まず1964年12月にリリースされたMusicorからのデビューシングル「Georgianna/I'm Gonna Give」。この曲はアナログの廉価版のコンピLPに入っていたのでご存知の方も多いはず。A面はドン・チコーネの軽いR&B系ナンバー、B面はドンとジム・ライアン共作のこれも軽いR&B系の曲。A面はR&B系といっても少しメロディアス、B面にはハーモニーに哀調を帯び、後のクリタッーズらしさは見える。
Prancerからのシングルは初のリイシューで「I'm Telling Everyone/ No One But You」で1967年に突然リリースされたレア盤。メンバーの許可もなかったようだ。A面はドン作のR&BナンバーでハーモニーはあるもののよりR&B。B面はマイナー調のメロディのナンバーでイントロはザ・フーを思わせる。この曲の作者は不明でメンバーも分からないようだ。どちらにしても初期音源だろう。そして未発表曲「So Hard To Find」はジムの曲で、メロディアスでハーモニーも十分、アルバム収録曲のレベルには十分に達していたが、ボツ曲になっていた。他の曲は、もうWebVANDAの読者ならご存じだろうから紹介しない。ただこのCD、「Complete」とあるが「He'll Make You Cry」は、シングル用にピアノが入りリズム・セクションが強化されたテイクで、ギター中心のバンド・アンサンブルによるシンプルなアルバム・ヴァージョンは収録されていない。このテイクはCDとしては1997年に日本のMCAビクターでリリースされた『Younger Girl』だけ収録されている。だから厳密にはCompleteとは言えない。(佐野)
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