1枚999円と超お得なこのシリーズ、第2期10枚がまとめてリリースされた。
まずは第1期に『Surf Route 101』1枚だけがリリースされていたゲイリー・アッシャー率いるスーパーストックスは1枚目の『Thunder Road』(71326)と2枚目の『School Is A Drag』(71327)がリリースされ、これで全てのアルバムが出揃ったことになる。ゲイリー・アッシャーは、数多くの覆面グループを作り、大量にサーフィン&ホットロッドのレコードを製作したこのシーンの立役者。他ではジャケットがとてもキュートなナイツの『Hot Rod High』(71325)、キックスタンズの『Black Boots And Bikes』(71328)がリリースされ、軽快なホットロッド・ナンバーが楽しめる。サウンドは薄く、コーラスも薄く、メロディもどこかで聴いたことがある曲が多いゲイリー・アッシャーのプロダクション。ビーチ・ボーイズとは違い、とても薄いアメリカン・コーヒーを飲んでいるようだが、短期間にこれだけリリースすることが凄い。レア盤ではグレン・キャンベルがギタリストとしてクレジットされているインスト・アルバム『Sunset Surf』(71330)と、レオン・ラッセルも参加した覆面バンド、エリミネイターズの『Liverpool! Dragsters!! Cycles!!! & Surfing!!!!』(71334)が世界初CD化だ。ただグレン・キャンベル、レオン・ラッセルといっても、この当時はみなスタジオ・ミュージシャンだったので、ハル・ブレインやトミー・テデスコ、ジョー・オズボーンなどのレッキングクルーと一緒が多く、今となっては豪華メンバーで作られているということになる。前者はサーフィン・ミュージックとは言い難く、後者もマージービートのカバーという意欲は伺えるが出来はちょっと...なのだが、コレクターは外せない。他ではベンチャーズのプロデューサーとして知られるジョー・サラセーノがプロデュースしたマーケッツの『The Surfing Scene』(71333)と、T.ボーンズの最初期のアルバムである『Boss Drag』(71329)があるが、どちらもインスト・アルバムながら、リード・メロディをサックスが吹くのでダサい感じが否めない。その点、名サーフィン・ギタリスト、リッチー・パドラーことリッチー・アレン&ザ・パシフィック・サーファーズの『The Rising Surf』(71331)、『Surfer's Slide』(71332)は、リッチーのリード・ギターが炸裂するエレキ・インストで内容はこちらが遥かに上。曲も大半がリッチーのオリジナルで、この当時からその才人ぶりが伺える。(佐野)
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