2010年7月13日火曜日
☆Al Jardine:『A Postcard From California』&「Christmas Day」(itunes)
ずっと前からアル・ジャーディンのサイトで予告されていたこのアルバムが、突如、i-tunesで発売された。日本のi-tunesで1500円、これが初のitunesでのダウンロードとなった。通常、データのみ買うことってないからね。アルバムは全12曲、まずはグレン・キャンベルもバック・コーラスで参加したタイトル曲からスタートする。アル自作の穏やかなアコースティックな佳曲である。アルは歌がうまい。カールがいない中、マイク&ブルースのビーチ・ボーイズはヘタ過ぎるので、アルがいなければとても足を運ぶ気にはなれないとこの1曲だけで改めて思った。次はブライアンが書いた「California Feelin'」。ブライアンが歌うビーチ・ボーイズ・ヴァージョンに比べ、軽快な仕上がりでこれはこれで魅力がある。アル作の「Looking Down The Coast」はブートではお馴染みだったビーチ・ボーイズの未発表曲。重い雰囲気のビーチ・ボーイズのデモに比べこれも軽快だが、あまり曲が良くない。そしてテリー・ジャックスとアルの曲作の「Don't Fight The Sea」だ。マイナー調のハーモニーが美しい佳曲だが、リード・ヴォーカルがアルとカールであり、バック・コーラスにはブライアン、マイク、ブルースが参加し、まさにビーチ・ボーイズ。メンバーを眺めているだけで楽しい。語りの「Interlude」をはさんで「California Saga」のコーラス部分のみの短い「Campfire Scene」が現れる。クレジットを見ると歌っているのはニール・ヤングとデビッド・クロスビーで驚きだ。そして本体の「A California Saga」が登場する。やはり名曲だ。リード・ヴォーカルは後半、ニール・ヤングなので必聴。さらにバック・コーラスにはデビッド・クロスビーにステファン・スティルスまで加わり、アル+CSYという夢の組み合わせにこれもクレジットを見て嬉しくなってしまった。「Help
Me Rhonda」は、イントロに「Short Shorts」みたいな変なギターが入り、ハーモニカを大きくフィーチャーしたアレンジを施していたが成功していたとは言えない。「San Simeon」は「Don't Worry Baby」のようなハーモニーから始まるアル作の爽やかな佳曲。盛り上がりには少し欠ける。「Drivin'」はアル作のロック・ナンバーで、ブライアンも後半リード・ヴォーカルを取っていた。続いてビーチ・ボーイズの「Honkin' Down The Highway」のカバーだが、この曲でもブライアンがリード・ヴォーカルの一部で参加していて注目だ。ロックンロール・ナンバーだが、ビーチ・ボーイズ・ヴァージョンより軽快で、なかなか魅力的。クロージングはアル作の「And I Always Will」。ピアノを中心に据えた美しいバラードで、感動的にフィナーレを迎える。アルの自然を愛する気持ちがひしひしと伝わってくるなかなかの力作である。なお、itunesでは150円で「Christmas
Day(Single)」もあったのでダウンロードしたが、どこかのライブでリラックスと言えば聞こえはいいが、コーラスは適当だし、売り物か?という印象だ。もちろんビーチ・ボーイズのナンバー。(佐野)
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