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2012年12月27日木曜日

☆Gary Lewis & The Playboys:『(You Don't Have To)Paint Me A Picture/New Directions/Now!』(BGO/BGOCD1067)

Gary Lewis & The Playboys67年~68年にリリースされた『(You Don't Have ToPaint Me A Picture』『New Directions』『Now!』の3枚を2枚組のCDで一緒にリリースされた。67年のゲイリーのソロ名義の『Listen』は既にCD化されており、デビューからの4枚も2イン1でCD化されているのでなぜかその真ん中の66年の『Hit Again!』だけが未CD化で残ってしまった。本盤の3枚のうち、後半の2枚は出来がよく特に『New Directions』は名盤である。
ではまず67年の『(You Don't Have ToPaint Me A Picture』から。プロデューサーはお馴染みのスナッフ・ギャレットで、やはりグループの中でも最高の名曲である「My Heart's Symphony」が光り輝く。ポップでキャッチーで華やかで爽やか、そして高揚感がある。ソフトロックの全ての理想を大傑作で全米13位にランクされた。その他ではそのカップリングの甘いバラード「Tina」や「When Summer Is Gone」、全米15位にランクされた陽気でのどかな「(You Don't Have ToPaint Me A Picture」、全米21位まで上がった格調高い「Where Will The Words Come From」は良かったが、ロック系やブルース系のカバーはチャチさが否めなかった。同年、プロデューサーをスナッフ・ギャレットからコップルマン=ルービン=クレインに変えた。そしてアルバムの半分をタートルズの「Happy Together」などで人気を博していたボナー=ゴードンの作曲家チームに依頼した。全体的にスナッフ時代のアルバム用曲によくあるチャチさが減り堂々とした仕上がりになったと言えよう。ボナー=ゴードン作のポップで迫力がある「Girls In Love」やサウンドに深みのある美しい「Me About You」をはじめ、陽気な「Here I Am」、ジャズナンバー「Hello Sunshine」、サウンドと歌に迫力がある「New In Town」、「Moonshine」があり、そしてあのロッド・マクブライエンもカバーしたポップで流麗な傑作「Let's Be More Than Friends」とアルバムの出来は格段に上がったが、「Girls In Love」が39位になっただけでアルバムは185位と惨敗、ソロで出した『Listen』はジャック・ニッチェを招きさらに名盤だったがノンチャートと、芸術性よりもヒット曲を望むゲイリーには許せない結果になった。よって68年の『Now!』ではプロデュースをスナッフ・ギャレットに戻す。冒頭の「Young Girl」はポップでハーモニーもよく期待を持たせるスタート、しかし「Sealed With A Kiss」「Windy」「Suuny」のカバーはオリジナルにはとても及ばない。ボナーの「What Am I Gonne Do」は曲の展開とハーモニーで聴かせてくれた。そして2大傑作が並んで登場する。ボブ・リンドの「Elusive Butterfly」はメロディ、リズム、ハーモニーの全てが文句なしの傑作。続くパレードの3人が書いた「How Can I Thank You」は、そのままパレードが歌っていると言っても信じてしまいそうなパレードそのものの弾むビートに乗せたお洒落な傑作。出来不出来に差があるスナッフ・ギャレットらしいアルバムだが、全体としては出来はいい。「Sealed With A Kiss」のカバーが19位になったのでゲイリーは満足したおうだが、昔、ゲイリーに直接インタビューした時に『Listen』など出来が良かったというと、「お金ばっかりかかって損をした」とまったく気に入らない様子だった。ゲイリーにとってはヒット曲が全てなのである。(佐野)


(You Don't Have to) Paint Me a Picture/New Directi

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