DANIEL KWON(ダニエル・クオン)はコリアン・アメリカンのシンガーソングライターで、本作は今月14日にリリースされるファースト・ソロアルバムである。
プロデュースをLampの染谷大陽がプロデュースしたということで早速紹介したい。
本作は昨年韓国BEATBALL RECORDSからリリースされた『LAYIN IN THE CUT』を国内正規流通仕様として、タイトルを『DANIEL KWON』に変えジャケット・デザインも一新したものである。 ダニエルは以前より交流のあったLampのメンバーの誘いで来日し、現在も日本をベースに活動している新鋭アーティストで、レコーディングは2007年の夏に行われている。 同時期Lampは『ランプ幻想』の制作中で、そちらにダニエルはバッキング・ヴォーカリストとして2曲に参加している。 彼がクリエイトする音楽の特徴は、ポップ・ミュージックの中に独特なコード及びスケール感覚を奇妙に同居させていることだろう。
フェイヴァリット・アーティストにエミット・ローズと同列にジョン・フェイヒィを挙げているのも頷ける。なにより超拘り派のLampがメンバー全員で彼をバックアップしていることで、その才能と可能性は計り知れるだろう。
またダニエルとLampはChildrenというユニットも組んでおり、双方単独のサウンドとは異なる煌めきを放っており、そちらの作品の正規リリースも待ち望んでいるのだ。
冒頭の「A Tiger's Meal」はフェイヒィ風のフィンガーピッキングのアコースティックギターの弾き語りを中心に、60年代中期(ビートルズ、トラフィック、ドノヴァンetc)のサイケデリックなコーラス・ギミックをちりばめて一種のトリップ感を高めている。成る程彼の歌声はフェイヴァリットに挙げるエミット・ローズに似ている瞬間があり、ソフトロック・ファンにもアピールしそうだ。
続く「Against the Grain」は『Runt』、「Hope is for hell to Decide」は『A Wizard, a True Star』の頃のトッド・ラングレンをそれぞれ彷彿させるソングライティング・センスだが、ギミックのうっちゃりも一筋縄ではいかない。
冒頭の「A Tiger's Meal」はフェイヒィ風のフィンガーピッキングのアコースティックギターの弾き語りを中心に、60年代中期(ビートルズ、トラフィック、ドノヴァンetc)のサイケデリックなコーラス・ギミックをちりばめて一種のトリップ感を高めている。成る程彼の歌声はフェイヴァリットに挙げるエミット・ローズに似ている瞬間があり、ソフトロック・ファンにもアピールしそうだ。
続く「Against the Grain」は『Runt』、「Hope is for hell to Decide」は『A Wizard, a True Star』の頃のトッド・ラングレンをそれぞれ彷彿させるソングライティング・センスだが、ギミックのうっちゃりも一筋縄ではいかない。
ラストの「Quietly」がアルバム中最もアレンジ的に完成度が高そうだが、後半ジョン・レノンの「I Want You (She's So Heavy)」のように混沌とした演奏とホワイトノイズから一転、カットアップされたピアノ主体の別パートが挿入され、狐につままれた様なエンディングを向かえる。
アルバム全体的に未整理な部分(意図的だろう)があるので、本作をプロデュースした染谷率いるLampの諸作の完璧さとは別次元の作品であることは十分考慮すべきだろう。
ただアーティスティックなダニエルの個性を理解した上で聴くと、非常に面白いアルバムであることは間違いない。こういうアーティストこそ、定石の上で成り立つ洗練さだけを追求した昨今のシーンへ一石を投じる存在として必要なのである。VANDA読者では特に60年代ソフト・サイケ系アーティストが好きなファンに大いにお勧めできるので是非チェックして欲しい。
(ウチタカヒデ)
(ウチタカヒデ)
So sad there's not more of his music
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