ビートルズが1963年から1965年にBBC用に収録したスタジオ・ライブ(一部ライブあり)を、2001年に56曲『Live At The BBC』としてリリースしたが、膨大な音源が未CD化のまま残されていた。それから12年、ついに残る40曲がまとめてVolume 2としてリリースされた。残り物と思ったら大間違い、前者には「Please Please Me」「From Me To You」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」といったナンバー1ヒットがごっそり落ちており、本CDで遂にそのBBCに残された素晴らしいほぼ全音源を聴くことができた。もちろん今回も、ビートルズとしてリリースされなかった初登場の曲も聴くことができる。さてこのVolume2で初めて聴けるビートルズの曲は「I'm Taking About You」と「Beautiful Dreamer」。「Lend Me Your Comb」は『Anthology1』に収録されていた。あと番組用に「Happy Birthday To You」をロックンロールにした「Happy
Birthday Dear Saturday Club」も珍しい。前作とダブる音源は11曲あるがそれぞれ大きく違うので楽しめる。例えば「Lucille」はイントロにナレーションが被らない(逆に「Glad All Over」はナレーションが被る)、「I Got Woman」はジョンの歌がダブル・トラック、「Honey Don't」はジョンではなくオリジナルのリンゴ、「The Hippy Hippy Shake」はテンポが速く、「Sure To Fall」は遅い。「I Saw Her Standing There」はライブではなくスタジオ・ライブで間奏がレコードと全く違う(ただしエド・サリバン・ショウのようなひどい演奏ではない)、「Long Tall Sally」は間奏がレコードとほぼ同じ、「Till There
Was You」はVol.1ではレコードとは違って、さすが十八番と思える洒落たリード・ギターが目立ったが、このVol.2はシンプル。このようにそれぞれ違いがある。冒頭に書いたNo.1ヒット4曲はハーモニカなどいれずに生ライブでファンにはたまらない。エレキギターで演奏する「And
I Love Her」(ポールの歌はダブル・トラック)、ジョンの歌がダブル・トラックにしてある「If I
Fell」など聴きどころはいっぱい。もちろんEPのみ収録だった「I'll Follow The Sun」「Devil In Her Heart」「Boys」も収められている。オマケに「I Feel Fine」(Studio Outtake)が入っているが、あのイントロのフィードバックの音を出すため何回もやり直していて、これも聴きものだ。実はこれでBBC音源は全てではなく62年収録でピート・ベストのドラマー時代の「Dream Baby」「A Picture Of You」「Besame Mucho」の3曲と、曲と言えるかどうか分からないが番組のテーマを短く歌った「Pop Go The Beatles」「Side By Side」が残されている。(佐野邦彦)
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