このファースト・ソロの内容はギター、バンジョーをバッキングにドブロ風のギターも入るまさにカントリー・アルバムで、内容は悪くない。全曲歌入りでやはりこれでないと。そしてシングルはキャピトルからの63年のセカンド・ソロ『Too Late To Worry,Too Blue To Cry』からは4曲収められた。61年のデビュー・シングル「Death Valley」は意外にも哀調漂うナンバーでカントリー色は薄く、グレンの美声が生かされていた。同年のCrestレコードからの4枚目のシングル「Turn Around,Look At Me」は全米62位にランクされグレンの最初のヒット曲となったが、ストリングスが入った甘いロッカ・バラードでカントリー・シンガーとして売り出していなかったようだ。5枚目のシングル「The Miracle Of Love」はさらにパンチが効いたバラードでヒットはしなかったが、グレンの声の良さを引き出した仕上がりだった。6枚目のシングル「Too Late To Worry,Too Blue To Cry」は穏やかなスローバラードで全米76位と2枚目のスマッシュ・ヒットとなった。7枚目のシングル「Long Black Limousine」がややカントリー・タッチか。63年の9枚目のシングル「Divorce Me COD」は演奏・歌ともカントリー。その後67年からグレンの快進撃が始まるのだが、その時は一聴してカントリーと思える曲は少なく、もっと幅広い音楽性を持ったポピュラー・シンガーとして大きく成長していくのである。なおB面曲では「Brenda」が可愛らしいアメリカン・ポップスでなかなかの拾い物。(佐野)
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