Pages

2011年9月13日火曜日

☆Hollies:『Clark,Hicks&Nash Years』(EMI/50999-096242-2-1)

この超円高は日本の国には大きなマイナスだが、一音楽ファンにとってはプラスである。というのも、輸入盤の価格が驚くほど安くなっているからだ
今まで日本のアマゾンで買ったほうが、送料を計算に入れると安い場合が多かったが、今は送料を別途払ってもアメリカやイギリスのアマゾンで買ったほうが安くなっている。例えば10月にリリースされるフィル・スペクターの7枚組ボックスセットだが、イギリスのアマゾンで買えば送料込み23.89ポンド、3000円程度だ。そして今回紹介するホリーズの6枚組CDは、日本のアマゾンで3406円、これだけでも安い気がするが、イギリスのアマゾンで買ったら送料込み1756円、半額なのである。あまりの安さに信じられないほど。内容はタイトルのとおりホリーズが最も魅力的だったアラン・クラーク、トニー・ヒックス、グラハム・ナッシュが在籍し3人で曲を書いていた1963年4月~196810月の曲が158曲も収められた。そのためヒット曲が網羅されベスト盤としても楽しめるが、しっかり未発表音源も多く収録してくれた。それは「Stewball」「You Know He Did」「We're Through」のフランス語ヴァージョンと、「Stop Stop Stop」「Look Through Any Window」「The Times They Are A Changin'」「On A Carousel」「King Midas In Reverse」「Butterfly」「Jennifer Eccles」「Carrie Anne」の1968524Lewisham Odeonでのライブ。「Butterfly」はバックがレコードと同じオーケストラで、これはオケかもしれない。そして「King Midas In Reverse」のような難しい曲をどうやるかと思ったが、完璧なハーモニーで下地を整え、演奏面では小編成のホーンとフルートが加えられていた。さらに「Carrie Anne」では曲の後半に弦楽器が入っているので、小編成のオーケストラを帯同していたのかも。どちらにせよ、充実したライブである。さらにこのCDでは、色々なCDをかき集めないと揃えられなかったEPのみの曲や1985年の『The Hollies』というアルバム、『Rarities』というアルバムなどに収録されていた「Zip A Dee Do Dah」「Poison Ivy」「When I'm Not There」「What Kind Of Love」「Honey And Wine」「Little Bitty Pretty One」「Look Through Any Window(French)」、さらに2003年の6枚組簿ボックスセット『The Long Road Home』や『At Abbey Road』などに収録されていただけの曲・テイクも収められ、ホリーズファンなら絶対買うべきCDである。こうしてまとめて聴くと、グラハム・ナッシュがいた時代のホリーズは、ポップでビートがあって、メロディがきれいで、まさに私にとってストライクのいいバンドだったんだなと改めて思ったしだい。なお、イタリアのみで発売されたシングル「Non Prego Per Me」「Devi Avere Fiducia In Me」のステレオ・ヴァージョンも初登場だ。(佐野)
 





0 件のコメント:

コメントを投稿