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2013年12月27日金曜日

☆Neil Young:『Live At The Cellar Door』(Reprise/9362494345)

ニール・ヤングで最高の時期のライブがリリースされた。19701130日~122日のワシントンのセラー・ドアでのライブである。自分にとってニール・ヤングの最高作は同年の『After The Gold Rush』であるが、その最高作がリリースされたばかりなので、13曲中5曲が同作なのが嬉しい。
ニール一人の弾き語りによるワンマンライブなので、アコースティック・ギターのバックは「Tell Me Why」「Only Love Can Break Your Heart」「Don't Let It Bring You Down」、ピアノのバックは「Birds」「After The Gold Rush」。この楽器のチョイスはさすが出たばかりというか、レコード通りだ。自分が中一の時にリリースされたこのアルバム、中学生の時に好きになった音楽は一生好きになると誰かがいっていたが、素敵なメロディがぎっしりと詰まっていてなおかつ軽やかで押しつけがましくないニールの曲にハマりにハマった。ニールの曲はハーモニーも素晴らしいのだが、ソロライブなのでハーモニーがなく、大好きな「Tell Me Why」なんて聴いていてついつい自分でハモってしまう。その他の曲だが、前作『Everybody Knows This Is Nowhere』の「Cinnamon Girl」がピアノのバックにまず驚く。ニールの曲の中でも最もヘヴィでソリッドなエレキ・ギターのリフが魅力のこの曲をピアノのバックで、というのは目からウロコ。そしてアコースティック・ギターの「Down By The River」も、CSN&Yなどでのエレクトリック・セットのギター・バトルのライブが頭に叩き込まれていたので、より哀調が感じられて惹きつけられる。バッファロー・スプリングフィールド時代の曲は「I Am A Child」は馴染みのアコースティック・ギターだが、「Flying On The Ground Is Wrong」「Expecting To Fly」はピアノである。ええっという感じだが、違った魅力が味わえる。次作『Harvest』から先行披露の「Old Man」は馴染みのアコースティック・ギター、4年後の『On The Beach』に登場する「See The Sky About To Rain」はピアノという順当なバッキング。よく考えると『After The Gold Rush』の代表作「Southern Man」がないし、既に発表済みの「The Loner」「Cowgirl In The Sand」もない。それでもこのアルバムのように溢れるほどに名曲が出てくるこの頃のニールは本当の天才だ。もちろんボックス・セットに未収録なので、黙って買って聴こう。(佐野邦彦)
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