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2010年6月28日月曜日

☆Crosby Stills Nash & Young:『CSN&Y 1974 A Long Long Time Ago』(Guitar Legends)DVD

仕様が変わったYou Tubeのコピー方法がようやく解消され、またネットで新しい動画を集めていたら、CSN&Yが再び集まりライブのみを行った1974年のライブの動画がやたらと多く、これはと思ってamazon.co.ukで検索したら出てきましたこのDVDが。

You Tubeはこのパターンが多いので、こうした投稿が多いものはアマゾン(まずは日本、なければアメリカとイギリスで検索すると多く見つかる。海外版は送料を入れても日本盤を買うより断然安い。日本盤は解説がひどいし、字幕以外価値がない。)で調べてみることが大事である

 さて、これまでCSN&Yが揃った映像はCS&Nの『Long Time Comin'』に少し入っているくらいで、ビッグ・サー・フォークフェスティバルは映像にならないし、ウッドストックはいい部分が映像にならないしで、満足出来ない状況が続いていた。ところがこのDVDは凄い。1974年9月14日にウェンブリー・スタジアムで行われたライブが3時間以上、全32曲も堪能できるのだ。初めはエレクトリック、ついでアコースティック、最後はエレクトリック・セットで行われ、4人の曲がほぼ均等に披露される。4人の中で最も好きなニール・ヤングの「Only Love Can Break Your Heart」や「Old Man」などが聴けるのがまずは嬉しいが、グラハム・ナッシュの「Immigration Man」「Military Madness」や「Our House」などが実にウォームフルでよく、ナッシュの曲が個人的にこのDVDのハイライトだったと思う。反面、声がガラガラに鳴るまで歌い、エレキギターの弾き方も乗り乗りのスティーブ・スティルスがちょっとからまわりしている感があった。その中で「Change Partner」みたいなポップな曲をやってくれたのは嬉しかった。デビッド・クロスビーはなんと「Deja VU」が。この曲がライブで聴けるとは思わなかった。(学生時代大好きだった谷村新司の「セイヤング」でのバンバンの「超心理学コーナー」のテーマソングだったの覚えてます?)必ず購入すべきDVDである。(佐野
Crosby Stills Nash & Young - 1974


2010年6月13日日曜日

☆Various:『Ready Steady Go! Volume One & Two 』 DVD

Various:Ready Steady Go! Volume One(In Performance 009) DVD
Various:Ready Steady Go! Volume Two(In Performance 010) DVD

 イギリスBBCの伝説的音楽番組『Ready Steady Go!』がビデオ化され、次いでLD化されたのが1983年、今から27年も前のことになる。当時の音楽番組の映像なんてほとんど見られない時代に、この『Ready Steady Go!』の登場は衝撃で、みな狂喜乱舞したもの。
それから『Ed Sullivan Show』『Shindig』『Hullaballoo』『This Is Tom Jones』『The Andy Williams Show』など、夢に見ていた当時のテレビ番組が次々、DVDなどで見られるようになった。まったくいい時代になったものだが、なぜか『Ready Steady Go!』はほどなく廃盤になってそのままになってしまっていた。長くそう思っていたらイギリスのアマゾンでこのDVDが売っているではないか。さっそく取り寄せてみた。内容は凄い。当時、20曲近く入ったLD3枚、ビートルズの出演シーンばかり集めたものが1枚、モータウンとオーティス・レディングのスペシャルが各1枚の計6枚のリリースだったものが、各7曲で1エピソードになっている当時の放送形態と思われる11エピソードに加え、前述のビートルズだけ集めた『The Special-Beatles Live』とダイアナ・ロス&ザ・スプリームス、テンプテーションズ、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ、スティービー・ワンダー、マーサ&ザ・バンデラスというモータウンの夢のアーティストのスペシャルショー『The Sound Of Motown』、オーティス・レディングをフィーチャーした『Otis Redding Live Special』に加え、初めて見るローリング・ストーンズの登場シーンばかり集めた『The Special-The Rolling Stones』が加わって、3割くらい見たことのないライブが入った貴重な映像集になった。
ただ惜しむらくは画質が悪い。ブートレベルといっても過言ではない。LDのものと見比べてみたが、悲しいばかりの画質である。
このDVDのハイライトは口パクのビートルズではなく、リアル・ライブのビーチ・ボーイズとローリング・ストーンズだが、そのビーチ・ボーイズの「When I Grow Up」「I Get Around」とローリング・ストーンズの「Satisfaction」は名演なので、いい画質で収録して欲しかった。その荒っぽさが最高にカッコよかったストーンズの「Satisfaction」だが、このDVDで初めて知ったがその前に「Oh! Baby We Got A Good Thing Going」「That's How Strong My Love Is」の2曲をやはりリアル・ライブで演奏しており、女の子がミックやキースに抱きついてキスしたり、女の子にもみくちゃにされたり、当時の熱狂をたっぷりと味わうことができた。その他でも「I Am Waiting」「Around Around」がこのDVDが初登場だった。完璧と思われたビートルズもヘレン・シャピロの「Look Who It Is」で、ジョン、リンゴ、ジョージが順番で歌の相手として(歌わないが)登場し、これも貴重なシーンだった。画質はともかくとして必ず購入すべきDVDであることは間違いない。(佐野)
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2010年6月9日水曜日

☆ブルーハーツ:『THE BLUE HEARTS on TV DVD-BOX』(オフィスM4/MMMM1001-5)

凄すぎて言葉にならない。このDVDは、まだデビュー前の1986年にブルーハーツに惚れこんだ飛鳥映像のスタッフが制作したテレビ東京の「SUPER MAGAZINEすばらしき人生」(超貴重。梶くんが参加した初ライブ)から始まって、伝説の87年の「夜のヒットスタジオ」での「リンダリンダ」から、94年の3度目のUSAライブでの「リンダリンダ」まで、NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、TVKWOWWOWと全ての日本のテレビ局が協力して、数少ないブルーハーツのテレビで放送されたライブをDVD5枚(WOWWOWのライブ放送2枚があるので、実質は3枚)に集めた、ブルーハーツのファンにとっての夢が実現したのである。
見始めたらもう止まらない。見たこともない映像も多く、インタビューシーンも多くあり、釘付けになってしまった。だからもう朝の5時過ぎだ。会社があるのに...。でもダメだ。止められない。大好きなブルーハーツ、それもまだぎこちないブルーハーツにも出会えて嬉しくてたまらない。真島さんに感想、伝えたいし。
ブルーハーツを出会ったのはちょっと遅い1990年。その5年後にブルーハーツが解散して、ヒロトとマーシーはずっとコンビでハイロウズ、クロマニヨンズを結成し今に至るわけだが、ずっと追い続けている自分はもう20年もファンを続けているわけだ。リズム隊のテクニックが弱かったブルーハーツに比べ、ハイロウズ以降は完璧なロックバンドに進化、歌詞の内容も素晴らしく「十四才」「千年メダル」「月光陽光」「罪と罰」など歌詞も演奏も非の打ち所がない名曲が並ぶ。
でも、ブルーハーツは演奏が完璧じゃないけど、そのヒリヒリとした、切ないまでの歌詞に込められた思いが、今、聴いても色褪せるどころか、グサグサと胸に突き刺さり、聴いているだけで、何度も数え切れないほど聴いた曲なのに、聴いていて涙ぐんでしまう。ブルーハーツのファンならこの気持ちはわかるはず。ブルーハーツの曲は自分にとってかけがいのないもので、常に自分の力になってきた。「どうにもならない事なんて どうにでもなっていい事」なんて言葉は何度自分で繰り返したか。ヒロトとマーシーは人が弱いことを受け止めながら、「あなたは世界でただひとりのかけがいのない存在なんだよ、理解してもらえないことがあるだろうけど仕方がない。自分のやり方でいいんだよ。」とメッセージを送ってくれるので、数え切れないほどの人が支えられてきた。歌詞を重視してこなかった洋楽ファンの自分にとって、ブルーハーツだけが、言葉の力を感じさせてくれた。
そんなブルーハーツの映像で、気に入ったのはまず88年のNHK「ヤングスタジオ101」でも「キスしてほしい」と「リンダリンダ」。セットがファーストアルバムそのもので新鮮、演奏も歌も全てが初々しい。91年のNHK「Mega Rock Show」の「情熱の薔薇」「人にやさしく」もいいライブだ。デーモン小暮の日本テレビの番組「ロック鳴缶」(92年)に呼ばれて「皆殺しのメロディ」「Too Much Pain」を歌うが、この組み合わせも凄いが、番組の最後に「今日はやりにくかった。もっと気をきかせてくれたりとか、おだててくれたりとか、色々して欲しかったです」と言うヒロト、なかなか面と向かって言えないな。そして94年のNHKBS2のライブ「Just Live」では、ヒロトが「夢」の最後で、「あれもしたいこれもしたい...」という歌詞を歌いながらマイクをンのように握ってしごくところがずっと映っていて、BSとはいえ、NHKなのにやってくれるじゃんと思ったしだい。そして山本晋也監督との真面目な受け答えのインタビューを交えての92年のNHKでの「音楽達人倶楽部」は、歌はアドリブを押さえて正確に歌いながら、パフォーマンスはいつにも増して障害者風(そう書いていいのかな...)が増強されていて、NHK総合放送で10時から放送されたため、ここでブルーハーツを初めてみた人からNHKに電話が殺到したという。歌がいいし、ビルの屋上風のセットもいいし、このボックスの中でも最も気に入ったライブになった。曲も「情熱の薔薇」「人にやさしく」「青空」「闘う男」「TRAIN-TRAIN」「リンダリンダ」「TOO MUCH PAIN」と7曲もあり、大満足。そして88年のテレビ朝日「HITS!」は、ブルーハーツの原点といえる新宿LOFTにファンクラブの人を招待して「未来は僕等の手の中」「チェルノブイリ」「TRAIN-TRAIN」「リンダリンダ」を歌うが、そのメンバーと観客の近さ、その熱さで、ライブとしては最高のものになった。そしてその最後に新宿の公園で、マーシーと河ちゃんのアコースティックギターと梶くんのタンバリンをバックにヒロトが「ラブレター」を歌うが、メンバー全員が満面の笑顔で、見ている我々も幸せな気持ちになった。この映像が本DVDのベスト。結局仲たがいしてしまったブルーハーツだけど、この時は本当に仲が良かったなんだと、なんだか嬉しくなってしまった。