これでカンタベリーの3枚のアルバム、ゲイリー・ゼクリーのイエロー・バルーンとリザ・ミラー、そしてニュー・ウェーブと3枚全てがCD化された。
かつてこの3つのアーティストはそれぞれ『ソフトロックA to Z』で取り上げ、VANDAではカンタベリーレコードの特集を組んだこともあるが、今から15年も前には、
もともとレアなレコードなので存在すら知っている人は稀だった。まったく夢のようで、取り上げておいてよかったなと改めて思う。
さて、このグループはレイド・キングとトム・アンドリオリという無名のミュージシャンのデュオだが、アルバム11曲中、
ミシェル・ルグラン作の「Autrefois」以外の10曲を二人が書いていて、二人の個性が発揮されていた。アルペジオのアコースティックギターから始まり、二人の囁きのようなハーモニーによって歌が綴られ、強いインパクトがある。この抑制された美しさは、ニュー・ウェーブ独自のものと言っていい。
アレンジにはジーン・ペイジ、ドラムにハル・ブレイン、ベースにキャロル・ケイ、ピアノ&ハープシコードはヴァン・ダイク・パークス等とバッキングが豪華なのは、さすがケン・ハンドラーだ。お金もかけているからアレンジがいい。
CDはステレオ&モノに加えてアルバム当時のデモのアセテートから2曲、1968年の1曲、1971年の2曲が加えられ、まさにコンプリート。
ルグランのオシャレな1曲にまず酔って欲しい。残りはカンタベリーでの17枚のシングル盤だが、そこまでやってくれないかな。
(佐野)
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