この4枚組、計101曲のCDは副題のLos Angeles Nuggets:1965-1968というタイトルのとおり、この年代、特に西海岸の有名・無名アーティストのナンバーを、とにかく集めまくったというアルバムである。
有名アーティスト(VANDA間で有名なアーティストも含む)の曲は、どういう視点で集めたのかまったく分からない選曲であり、またほとんどCD化されたナンバーなので、価値といえばRhinoらしい写真入の素晴らしい曲紹介になるだろう。もっともこれだけでも十分価値がある。この中で完全未発表の曲は、Stephen Stills & Richie Furayの「Sit Down I Think I Love You」の1966年6月録音のデモ。音は良くないし、アコースティック・ギターだけをバックにした完全でデモだが、バッファロー・スプリングフィールド時代の貴重な録音なので歴史的価値は十分だ。そんな中、よく見たらカート・ベッチャーがプロデュースしたOracleのシングル「Don't Say No」が入っているではないか。もちろん初CD化で、このサイケデリックな雰囲気がアルバム全体のイメージと合っているのだろうが、肝心なカップリングのA面曲「The Night We Fell In Love」が落とされてしまった。この曲は同じくカート・ベッチャープロデュースのソフトロックの超名曲で、Star digioでの放送が10年を超えた(先日、放送120回を突破)Radio VANDAの、あのテーマ・ソングなのである。この曲を入れずにウラのサイケ曲の方を入れるアメリカのコンピレーターのセンスは最低だ。(佐野)
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