、まずおふざけの歌の後、練習が2回でのイントロのギターが異なり、サックスがAメロでも2番から全面的に入る。最後のインストはイントロのギター、間奏のオルガンもレコードと同じで、サックスは2番からサックスなしとありで2小節ずつ入ってくるように変わり、完奏する。さらに演奏部分だけは小さく入れたア・カペラ・ヴァージョンの「Fun Fun Fun(A Cappella)」も収録。『Hawthorne,CA』の「Fun Fun FunBacking Track)」には間奏のオルガンがなくフェイドアウトしていた。『Keep An Eye On Summer』の「Keep An Eye On SummerInstrumental Mix With Backing Vocals)」はリード・ヴォーカルだけが抜かれていて、5回目のリフレインの頭で完奏する。そして「Denny's Drums(Session Highlights And Alternate Take)」は1分以上長く、前半にはギターのリフが入っていたのにはビックリさせられた。最初にバックトラックに合わせて歌っているが間奏で中断、以降は、ア・カペラになるのが「In The Parkin' LotSession Highlight And A Cappella Mix)」で、「Pom Pom Play Girl(New Stereo Mix)」は、最後の男性の声が大きくミックスされるなど僅かな違いがあった。)
1964 『Shut Down Volume 22012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。
Fun Fun Fun」...モノはシングル・ヴァージョンで12秒長く、ステレオではブライアンのファルセットのリフレインが2回だが、モノは4回聴ける。(注:『Made In California』収録のステレオは収録が長く3回聴ける)。
In The Parkin' Lot」...ステレオは5秒長く、マイクの「ダーダー」の低音コーラスが1回多く入ってさらにコーラスが続く。
The Warmth Of The Sun」...ステレオはモノより2秒長く、3回目のファルセットまで入る。なお『Made In California』収録のステレオは3回目の最後まで聴けてさらに長い。
1964 『All Summer Long1990 ReissueCapitol)※『Little Deuce Coupe』との2イン1。ボーナスは上記の『Little Deuce Coupe』参照。
(注:『Good Vibrations Box』では片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「All Summer LongVocal)」があり、6秒長く歌が上昇して演奏だけになる部分まで聴ける。また「Wendy(Vocal)」も9秒長くリフレインが続いたあとのギターソロまで入っている。「Hushabye(Vocal)」は元が自然終止しているので長さはほぼ変わらない。これらは『Keep An Eye On Summer』で、ア・カペラだけで「I Get AroundA Cappella)」「All Summer LongA Cappella)」として登場、これにスタジオ・セッションの模様を頭に加えたのが「WendySession Highlight And A Cappella Mix)」で、最初にバックトラックに合わせて歌っているが間奏で中断、以降は、ア・カペラになる。「All Summer Long(Session Highlights And Stereo Mix)」はマリンバの練習が何度も続いた後、インストで完奏。セッションの後にリード・ヴォーカル抜きが聴ける。「Girls On The Beach(Alternate Version Session Highlights And Master A Cappella Mix)」は一オクターヴ低いリード・ヴォーカルで若干ふざけて歌い、ハーモニーの練習の後、ア・カペラになる。演奏の練習のインストから完奏する「I Get Around(Session Highlight And Instrumental Mix)」だが、クレジットにはwith Backing Vocal」とあるが、コーラスは入っていない。『U.S. Singles Collection』にはバックトラックのみの「I Get Around(Backing Track)」、『Made In California』では冒頭に練習部分が入った「I Get Around(With Session Intro)」を聴けるが、この『Keep An Eye On Summer』のものは倍近く長い収録である。)
1964 『All Summer Long2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1
Hushabye」...長さは同じ。しかしモノではフェイドアウト気味に編集されているが、ステレオは絞らずにしっかり完奏する編集である。
Carl's Big Chance」...ステレオはモノより22秒長く、カールのアドリブギターが長く聴ける。ドラムのブレイクも1回多い。
Do You Remember」...モノはステレオよりフェイドアウトが遅く、ブライアンのファルセットのアドリブヴォーカルまで入っている。スピードの関係で尺は同じ。
Don't Back Down」...モノは8秒長く、ステレオでは最後のリフレインが入ったところで終わるが、モノでは3回目まで入っている。
1964 『Beach Boys Concert1990 & 2001 ReissueCapitol)※『Live In London』との2イン1。ボーナスで「Don't Worry Baby」(64年のLive)、「Heroes And Villains」(67年のライブでボツアルバム『Lei'd In Hawaii』用)を追加。1990年版では「Johnny B. Goode」のバックが大きくヴォーカルが小さいミックスだったが、2001年版リイシューではヴォーカルがはっきり聴こえるLPのミックスに戻している。ステレオとモノ共に「Johnny B. Goode」ははっきりヴォーカルが聴こえるミックスで、その他の曲も尺ともに違いは無い。アルバムは6312月と648月のカリフォルニアのサクラメントのライブで、「Fun Fun Fun」と「I Get Around」はスタジオ録音に歓声を被せたものだった。
(注:アルバム収録時のライブは前述の「Don't Worry Baby」以外に、『Good Vibrations Box』で、64年に同会場で収録され選曲から漏れた「Hushabye」、「Surfin' USA」、「Surfer Girl」、「Be True To Your School」を聴くことができる。しかしこれらの曲を含め、さらに未収録だった「Wendy」「Don't Back Down」「Little Honda」を含めサクラメントの収録日の全録音が2014年の『Live In Sacramento 1964』で聴けるので、そちらで参照してもらいたい。)
1964 『The Beach Boys’ Christmas Album』→2015 ReissueThe Beach Boys’ Christmas Album(Stereo & Mono)(iTunes Only)1998 ReissueUltimate Christmas』(Capitol)※LPのステレオ&モノラルはダウンロード販売、CD用に作られたモノラルは90年代にリリースされた『The Beach Boys’ Christmas Album』の中のオリジナル曲「The Man With All The Toys」「Santa's Beard」「Merry Christmas Baby」「Christmas Day」の4曲のこと。様々な別ヴァージョンなどは1998年リリースの『Ultimate Christmas』にまとめて収められた。
    Little Saint Nick(Album Version)」…鈴と鉄琴が入っていないステレオのアルバム・ヴァージョンは『Ultimate Christmas』や、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The Beach Boys’ Christmas Album』で聴けたが 初CD化のモノ・ヴァージョンは最後のリフレインがステレオの3(159)に比べて2(152)でフェイドアウトしてしまう。
    The Man With All The Toys」…ステレオのエンディングは2回目のリフレインの最後の高い「オ!」のあとのギターで終わってしまうが、初CD化のモノラルはさらに2秒長く、3回目のリフレインの「オ!」を2回聴くことができる。90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』や、『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』はモノで入っているが、ステレオと同じく短く「悪い偽モノ」編集されていた。
    Santa’s Beard」…ステレオはモノラルより3秒長く、最後のア・カペラ風のHe’s Just Helpin’ Santa Clausの歌の部分を聴くことができる。この点はLPCDと扱いは変わらず、以前より変わらない。
    Merry Christmas Baby」…モノ・アルバムのヴァージョンは初CD化だが、これは悲しいシロモノ。というのは間奏のハミングの後の歌が始まってすぐにフェイドアウトしてしまって、続きの歌とリフレインがまったくカットされてしまっているからだ。だからステレオに比べ18秒も短い。なお、この音源には注意点があり、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The Beach Boys’ Christmas Album』では、そのボーナス・トラックを除くと、「Little Saint Nick(Album Version)」のみステレオで、他のオリジナル曲はモノラルで作られていた。しかしここでの「Merry Christmas BabyCD化の際に、最後のリフレインがステレオは4回で終わっていたが、このCDのモノラルは6回目の頭で終わり、ステレオよりさらに5秒長くした。よってLPのモノラルよりも23秒も長いという新編集のCD用のモノラル(冒頭で「偽モノ」と書いたがいい偽モノだ)なので持っていない人は入手しておこう。
    Christmas Day」…初CD化の「真正モノラル」は、ステレオ(CDLP)に比べ6秒長く、最後のAnd I'll Never Outgrow The Thrill Of Christmas Dayまで聴くことができる。それまでのCDのモノラル(前述のCD)はステレオよりは長いがAnd I'll Never Outgrow Thrill…で終わる「偽モノ」だった
    We Three Kings Of Orient Are」…ステレオ、モノ共、LPCDもエンディングをフェイドアウト気味に絞っていくので最後のコーラス非常に小さい。なお、この音源にも注意事項があり、90年代にリリースされた『The Beach Boys’ Christmas Album』のCDのモノはフェイドアウトしない編集に変えた「いい偽モノ」なので最後のハーモニーまでしっかり聴くことができる。
※その他のアルバム曲は、完奏するので、CDLPも含め、ステレオとモノラルとで差はない。最後に同時期のシングルオンリー&別テイクのステレオとモノを紹介しておこう。
    Little Saint NickSingle Version)」…ステレオは3ヴァージョンあり、まず『Ultimate Christmas』のヴァージョンは26秒と最長で、他では聴けない4回目のリフレインでブライアンの上昇するアドリブヴォーカルを楽しめる。鈴と鉄琴の音は分離よく聴こえ適度の大きさ。日本独自編集で現在リイシュー中の『ビーチ・ボーイズUSシングル・コレクション』のヴァージョンは鈴と鉄琴の音がかなり大きくミックスされ長さは22秒。『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』収録の2008 Stereo Mixは、モノラルのシングル・ヴァージョンに似せていて、ヴォーカルが大きく、鈴と鉄琴の音は小さくミックスされ長さもモノラルと同じ157秒である。多くの『The Beach Boys’ Christmas Album』や『Christmas Harmony』など「Little Saint Nick」が1テイクしか入っていないCDはアルバム・ヴァージョンではなく、モノ・シングル・ヴァージョンが収録されている。
    The Lord’s Prayer」…1963年の「Little Saint Nick」のシングルB面曲で、アルバム未収録。元はモノラルで『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』や前述の日本終版『ビーチ・ボーイズUSシングル・コレクション』、『The Capitol Years』、『Rarities』等に入っているがなぜか『Ultimate Christmas』には収録されなかった。ステレオは90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』のボーナス・トラックに、ステレオ・リミックスは『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』『Hawthorne CA』で登場したが、特に違いは無い。ステレオとステレオ・リミックスの違いもほとんどない。
    Auld Lang SyneA Cappella)」…デニスのナレーション抜きのこの素晴らしいア・カペラはモノラルで90年代の『The Beach Boys' Christmas Album』のボーナス・トラック、『The Capitol Years』、『Rarities』で聴くことができる。後に冒頭にカウントが入ったステレオ・ヴァージョンが『Ultimate Christmas』で登場した。
    Little Saint Nick(Alternate Version)」…「Little Saint Nick」というより「Drive-In」の歌詞を変えただけといっていいボツヴァージョン。モノラルは90年代の『The Beach Boys’ Christmas Album』、ステレオは『Ultimate Christmas』で登場。ダウンロード販売のみの『Keep An Eye On Summer』では歌の途中までの練習後に本番テイクが入っている「Little Saint NickDrive-In(Vocal Session Highlights And New Stereo Mix)」が収録された。
その他では『Keep An Eye On Summer』に、ビーチ・ボーイズの演奏ではないがクリスマス・アルバムのためにディック・レイノルズが録音していた「Christmas Eve」と「Jingle Bells」のオケには驚かされた。B面曲としてまだまだ用意されていた。

※なお『Ultimate Christmas』は、1974年のシングル「Child Of Winter」や、1977年にかけて録音したもののオクラ入りになったアルバム『Merry Christmas From The Beach Boys』の未発表の7曲も含んでいるので、マスト・バイのアルバムだ。
1965 『The Beach Boys Today!1990 ReissueCapitol)※『Summer Days』との2イン1。ボーナスで「The Little Girl I Once Knew」(他でも多数収録。ただし『Hawthorne,CA』にはハーモニーを延ばしたAlternate Versionと、初期バッキングトラック録音風景を「Carol K(Session Highlights)」として収録)、メンバーによる演奏でマイクのバス・ヴォイスが効いた64年「Dance Dance DanceAlternate Version)」は他で『Keep An Eye On Summer』で「Dance Dance Dance(Alternate Version New Stereo Mix)」として新たに登場。、フルートが入った64年「I'm So YoungAlternate Version)」は後述の『U.S. Singles Collection』にはモノヴァージョンが収録され、『Keep An Eye On Summer』では歌の短いセッションのあとに完全版になる「I'm So Young(Alternate Version Session Highlight And New Stereo Mix)」として収録された。バック・コーラスが違う65年「Let Him Run WildAlternate Version)」、65年「Graduation DayStudio Version)」...(『Made In California』には冒頭に40秒の練習も入れてSession Excerpt And Master Takeになり収録。『U.S. Singles Collection』収録のものは逆にシークレット・トラックとして終わったあとに40秒ほどスタジオ風景が入っている。)であり、当初は計5曲追加された。
(注:『Good Vibrations Box』では片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「When I Grow Up(Vocal)」が収録され、冒頭に11秒の曲前の部分があり、エンディングが6秒長いため、従来では「33」をかすかに歌ったところでフェイドアウトだが「35」まで歌ってほぼ終わりのようになっている。『Hawthorne,CA』では「Kiss Me BabyA Cappella)」と「Good To My BabyBacking Track)」収録。『Good Vibrations Box』に「Dance Dance Dance(Backing Track)」、『U.S. Singles Collection』に「Do You Wanna DanceBacking Track)」収録。そして本命『Keep An Eye On Summer』ではア・カペラだけの「She Knows Me Too WellA Cappella)」「When I Grow UpA Cappella)」「Don't Hurt My Little SisterA Cappella)」「Dance Dance DanceA Cappella)」が一挙に聴けるようになった。そしてアルバムの「WendySession Highlight And A Cappella Mix)」は、最初にバックトラックに合わせて歌っているが間奏で中断、以降は、ア・カペラになる。「HushabyeInstrumental Mix With Backing Vocals)」はリード・ヴォーカル抜きのカラオケで、レコードどおり完奏していた。練習と本番演奏になるオリジナル・テイクの「Dance Dance Dance(Session Highlights And Instrumental Mix)」も収録され超充実いている。)
1965 『The Beach Boys Today!2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。
Do You Wanna Dance」...ステレオはモノより18秒も長く収録してある。
Good To My Baby」...ステレオは4秒長い編集。
Kiss Me Baby」...ステレオは5秒長く編集。
In The Back Of My Mind」...ステレオは4秒長く、モノではフェイドアウトしている先まで入り完奏する。
1965 『Summer Days(And Summer Nights)1990 ReissueCapitol)※『The Beach Boys Today!』との2イン1。ボーナスは上記参照。
(注:なお『Hawthorne, CA』で登場した「Salt Lake City」のステレオは、イントロにセッション部分が3秒ほど入っていた。また、「And Your Dream Comes True」の練習の一部分を「Wish That I Could Stay(Session Excerpt)」として収録してある。『Endless Harmony Soundtrack』等では65年「Help Me RhondaAlternative Single Version)」のハーモニーが違うボツシングルヴァージョンを聴くことができる。『Made In California』ではヴォーカルが違い、中間部の呼び込み以外のガヤが入っていない「Amusement Parks USAEarly Version)」が収録されている。『Good Vibrations Box』ではア・カペラの「California Girls(Vocal)」があり歌の部分が16秒長いため、フェイドアウトのリフレインをやめたあとまで聴くことができる。あと『U.S. Singles Collection』に「Help Me RhondaBacking Track)」収録)
1965 『Summer Days(And Summer Nights)2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。
California Girls」...ステレオは6秒長い編集。
Amusement Parks USA」...ステレオは5秒長い編集。
1965 『Beach Boys' Party!1990 ReissueCapitol)※『Stack-O-Tracks』との2イン1。ボーナスは『Stack-O-Tracks』用なので、下記「必要なコンピレーション」参照。
1965 『Beach Boys' Party!2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステレオではないアルバム丸ごとのステレオは初。ただ内容上、尺の違いなどない。
(注:アルバムのアウトテイクは『Good Vibrations Box』に「Ruby Baby」が収められ、『Hawthorne,CA』には「Barbara Ann」の本番直前の練習Session Exceptの他、パーティーノイズがカットされた「Barbara Ann」と「Devoted To You」のMaster Take Without Party Overdubsが収録された。さらに『Made In California』には「There's No Other」のパーティーノイズ無しヴァージョンとその前に1分以上パーティー用の雑談が入る2012 Unplugged Mix With Party Session Introが登場した。下記のCDにも入ったが、リミックスされている)
1965 『Beach Boys' Party Uncovered And Unplugged2015ReleaseCapitolオリジナル盤『Beach Boys' Party!+50曲(テイク)の未収録音源収録。きちんと歌ったものでは「California Girls」「Satisfaction」「Blowin' In The Wind」「The Artists(Laugh At Me)」「One Kiss Led To Another」「Riot In Cell Block No.9」「Smokey' Joe's Cafe」などがあったが、みなボツになっていた。その他には「Little Deuce Coupe」の普通に歌うテイクや、その場の即興なのでコーラスしか歌詞を覚えていない「Ticket To Ride」、その他おふざけ即興メドレーなども聴ける。オリジナル・アルバム部分もリミックスされている。
1966 『Pet Sounds2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。1988年の日本でのCD化以来、色々な形でモノとステレオが出ているが、最初に疑似ステレオではないトゥルーステレオは、1997年の『The Pet Sounds Sessions』のボックス・セット(後述)で大量の未発表音源とともに(もちろんモノ盤もプラス。インスト以外全曲ア・カペラもあり)収録されたが、このボックスの「Wouldn't It Be Nice」のステレオはブライアンがサビを歌った別ヴァージョン。これはこれで貴重だが、このボックスは後述の「必要なコンピレーション」で、必ず入手しないといけない基本中の基本アイテムなので説明はここまで。本CDはオリジナルと同じマイクがサビを取るステレオ・ヴァージョンが入っている。なおこのボックス以外の音源としては『Good Vibrations Box』で片チャンネルに歌、片チャンネルに演奏というVocalという編集の「Wouldn't It Be Nice(Vocal)」があり7秒の曲前部分、終わりは4秒長いため途中で歌をやめる部分まで入っている。
Wouldn't It Be Nice」...ステレオは7秒長い編集。
You Still Believe In Me」...ステレオは4秒長い編集。
Don't Talk」...ステレオは3秒長い編集。
God Only Knows」...エンディングのコーラス部分に入る直前のGod Only Knowとソロ状態で歌う声だが、モノではブライアンが力強く歌っていたが、ステレオではカールの頼りなげなヴォーカルになっている。
I Know There's An Answer」...ステレオは8秒長い編集。
Here Today」...ステレオは10秒長い編集。
I Just Wasn't Made For These Times」...ステレオは7秒長い編集。
Pet Sounds」...ステレオは10秒長い編集。
1966 『Pet Sounds1988 Reissue(東芝EMI& 1990 Reissue(Capitol)※世界初のCD化。もちろんモノ。このCDのボーナスの「Hang On To Your Ego」(マイクの「ブルルル」がなくコーラスが入っていないテイク)はこのCDのみ。また「Trombone Dixie」はモノでファイドアウトする(『The Pet Sounds Sessions』のStereo Backing Trackと同じ音源。こちらはステレオで完奏する)が、Take11というブライアンのカウントが入っているのはこの盤のみ。「Unreleased Backgrounds」は「Don't Talk」で使わなかったバック・コーラスと判明したので『The Pet Sounds Sessions』で「Don't TalkVocal Snippet)」として収録された。
1967 『Smiley Smile1990 ReissueCapitol)※『Wild Honey』との2イン1。ボーナスで「Heroes And VillainsAlternate Version)」...(『Good Vibrations Box』のAlternate Versionと、『The Smile Sessions(Deluxe Edition)』のPart.1としても収録)、「Good VibrationsVarious Sessions)」...(おおもとは『Good Vibrations Box』で後述。当初は初出)、リード・ヴォーカルが6秒まで入ってこない663月録音の「Good VibrationsEarly Version)」...(『The SMiLE Sessions』では「Good Good Good VibrationsFirst Version With Overdubs)」として演奏が終わるまで入れて収録したが、中間のgood good good vibrationsと歌う部分がEarly Versionでは2回歌って1回ファルセットのウーだけになってもう1good...なのだが、『SMiLE』ではウーの部分にも歌が入り、その後のgood...が1回多くなっている別編集。)、「You're Welcome」...(シングルB面なので他でも収録)、「Their Heart Were Full Of Spring」...(67年のボツアルバム『Lei'd In Hawaii』用リハーサル。スタジオ録音。『Hawthorne,CA』にLive Rehearsal in Hawaiiとしても収録)、67年「Can't Wait Too Long」...(『Good Vibrations Box』に中間部にブライアンの語りが入る1分半以上短いAlternate Versionあり。さらに『Hawthorne,CA』に52秒のA Cappella Mixあり)以上6曲追加。
(注:『Hawthorne,CA』にアップテンポでアレンジが違う「You're With Me Tonight」と、エンディングが長くコーラスが違う「VegetablesStereo Extended Mix)」収録。67年)
1967 『Smiley Smile2012 ReissueCapitol)※ステレオ&モノの2イン1。疑似ステではないアルバム丸ごとのステレオは初。尺の違いは無い。
1967 『Wild Honey1990 ReissueCapitol)※『Smiley Smile』との2イン1。ボーナスは上記参照。ステレオ表記されていたアルバムとしては最後の疑似ステレオしか存在していないアルバムだったが、『Made In California』等で「Darlin'」、「Wild Honey」、「Country Air」、「Let The Wind Blow」までトゥルーステレオ化が実現している。
1968 『Friends1990 ReissueCapitol)※『20/20』との2イン1。ボーナスで「Break Away」...(他でも多数収録。ただし『Endless Harmony Soundtrack』にブライアンのDemo、『Hawthorne,CA』に後半の貧弱なア・カペラに歌と演奏を加えたAlternate Versionが登場)、「Celebrate The News」...(シングルB面なので他でも収録)、「We're Together Again」...(『Made In California』にストリングスが追加され14秒長いステレオ・ヴァージョン収録)、「Walk On By」、「Old Folks At Home/Ol' Man River」...(『Hawthorne,CA』『Made In California』に別テイクの「Old Man River(Vocal Section)」収録)を追加。
(注:『Made In California』に1分以上長く、未聴のメロディのパートが出てくる別ヴァージョンの「Meant For You(Alternate Version)」と「Transcendental Meditation(Backing Track)」収録)
1969 『20/201990 ReissueCapitol)※『Friends』との2イン1。ボーナスは上記参照。
(注:『Hawthorne,CA』に「I Went To Sleep(A Cappella Mix)」、「Time To Get Alone(Alternate Version)」、「Be With Me(Backing Track)」収録。『Summer Love Songs』の「Time To Get Alone(New Stereo Mix)」は、はるかに音がクリアで、14秒長く、エンディングのリフレインが1回多く聴ける。『Endless Harmony Soundtrack』には「Do It Again(Early Version)」が入るが初版はコーラスをしながらフェイドアウト、改訂版は演奏をストップして終わる。また『Made In California』で初のステレオ「Do It Again(2012 Stereo Mix)」が登場した。デニスのピアノの弾き語りの「Be With Me(Demo)」も収録。『Good Vibrations Box』には「Cabin Essence(Backing Track)」が入ったが、さらに『The SMiLE Sessions(Deluxe Edition)』では「Cabin Essence(Session Highlights And Stereo Backing Track)」のタイトルで録音風景をプラスしてバックトラックを収録。)
1970 『Live In London1990 ReissueCapitol)※『Beach Boys Concert』との2イン1。ボーナスは上記参照。1968年ロンドンのフィンズベリー・パークでのライブ。
1970 『Sunflower2000 ReissueCapitol)※『Surf's Up』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。なお、オリジナル盤では日本やイギリスは冒頭に「Cotton FieldsSingle Version)」...(元はモノで『Rarities』などに収録されていたが疑似ステレオも出回った。『Hawthorne,CA』でトゥルーステレオが登場するがイントロのミディアム部分の印象がだいぶ違っていた)が入っていたが、CDになってからはUS仕様でカットされている。
(注:『Hawthorne,CA』に「Add Some Music To Your Day(A Cappella)」、「Forever(A Cappella)」収録。さらに『Made In California』に「Slip On ThroughA Cappella)」、「This Whole WorldA Cappella)」、「Our Sweet LoveA Cappella)」が収録された。また『Good Vibrations Box』には、「Cool Cool Water」の前半部分のバック・コーラスが入っていない113秒の「Cool Cool WaterAlternate Version)」収録)
1971 『Surf's Up2000 ReissueCapitol)※『Sunflower』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
(注:『Made In California』に「Don't Go Near The Water(Backing Track)」収録)
1972 『Carl & The Passions-So Tough2000 ReissueCapitol)※『Holland』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。なお、アメリカでは当初『Pet Sounds』との2枚組LPでリリースされていた。LP時代は「Cuddle Up」のヴォーカルが小さくミックスされていたため、CDでは大きく聴こえるよう、修正されている。その中間のヴォーカルの大きさが「Cuddle Up(Single Mix)」(Brother-Reprise)のシングル盤。
1973 『Holland2016 ReissueAnalogue Productions)※西ドイツ盤LPHolland』の1stプレスにはミス・プレスで250枚、レーベルクレジットと違い、「Sail On Sailor」がなく「Steamboat」から始まり、ボツ曲だった「We Got LoveStudio Version)」が収録されていたため、長く超レア盤だったが、2015年のiTunesのダウンロードにエンディングのリフレインが4回多く50秒長い「We Got LoveStudio Long Version)」が初登場した。そして2016年にはAnalogue ProductionsCDLPのみ、「We Got LoveStudio Long Version)」をシークレット・トラックで加えて発売された。
 
(注:『Good Vibrations Box』にブライアン作のオマケEPから語りを取って音楽だけに抜き出した「Fairy Tale Music」収録。『Hawthorne,CA』にカラオケながら最後にコーラスが入りア・カペラで終わる「Sail On Sailor(Backing Track)」収録。なお曲の合いの手が入る「California Saga:California(Single Version)」は、『Ten Years Of Harmony』のLP及びドイツ盤CDに入っていたが、今は『Greatest Hits Volume 3:The Best Of The Brother Year 1970-1986』(Capitol)で聴ける。)
1973 『The Beach Boys In Concert2000 ReissueCapitol)※1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。1972年~1973年のアメリカでのライブ。
1976 『15 Big Ones2000 ReissueCapitol)※『Love You』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
(注:『Made In California』にカットされた最後のヴァースが入っているので40秒長い「Rock And Roll Music(2012 Mix With Extra Verse)」が収録され、ミックスで隠れていたバック・コーラスのファルセットもくっきりと聴こえる。短いイントロのようなフレーズが入った「It's OK(Alternate Mix)」と「Had To Phone Ya(Backing Track)」も収録。また、1番のヴァースのバック・コーラスがない「Rock And Roll Music(Single Version)」と、アルバムのテイクを少しテンポアップした「It's OK(Single Version)」は『Ten Years Of Harmony』のLP及びドイツ盤CDに入っていたが、今は『Greatest Hits Volume 3:The Best Of The Brother Year 1970-1986』で聴ける。)
1977 『Love You2000 ReissueCapitol)※『15 Big Ones』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
1978 『M.I.U. Album2000 ReissueCapitol)※『L.A.』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
1978 『M.I.U. Album1991 ReissueSony)※初のCD化の際、「Come Go With Me(Alternate Version)」...(冒頭からピアノで始まるこのヴァージョンのみ同じく91年にソニーからCD化されたコンピ『Ten Years Of Harmony』にも収録されていた)、2番になってもサビになってもコーラスが入ってこない「Peggy Sue(Alternate Version)」、イントロのピアノの部分にコーラスが入るが、エンディングの鼓笛隊のようなドラムがカットされた「Winds Of Change(Alternate Version)」に差し替わっていた。この盤のみでしか聴けないヴァージョンなのでレア盤である。
1979 『L.A.2000 ReissueCapitol)※『M.I.U. Album』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
1980 『Keepin' The Summer Alive2000 ReissueCapitol)※『The Beach Boys』との2イン1。1991年のSonyからの単独CDリイシューが最初。
(注:イントロのア・カペラの後に鐘の音が入るカナダのみリリースの「School Day(Single Version)」は『Ten Years Of Harmony』のLPかドイツ盤CDに収録)
1985 『The Beach Boys2000 ReissueCapitol)※『Keepin' The Summer Alive』との2イン1。この年からCDも同時発売される(当時はCBS)ようになり、CDには「Getcha Back」のB面の「Male Ego」を1曲プラスしていた。
1989 『Still Cruisin'』(Capitol)※「Wouldn't It Be Nice(Alternate Mono Mix)」は、別ミックスが使われた。特にサビの声質の違いが顕著。
1992 『Summer In Paradise(US)』(Brother
1993 『Summer In Paradise(UK)』(Brother)※イギリス盤ではロジャー・マッギンがギターを入れヴォーカルまで参加したまったく別物の「Summer In Paradise(Alternate Version)」など、「Island Fever(Alternate Version)」、「Under The Boardwalk(Alternate Version)」、「ForeverAC Mix)」に差し替えられ、「Strange Things Happen」がEditされた。
1996 『Stars And Stripes Vol.1』(River North)※全曲リード・ヴォーカルは別々のカントリー・シンガーで、ビーチ・ボーイズ・ナンバーを歌ったもの。ビーチ・ボーイズはバック・コーラス。
2002 『Good Timin'Live At Knebworth England 1980(Eagle)...1980年のイギリスのネブワースでのライブ。6人のフルメンバーが揃っていたのがミソ。
2006 『Songs From Here & Back』(Hallmark)...1974年と1989年のアメリカでのライブ7曲に、ブライアンの「The Spirit Of Rock & Roll」他アルとマイクのソロ録音曲を1曲ずつ持ち寄ったもの。大手文具チェーンHallmarkの通販で売られた。
2011 『SMiLE』(Capitol)1967年にリリースされる予定だったロック史上最大の謎と言われた幻のアルバムが、当時の音源(196667年)を使ってリリースされた。2004年にブライアンがソロで『Brian Wilson Presents SMiLE』を完成して発表していて、ブライアンがこのアルバムのシナリオに沿って、当時のビーチ・ボーイズの録音のみを使ってリリースしたもの。詳しくはこのアルバム全体を含む下記の☆必要なコンピレーション盤

内の『The SMiLE Sessions』参照。
2012 『That's Why God Made The Radio』(Capitol)※日本盤のみ2012年にリレコした「Do It Again」(アメリカではQVCなどで販売された抱き合わせのベスト盤内に収録)がプラスされた。
2013 『Live-The 50th Anniversary Tour』(Capitol)...2012年のリユニオンツアーを収録したライブ。
2014 『Live In Sacramento 1964(iTunes Only)※この196481日のサクラメントでの全36曲のライブは、その当時よくあった一日2回公演で、その模様が『Beach Boys Concert』の元になった。まず『Beach Boys Concert』からはスタジオ録音音源に差し替えられてしまった「Fun Fun Fun」と「I Get Around」だが、前者のSecond Showはリード・ヴォーカルーカルが小さすぎて使えなかったが、そんなに収録を見送るほどのものでもなかった。特に「I Get Around」は悪くない。この曲のFirst Showのナレーションはアルバムにそのまま使われている。「The Little Old Lady From Pasadena」はSecond Showのリード・ヴォーカルが聴こえず、First Showだけだったが、サビのコーラスのバランスが悪いのでミキシングし直して使ったようだ。First Showの音源が使われたのが「Hawaii」、Second Showの音源が使われたのが「Let's Go Trippin'」「The Wanderer」「Graduation Day」で、「Monster Mash」と「Papa-Oow-Mow-Mow」はここからは使わなかった可能性がある。「Little Deuce Coupe」「Long Tall Texan」「In My Room」「Johnny B.Goode」は披露されていないので、これらは6312月の録音だ。他『Beach Boys Concert/Live In London』に収録の「Don't Worry Baby」のライブはSecond Show。『Good Vibrations Box』収録の「Surfer Girl」「Surfin' USA」「Hushabye」「Be True To Your School」はみなFirst Showからの音源だった。なお「Be True To Your School」のSecond Showはリード・ヴォーカルが聴こえず使えないクオリティ。その他では「Wendy」「Little Honda」「Don't Back Down」がこのアルバムのみのライブ音源。「Wendy」のSecond Showでは最初に調弦していて、歌がスタートすると誰かが咳き込んでいた。「Little Honda」のSecond Showは最後以外ほとんどヴォーカルが入っていないので機材故障だったのだろう。「Don't Back Down」はFirst Showでのドラムのイントロが長いので、Second Showではその部分にナレーションを入れ、工夫をしていたのが面白い。なお、本作には「Little HondaRehearsal Live)」と「Papa-Oow-Mow-MowRehearsal Live)」という2曲のリハーサルも収められていて、ライブよりずっと洗練された歌と演奏が楽しめる。特に後者は自家薬篭中の出来で、これが唯一のスタジオ・ライブ・ヴァージョンだ。
2015 『Live In Chicago 1965(Download Only)

1965年、シカゴArie Crown Theaterのライブで収録は326日が16曲、327日が18曲、加えてリハーサル4曲が入った充実した内容だ。「Do You Wanna Dance」はデニスのリードなので注目だが、26日はリード・ヴォーカル自体が欠落しており、27日が全て。続く「Hawaii」は27日の方のリード・ヴォーカルの音が割れているので、これは26日の方がいい。コーラスも快調で悪くない。嬉しい「Please Let Me Wonder」、26日の方はイントロから入りこれはいいぞと思っていたらブライアンが歌詞を忘れてコーラスだけに...27日はイントロなしで静かに始まるが、こちらはちゃんと歌ったので二重丸。名曲だ。「Surfer Girl」は自家薬篭中の出来で、後に登場する「Papa-Oom-Mow-Mow」「Monster Mash」と同じく失敗がない。この「Surfer Girl」に関してはバック・コーラスのミックスが27日の方が大きいが、そのためサビのリードが聴こえにくいので26日の方がいいか。デル・シャノンの「Runaway」のアルのリード・ヴォーカルのカバーは26日の方は『Made In California』に収録されたので27日が初登場。27日の方がコーラスは聴こえやすいがあの特徴的な間奏のリード・ギターがよく聴こえないので外されただろう。カバーの「Louie Louie」は26日の方が全体的にグズグズで転調もうまく決まっていない。27日の方がスムーズだ。「Fun Fun Fun」は2日ともいい出来だが、27日の方がバックのギターも大きく入り、リード・ヴォーカルが少し歪んでいるものの迫力があるのでこちらが上。コーラスもいい。「409」は27日のみで『US Singles Collection The Capitol Years 1962-1965』に収録済み。「Shut Down」はどちらも差が無く楽しく歌っているのが分かり2音サックスはマイクが口でやっている。「Surfin' USA」はやはり27日の方が演奏とバック・コーラスを大きくミックスしているので迫力はあるがリード・ヴォーカルが聴こえにくい部分がある。しかし26日は途中笑ってしまっているので27日ということになるがエンディングの完成度はイマイチ。「Little Honda」は、26日にコーラス欠落があり、27日のみが可。ライブになるとバッキングが薄っぺらくなるのが難。嬉しい「Wendy」の登場だが、26日は途中でリード・ヴォーカルが抜けているので27日のみ。哀調を帯び、ハーモニーも心地よい傑作だ。27日のみ披露した「In My Room」はコーラスがスムーズでこの曲も自家薬篭中の代物だろう。「Don't Worry Baby」はバック・コーラスも演奏もはっきり聴こえる27日の圧勝。なにしろ肝心なブライアンのリード・ヴォーカルが、26日の方は間違えてばかりでダメ。美しい出来だ。「I Get Around」は、やはりリード、コーラス、バッキングが大きくミックスされた27日の方が出来がいい。ただ細かい部分がちょっと荒削り。最後は「Johnny B.Goode」で、ミックスの良さで27日だが、いかにもライブ用という仕上がり。嬉しいのはボーナスの4曲のリハーサルだ。まず「Louie Louie」。ややテンポを落として正確に歌っている。微妙に転調していくのだが、ちょっと単調。そして「Little Honda」。やはりバッキングが弱いので迫力に欠ける。レコードには入っているあのエンジン音のような低音のハーモニーがポイントだったとはっきり分かる。しかしライブよりずっといい仕上がり。「Surfin' USA」もライブよりバッキングとコーラスに迫力があり、特にドラムとギターが、このリハーサルが秀逸。最後は「Wendy」。軽い感じのリハーサルでアルペジオのギターも入っているが、ややスローなので27日のライブの方に軍配を上げたい。ダウンロードはiTunesAmazonmp3moraで入手できる。

 
☆必要なコンピレーション盤

(曲目に関しては、オリジナル・アルバムのコーナーに、下記コンピレーション盤収録の別ヴァージョンまで記載したので、紹介済みのトラックは重複を避けるためにここでは省いている。よってこのコーナーはオリジナル・アルバムから順に上から見て欲しい。)

1968 『Stack-O-Tracks1990 ReissueCapitol)※1963年~68年のカラオケ・アルバム。CDは『Beach Boys’ Party』との2イン1。「Help Me Rhonda」、「California Girls」、「Our Club3曲のカラオケを追加収録。

1980 『The Capitol YearsBox Set)』1990 Reissue(東芝EMI)※この当時はシングルでしか聴けなった曲をAB面とも網羅し、今では他でも聴けるが「Auld Lang Syne」のア・カペラ、68年「Bluebirds Over The Mountain」のオランダ用シングル・ヴァージョン(このヴァージョンは下記の『Rarities』にも入ったが片チャンネルごとにそれぞれの楽器を入れた極端なステレオだったので、モノのこちらの方が聴きやすい)が収録され、ビーチ・ボーイズ・ファンを狂喜させたボックス。LP時代は日本とオーストラリア盤でブライアン・ウィルソンが60年代にプロデュースした他アーティストの作品を集めた「Brian Wilson Productions」のアルバムも付いていて、涙ものだった。今やブライアンの初期プロデュースは『Pet Project-Brian Wilson Productions』(Ace)などでさらに充実したコンピが作られているが、全てのレア・コレクションの原型がこのボックス・セットと言えよう。CD化された際、「Brian Wilson Productions」が外されたが、日本のみ外さずに同じ形でCD化した。今でもイントロのシンバルの逆回転がなく、エンディングが長い「Never Learn Not To Love」のシングル・ヴァージョンはこのボックスと『The Beach Boys Single Collection』のみ。

1981 『Ten Years Of Harmony1991 ReissueSony)※1970年から1980年のBrother 時代のベスト。LPでは「California Saga:California(Single Version)」、「Rock And Roll Music(Single Version)」、「School Days(Single Version)」がシングル・ヴァージョンだったが、CD化された時にドイツ盤CD以外はアルバム・ヴァージョンに戻ってしまった。ただし前の2つは2000年の『Greatest Hits Vol.3:Best Of Brother Years1970-1986(Capitol)に収録、その他に『Sunflower』セッションの69年「San Miguel」(後に『Good Vibrations Box』に入った)と『15 Big Ones』セッションの76年「Sea Cruise」といった未発表曲なども収録されていた。よって未だ本盤のみが「School DaysSingle Version)」(イントロ部分の最後に鐘が入る。カナダのみ)と「Sea Cruise」である。

1983 『Rarities1997 Reissue(東芝EMI)※ビートルズの『Rarities』のヒットの二匹目のドジョウを狙って作ったキャピトル時代の未発表曲やアルバム未収録を集めたがまったくヒットせず。そのためCDはこれもビートルズのメドレーヒットを倣って作った「The Beach Boys Medley」(こちらは狙い通りスマッシュヒット)に加え12インチ・シングル用に作った新たな2つのメドレーを加えて『Rarities/Beach Boys Medley』の2イン1でリリースした。『Rarities』には目立つ曲がなく、市場からすぐに消えたのは仕方がないが、ソロ部分にリード・ヴォーカルがまったく入っていない66824日収録の最もワイルドで魅力的な「Good Vibrations」(25秒後に歌が入る。「Good Vibrations(40th Anniversary Edition)のシングル(Capitol)にも収録。なお『The SMiLE Sessions』では「Good Vibrations(Alternate Edit)」として歌のない部分にブライアンの歌を入れ込んだ。)をはじめ、『Wild Honey』セッションのボツ曲67年「With A Little Help From My Friends」と67年「I Was Made To Love HerAlternate Version)」、67年のボツアルバム『Lei'd In Hawaii』用追加録音「The Letter」というカバー3曲はこのアルバムのみ。

1986 『Made In U.S.A.』(Capitol)※ベスト盤。シングルとして同年小ヒットした「Rock'n' Roll To The Rescue」収録。CDシングルや12インチ・シングルなど多数リリースされている。この曲が入手できれば不用のアルバム。

1986 『25 Years Of Good Vibrations(Brother)…アメリカツアーで売られたベスト盤LP81年の「Runaway」のライブ収録。未CD化。

1993 『The Beach Boys Single Collection(Box Set)(東芝EMI)(日本のみ)…当時のキャピトルのシングル・ヴァージョンに徹底的にこだわって作られている。よってエコーがかかっていた「Surfin’ Safari(US Single Version)」や、当時のUSシングルでしか聴けないロング・ヴァージョンの「Don’t Worry Baby(US Single Version)」は未だにこのボックスでしか聴くことができない。また前述のとおり、「Never Learn Not To Love(Single Version) 」や「Little Saint NickStereo Single Version)」もこのボックス以外では、入手困難である。

1993 『Good Vibrations:Thirty Years Of The Beach Boys(Box Set)(Capitol)…発表当時は幻だった『SMiLE』の音源がまとめて収録されたので最重要視されたボックス・セット。今は『The SMiLE Session』の登場で、音源的にはみな収録されてしまったが、いくつかは構成が違う。「Wind Chimes」は36秒短く、中間のコーラスの後はそのリフを延々続けていくが、『SMiLE』ではそのリフにホーンが入りまたコーラスと展開が違う。「Do You Like Worms」は27秒長いが、『SMiLE』ではハワイ語の歌の前にbicycle riderの歌が入るが、こちらはインストのままで、ハワイ語の歌の後にもさらにインストが続く。「Vegetables」は20秒短いが、基本的に構成が違うし使っている音源も違う。こちらでは『Smiley Smile』ヴァージョンのア・カペラは入らないし、エンディングの部分へつなぐ部分は歌をフェイドアウトするが、『SMiLE』では上昇するア・カペラのスキャットでつなぐ。この上昇するスキャットはこちらでは中間でvegetablesのパートをつなぐ部分で使う。最初の「Mama Says」パートも『SMiLE』とは違って崩した感じの歌い方の音源を使っている。「I Love To Say Da Da」は1分ほど短いが、『SMiLE』が冒頭に「Cool Cool Water」のア・カペラを持ってきたからなのだが、『SMiLE』ではワッワッの歌にオーバーダビングした部分がありさらにエンディングはバックトラックを大きくミックスしている。それ以外の10曲は『The SMiLE Sessions』で同じかさらに長く収録されたものを聴ける。既に前述のオリジナル盤コーナーで紹介した大量のテイクがありそれを除いても、さらに60年の「Happy Birthday Four Freshmen」…(ディスク1のシークレット・トラック。後に『Hawthorne CA』で曲目化されたが録音前の話し声はカットされた。)62年の「Their Hearts Were Full Of Spring(Demo)」、63年の「Little Surfer Girl」、「Punchline」…『U.S. Singles Collection』にも収録)、「Things We Did Last Summer」、「KYA」「KEWB」「Murray The K」などのラジオのジングルなどを集めた「Radio Station Jingles」、66年のラジオジングル「KOMA」と6610月のミシガンのライブでライブ初演奏の「Good Vibrations」、67年のボツアルバム「Lei’d In Hawaii」用のリハーサルの「Surfer Girl」、『Sunflower』セッションのボツ曲で69年「Games Two Can Play」と70年「I Just Got My Pay」、『Surf’s Up』時のボツ曲70年「H.E.L.P. Is On My Way」と71年「4th Of July」、77年の未発表アルバム『Adult Child』より「It’s All Over Now」…(テンポアップした別テイクが『Made In California』収録)と「Still I Dream Of It」…(注:ブライアンのソロ・アルバム『I Just Wasn’t Made For These Times』にピアノ弾き語りのHome Demo収録)、『M.I.U. Album』のボツ曲78年「Our Team」があり、さらにセッション風景を収めた「Hang On To Your EgoSections)」「God Only KnowsTracking Sections)」「Good VibrationsSections)」は画期的な試みで、前2つは後に『The Pet Sounds Sessions』に形を変えて収録されたが、15分を超える「Good VibrationsSections)」は『Smiley Smile/Wild Honey』のボーナス・トラックのVarious Sessions、『Smile SessionsDeluxe Edition)』のSession Highlights、『Made In California』のStereo Track Sectionsはここからの抜粋しており、現在でもおおもとになっている。

1995 『Endless SummerGold CD)』(DCC)…『Endless Summer』のゴールドCD収録の「Good Vibrations」はエンディングのリフレインが8秒長く、最後のテルミンのリフが3回ではなく5回聴こえる。

1997 『Pet Sounds Sessions(Box Set)』(Capitol)※Mojo誌選出の最も偉大なロックアルバムで1位となり、ポール・マッカートニーなどの絶賛の言葉が溢れる『Pet Sounds』は、発売当時とはまったくの正反対、Capitolでも最も高い評価のアルバムとなる。そういう機運の中、『Pet Sounds』のセッションを大量の初期テイクやセッション風景、ボツテイクなど含めて驚異の4枚組ボックス・セットとしてリリースされた。初登場のステレオ・ミックス(「Wouldn’t It Be Nice」のミドルがブライアン)とモノ。演奏は基本的にHighlight From Tracking Dateで練習風景を流しておいて完成版Stereo Backing Trackへ移る。曲によってはバック・コーラス付とか、ストリングスのみとかもプラス。全曲に、ボツだった「Trombone Dixie」と、同年1966年録音の「Good Vibrations」も加えての「バックトラック編」。そしてビーチ・ボーイズの凄さを改めて味わえるインスト以外全曲の「ア・カペラ編」。全曲とも歌をやめる部分まで入っている。その後がお宝満載の「別テイク編」となる。目玉となるのは「God Only Knows」で、ブライアンがリード・ヴォーカルを取るBrian Wilson Vocal、エンディングがア・カペラの違うアレンジになるWith A Cappella Tag、間奏がサックスのSax Soloと3ヴァージョンも楽しめる。「I’m Waiting For The Day」でマイクがリード・ヴォーカルを取るMike Lead Vocal、「Sloop John B,」は初期テイクのブライアンが歌うBrian Wilson Vocal、完成度が高くなった一番をカールが歌うCarl Sings First Verseなどが目を引くが、「Here Today」のAlternate Versionのようにブライアンの歌いまわしが少し違うテイクも面白い。「Wouldn't It Be Nice」のAlternate Version2テイクあり)では1番と2番の歌詞が逆になっていた。どの別テイクもヴォーカルが前面に出ていて迫力がある。ただしプロモーションフィルムでは別テイクが聴けるのに「That’s Not Me」の別テイクは収録されず、「I Know There’s An Answer」ではなく原曲の「Hang On To Your Ego」の『Good Vibrations Box』で初登場した出だしでマイクが「ブルルル」というテイクが収められた。確かにこちらのテイクの方がバック・コーラスもあるのでより完成ヴァージョンだが、前述の『Pet Sounds』の1988年東芝EMI及び1990Capitolリリースのモノ盤収録の「Hang On To Your Ego」のコーラスが入っていないが、マイクの余計な「ブルルル」がないテイクは収録されなかった。ここまでやったのになぜ?という思いが残る。なおディスク2の「Here TodayStereo Backing Track」の後にシークレット・トラックで録音時の会話と「I Just Wasn’t Made For These Times」のア・カペラが10数秒出てくる。

1997 『Essential:Perfect Harmony』(Capitol)※ヴォーカルのミックスをバッキングに比べて大きくした「Hushabye(Vocal Up Version)」「When I Grow Up(Vocal Up Version)」が収録されているが、文字で書いただけでパーフェクトを目指す人以外は不要の代物。

1998 『Endless Harmony Soundtrack』(Capitol)※同名のフィルムと、本CDとは何の関係もなく、このCDのみの曲が大半だ。まず冒頭がサンレイズのリック・ヘンとブライアンが共作した69年の未発表曲「Soulful Old Man Sunshine」。今は『Made In California』にも収録されたが、デモの「Soulful Old Man SunshineWriting Session Excerpt)」はこれのみ。6610月のミシガンのライブ「Medley:Fun Fun FunSurfin’ SafariShut DownLittle Deuce Coupe」、68年のロンドン公演のリハーサル「Good Vibrations(Live-1968 Rehearsal)」、67年のボツアルバム「Lei’d In Hawaii」用の追加録音「God Only Knows(Live-1967 Rehearsal)」、72年のライブ「Heroes And Villains」、同72年ニューヨークのライブで「Wonderful/Don’t Worry Bill」と「Long Promised Road」、68年の未発表曲「Sail Plane Song」…(『Made In California』にステレオの別ヴァージョン収録)、69年の未発表曲「Loop De Loop」、71年のデニスの未発表曲「Barbara」、78年のマイクの未発表曲「Brian’s Back」…(Editしたものが『Made In California』に収録)なお、「Endless Harmony」の改訂版(ジャケットの違う改訂版だが、シークレット・トラックが入っているものと入っていないものがあるので注意。どうしても欲しい場合はiTunes332秒のものの単品購入が確実)収録のものは最後にシークレット・トラックで「Kiss Me Baby」のア・カペラが20数秒入っている。ただ、「Kiss Me Baby」のア・カペラが発表されているので価値はない。

2000 『Surfin’』(Varese Sarabande)※モーガン・テープにデニスとカールが参加したTri-Fiveのシングルなど加えたもの。「Surfin’」のエンディングは他ではみなリフレイン4回でフェイドアウトするが5回入って自然終止する。「Surfin’ Safari」のCandix Masterも最後までボリュームを絞っていないので7回目のリフレインの後のコードで終止する。(Capitolのヴァージョンは再録音なのでこれではない)がある。そして重要なのはKenny & The Cadetsの「Barbie」がレコードとは違ってサビ前の歌詞がyou love only meであり、エンディングの4回目のyou love only memeでメロディが上昇する別テイクであることだ。「What Is The Young Girl Made Of」はレコードと同じヴァージョンでどちらもモノ。

2001 『Hawthorn,CA:Birthplace Of A Musical Legacy(Capitol)※コアなファン向けのレア・トラック集。別ヴァージョンの宝庫なのでオリジナル・アルバムの項など上記で大半が紹介されてしまった。大量のそれを省いても、ディスク1に65年のシカゴのライブ「Shut Down」と、シークレット・トラックで63年のカリフォリニア・ハリウッド・ボウルのライブで短い「KFWB Jingle(それまで『Cowabunga!(Rhino)のボックス・セットでしか聴けなかったので超お得)、ディスク2に67年収録のボツアルバム『Lei’d In Hawaii』用リハーサルの「Good Vibrations」、『Good Vibrations Box』など既発のセッションをつなぎあわせた「Good Vibrations(Stereo Track Sections)」、66年~67年に録音されたハル・ブレインとブライアンの会話をバックに音楽が流れている程度の「Vegetables Promo(Instrumental Section)」、『Wild Honey』セッションの未発表曲67年「Lonely Days」、68年のデニス作の未発表曲「A Time To Live In A Dream」、そしてシークレット・トラックで「Heroes And Villains」のア・カペラが短く入っている。

2002 『Classics Selected By Brian Wilson』(Capitol)※ブライアンが選んだビーチ・ボーイズのベスト盤というのが売りだが、「California Feelin'」の新録音ヴァージョンが加えられた。実質はブライアンのソロだが、ブライアン・バンドがハーモニーと演奏をしているので、この頃の本家よりも出来がいい。

2007 『The Warmth Of The Sun』(Capitol)※前作ベストの『Sounds Of Summer』が大ヒットしたので作られた第2弾ベスト。当時は初のステレオ・ミックスが聴けるのが売りだった。前述のとおり、イントロのドゥワップにコーラスが入る「Why Do Fools Fall In LoveSingle Version)」のシングル・ヴァージョンが聴けるのはこの盤と『U.S. Singles Collection』。間奏に咳が入らない「Wendy」のステレオ・ミックスはこの盤で聴ける。あとこれも前述したが「California Dreamin'」のSEが冒頭に来たのはこの盤と『Made In California』だけ。

2008 『U.S. Singles Collection:The Capitol Years 1962-1965(Capitol)※タイトルのとおりビーチ・ボーイズがCapitolでのデビュー盤から「California Girls」までのシングル・EPを再現したもの。ステレオ&モノの4曲入りが基本なので、モノしか存在しなかったりした場合、カラオケとか別ヴァージョンなどを入れてある。このボックスでしか聴けないのはオリジナル・アルバムで紹介したバックトラック2曲とモノ・ミックス2曲以外は、65年のシカゴのライブ「409」(2015年に『Live In Chicago 1965』でダウンロード販売)とモノの「Blue Christmas」。あとは編集ものだが前述した頭に中間部のア・カペラを持ってきた「Why Do Fools Fall In Love(2008 Mono Single Version)」と歌が終わった後に40秒会話が入る「Graduation Day(Studio Version)」は改めて記しておこう。

2009 『Summer Love Songs』(Capitol)※第3弾のベスト。やはり当時は初ステレオ・ミックスが売りだったが、今では前述の冒頭にピアノと鉄琴の初登場の26秒のイントロが付いた「Why Do Fools Fall In Love(New Stereo Mix With Intro)」が目玉。歌が始まるとステレオのアルバム・ヴァージョン。前述の14秒長い「Time To Get Alone(New Stereo Mix)」も改めて記しておく。「Don't Worry Baby(2009 Stereo Mix)」はそれまでのステレオと違って真ん中からリード・ヴォーカルが出てくる新ミックス。Dennis Wilson& Ramboの「Fallin' In Love(Lady)は、イントロにストリングスが加わった新ヴァージョンでステレオ化された。後ろの2つは『Made In California』にも収録。後はシークレット・トラックで「Don't Worry Baby」のア・カペラが20秒ちょっと入っている。

2011 『The Smile SessionsBox Set)』(Capitol)668月から675月まで(「Good Vibrations」を含むと662月より)続けられた『SMiLE』のセッションの全容を収めた、ビーチ・ボーイズ・ファンの夢を実現したCD5+LP2+7インチ・シングル2枚の驚異的なボックス・セット。アナログもお飾りではなく、アナログのみのヴァージョンがあり、全て聴きもらせない。様々なアイデアで断片が作られ、まるで実験場。ブライアンが選んだ『SMiLE』の19(全てモノラル)に加え、『SMiLE』セッションとして「Heroes And Villains37ヴァージョン、「Good Vibrations25ヴァージョン、「Vega-Tables」と「Love To Say Dada6ヴァージョン、「Do You Like Worms5ヴァージョン、「Wonderful」と「Surf’s Up4ヴァージョン、「Wind Chimes」と「Cabin Essence3ヴァージョン、「Our Prayer」「The Old Master Painter/You Are My Sunshine」「Child Is Father Of The Man2ヴァージョン、「Look」「Holiday」「I Wanna Be Around/Work Shop」「The Elements:Fire(Mrs. O’Leary’s Cow)1ヴァージョンが収められた。セッションに別ヴァージョンはない『SMiLE』の曲は「Gee」「I’m In Great Shape」「Barnyard」のみ。アルバムから漏れたが歌詞を変えて『Smiley Smile』で「She’s Goin’ Bald」として使われた「He Gives Speeches」、シングルB面用の「You’re Welcome2ヴァージョン、『SMiLE』セッションで録音されボツとなったカールの「Tones/Tune X」とデニスの「I Don’t Know」そしてブライアンの「Tetter Totter Love」、『SMiLE』セッション6曲のバック・コーラスをつないだ編集版「Smile Backing Vocal Montage」、『SMiLE』セッション中止直後の録音「Cool Cool Water2ヴァージョンと「With Me Tonight」の元の「You’re With Me Tonight」、逆に6510月の録音なので『SMiLE』セッション前ながら既に『SMiLE』の先進性が溢れているブライアンの「Three Blind Mice」がCD5枚に収められた。そしてアナログのLPCDと同じではない。4面にボーナス・トラックで収められたものだが、今でもこのLPでしか聴けないのは「You’re Welcome」のステレオと、ボックス内からの持ってきた会話を冒頭に持ってきた「Surf’s Up」のステレオ。『Made In California』に収められたが「Vega-Tables」「Wind Chimes」もステレオだった。さら『SMiLE(Deluxe Edition)』には収められたが「Cabin Essence(Session Highlights And Stereo Backing Track)」もボックス内ではLPのみである。さらに2枚のシングル。「Heroes And VillainsPart1)」と「Heroes And VillainsPart2)」はCDには入らず、『SMiLE(Deluxe Edition)』と『Made In California』でCD化。そして「Vega-Tabels」のシングルはイントロがなしで12秒に聴いたことがないコーラスが入るヴァージョンで、未だにこのシングル盤でしか聴くことができない。

2011 『The SMiLE SessionsDeluxe Edition)』(Capitol)1枚ものとボックスとの中間で作られたCD2枚のデラックス・エディション。ただこの中にはボックスに収録されなかった音源が4曲ある。「Good Vibrations(Session Highlights)」…(『Good Vibrations Box』のSessionsの短縮版だがステレオ)はこの盤のみ。また「Cabin Essence(Session Highlights And Stereo Backing Track)」もCD化されているのはこの盤のみ。「Heroes And VillainsPart1)」、「Heroes And VillainsPart2)」は『Made In California』にも収められた。

2013 『Made In California(Box Set)』(Capitol)※未収録曲、レア・トラックなど満載の究極のコンピレーション。多くの別ヴァージョンはオリジナル・アルバム等で山のように紹介したので未紹介のものは少ないと思いきやまたまだ大量にある。63年の『Surfer Girl』セッションでの貴重な未発表曲「Back Home」、モノしかない『SMiLE』からは「Our Prayer」、「Vega-Tables」、「Wind Chimes」がステレオ化された。『Summer Love Songs』で冒頭にストリングスが加わったヴァージョンでCD化されたDennis Wilson & Rambo名義の唯一のシングル「Fallin’ In Love」(Lady)は本ボックスにも収録されたがそのカップリングの「Sound Of Free」も収録され初のCD化。ただしモノ。『Surf’s Up』セッションの71年のデニスの未発表曲「(Wouldn’t It Be Nice ToLive Again」の後に続くのは、本ボックスの目玉のひとつ「California Feelin'」である。78年の『L.A.』セッションの時に録音されたもののオクラ入りで、後に前述の『Classics Selected By Brian Wilson』にブライアンのソロ・ヴァージョンで発表したが、ビーチ・ボーイズのオリジナルはこれ。カールとブライアンが交互にリード・ヴォーカルを取り、サビをブルースが歌う。シンプルなバッキングだが、ハーモニーも十分だ。そして『Hawthorne,CA』に初収録されたマイクの78年の未発表曲「Brian’s Back」は、1分以上短くEditされ、イントロもギターとピアノからピアノのバックにミックスを変えて「Brian’s BackAlternate Mix)」として収録された。後述の「It’s A Beautiful Day(Single Edit/2012 Mix)」は、聴きもののサビの部分のバッキングの鉄琴などがはっきりと聴こえて爽快な仕上がり。従来のシングル・ヴァージョンより11秒長く収録。79年の『Keepin’ The Summer Alive』セッションからはマイク作の「Goin’ To The Beach」とカールが歌う「Da Doo Ron Ron」が初登場。80年の未発表曲はブライアンとマイクが歌うロネッツのカバー「Why Don’t They Let Us Fall In Love」。95年のブライアンとアンディ・ペイリーのコラボのレコーディング中にビーチ・ボーイズがコーラスで参加した「Soul Searchin’」(リード・ヴォーカルもカール。ブライアンの『Gettin’ In Over My Head』収録のものは再録音)と「You're Still A Mystery」も目玉のひとつ。2012年の「Isn't It Time(Single Version)」はサビがジェフリー・フォスケットではなくマイクに変更されメロディも変わってしまった残念なヴァージョン。『50 Big Ones』にも収録されていた。65年シカゴでのライブは「Runaway」、66年パリのライブは「You're So Good To Me」。67年の未発売アルバム『Lei'd In Hawaii』関連としてはリハーサルの「The Letter」(『Rarities』のものは追加録音ヴァージョン)、追加録音の「California Girls」と「Help Me Rhonda」が収録された。この『Lei'd In Hawaii』の録音は色々なコンピに収録されているが、サウンドもハーモニーもスカスカで、やる気がまったく感じられず、総じて出来が悪い。まあ発売中止にしたのが当然の代物。嬉しいのは68年シカゴのライブの「Friends」と「Little Bird」。この2曲の当時のライブが聴けるなんて夢のよう。同年ロンドンのライブの「All I Want To Do」は『Rarities』に収録されていた音源だがフェイドアウトせずに終わりまで全部入っている。72年ニュージャージーのライブは「Help Me Rhonda」「Wild Honey」、そしてニューヨークで「Only With You」。ライブ・バンドとして乗りに乗っていた時期なので「Wild Honey」なんて最高にカッコいいロックンロールだ。73年シカゴのライブの「It's About Time」も素晴らしい出来。75年メリーランドのライブ「I Can Hear Music」も歌・演奏ともに力強い。93年のニューヨークのライブは「Vegetables」「Wonderful」、95年ルイビルのライブ「Sail On Sailor」と続き、93年ロンドンのライブ「Summer In Paradise」は97年のオムニバス『MOM Ⅱ』に収録されたものだった。そしてまたも目玉、641014日にバックトラックが録音された「Guess I'm DumbInstrumental Track With Background Vocal)」。65年になってグレン・キャンベルのリード・ヴォーカルと、ハニーズのバック・コーラスが録音されてシングル・リリースされる訳だが、このオケだけ聴いても64年にこれだけ斬新なメロディとサウンドの曲を生み出せたブライアンの才能には改めて驚嘆する以外ない。「Sherry She Needs Me1965 Track With 1976 Vocal)」はブライアンのソロ・アルバム『Imagination』でお馴染みだろうが、『Summer Days』のセッション中の653月にこの魅力的なバックトラックとコーラスが録音されたもののオクラ入りとなり76年にブライアンがリード・ヴォーカルを入れたものの、やはり未発表で終わっていた。「Mona Kana(Instrumental Track)」は68年にデニスが書いた未発表のインストで、ホーンの使い方などまるでブライアン。「Where Is She?」は『Sunflower』セッションの69年に録音されたブライアンの小品。「Good Vibrations(Stereo Tracking Session)」は、『The SMiLE Sessions』のSession Mastersの短縮版。「I Believe In MiraclesVocal Section)」は『Smiley Smile』セッションの時のコーラスの断片。「WhyInstrumental)」は『M.I.U. Album』セッションの77年に録音されたブライアンのインスト。軽快なこのアルバム・セッションにふさわしい爽やかなインストである。「Barnyard Blues」は74年頃のデニスが書いた未発表曲。「You’ve Lost That Lovin’ Feeling」は『Love You』セッションの76年に録音されたもの。前作では同じくライチャス・ブラザースの「Just Once In My Life」を収録しており、フィル・スペクター・ファンのブライアンの気持ちは分かる。「Back Home1970 Version)」は70年の『Sunflower』セッションで録音されたもので、アルが作曲に加わったので63年に録音したものとはメロディが大幅に変えられていた。結局『15 Big Ones』のものは、サビ以外は63年ヴァージョンが使われた。「California Feelin'Original Demo)」は、前述の曲の74年のブライアンによるピアノ弾き語り。いかにもデモだ。「My Love Lives On」も同じく74年に録音されたデニスによるピアノ弾き語り。そして最後はこれもボックスの目玉、64116日収録のBBCの「Top Gear」用のスタジオ・ライブ。「Wendy(BBC/Live In The Studio 1964)」「When I Grow Up(BBC/Live In The Studio 1964)」「Hushabye(BBC/Live In The Studio 1964)」の3曲が披露されたが、演奏はシンプルそのものだが、ハーモニーの素晴らしい事。まさに完璧、バンド・サウンドのこの3曲に聴き惚れてしまう。

2013 『The Big Beat 1963』(iTunes Only)※1963年に録音された未発表曲集。ビーチ・ボーイズは「Mother May I」(「Our Car Club」の原曲)、「I Do(Demo)」、「Ballad Of Ole’ Betsy(Demo)(Inst)。ブライアンのソロで「First Rock And Roll Dance(Instrumental)」、「Gonna Hustle You」、「Bobby Left Me(Backing Track)」、「Side Two(Instrumental)」、「Thank Him(Demo)」、ボブ・ノーバーグとブライアン(バックはハニーズ)の「Marie」、ボブ&シェリの「The Big Beat」(「Do You Remember」の原曲)と「Ride Away」(「Surfer’s Holiday」の原曲)。ゲイリー・アッシャーの「If It Can’t Be You」、ヴィッキー・コッハー(Vicki Korcher)の「The Summer Moon」(「The Surfer Moon」の原曲)、ハニーズの「Funny Boy」「You Brought It All On Yourself」「Rabit Foot(Unfinished Track With Backing Vocals)」(「Our Car Club」の原曲)、以上が全てブライアンの曲。他ハニーズで6曲収録。

2014 『Keep An Eye On Summer:The Beach Boys Session 1964』(iTunes Only)※1964年に録音された未発表トラック集。初登場の「Little Honda(Unreleased Single Mix)」は歌にオルガンがオーバーダブされていて、外して正解。「Unreleased Jam/Let’s Live Before Die」はブライアンが書いたインストで、冒頭に明るいインストが出てくるがこれはお遊びで、その後に出てくる三連符の洒落た感じのバラードがその曲。「Endless Sleep(Larry Denton Vocal)」は、Jody ReynoldsDolores Nance作のロック・ナンバーで、Larry Dentonが歌でお遊びと思われるが、控えめなコーラスは付けられた。ビーチ・ボーイズの演奏ではないがあのクリスマス・アルバムのためにディック・レイノルズが録音していた「Christmas Eve」と「Jingle Bells」のオケには驚かされた。まだまだ用意されていたとは。「Fun Fun Fun(Live)」と「I Get Around(Live)」は『Beach Boys Concert』でサクラメントのライブでの出来が良くないと外され、スタジオ録音されたものに歓声を被せて収録したもののオリジナル・テイクと言われているが、「Fun Fun Fun」はイントロと間奏のギターが違うし、「I Get Around」にはライブではハンドクラップが入っていて、逆に間奏のギターは全く聴こえずコーラスだけなのでこれも違う。もっと別のテイクが使われていた。BBCでのスタジオ・ライブで「I Get Around」「Graduation Day」「Surfin’ USA」が入っていたが、一番の目玉は「The Little Old Lady From Pasadena」で、このジャン&ディーンのナンバーの、スタジオでの録音はこれだけだろう。全46曲で上記以外のア・カパラやバックトラック、コーラス入りのバックトラックなどは『Shut Down Volume2』と『All Summer Long』『The Beach Boys Today!』の3(The Beach Boys’ Christmas Album』にも1曲あり)にその未発表トラックの内容を詳細に書いてあるのでそちらを参照してもらいたい。特にクレジットしていない6曲は既発表トラックである。

2016 『Pet Sounds(50th Anniversary Super Deluxe Edition)』(Universal

1997年リリースの『Pet Sounds Sessions(Box Set)』の全部に初登場音源をプラスしたBoxで、スタジオの初登場音源は3テイク。まずは「I Know There’s An AnswerAlternate Mix)」。これは前身の「Hang On To Your Ego」の1st Verseの後のマイクの余計なブルルルルが入っていて歌詞は「I Know There’s An Answer」という代物。完成ヴァージョンではカットされた歌に巻き付くハーモニーがずっと聴こえる。もうひとつは9分以上と長い「I Know There’s An AnswerVocal Session)」。この曲はセッション集やバッキングトラックは前身の「Hang On To Your Ego」で登場しているので、最後に歌詞の改変があった歌の方だけ今回のボックスでの登場となった。そのため前半はダラダラした歌で、後半になって使用しなかったア・カペラの歌の練習になる。最後は「Good Vibrations(Master Track with Partical Vocal)」。これは「Good Vibrations」でも演奏はほぼ完成していて、リード・ヴォーカルだけ歌詞が完成していない部分もあるので欠けた部分もあるし仮歌風で軽く歌ったものだ。演奏とバック・コーラスはラストを残してほぼ仕上がっているので少し新鮮。他はライブでまず一番古い19661022日ミシガン州立大学のライブの「Wouldn’t It Be Nice」「Sloop John B.」「God Only Knows」の3曲が嬉しい。というのもアルバムがリリースされた年のライブだからだ。そして「God Only Knows」「Wouldn’t It Be Nice」と「Good Vibrations」は19671119日ワシントンDCDaughters Of The American Revolution Constitution Hallでのライブも収録。1966年の前述のライブは、歴史的価値はあるが「God Only Knows」はオルガンのイントロなど演奏がシンプル過ぎてライブとしての出来はあまりよくない。「Wouldn’t It Be Nice」はそこまでは劣らないが、こちらの方が弾むようなリズムがあった。3回目の「God Only Knows」は19721123日ニューヨークのカーネギーホールのライブで、ホルン風のキーボードも入り、演奏とコーラスの厚みが格段に進化し、レコードに近くなっている。4回目登場の「God Only Knows」はさらに10年後の1982年のジャマイカのモンティゴ・ベイのライブで、カールの歌とコーラス、バッキングの演奏はさらなる厚みを増した。そして「Sloop John B.」も23年後の1989523日カリフォルニアのユニバーサルスタジオのライブも収録、こちらも歌・コーラス・演奏が比較にならないほどの進化を遂げていた。ラストの2曲は19931126日のニューヨークのパラマウント劇場のライブでの「Caroline No」と「You Still Believe In Me」のライブである。ただし1997年の『Pet Sounds Sessions(Box Set)』の「Here TodayStereo Backing Track」の後にシークレット・トラックで録音時の会話と「I Just Wasn’t Made For These Times」のア・カペラが10数秒出てくるが、このシークレット部分は本ボックスでは聴くことができない。

2016 『Becoming The Beach Boys: The Complete Hite & Dorinda Morgan Sessions』(Omnivore Recordings

なんと63トラック中43トラックが未発表という驚異のCD2枚組。ビーチ・ボーイズがキャピトル契約以前にモーガン夫妻のスタジオで1961年から62年にかけて録音した音源集である

    Surfin’Take3, Take4Take5Take6Take8が初登場でTake 3Take 6は途中で終わるが残りはほぼCandixMaster並みの完成度で、Take4のラストの最後に一瞬アドリブのファルセットあり。Take12は『Made In California』の「Surfin' (With Session Intro/Mono)Take7は『Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys』収録、MasterCandixのシングルで『Lost And Found』のCandix MasterTake2First Attempt、コード弾きのギターに乗せたDemoThe Pendeltonsとして既に『Lost And Found』でCD化されている。なお『Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys』収録のほぼア・カペラのデモの「Surfin' (Rehearsal)」はここには収録されていない。

    Luau…アコギのDemo Take2Demo Take1とほぼ同じだが,Demo Take3はギターのリフが全く別、Take1&2Take3&5-6Take8-11Take12はシングルとほぼ同じで複数テイク記載のものは最後のテイクのみ完奏し、初CD化。Demo Take1は『Lost And Found』のThe PendeltonsTake7First AttemptMasterCandixのシングルB面でCandix MasterCD化されている。

    Lavender…ア・カペラのRehearsal Take1Rehearsal Take3は『Lost & Found』収録のものとほぼ同じ、Take1Take2Take4にはギターとベースが入っているが音質は歪んでいて良くない。これらは初CD化。Rehearsal Take2は『Lost & Found』と同じものでCD化されている。

    Surfin’ Safari…間奏のギターが入っていないTake3&4Take5&6Take10と、Candixシングルと間奏のギターがほぼ同じのOverdubTake2 on Take10は初CD化。Overdub Take1 on Take6は『Lost & Found』のCandix SessionsMasterCandixのシングルと同じでCandix MasterStereo OverdubCandix OverdubbingCD化されている。このStereo Overdub Ariola のみのSingleのステレオだが、ドラムとベースが大きくミックスされているモノのシングルはリズムがバタバタ遅れて聴こえて相当違って聴こえる。Ariolaのモノシングルは音質が悪いが『Surfin' 1962』(Rock Melon)のCDで聴くことができる。

    Surfer Girl…リード・ヴォーカルが入っていないTake1Take2Take3Take4Take5Take6(Take3Take5は途中まで)とリード・ヴォーカルが入っているもののサビのメロとディが同じメロディで3回繰り返すOverdub Lead Vocalは初CD化。Masterは『Lost & Found』のCandix Masterと同じでCD化済。

    Judy…リード・ギターが入っていないTake1Take2と、間奏が違いコーラスの後からリード・ギターが入るOverdub Take4、そしてデモといいながらリード・ギターの音も弾き方も違ってヴォリュームが大きくミックスされて完成度が高く感じられるDemo-April 1962 Guitar Soloは初CD化。間奏のギターがコーラスの後から始まる『Lost & Found』のCandix MasterMaster、間奏のギターがコーラスの途中から始まるCandix Session Overdub Take1&2Take2[CD化済(3秒で終わるOverdub Take1は本CDのみ)。

    Beach Boys Stomp(a.k.a. Karate)…まだリード・ギターもなくブレイクと「カラテ!」の掛け声もない短いTake1Rehearsal Take2、そこにシンプルなリード・ギターが加わったもののやはりブレイクと「カラテ!」も入っていないOverdub Take1 on Take1は初登場。最後の最後に「カラテ!」が入った1分半もない短いOverdub Take2 on Take1は古くは1969年のLPBeach Boys Biggest Hits』のあと様々な廉価版CDに入りこのCDにも収録、そしてリードギターが充実し尺が長く120秒でブレイクと「カラテ!」の掛け声が入り、さらに演奏が続いて25秒で最後にもう一度「カラとテ!」が入る『Lost & Found』のCandix SessionMasterとして本CDに入った。

    Barbie…この曲はサビの前の歌詞がShe Loves Only Meと歌うSingle Versionと、You Love Only Meと歌う『Beach Boys Biggest Hits』に最初に入ったAlbum Versionがあり、本CDではどちらも収録。なお本物のKenny & The Cadetsのシングル(Brianがリード・ヴォーカルでCarlAlAudree WilsonVal Poliutoがヴォーカル)では最後のYou Love Only Me3回目の途中までで最短、CD3回目の終わりまで、Album Version4回目まで入り最後はメロディを変えて歌っている。そしてSingleのみサビの最後の…Perfect TimeTimeの最後を巻いたように歌う。初CD化はまずOverdub Take1。サビ前は「You…」、サビのコーラスのあとのブライアンのカウンターのメロディが少し違い、「Time」の部分も歌い方が違う。最後も3回目のYou Love Only Meを下げて歌って4回目はコーラスのみとかなり違う。次の初CD化はOverdub  Take2-4で、23はすぐ終了、4はサビ前は「You…」でサビが終わる前に終了してしまう。初CD化のOverdub Take5はサビ前は「She…」でSheを長く伸ばして歌っている。その後もサビ後のBarbieを伸ばして歌うなど問題ありと判断したのか最後のリフレインの前に終わる。最後の初CD化のOverdub Take7はサビ前は「You…」でラストのリフレインは4回で上昇して終わり自然終止する。

    What Is A Young Girl Made Of…ピアノをバックでシンガー不明のラフなDemoと、Kenny The Cadetsのシングルと演奏は同じながら後半の裏声のあと笑って終わるOverdub Take1、後半の裏声部分を忘れてやはり笑って終わるOverdub Take3、最後のリフレインがシングルと同じで裏声にならないで5回で終わるOverdub Take6、最後のリフレインの4回目と5回目が裏声になるOverdub Take7は初CD化。シングルと同じで最後のリフレインが裏声にならずに4回で終わる本CDMasterは様々な廉価版に登場、最後のリフレインが3回目から裏声になり5回目の最後は高音で伸ばす『Lost & Found』のStereoは本CDOverdub Take4&5Take5CD化されていた(イントロのみで終わるOverdub Take4は本CDのみ)。

 

☆必要な参加アルバム

1963 『Shut Down1997 ReissueEMIミュージックジャパン)※Capitolリリースのオムニバス盤だが、ここに収録された「Shut Down」は冒頭にエキゾースト・ノートが入りイントロも被っている。

1971 『Celebration2000 Reissue(Castle)1970年の「Wouldn’t It Be Nice」のライブ収録。CDタイトルは『Clebration:Live At Big Sur』。

1979 『Americathon』(Lolimar)…サントラ。1分以上演奏が長い「It’s A Beautiful DayLong Version)」はこの盤のみ。未CD化。(注:Editしたシングル・ヴァージョンは『Ten Years Harmony』収録。このシングル・ヴァージョンは『Made In California』にも収録されたがはるかに音が良くなっているので隠れていた楽器の音などが聴こえるようになった)

1982 『Brian Wilson Rarities』(EMI)…オーストラリアのみリリースのブライアン・ウィルソンがプロデュースした曲等を集めたLP64年の「What’d I Say」のシドニーのライブが収録されていた。未CD化。

1983 『Rock’n’Roll City』(Hitbound)…マイク・ラブとディーン・トーレンス中心に作られたカセット・オンリーのオムニバス・アルバム。ここにシングルでリリースされた「California Dreamin’」とは違い、マイクがリード・ヴォーカルでアレンジも全く違う別-ジョンの「California Dreamin'(1983 Version)」が収録されていた。表記したのはプロモLPのレーベルで、カセットのメーカーはRealistic。未CD化。

1984 『Up The Creek』(Pasha)…サントラ。本盤のみ収録の「Up The Creek」収録。未CD化。

1986 『Fourth Of July』(Love Foundation)…198485年の建国記念日のライブ。1984年のライブでは「Back In The USSR」(リード・ヴォーカルとドラムがリンゴ・スター)と「Surfer Girl」(サビをフリオ・イレグスアスが歌う)、1985年のライブからは「Barbara Ann」(ギターの間奏がジミー・ペイジ)、「Come Go With Me」(オーク・リッジ・ボーイズと共演)の計4曲収録。未CD化。

1988 『Tequila Sunrise(Capitol) Everly BrothersSome Hearts(Universal)…前者はサントラでEverly Brothers & The Beach Boys名義の「Don’t Worry Baby」収録。CDシングルもリリースされた。前者は間奏でdon’t worry babyの後にビーチ・ボーイズのコーラスになるが、後者はdon’t worryを繰り返す。尺も19秒長い。

1987 Fat BoysCrushin’'』(Polydor)…Fat Boys And The Beach Boysの『Wipe Out』収録。大ヒットしたのでCDシングルや12インチ・シングルがあり、それがあれば不用。

1991 『Two Rooms:Celebrating The Songs Of Elton John & Bernie Taupin(Polydor )…エルトン・ジョンのトリビュート・アルバム。「Crocodile Rock」収録。

1993 Brian WilsonStill I Dream Of You』(M&M)…『Lost And Found』『Surfin’』など収録のものと歌詞が違う「Barbie(Alternate Version)」収録。エンディングの節回しも違う。このCDには『Pet Project』など60年代のブライアンの参加作品を集めたCDに未収録のBlossomsThings Are Changing」、Basil Swift & The SeegramsFarmer’s Daughter」、TimersNo-Go Showboat」、NodaensBeach Girl」、Hale & The HushabyesYes Sir,That’s My Baby」、Bob & BobbyTwelve-O-Four」「Baby What You Want Me To Do」、Laughing GroovyVegetables」、Ron WilsonI’ll Keep On Loving You」「As Tears Go By」に加え、イントロが欠けていないSurvivorsPamela Jean」が入っているので、最重要盤の1枚と言えよう。

1996 『Televison’s Greatest Hits Volume 4』(TVT)…64年放送のテレビドラマ「Karen」のビーチ・ボーイズが歌う主題歌をテレビサイズでそのまま収録。ちなみにこの曲は当時レコード化されたが、サファリーズが歌っていた。

1998 Sol De MexicoAcapulco Girls』(Latin EMI)…Sol De Mexico With The Beach Boys名義で「California Girls」の舞台のカリフォルニアをアカプルコに変えた、マリアッチ・サウンドとビーチ・ボーイズのコーラスが最高にマッチした「Acapulco Girls」と、「Kokomo」収録。

2000 『Farm Aid Volume One』(Redline)…96年のカールが歌う「God Only Knows」のライブ収録。アメリカの小規模農場や個人農家を支える基金のためのチャリティ・ライブ。

2001 Annette FunicelloThe Best Of Annette(Walt Disney)…アネットがBuenaVistaから65年にリリースしたシングル「The Monkey’s Uncle」収録。同名のディズニーの映画の主題歌(DVD化されている)で、冒頭でライブが見られるが、リード・ヴォーカルをアネットが歌っている以外、演奏とバック・コーラスは全てビーチ・ボーイズ。ビーチ・ボーイズのクレジットはないが、最盛期のライブがオープニングで見られ、ファンにはたまらないので特別にこのコーナーに含めた。この曲は様々なベスト盤に収録されているので、この盤でなくても何でもよい。今、直近の収録盤として紹介しただけ。

2007 Four SeasonsJersey Beat:The Music Of Frankie Valli & The Four Seasons』(Wea)※CD3+DVD映像1枚のヒストリー。犬猿の仲として有名なビーチ・ボーイズとフォー・シーズンズが唯一共演した1984年のシングル「East Meets West」(The Beach Boys/Frankie Valli And The Four Seasons名義)収録。

2009 『Home For The Holidays』(JDRF)…小児糖尿病の患者のためのチャリティ・オムニバスだが、マイクが2006年にiTunesでネット配信のみで販売していた「Santa’s Goin’ To Kokomo」をビーチ・ボーイズ名義で収録。クレジットをよく見るとバック・コーラスにブルースの名が。マイク&ブルースだから「ビーチ・ボーイズ」というなんともセコい代物。

2015 Various:Sessions ‘64』(Omnivore)…初登場のStereo MixStereo Backing Trackでは、Castellsの「I Do」(Brian作・プロデュース・参加)、Timersの「No Go Showboat」(Brian作・参加)、Honeysの「He’s A Doll」(Brian作・プロデュース)があり、その他に1983年の「Go Away Boy」の原曲「I Can See Right Through You(Go Away Boy)(Stereo Backing Track)」(Brian作・プロデュース)を収録。10インチLPのみ。

※ここからの4枚はDoxyという会社からamazonmp3のみでダウンロード販売しているライブ音源集。ブートやYou Tubeでお馴染みのものが多く、音質も市販のレベルでないため、若干怪しいが、amazonからの正規販売なので紹介しておく。ただし☆オリジナル・アルバム欄には紹介しない。

 

☆必要なシングル・12インチシングル

1970 「Susie Cincinnati(Single Version)」(Brother-Reprise)…「Add Some Music To Your Day」のB面。(1974年の「Child Of Winter」のB面及び1976年はA面でB面は「Everyone's In Love With You」)シングルはエキゾースト・ノートがイントロに入るが、アルバム・ヴァージョンは1番と2番の間に入る。未CD化。

1978 「Hey Little Tomboy(Single Version)(Brother-Reprise)…「Peggy Sue」のB面。エンディングが14秒長く、演奏部分がずっと続く。未CD化。

1979 「Here Comes The Night/Here Comes The Night(Instrumental)」(Caribou)12インチ・シングル。『L.A.』のものは8秒でシンセが入り、42秒でコーラス、35秒でカールの歌が始まるが、12インチではドラムが長く続き22秒でシンセ、58秒でコーラス、カールの歌は322秒と遅めになっている。ただし12インチのエンディングは盛り上がってオーケストラでピタッときれいに終わるが、『L.A.』のものはそのあとにシンセの余韻のようなリフが17秒近くあり最終的な尺は7秒長くなっているが、いらないエンディングだった。。B面はただのカラオケではなくカールの歌の部分にサックスのソロが入るなど、それだけで聴ける作りになっている。構成は『L.A.』のヴァージョンだが、演奏は136秒短くなっている。どちらも未CD化。

1986 「Lady Liberty(Capitol)…「California Dreamin’」のB面及び「Still Cruisin'」の4曲入りCDシングル(英Capitol)収録。「Lady Linda」の替え歌だが、イントロにセリフが被り、エンディングの「主よ人の望みの喜びよ」はカットされた。この曲の発表の時点で、作者のアルはリンダ夫人と離婚し、再婚していた。アルバム未収録。

1986 「Rock'n'Roll To The Rescue(Parcadella Mix)/ Rock'n'Roll To The RescueInstrumental)/ Rock'n'Roll To The RescueBeach Party Mix)(Capitol)…アメリカのみリリースの「Rock'n'Roll To The Rescue」の12インチ・シングル。タイトル曲と表記の3ミックスに「Good Vibrations(Live In Londonより)」の計5曲入り。Parcadella Mixはほぼパーカッションとヴォーカルだけのミックス、Insrumentalはカラオケ。未CD化。Beach Party Mixは頭と終わりにハウス風のミックスが施した3分以上長い630秒の長尺で、前述の1989年リリースの「Still Cruisin'」の4曲入りCDシングルにも収められたので、レア度は低い。アルバム未収録。

1987 Fat BoysWipe Out(Wave 1 Version)/ Wipe Out(Wave 2 Version)」(Tin Pan Apple)…「Wipe Out」の12インチ・シングル。Wave 1 Versionはスクラッチが入るもののシングルに近いが、Wave 2 Versionはハウス・ミックス。未CD化。

1987 The Beach Boys /Little RichardHappy Endings/California Girls(Live)」(Critique)A面はリトル・リチャードとの共演シングルで、ブルースとテリー・メルチャーが書いた美しいバラード・ナンバー。B面は録音年不明のビーチ・ボーイズのライブで、頭に「一緒に歌おう」のMCが入る。12インチ・シングルにはLong Versionと書かれているが、長さは同じ。未CD化。

1989 「Living Doll」(Eva-Tone)…バービー人形「California」に封入されたオマケのソノシートのみ収録。実際はブライアンのソロ作品だが、ビーチ・ボーイズとクレジットされている。未CD化。

1989 「Kokomo(Spanish Version)」(Elecktra)…「California Dreamin'」の再シングル化の際にカップリングで収められた「Kokomo」のスペイン語ヴァージョンで、レコーディングにはブライアンも参加した。3曲入りCDシングル(Electorola)にも収録されている。アルバム未収録。

1989 「Somewhere Near Japan(Promo CD Version)(Capitol)…カセット・シングルのみでリリースされた「Somewhere Near Japan」(アルバムと同じヴァージョン)のキャンペーン用のプロモ用CD(1曲のみ)には、ドラムのイントロから始まり、ヴォーカルが前面に出た歯切れのいいヴァージョンが入っていた。プロモCDのみ。

1990 「Problem Child/Problem Child(Instrumental)(RCA)…テリー・メルチャー作の軽快なロック・ナンバー。同名のサントラだが、カセット・シングルのみのリリース。A面はピクチャー・スリーヴ付のプロモCDシングル(1曲のみ)が作られた。A面はカセットとプロモCDのみ、B面のカラオケはカセットのみである。

1990 「Problem Child(Radio Edit)」(RCA)…この曲のプロモCD2種類あり、このRadio Edit(1曲のみ)にはピクチャー・スリーヴがない。そしてこのヴァージョンはシングル・ヴァージョンから子供の声を全面的にカットしてあるため、さらにタイトで魅力的なヴァージョンだった。プロモCDのみ。

1993 John Stamos With The Beach BoysForever(AC Mix)/Forever(CHR Mix)(Brother)…『Summer In Paradise』からカットした「Forever」の3曲入りCDシングルに収録されたもの。まずCD Mixはアメリカ盤『Summer In Paradise』に収録されたメリハリの弱いテイク。そこでAC Mixはエレキギターとアコースティック・ギター、そしてリズム・セクションを大きくミックスし、イギリス盤『Summer In Paradise』ではこの出来のいいAC Mixに差し替えた。逆にコンテンポラリー・ヒット・ラジオ用にさらにエレキギターのソロを大きくフィーチャーしたのがCHRミックス。CHRはアルバム未収録。

1996 Status Quo With The Beach BoysFun Fun Fun/Fun Fun Fun(Extended Fade Version)(Polygram)…ステータス・クォーとの共演シングル。コーラス・パートからビーチ・ボーイズの歌が入ってくる。3番の歌詞はマイクが新しく書いており、リード・ヴォーカルもマイク。CDシングルのカップリングのExtended Fade Version59秒エンディングが長い。

2010 「Friends(A Cappella)(Robo Records)Al JardineDon't Fight The Sea」のB面。アル・ジャーディンのホームページから通販のみで購入できる7インチ・アナログ・シングルに収録された。同曲のア・カペラで最後の部分のみ演奏が被る。ちなみに東日本大震災のためにアルがチャリティーで作ったシングルなので、レーベルに漢字で「友」と書いてある。

2012 「That's Why God Made The Radio(Instrumental)」(Capitol)…「That's Why God Made The Radio」の7インチ・アナログ・シングルのB面のみ収録のカラオケ。

2012 「California Girls(Live)/Do It Again(Live)/Sail On Sailor(Live)(iTunes)…iTunesのみでダウンロードできる「Isn't It Time(Single Version)」のEPのカップリングで、50周年記念ツアーの2012年のシカゴでのライブ。「Sail On Sailor」だけ『Live-The 50th Anniversary Tour』(Capitol)収録のものと同じと思われる。

 

☆必要なバック・コーラス参加盤等(表立ってクレジットされていないもの。アネットの「The Monkey's Uncle」のみ「必要な参加盤」に記載した)

1963 Jan & DeanSurfin' 」「Surfin' Safari」…『Take Linda Surfin'』(Liberty)収録。

1964 Jan & DeanLittle Deuce Coupe」…『Drag City』(Liberty)収録→3曲とも2002年リリースのJan & Dean:Take Brian Surfin’(東芝EMI)に収録。この3曲はビーチ・ボーイズが演奏とバック・コーラスを担当している。アルバム自体はブライアンがジャン&ディーンのために書いた曲や、コーラスで参加した曲を集めたコンピレーション。

1971 Charles LloydAll Life Is One」…チャールズ・ロイドのアルバム『Warm Waters』(MCA)に収録。ブライアン、カール、マイク、アルがバック・コーラスを担当したが、後半のコーラスが被る部分でやっと参加しているのが分かる程度の代物。未CD化。

1979 ピンク・レディー「波乗りパイレーツ(USA吹込盤)」…ヒットした同曲のこのB面は驚くことにブライアン、カール、ブルース、マイクの4人がコーラスを担当していたので、A面よりはるかいい出来で、ビーチ・ボーイズ・スタイルのコーラスが楽しめる。96年『Mie & KeiPink Lady Best Selection』(ビクター)でCD化された。

1984 Julio IglesiasThe Air That I Breathe」…フリオ・イグレシアスの『1100 Bel Air Place』(Columbia)収録。ビーチ・ボーイズとしてコーラスに参加しているが、ただのバック・コーラスでビーチ・ボーイズらしさは皆無。

1986 Joan Jett & The BlackheartsGood Music」「Fun Fun Fun」…ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの『Good Music』(Epic)収録。カール、アル、ブルース、マイクがコーラスを付けているが、ビーチ・ボーイズらしさはあまり感じられない。

1990 Southern PacificG.T.O.」…サザン・パシフィックの『County Line』(Warner Bros.)収録。ビーチ・ボーイズとしてコーラスに参加しているが、サビのファルセットでようやくそれらしさを感じられる程度。

1993 Carnie & Wendy WilsonI Saw Mommy Kissing Santa Claus」…ブライアンの娘のカーニー&ウェンディ・ウィルソンのアルバム『Hey Santa!』(Capitol)に、77年に録音してボツになった『Merry Christmas From The Beach Boys』用に録音していたもの。まだ8歳と7歳の彼女らの歌のバックに、ビーチ・ボーイズがコーラスを付けるご愛嬌の1曲。

1996 Jeff FoxworthyHowdy From Maui」…ジェフ・フォックスワージーの『Crank It Up-The Music Album』(Warner Bros.)収録。ジェフは歌ではなく語りを入れるが、インストの「Diamond Head」や「Wipe Out」のフレーズを散りばめたバッキングの中、ブリッジの部分をビーチ・ボーイズが歌っているとクレジットされている。実際はアルのソロという話もある。

1996 Collin RayeWinter Wonderland」…『Stars And Stripes Vol.1』に参加したコリン・レイの『Christmas:The Gift』(Sony)収録。ビーチ・ボーイズとしてコーラス参加のクレジット(ブライアン、カール、アル、ブルース、マイク)。「God Only Knows」を彷彿とさせる素晴らしいハーモニーが楽しめる。

1998 Mike Love,Bruce Johnston And David Marks Of The Beach BoysSalute Nascar(76/Meleco)…マイク&ブルースが、まだビーチ・ボーイズの一員として復帰していないデビッド・マークスを加えて、ビーチ・ボーイズのナンバーなど10曲をカバーしたCD。カーレースの「ナスカー」50周年記念に作られ、ガソリン・スタンド・チェーンの「76」で売られていた。

2006 Billy HinscheFBI Wipeout」…ビリー・ヒンチの『Mixed Messages』(RD&B)収録。88年にビーチ・ボーイズがFBIに慰問に訪れた時に「Wipeout」のラップ部分の歌詞を変えて歌ったライブだが、きちんとハモッていない。参加したのはカール、アル、ブルース、マイクの4人。

2011 ChicagoWishing You Were Here/Feelin’ Stronger Every Day」…シカゴとビーチ・ボーイズが共演した75年の伝説のライブツアーが初めて限定でリリースされた『Live Chicago In '75 XXXIV』(Rhino Handmade)に収録された。共演したナンバーで収められたのはこの2曲だけだが、版権の関係でビーチ・ボーイズのコーラスはミックスを下げて収録されている。前者はそれでも感動的な仕上がり。後者はマイクのリードは消されているが、隠し味でコーラスが分かる。

 

(作成:佐野邦彦)
 
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