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2013年9月6日金曜日

☆Glen Campbell:『Here I Am-The Early Years』(Music Digital/CD6849)

VANDA30号のグレン・キャンベル特集は、初めにお断りを入れさせてもらったように、全てを聴いて書いた記事ではない。特に初期の音源はCD化(2012年時点)されていなかったので、1961年から66年までの大半のシングルと4枚のアルバムは未聴のままだった。まあ売れない時代の曲なので、抜けたところで本質は外していないだろうと思っていたものの、この時代のCDが出ればすぐに購入して聴いてみようと思っていた。このアルバムの前に『The Astounding 12-String Guitar Of Glen Campbell』がCD化され聴いたが、グレンのギターソロすらほとんどないチャチなインスト・アルバムで速攻で処分。次作もCD化されていたがどう見ても同系統の内容なので購入せず。その中、デビュー・シングルから9曲の初期シングル曲が入った本作が出たのでこれは問答無用で入手した。25曲入りながらシングル曲を除くと残りの14曲はいったい...と調べてみると、ファースト・ソロ・アルバムで1962年リリースの『Big Bluegrass Special12曲が全て収録されていた。これはお得用。

このファースト・ソロの内容はギター、バンジョーをバッキングにドブロ風のギターも入るまさにカントリー・アルバムで、内容は悪くない。全曲歌入りでやはりこれでないと。そしてシングルはキャピトルからの63年のセカンド・ソロ『Too Late To Worry,Too Blue To Cry』からは4曲収められた。61年のデビュー・シングル「Death Valley」は意外にも哀調漂うナンバーでカントリー色は薄く、グレンの美声が生かされていた。同年のCrestレコードからの4枚目のシングル「Turn Around,Look At Me」は全米62位にランクされグレンの最初のヒット曲となったが、ストリングスが入った甘いロッカ・バラードでカントリー・シンガーとして売り出していなかったようだ。5枚目のシングル「The Miracle Of Love」はさらにパンチが効いたバラードでヒットはしなかったが、グレンの声の良さを引き出した仕上がりだった。6枚目のシングル「Too Late To Worry,Too Blue To Cry」は穏やかなスローバラードで全米76位と2枚目のスマッシュ・ヒットとなった。7枚目のシングル「Long Black Limousine」がややカントリー・タッチか。63年の9枚目のシングル「Divorce Me COD」は演奏・歌ともカントリー。その後67年からグレンの快進撃が始まるのだが、その時は一聴してカントリーと思える曲は少なく、もっと幅広い音楽性を持ったポピュラー・シンガーとして大きく成長していくのであるなおB面曲では「Brenda」が可愛らしいアメリカン・ポップスでなかなかの拾い物。(佐野)



 

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