前作『ジャンクスパイス』から約半年という早いインターバルでのリリースは、彼の溢れる才能を如実に物語っている。では早速紹介しょう。
今作は昨年12月に配信された「はじまりはクリスマス」をはじめ、今年3月と4月に矢継ぎ早に配信されたばかりの「遠い日の手紙」と「僕の女神」のトルプル・シングルを収録した、正にジャンクの現在進行形を聴けるニューアルバムとなった。
ライヴでのお馴染みの強力なミュージジシャンによる洗練されたプレイと、プロデューサーの知野芳彦によるアレンジはジャンク・サウンドの要であり、今作でもより結晶している。
アルバム冒頭の「僕の女神」は、ソングライティングのよきパートナーである神谷洵平との共作で、彼の持ち味がよく出ているキャッチーなコーラスが印象的なポップスだ。ピアノのオブリガートがリチャード・ティーしているのを聴き逃さなかった。
ウーリッツアーのスイートなリフで始まる「この街~meet again~」は、ニューソウル寄りのメロウ・ナンバーで、アコースィック・ギターの刻みとミッドテンポのグルーヴが心地いい。リードギターはデヴィッドT風プレイで筆者的にも今作のベストに挙げたい名曲。
続く「束縛」は一転してベイエリア・ファンク系の流れを汲むタイトなヴァースから、エモーショナルなフックへと展開しジャンクの激しいシャウトが堪能できる。
3月に先行配信された「遠い日の手紙」はストリングを配したスロー・バラードで、前作の「ノスタルジア」にも通じる味わい深いヴォーカルが楽しめる。
毎作楽しみなライヴ音源は、昨年ジェームス・テイラーと感動的な来日公演(筆者もゲントウキ田中君らと鑑賞)をしたキャロル・キングの「I Feel The Earth Move」をチョイスしている。ハードなロック・アレンジには目から鱗で、名テナー・プレイヤー本間将人の熱気を帯びたインター・プレイが花を添える。また1stアルバム収録の「秘密」が新たなアレンジでライヴ収録されているのも嬉しい。以上2曲で一際存在感を放つのが、村上"ポンタ"秀一の国宝級のドラミングであることも記しておく。
ボーナス・トラックは昨年ジャンクが参加した、はっぴいえんどトリビュート・カバー集『CITY COVER BOOK(1983-2010)』から鈴木茂作の「さよなら通り3番地」を収録。ファンキーなジャンク・サウンドで新たな息吹を与えている。
なお今作はタワーレコードにて4月27日に先行リリースされているので、いち早く聴きたい方はそちらをチェックしてほしい。
(ウチタカヒデ)
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