2010年3月4日木曜日

☆Small Faces:『Small Faces+13』(ユニバーサル/UICY94169)☆Small Faces:『There Are But Four Small Faces+15』(ビクター/VICP70111)

昨年のCDを今更紹介というのはお恥ずかしいことだが、「いつもの紙ジャケの出しなおし」と高を括っていたのが大間違い、今まで一度もCD化どころか当時のリリース以外一回もリイシューされたことのない音源が全て収録されていた驚異の企画が今回のリイシューだった。
まずは『Small Faces13』から。この中で、私が敬愛する犬伏功さんの手による、未だに入手できないフレンチEPが都市伝説だったとする素晴らしいライナーがあったのでそこから紹介しよう。今までボーナストラックで愛聴していたフィードバックギターから始まる「What'cha Gonna Do About It」や「Shake」「Hey Girl」は全てEPなんかに入っていたものではなく、70年代にフランスでリリースされたLPThe Small Faces』(DiscAZ STEC112)で登場したもので、ここにはCDAlternate Versionと表記されていた別テイクの「You Bettter Believe It」「Own Up Time」「Take This Hurt Off Me」「Baby Don't You Do It」も入っていて、別テイクの嵐のコンピだったという。1996年のリイシューの時に前者はみなFrench EP Versionと誤表記されていたので、この都市伝説が広がってしまったのだそうだ。(「E Too D」のFrench...と表記されたものは米盤コンピLPBy Appointment』で登場したもの)正真正銘のフレンチEPはお馴染みの「Come On Children」と「Don't Stop What You Are Doing」の2曲だけという。ではこれからが初登場音源。それはその「Don't Stop What You Are Doing」(French EP Version)で、イントロのギターのリフからサウンドが違うので一発で分かる。演奏がLPヴァージョンと比べてずっと大きくミキシングされているので迫力がある。歌い方もだいぶ違っていて、エンディングのリード・ヴォーカルはオフィシャルに比べて流す感じでバックコーラスが目立ちフェイドアウトは10秒も長い。もうひとつは私も間違えてフレンチEPとしていた「What's A Matter Baby」(Alternate Version)で、印象は似ているが、こちらはコーラスがほとんど聴こえず、エンディングのリード・ヴォーカルの歌い方が明らかに違う。なおこちらは先のフランス盤LPコンピで登場したものだそうだ。このデッカのSHMCDはいったん売り切れたので4月に再プレスとなる。
もうひとつはイミディエイトなので違うシリーズでリリースされた『There Are But Four Small Faces15』。このアメリカリリースのコンピ盤のボーナストラックにはエンディングのピッチが下がらないで終わる「Here Comes The Nice」(US Single Version)が入り、これは初リイシュー。またスタンリー・;アンウィンの語りをカットして編集した「Mad John(US Single Version)もおそらく初リイシューだ。加えて他のコンピCDには入っていた「Wham Bam Thank You Mam」のまったくの別テイク(歌がハモッている)でイタリアシングル化されたヴァージョンが「Me You And Us Too」のタイトルで収録された。さらにP.P.Arnoldをリード・ヴォーカルに据えたコラボ曲「Groovy(Alternate Take By P.P.Arnold With Small Faces)も収録されたが、これは後述のCDでも聴ける。
今回の一連のリイシューで収められなかったスティーブ・マリオットのソロであるMoments名義の「You Really Got Me/Money Money」やジミー・ウィンストンの幻のセカンドソロシングル、Wisnton's Fumbs名義の「Real Crazy Apartment/Snow White」はRepertoireからリリースされた『The Definitive Anthology Of The Small Faces』のCDでしっかり聴けるのでお忘れなく。(佐野)

スモール・フェイセス+13ゼア・アー・バット・フォー・スモール・フェイセス+15(紙ジャケット仕様)





 

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