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2010年10月18日月曜日

☆Holy Mackerel:『The Holy Mackerel』(Now Sounds/CRNOW 21)

ポール・ウィリアムスがソロ・デビュー前にグループのメンバーの一員として在籍していたホーリー・マッケレルの唯一のアルバムが初CD化された。
このアルバムでは全12曲中9曲をポールが作詞・作曲に名を連ねており、リード・ヴォーカルも取っていることから、ポール・ウィリアムスの初期作品としての位置づけが正しい。ただ、我々VANDAの人間にとっては、ロジャー・ニコルス書き下ろしの「Bitter Honey」が入っているアルバム-そういう位置づけだ。この曲は作詞にポールも入っているのだが、作曲がロジャーなのでロジャーの曲という認識になってしまう。何しろロジャーの書いた作品の中でも上位に位置する高いクオリティが「Bitter Honey」にある。牧歌的な歌いだしから見事な転調、そしてメロディの輪郭がくっきりしていてとても聴きやすい。ポールのくせのあるヴォーカルも気にならない。そしてこのアルバムには我々ロジャー・ニコルス・ファンにはたまらない贈り物が入っている。10曲のボーナストラックの内、まず5曲がシングルオンリー及びシングル用モノヴァージョン。特にシングルでしか聴くことができない「To Put Up With You」は嬉しい。この曲はポールのソロでもお馴染みなのだが、ホーリー・マッケレルのヴァージョンは貴重だ。ただしイメージは似ている。ベースパターンなんて同じに聴こえる。そして残りの5曲は未発表トラックだ。その中の「Bitter Honey」のデモが入っていて、ゆったりとしたまだストリングスやホーンの入っていないこのデモテイクはまさに同時期にロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムスの二人で作ったデモ・アルバムそのものであり、シンプル故にさらにメロディの良さが際立っていた。そうそう、「Bitter Honey」のデモの次に入っていた「On My Way」というポール作の未発表のデモもいい曲だった。未収録なのがもったいない。なお、mackerelとはサバのことで、直訳すると「祝福されたサバ」になるが、これは「Oh My God!」などと表現。おやまあ!といったところだ。(佐野)
Holy Mackerel








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