さて、本題に戻ろう。ボーナス・ディスクは12曲。個人的に最も好みなのは小気味いいロックンロールの「Tillahassee Lassie」で、こういう3コードでハンドクラップが入ると無条件でカッコいいと思ってしまう。ロックの基本だよね。ギターの間奏も難しいことは何もやっていないのにカッコいいぞ。ラテンビートの「Don't Be A Stranger」はアコースティック・ギターとハーモニカ、マリンバの間奏などストーンズの幅広い音楽性が垣間見られ楽しい曲。「I Love You Too Much」もオープンチューニングのコードがガンガンなって、そして一瞬気をひくメロディが飛び出す麻薬みたいな曲だ。カントリーの「Claudine」「Do You Think I Really Love」「You Win Again」、R&Bの「So Young」、美しいバラードの「We Had It All」、ブルースの「When You're Gone」「Keep Up Blues」などバラエティに富んでいて、クオリティの高い曲も多いのにボツにしてしまうのだからストーンズは凄い。これからのリイシューの蔵出しが楽しみになってきた。(佐野)
2011年11月28日月曜日
☆Rolling Stones:『Some Girls(Deluxe Edition』(A&M/278405-5)
ローリング・ストーンズの名作『Some Girls』のデラックス・エディションは、付属のディスク2の全てが未発表曲という超涙もの仕様。アルバム本体の素晴らしさはもう語る必要もないのでボーナス・ディスクのみ紹介しよう。大好きなストーンズだがストーンズ至上主義のロックオヤジは嫌い。ロックを生き方と結び付け、それをゴリ押しする姿勢が不快だ。ポップ的なものを商業主義と断罪し、バカにしているのが情けない。その手の音楽評論家が多いのが音楽雑誌で、例えばビートルズのベストを選ばせればジョンの曲が圧倒的に上位を占め、ヒット曲の7割を書いたポールの曲は下位に低迷する。もちろんジョンは人間的に好きだし曲も好きだが、曲という観点で選べばポールの曲が多くなる。音楽評論家でポールの曲が半数なら信用できるが少数しかいない。だから音楽雑誌はつまらないのでまったく買う気がしない。興味があるのはリストだけだ。ロックは「カッコいい」という主観だけで語るともっとも思いを共有できる。クロマニヨンズの真島昌利さんは「あれ、聴きました?カッコいいですよね」と書いてくるが、その言い方が一番好き。ストーンズの曲はカッコいい。だから好きなのだ。
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